帳票クラウドサービスとは
帳票クラウドサービスとは、クラウド環境上で帳票を作成できるサービスです。作成された帳票は、出力するだけでなく送信や管理をすることも可能です。
以前は、見積書・注文書・納品書・請求書といった帳票書類は、紙で保存することが義務付けられていました。しかし現在は、法改正により電子データでの保存が認められています。また、これまでに作成された紙の帳票も電子データ化できます。こういった状況に合わせて電子化を進めるため、帳票クラウドサービスが利用されています。
帳票クラウドサービスのメリット
帳票クラウドサービスにより、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。
管理業務における手間・ミスの軽減
帳票クラウドサービスには、便利な機能が搭載されています。たとえばデータ連携機能がある帳票クラウドサービスの場合、手入力する作業が省けます。その結果、入力ミスの防止や業務の効率化が実現するでしょう。
また、クラウド上で作成された帳票は、メールで送信できます。この送信作業を自動化できる場合、送り間違いの防止にもつながります。
印刷にかかる費用の削減
帳票を郵送するには、印刷代・切手代・紙代・インク代などの諸費用がかかってしまいます。特に印刷代は、白黒コピー1枚あたり約3円~5円かかります。しかし、クラウド上で作成された電子帳票なら、データとしてメールに添付するだけで送付が可能です。今まで印刷をする際にかかっていた上記の費用を大幅にカットできるでしょう。
さらに、印刷や郵送にかかる時間も削減することが可能です。その分、他の業務に時間を充てられます。また、紙の帳票を保管しておくスペースが不要になるため、オフィスの縮小化にもつなげられます。
セキュアな環境の構築
企業情報が含まれる帳票業務をクラウド上で管理することに、不安をもつ方もいらっしゃるでしょう。しかし、帳票クラウドサービスを提供する企業は、脆弱性などへの充分なセキュリティ対策を実施しています。
たとえば、改ざん防止に効果的なタイムスタンプや操作履歴の管理など、セキュリティに特化した機能を備える製品もあります。
また、紙の帳票は、災害や万が一の事故があったとき、消失してしまうかもしれません。さらに、大量の帳票がほかの資料に紛れて廃棄されることも考えられます。しかし、帳票クラウドサービスなら送受信の履歴がシステムに記録されます。バックアップ機能を活用することでデータの復旧も可能です。こうした機能により、データが消失するリスクが低減するでしょう。
誰でも扱いやすい設計
帳票クラウドサービスは、操作性に不安をもつ方にも使いやすい仕様です。
帳票をクラウド上で管理するために必要なソフトウェアや環境の構築は、知識のある担当者がサポートします。さらに、既存の帳票におけるレイアウトも、プログラミングでコードを書くことなく反映できます。
さらに、運用・保守サポートも含まれる製品であれば、システム導入後も安心です。システムに慣れていない人でも、帳票作成の負荷が軽減するでしょう。
法律への対応
改正電子帳簿保存法では、Webサイトなどを介した取引に関する情報を電子保存しなければならない旨が定められています。帳票クラウドサービスは、電子帳簿保存法が定める上記の取引へ対応することが可能です。
また、固定テキスト(登録番号)や、必要な項目の追加を任意でできます。そのため、インボイス制度の要件を満たした書類の発行も可能です。インボイス制度とは、課税事業者に適格請求書(インボイス)の発行・保存が求められる制度で、2023年に施行される予定です。
このように、帳票クラウドサービスは法律に対応しています。また、法改正にも対応しているシステムも多くあります。そのため、法律の知識に自信がない方でも利用しやすいでしょう。
帳票クラウドサービスを導入する際の注意点
帳票クラウドサービスの導入により、これまでとは違う業務が発生します。紙の帳票に慣れている方は、新しい業務が定着するまでは戸惑うでしょう。
紙の領収書を写真として取り込む業務や、予期せぬサーバのエラーが発生するかもしれません。イレギュラーな対応により、現場が混乱してしまう可能性があります。導入直後の混乱は、取引先へ書類を送付する業務の遅延を引き起こしかねません。
このような事態を防ぐためには、あらゆるトラブルを想定し、余裕を持たせた導入計画を立てましょう。取引先に知らせたり、社内で体制やルールを整えたりするなど、やるべきことはいくつもあります。こういったタスクを計画に落とし込みましょう。
帳票クラウドサービスを導入して、管理作業の効率化を!
帳票クラウドサービスとは、クラウド環境で帳票を作成・送信・管理ができるシステムです。以下のメリットがあります。
- ・管理業務における手間・ミスの軽減
- ・印刷にかかる費用の削減
- ・セキュアな環境の構築
- ・誰でも扱いやすい設計
- ・法律への対応
導入に失敗しないためには、入念な準備が必要です。自社に適した帳票クラウドサービスを導入し、管理作業の効率化を図りましょう。