クラウド構築サービスは自社の課題に応じて選ぶことが重要
クラウド構築を検討する企業の背景には、老朽化や属人化、コストなどさまざまな課題があります。自社が抱える課題を明確にしたうえで構築サービスを選ぶことが、期待する効果につながりやすくなります。
クラウド構築で解決できる代表的な課題
クラウド構築サービスを活用することで、サーバーの老朽化対応や運用の属人化解消、セキュリティ体制の見直しなど、複数の課題に対応できる場合があります。ただし、課題の内容によって重視すべき構成や確認項目は異なります。
例えば、コスト削減を目的とする場合は料金体系の確認が中心になりますが、属人化の解消を目的とする場合は運用ドキュメントの整備や引き継ぎ体制の確認が重要になります。自社がどの課題を優先的に解決したいのかを整理してから相談することで、的確な提案を受けやすくなります。
課題を整理せずに依頼した場合に起こりやすいこと
抱えている課題を明確にしないままクラウド構築を依頼すると、想定していた効果が得られなかったり、別の課題が新たに発生したりする場合があります。複数の課題が絡み合っているケースでは、優先順位をつけて相談することが重要です。
例えば、コスト削減だけを重視して構成を決めた結果、運用の属人化が解消されないまま残ってしまうケースも見られます。課題を洗い出す際は、情報システム部門だけでなく、実際にシステムを利用する現場の意見も取り入れることで、より実態に即した整理がしやすくなります。
オンプレサーバーの老朽化という課題への対応
オンプレサーバーの老朽化は、企業がクラウド構築を検討するきっかけのひとつです。老朽化に伴うリスクを整理したうえで、移行の進め方を検討することが重要です。
サーバー老朽化に伴うリスク
老朽化したサーバーは、部品の調達が難しくなったり、保守サポートの提供が終了したりする場合があります。故障時の復旧に時間がかかり、業務停止につながる可能性がある点も、老朽化のリスクとして挙げられます。
また、古いサーバーはセキュリティパッチの適用が難しくなるケースもあり、外部からの攻撃に対する対策が不十分になる可能性もあります。老朽化への対応を先送りにするほど、移行作業の緊急度が高まり、十分な検討時間を確保できないまま構築を進めることになりかねません。早めに移行計画を立てることが望ましいとされています。
移行時に確認したい視点
オンプレサーバーからクラウドへ移行する際は、既存データの移行方法や移行中の業務影響について具体的に確認することが重要です。段階的に移行できるか、一括で移行する必要があるかによって、業務への影響度も変わります。
あわせて、移行後にオンプレ環境と一時的に併用する期間が必要かどうかも確認しておくとよいでしょう。移行作業の範囲や費用が見積もりに含まれているかを事前に確認しておくことで、移行後に想定外の追加費用が発生するリスクを抑えやすくなります。
クラウド構築の知見不足・属人化という課題への対応
情報システム部門の人員が限られる企業では、クラウドに関する知見が特定の担当者に偏り、属人化が進みやすい傾向があります。構築段階から属人化を防ぐ工夫を取り入れることが重要です。
知見不足・属人化が起こりやすい背景
クラウドの構築や運用には専門的な知識が必要になる場合があり、対応できる担当者が社内に限られていると、その担当者に業務が集中しやすくなります。担当者が異動や退職をした際に、運用が引き継げなくなるリスクも生じます。
属人化が進む背景には、設定内容や運用手順がドキュメント化されていないことも影響します。構築を依頼する段階で、設定内容や運用マニュアルを整備してもらえるかを確認しておくことが、属人化を防ぐ手がかりのひとつになります。
属人化を防ぐための体制づくり
属人化を防ぐには、特定の担当者に依存せず、複数人が運用状況を把握できる体制づくりが重要です。構築時に作成されるドキュメントを社内で共有し、定期的に更新する仕組みを整えることが有効です。
また、外部の構築代行会社に依頼する場合でも、運用のすべてを任せきりにするのではなく、社内担当者が最低限の操作や状況確認を行えるよう、初期段階から研修や引き継ぎの機会を設けてもらうことが望ましいといえます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウド構築の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
セキュリティ設定への不安という課題への対応
クラウド環境はオンプレミスと異なり、設定を誤ると意図しない範囲まで公開状態になる場合があります。セキュリティ設定への不安を解消するには、構築段階での確認が重要です。
セキュリティ設定不安の背景
クラウドサービスは提供事業者側のセキュリティ対策に加えて、利用者側の設定内容によって安全性が左右される場合があります。アクセス権限の設定や通信の暗号化など、利用者側で対応すべき項目が多いことが不安の背景にあります。
特に、社内に専門知識を持つ担当者が少ない企業では、適切な設定がされているかを自社で確認しづらいという課題があります。設定内容が複雑になるほど、意図しない設定ミスが起こる可能性も高まるため、構築段階での第三者によるチェック体制も検討したい項目です。
選定時に確認したいセキュリティ視点
クラウド構築サービスを選ぶ際は、初期構築時にどこまでセキュリティ設定を代行してもらえるか、設定内容を分かりやすく説明してもらえるかを確認することが重要です。設定後の定期的な見直しに対応しているかもあわせて確認したい項目です。
また、セキュリティに関する不安は自社だけで判断せず、情報システム部門や外部の専門家に相談しながら進めることが実行しやすい方法です。構築後も設定内容の変更履歴を確認できる仕組みがあるかを聞いておくと、運用開始後の安心材料になります。
コスト最適化・運用工数削減という課題への対応
クラウド構築サービスを検討する目的として、コストの最適化や運用工数の削減を挙げる企業も多く見られます。目的に応じた確認方法を整理しておくことが重要です。
コストを最適化する視点
クラウドのコストは、利用するリソース量や契約プランによって変動します。使用していないリソースが残っていたり、必要以上に高い性能の構成を選んでいたりすると、コストが最適化されない場合があります。
コストを見直す際は、現在の利用状況を可視化し、実際の利用量にあわせて構成を調整できるかを確認することが重要です。定期的に利用状況をレポートしてもらえるサービスであれば、継続的なコスト管理がしやすくなります。
運用工数を削減する視点
クラウド構築後の運用工数を削減するには、監視や障害通知の自動化、定型作業の自動化に対応しているかを確認することが有効です。手作業での確認作業が多いほど、運用担当者の負担が増える傾向があります。
また、運用工数の削減は一時的な対応だけでなく、継続的な仕組みとして機能するかどうかも重要です。導入時に自動化された仕組みが、担当者の異動後も同様に機能するよう、ドキュメント化や引き継ぎ体制もあわせて整えておくことが望ましいといえます。
BCPと内製・委託の判断という課題への対応
事業継続計画(BCP)を考慮したクラウド構築や、内製と外部委託のどちらを選ぶべきかは、企業が悩む判断軸です。
BCPを考慮した構築の視点
BCPを考慮する場合、災害時にシステムが停止しないよう、複数拠点にデータを分散させる設計や、バックアップの取得頻度を確認することが重要です。復旧までの目標時間を事前に定め、それに対応できる構成かどうかを確認しておくとよいでしょう。
また、BCP対応は構築時だけでなく、定期的な訓練や見直しも必要です。構築を依頼するサービスが、災害復旧訓練や設定内容の定期見直しに対応しているかもあわせて確認しておくと、実効性のあるBCP対策につながりやすくなります。
内製と外部委託の判断軸
クラウド構築を自社の情報システム部門で内製するか、外部の構築代行会社に委託するかは、社内の人員体制や専門知識の有無によって判断が分かれます。内製は柔軟な対応がしやすい一方、専門知識の維持が課題になる場合があります。
外部委託は専門知識を持つ担当者に依頼できる一方、自社の業務内容を正確に伝えられないと、認識違いが生じる可能性もあります。内製と委託のどちらか一方に決めるのではなく、構築は外部に依頼し、運用の一部は内製で行うといった組み合わせも選択肢として検討する方法があります。
課題別に相談できるクラウド構築サービス
老朽化対応や属人化解消、内製化の支援まで、自社が抱える課題にあわせて相談できるクラウド構築サービスを紹介します。どこまで代行してもらえるか、運用ドキュメントを整備してもらえるかも比較の参考にしてください。
株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス
- AWS環境のみならず、OSやミドルウェアまで含めた対応が可能
- 導入後も24時間365日体制でお客様のAWS環境を有人で運用監視
- 構築のみ、運用のみのご相談でも大歓迎
株式会社ディーネットが提供する「株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス」は、AWSの導入設計から構築、運用までを支援するサービスです。老朽化したオンプレサーバーからの移行や、運用ドキュメントの整備を含めた属人化対策を相談でき、社内に専任のクラウド担当者がいない企業でも導入を進めやすい体制が整っています。
AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)
- オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境構築に対応
- 一緒に悩み寄り添いながら全国どこでも対面フォロー
- AWS最上位となる「AWSプレミアティアサービスパートナー」を取得
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)」は、AWSを活用したクラウド構築を支援するサービスです。既存システムからの移行やサーバーレスを活用した開発、導入後の運用保守に加え、将来的な内製化を見据えた支援メニューも用意されており、内製と外部委託を組み合わせた進め方も相談できます。
「さくらのクラウド」構築・運用パック
- データ転送無料メリット最大化。予実管理しやすい定額運用を支援
- 夜間休日も緊急対応まで全て代行。実績に基づいたサポートで安心
- 専門知識、いりません。設計から請求の一元化まで丸投げOK
株式会社フューチャースピリッツが提供する「『さくらのクラウド』構築・運用パック」は、さくらのクラウドを活用したシステム構築・運用を支援するサービスです。要件整理から構築、運用保守までをまとめて依頼でき、専任の担当者が少ない企業でも運用工数を抑えながら導入を進めやすい構成になっています。
SSクラウドシリーズ (SS Technologies株式会社)
- 月額1,000円~の低価格で、初期導入費無料の選択肢あり。
- 賃貸・斡旋業務の複数プロセスに特化したモジュール構成。
- 2025年10月時点で81,695拠点が利用し、不動産業でも採用。
CloudAce (クラウドエース株式会社)
- Google Cloud認定資格エンジニアが多数在籍
- WafCharmでCloud Armorを自動運用。
- 導入1,000社超、GCP Partner of the Yearを7回受賞。
まとめ
クラウド構築サービスは、サーバー老朽化や属人化、セキュリティ、コスト、運用工数、BCPなど、企業が抱える課題によって確認すべき視点が異なります。自社の課題を整理したうえで複数のサービスを比較し、課題解決に直結する提案を選ぶことが重要です。資料請求や相談を通じて、自社に合った進め方を確認してみてください。


