BPMの対象業務
BPMが対象とする具体的な業務プロセスは、産業や業種により異なってきますが、基本的には商品やサービスを開発したり販売するといった基幹業務のプロセスと、会計や財務、人事、研修と言った支援業務プロセスに区別できます。
また、基幹業務プロセスと支援業務プロセスを結びつける業務プロセスとして、経営管理プロセスも存在します。
BPMが対象とするプロセスは上記のように分類でき、一気に全ての業務プロセスにBPMを導入するか、着手し易いプロセスから導入するかは企業の状況により異なってきます。
BPMを導入した場合のメリット
まず、業務プロセスの可視化により、業務プロセスの課題を見つける事ができ、改善策を検討することが可能になります。
次に、ビジネスプロセスを変更しやすくでき、またプロセスの追加も容易になるため、ビジネス環境の変化や新規立ち上げが効率的になります。
そして各業務間ごとに連携プログラムを開発するよりも、BPMツールを利用した方が、開発コストを抑えることができます。
BPM導入の成功例
BPM導入を成功させるポイントは、着手しやすいプロセスから改善し、継続的に効果を広げていくことです。
ある企業では、間接費等の削減を目標にして会計システムからBPMを導入しましたが、間接費の明細が容易に確認できる様になった効果が出たことで、BPMを販売や購買に応用していき、さらに生産管理にも広げていきました。
また別の企業では、業務改革のために基幹システムを全面的に置き換え、ERPパッケージの標準機能だけを使うとしましたが、それだけでも業務効率をしっかりと向上させることに成功しました。
BPM導入で検討しておくべき事
- ●基幹システムとの位置関係
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既存のERPにBPMを追加的に実施するのか、あるいはこれからBPMの要素として新たに導入するのかといったことを明確にしておきます。
例えば前者であれば、既存のERPと親和性の高いBPMツールを選択することで、工数基幹も短めになりますが、後者の場合は大がかりなプロジェクトとなる可能性があります。
- ●BPM運用の対象
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内部統制拡充のための全プロセスなのか、あるいは経営上重要な特定のプロセスに絞るのかにより、BPM導入のアプローチが異なってきます。
- ●BPMツールの種類
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BPMツールにはプロセスの可視化を得意とするドローイング系ツール、ワークフロー系ツール、EAIから発展したツール、また分析やモニタリングが得意な系列のツールなどがあります。
これらのBPMツールから、企業が置かれた状況や予算に適合したツールの選択が必要になります。
- ●現場スタッフへの教育
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現場のスタッフ達への啓蒙活動や研修、マニュアルなどの整備が必要です。特に業務プロセスの変更には、現場は抵抗感がありますので、十分な説得と研修内容の説明が必要になります。
このためには、企業がBPMを導入するための根拠や動機を明確に示し、また、プロジェクトへの貢献度が人事考課面で配慮されることも示すことが、BPM成功には必要になってきます。