CDNの料金を決める主な要素
CDNの料金は、基本料金だけで決まるものではありません。どれだけのデータを配信したか、どれだけの回数アクセスがあったか、どの地域へ配信したかなど、複数の要素の組み合わせで決まります。主な3つの要素を確認しましょう。
データ転送量に応じた料金
CDNの料金で中心となるのが、配信拠点から利用者へ送ったデータの量に応じた転送量課金です。1GBあたりの単価が設定され、月間の転送量に単価をかけた金額が請求される仕組みを採用する製品が多くあります。
転送量が増えるほど単価が下がる段階制を採用している製品もあります。画像や動画を多く配信するサイトほど転送量が大きくなるため、サイトの性質によって費用の差が大きく開く点に注意しましょう。
まずは現在のサーバの転送量を確認することが試算の第一歩です。
リクエスト数と配信地域による単価の差
転送量とは別に、利用者からのリクエストの回数に応じて料金がかかる製品もあります。小さな画像を大量に配信するサイトでは、転送量が少なくてもリクエスト数が多くなり、費用に影響する場合があります。
また、配信先の地域によって単価が異なる料金体系もあります。北米や欧州は比較的単価が低く、南米やオセアニアなどは高めに設定されている例があります。日本向けの単価が北米より高い製品もあるため、海外向けの配信がある企業は地域ごとの利用量を把握し、資料で単価を確認しましょう。
オプション機能や支援サービスの費用
WAFやボット対策、画像変換、ログの長期保存、動画配信といった機能は、基本料金とは別のオプションとして提供される場合があります。オプションの料金も、月額固定やリクエスト数に応じた従量など、製品によって計算方法が異なります。
さらに、初期設定の支援や運用代行、優先サポートなどのサービスを利用すると、追加の費用が発生する場合があります。見積もりを依頼する際は、必要な機能やサービスを明記し、含まれる範囲を確認しましょう。
CDNの料金プランの種類と特徴
CDNの料金プランは、使った分だけ支払う従量課金型、毎月の料金が決まっている定額型、年間の利用量を約束して単価を下げる年間契約型に大きく分けられます。自社の利用量の変動の大きさや予算の立て方によって、適したプランは異なります。それぞれの特徴を表にまとめました。
| プランの種類 | 特徴 |
|---|---|
| 従量課金型 | 転送量やリクエスト数に応じて毎月の料金が変わる |
| 定額型 | 一定の範囲内であれば毎月の料金が固定される |
| 年間契約型 | 年間の利用量を約束する代わりに単価の割引を受けられる |
従量課金型のプラン
従量課金型は、クラウド事業者が提供するCDNなどで採用されている料金体系です。初期費用や最低利用料金がかからない場合もあり、アクセスの少ないサイトでは、月額費用を低く抑えられるケースもあります。
一方で、アクセスが急に増えた月は請求額も増えるため、予算の管理には注意が必要です。利用額が一定額を超えたときに通知する機能があるか、管理画面で日ごとの利用額を確認できるかもあわせて確認しましょう。
定額型のプラン
定額型は、毎月の料金が固定されているため、予算を立てやすい点がメリットです。プランごとに利用できる機能やサポートの範囲が決まっていて、上位のプランほど高度な機能を利用できる構成が見られます。
ただし、定額の範囲を超えて利用した場合に追加料金が発生するのか、配信速度が制限されるのかは製品によって異なります。利用規約の中で、転送量の目安や公正利用に関する条件が定められていないかを確認しておきましょう。
年間契約型のプラン
年間契約型は、大量のトラフィックを扱う企業向けに、個別の見積もりで提示されることがある料金体系です。年間の利用量を約束することで、従量課金型よりも単価が下がる場合があります。
注意したいのは、約束した利用量を下回っても、その分の料金が請求される場合がある点です。反対に上回った場合の超過単価も確認が必要です。
過去の利用実績をもとに、無理のない利用量で契約しましょう。契約期間中に利用量を見直せるかどうかも、交渉の際に確認しておきたい点です。
安さだけで選ばないCDNのコスパの見方
CDNを選ぶ際、月額料金の安さだけで判断すると、必要な機能が足りずに追加費用がかかったり、運用の手間が増えたりする場合があります。安いCDNで確認したい制限と、コスパを判断するための基準を紹介します。
安いCDNで確認したい制限
料金が安いCDNや無料プランでは、サポートがメールのみであったり、キャッシュ(一時保存したデータ)の削除回数や設定できるルールの数に上限があったりする場合があります。独自ドメインのSSL証明書の利用に追加費用がかかる製品もあります。
また、配信拠点が特定の地域に限られている場合は、利用者の地域によって効果が出にくい可能性があります。安さの理由がどこにあるのかを資料で確認し、自社に必要な条件を満たしているかを判断しましょう。
コスパを判断する基準
CDNのコスパを判断するには、料金だけでなく、導入によって得られる効果と運用にかかる手間をあわせて考えることが大切です。例えば、表示速度の改善やサーバ費用の削減、障害対応の工数の減少などが効果として挙げられます。
月額料金が高くても、サーバの増強が不要になったり、運用の手間が減ったりすれば、全体の費用は下がる可能性があります。導入前後で比較する項目を決めておき、効果を数値で確認できるようにしておきましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でCDNの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
無料枠やトライアルを使ったCDNの試し方
CDNの中には、一定の利用量まで無料で使える無料枠や、期間限定で機能を試せるトライアルを提供している製品があります。本契約の前に試すことで、料金の見積もり精度を高め、導入後のミスマッチを減らせます。
無料枠と無料プランの範囲
無料枠は、毎月一定の転送量やリクエスト数まで料金がかからない仕組みです。無料プランは、機能や利用量に制限がある代わりに、継続して無料で利用できるプランを指します。
どちらも、商用サイトでの利用が認められているか、サポートを受けられるか、利用量の上限を超えた場合にどうなるかを確認しておくことが重要です。上限を超えると自動的に課金が始まる場合もあるため、利用額の通知設定もあわせて行いましょう。
トライアルで確認したい項目
トライアル期間中は、自社サイトの一部をCDN経由で配信し、表示速度の変化や転送量を計測しましょう。実際の転送量がわかれば、本契約後の月額費用をより正確に見積もれます。
あわせて、管理画面の操作性やキャッシュ削除の反映時間、問い合わせへの回答の速さも確認したい項目です。トライアルの期間は製品によって異なるため、検証の計画を立ててから申し込むと、限られた期間を有効に使えます。トライアル終了後に自動で有料契約へ移行するかも確認しましょう。
50名規模の企業のCDN年間費用を試算する
CDNの年間費用は、利用量と単価がわかれば自社で概算できます。ここでは、従業員50名規模の企業がコーポレートサイトと採用サイトを運営しているケースを想定し、試算の手順を紹介します。数値はあくまで仮定のため、自社のデータに置き換えて計算してください。
試算に必要なデータの集め方
年間費用を試算するには、月間の転送量とリクエスト数、配信先の地域の割合が必要です。現在利用しているサーバの管理画面やアクセスログ、アクセス解析ツールから、過去数か月分のデータを集めましょう。
キャンペーンや採用の時期など、アクセスが増える月があれば、その月の数値も確認しておきます。平均値だけで試算すると、繁忙月の請求額を見誤る可能性があります。今後のサイトの拡大予定も、見積もりの前提として整理しておきましょう。
試算例と見落としやすい費用
仮に、月間の転送量が500GBで、1GBあたりの単価が15円の製品を利用する場合、月額の転送量課金は500GB×15円=7,500円です。年間では7,500円×12か月=90,000円が目安となります。単価は製品や契約によって異なるため、実際の金額は見積もりで確認してください。
この金額に、リクエスト数の課金やWAFなどのオプション費用、証明書の費用が加わる場合があります。制作会社に設定を依頼する場合は、その作業費も年間費用に含めて比較しましょう。
料金体系の違いで比べたいCDNサービス
月額定額制や従量課金制など、料金の考え方が異なるCDNサービスを紹介します。見積もりを取り寄せ、自社の転送量にあうプランを比較してください。
エッジキャッシュCDN
- 限られた予算で効率化・年間予算を決定しやすい月額定額料金採用
- 専門知識不要・設定やチューニングはすべてサポートが実施
- Webサイトやサーバーに変更を加えることなく導入可能
合同会社レッドボックスが提供する「エッジキャッシュCDN」は、月額定額の料金体系を採用したCDNサービスです。毎月の費用の見通しを立てやすく、限られた予算の中で計画的に運用したい企業も検討しやすいでしょう。キャッシュ技術を活用し、Web表示速度の向上や突発的な負荷への対策、CMSなどのセキュリティ強化を図れます。設定やチューニングはサポートが実施するため、社内の運用工数も含めて費用を比べる際の判断材料にもなるでしょう。
KeyCDN (proinity LLC)
- 世界のエッジサーバーを活用した低遅延配信CDN
- HTTP/2・Brotliによる高速化・性能最適化
- APIとSDKで既存インフラやアプリへ容易に統合可能。
IDCFクラウド CDN (株式会社IDCフロンティア)
- 国内外に多数の拠点!居場所を問わず安定した配信が可能!
- ログをリアルタイムで保存!利用者の動向をすぐに掴める!
- 豊富な料金プランでニーズに合った契約ができる!
CloudflareWorkers (Cloudflare Japan株式会社)
- 世界中に分散されたエッジネットワークで低レイテンシーを実現。
- オリジンサーバー不要でインフラ管理を効率化。
- 使った分だけ支払う従量課金制。
Google Cloud CDN (グーグル合同会社)
- Googleのエッジ網でコンテンツを高速配信
- 遅延低減によるウェブ・アプリの性能向上
- キャッシュ活用でサーバー負荷と帯域コストを削減
Amazon CloudFront (アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
- 世界中へ高速・低遅延でコンテンツを配信
- DDoS保護と暗号化でセキュリティを強化
- 従量課金制で配信量に応じた柔軟な料金体系
CDN77 (DataCamp Limited)
- リアルタイムでの詳細なレポートと分析機能を提供。
- API経由でCDN設定の自動化と管理が可能。
- HTTP/3など最新技術をサポート
まとめ
CDNの料金は、転送量やリクエスト数、配信地域、オプション機能の組み合わせで決まるため、一律の相場では判断できません。従量課金型や定額型、年間契約型の特徴を理解し、自社の利用量をもとに試算することが大切です。安さだけでなく、制限の内容や運用の手間も含めてコスパを判断しましょう。正確な費用を把握するために、資料請求をして複数のCDNの料金を比較検討してみてください。

