CASBの料金が製品ごとに異なる理由
CASB(Cloud Access Security Broker)は、クラウドの利用状況の把握から制御、データ保護まで幅広い機能を持つ製品群です。提供される機能の範囲や課金の単位が製品ごとに異なるため、料金を比べる前に、どのような要素で金額が決まるのかを把握しておきましょう。
主な料金体系の種類
クラウド型CASBの料金は、利用するユーザー数に応じて月額や年額を支払う形式をとる製品が見られます。このほか、可視化のみ、制御やDLP(機密情報の検知)まで含むといった機能別のプランを設けている製品もあります。SASE(ネットワークとセキュリティを統合したサービス)の一部として提供される製品も選択肢です。
料金をWebサイトで公開せず、個別見積もりとしている製品もあります。そのため、公開価格だけで比較せず、同じ条件で見積もりを依頼して比べることが大切です。
料金を左右する要素
CASBの料金に影響する主な要素は、ユーザー数、必要な機能の範囲、監視するクラウドサービスの数、ログの保管期間、サポートの内容です。例えば、可視化だけで足りるのか、ファイルのアップロード制御やDLPまで必要かによって、選ぶプランが変わる場合があります。
また、契約期間を年単位や複数年でまとめると、月単位の契約より単価が変わる製品もあります。どの要素が費用を押し上げているのかを見積もりの内訳で確認しましょう。
クラウド型CASBの月額費用を見積もる手順
CASBの月額費用を把握するには、自社の条件を整理したうえで見積もりを依頼する流れが基本です。ここでは、見積もり前に整理したい情報と、従業員50名規模を例にした年間費用の試算方法、内訳の確認ポイントを紹介します。
見積もり前に整理する情報
見積もりを依頼する前に、CASBで管理するユーザー数、主に利用しているクラウドサービス、必要な機能、希望する契約期間を整理しておきます。条件が曖昧なまま依頼すると、製品ごとに前提が異なる見積もりが届き、比較が難しくなるためです。
あわせて、現在利用しているセキュリティ製品やID管理の仕組みも伝えておくと、既存の環境と連携できるかを含めた提案を受けやすくなります。各社に同じ条件を伝えることが、公平な比較につながります。
50名規模の年間費用の試算方法
ユーザー単位で課金される製品の場合、年間費用は「1ユーザーあたりの月額×ユーザー数×12か月」で試算できます。仮に1ユーザーあたり月額1,000円の製品であれば、1,000円×50名×12か月=60万円が年間のライセンス費用の目安です。
ここで示した単価はあくまで計算例で、実際の単価は製品や契約条件により異なります。ライセンス費用に加えて、初期費用や導入支援費がかかる場合もあるため、合計額で比べるようにしましょう。
見積もりで確認したい費用の内訳
見積もりを受け取ったら、ライセンス費用、初期費用、導入支援費、サポート費用、ログ保管の追加費用といった内訳を確認します。合計金額が近くても、含まれる項目が異なれば、実際の負担は変わるためです。
最低契約ユーザー数が設けられている製品では、50名に満たない企業でも最低数分の料金がかかる場合があります。ユーザーが増えた場合の単価や、途中で追加する際の手続きもあわせて確認しておきましょう。
安さだけでCASBを選ばないための確認点
費用を抑えたい場合でも、料金の安さだけでCASBを選ぶと、必要な機能が足りず追加費用や手作業が発生する可能性があります。価格と機能のバランスを判断するための確認点を、3つに分けて整理します。
低価格プランで制限される場合がある項目
低価格のプランでは、制御できるクラウドサービスの数、ログの保管期間、DLPの検知ルール数、サポートの対応時間などに制限が設けられている場合があります。導入後に制限に気づくと、上位プランへの変更が必要になり、結果的に費用が増える可能性があります。
プランを比べる際は、自社で必要な機能が含まれているかを一覧表にして確認しましょう。将来的に必要になりそうな機能を追加する際の費用も、見積もりの段階で聞いておくと安心です。
コストパフォーマンスを測る基準
コストパフォーマンスを判断するには、料金だけでなく、導入によって減らせる作業時間やリスクとあわせて考えます。例えば、手作業で行っていた利用状況の棚卸しやレポート作成にかかる時間が、どの程度短縮できるかを試算してみましょう。
そのうえで、必要な機能を満たす製品同士で、年間の総費用を比べます。機能が多い製品でも、使わない機能が多ければ費用対効果は下がるため、自社の課題に対応する機能に絞って評価することが大切です。
既存ライセンスや周辺ツールで補える範囲
費用を抑える方法として、すでに契約しているサービスの機能を確認することも有効です。利用中のグループウェアやセキュリティ製品のプランに、クラウドアプリの利用状況を可視化する機能が含まれている場合があります。
また、SaaSのアカウント管理を主な目的とするなら、SaaS管理ツールで要件を満たせるケースもあります。ただし、通信の制御やDLPまで必要な場合は対応範囲が異なるため、既存の機能で足りない部分を明確にしたうえでCASBの導入を検討しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCASBの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
無料トライアルを活用したCASBの比較
CASBの中には、無料トライアルや検証期間を設けている製品があります。料金を払う前に自社の環境で動作を確かめられるため、費用面の判断材料としても役立ちます。トライアルで確認したい項目と注意点を紹介します。
トライアルで確認したい項目
トライアルでは、自社で使っている主要なクラウドサービスを検出・制御できるか、管理画面の操作に迷わないか、アラートの量が運用できる範囲かを確認します。可視化の結果から、想定していなかったサービスが見つかるかどうかも、導入効果を測る材料です。
また、トライアル期間中にサポート窓口へ問い合わせ、回答までの時間や説明のわかりやすさを確かめておくと、契約後の運用をイメージしやすくなります。
トライアルを申し込む際の注意点
無料トライアルの有無や期間、利用できる機能の範囲は製品によって異なります。有償版の一部機能が使えない場合もあるため、確認したい機能がトライアルの対象に含まれるかを事前に問い合わせましょう。
トライアルでは、本番の業務に影響が出ないよう、対象のユーザーや部署を限定して実施すると安心です。トライアル終了後に自動で有償契約へ移行するかどうかや、検証で取得したデータの扱いも、申し込みの前に確認しておきます。
CASBの費用情報を集める方法
CASBの料金相場をつかむには、公開されている情報と、資料請求や見積もりで得られる情報を組み合わせることが近道です。それぞれの情報源から確認できる内容と、効率よく情報を集めて見積もりの比較につなげる際のポイントを整理します。
公開されている料金情報の見方
製品の公式サイトやIT製品の比較サイトでは、料金プランの概要や最低料金が公開されている場合があります。ただし、表示されている金額が税込か税抜か、最低契約数や契約期間の条件があるかによって、実際の費用は変わります。
公開価格を比べる際は、金額の横に記載された条件や注記まで確認しましょう。料金が非公開の製品も含めて比較するには、資料請求で各社の料金体系やプランの違いをまとめてそろえるのが効率的です。
資料請求と見積もり依頼の進め方
まずは資料請求で複数製品の機能と料金体系を把握し、候補を3社程度に絞り込みます。そのうえで、ユーザー数や必要な機能、契約期間といった同じ条件を伝えて見積もりを依頼すると、金額を公平に比べられます。
見積もりの有効期限や、値引きの条件がある場合はその内容も記録しておきましょう。社内の承認を得る際に、比較の根拠として提示できます。複数年契約を検討する場合は、更新時に単価が見直される条件があるかも確認しておくと安心です。
料金体系とあわせて確認したいCASB関連製品
費用を比べる際は、料金だけでなく機能の範囲や提供形態もそろえて確認することが大切です。見積もりの条件をそろえて比較したいCASB関連製品を紹介します。
CYGIENE ECAP(サイジーン イーキャップ)
- 社内外問わず、インターネットアクセスを保護、不正な通信は遮断
- クラウドサービスやWebサイトへのアクセスをAIが自動識別&分類
- 国産・自社開発だから提供できる、日本語・日本時間・日本円
スカイゲートテクノロジズ株式会社が提供する国産ゼロトラストセキュリティ『Cygiene(サイジーン)』は、CASB、SWG、SIEMなどの機能を一元的に提供するセキュリティサービスです。複数のセキュリティ製品を個別に導入・運用する負担を抑える構成のため、料金は含まれる機能の範囲とあわせて比べるとよいでしょう。提供形態はクラウド、SaaS、アプライアンスに対応しています。見積もりを依頼する際は、個社別カスタマイズサービスの要否も伝えておきましょう。
マネーフォワードAdmina
- エージェントレスで社内のシャドーITを簡単検知
- 監査ログ、ブラウザ拡張、会計システムからの多段検知を採用
- 90000 SaaSのDBと検知SaaSをマッチング。日本のSaaSにも多数対応
マネーフォワードi株式会社が提供する「マネーフォワードAdmina」は、社内で利用しているSaaSを可視化するサービスで、SaaSの家計簿サービスと位置づけられています。契約したまま使われていないアカウントを洗い出せるため、SaaSにかかる無駄なコストの削減に役立ちます。エージェントレスでシャドーITを検知できます。監査ログやブラウザ拡張、会計システムからの多段検知を採用しています。料金は問い合わせで確認する形式です。
Forcepoint ONE (株式会社日立ソリューションズ)
- 社内クラウドの利用状況とリスクを可視化。
- ポリシーでアクセス操作をリアルタイム制御
- エージェント不要で導入、既存環境と連携。
Netskope CASB (Netskope Japan株式会社)
- 高度なDLP機能で機密情報の漏洩を徹底防止!
- ATPエンジンを強化しマルウェアや高度な脅威を排除!
- 場所やデバイスにとらわれないトラフィック制御を実現!
Proofpoint CASB (日本プルーフポイント株式会社)
- あらゆる場所で働く従業員のためのクラウドセキュリティ!
- 脅威に対する包括的な機密情報の保護を徹底!
- 不適切なクラウド利用による情報漏えいの防止!
Prisma SASE (Palo Alto Networks, Inc.)
- 包括的なセキュリティ機能で全てのユーザーと資産を保護。
- AIで高度な脅威に対応し、運用を簡素化します。
- ハイブリッドワークやゼロトラスト対応の柔軟な構成
Bitglass (Bitglass)
- ゼロトラストに基づき、常にあらゆるアクセスを検証。
- 単一プラットフォームでセキュリティ機能を統合。
- シャドーIT、マルウェア、データ損失から包括的に保護。
まとめ
CASBの費用は、料金体系やユーザー数、必要な機能の範囲によって変わり、料金を公開していない製品もあります。年間費用は「単価×ユーザー数×12か月」を目安に、初期費用や導入支援費を含めた合計で比べることが大切です。
無料トライアルで動作を確かめつつ、複数製品の資料請求で同じ条件の情報をそろえ、費用と機能のバランスが自社にあうCASBを比較検討してください。

