無料で使える連結会計システムとは
連結会計システムを無料で利用する方法は、主に表計算ソフトで仕組みを構築する方法と、製品の無料デモや相談を活用する方法です。まずは無料で試せる範囲と、契約後に費用が発生する範囲を分けて考えましょう。
完全無料の法人向け製品は少ない
連結会計では、複数企業の財務データを集め、勘定科目の統一や内部取引の消去、連結修正仕訳を行います。専門的な処理に加え、会計基準の変更に対応する保守も必要です。
そのため、利用期間や会社数に制限のない法人向け連結会計システムを、継続的に無料提供するサービスは多くありません。無料と表示されていても、対象が資料請求や相談、製品デモに限られる場合があります。
表計算ソフトによる無料運用
すでに社内で利用している表計算ソフトを使えば、新たなシステム費用をかけずに連結決算の管理表を作成できます。グループ会社数が少なく、取引や連結修正の種類が限定されている場合の選択肢です。
一方、担当者が独自に計算式やファイルを作ると、処理方法が属人化する恐れがあります。無料運用を始める場合でも、入力ルールや確認手順、ファイルの管理責任者を明確にしましょう。
無料デモや相談を活用する
連結会計システムのなかには、契約前に画面や操作方法を確認できるデモを提供している製品があります。実際の業務に近いデータや運用手順をもとに説明を受ければ、導入後の操作を具体的にイメージできます。
ただし、デモは製品を自由に一定期間利用できる無料トライアルとは異なります。利用できる機能や検証方法は提供会社によって異なるため、事前に確認してください。
無料の連結会計でできること
無料の方法でも、個別財務諸表の収集や単純合算、基本的な連結修正仕訳の管理は可能です。ただし、処理を自動化できる範囲は限られます。自社が無料運用で対応したい業務を整理しておきましょう。
財務データの収集と集計
各グループ会社から貸借対照表や損益計算書を集め、ひとつの表にまとめる作業は表計算ソフトでも行えます。提出用のひな型を統一すれば、会社ごとのデータを同じ形式で収集できるでしょう。
ただし、勘定科目や会計期間、通貨が異なる場合は、集計前に変換作業が必要です。提出形式だけでなく、科目の対応表や締め切り、修正時の連絡方法まで決めておくことが重要です。
連結修正仕訳の管理
投資と資本の相殺消去や債権債務の相殺、内部取引の消去といった連結修正仕訳も、表計算ソフトで管理できます。前年度の仕訳を複製し、当年度の金額に更新する運用も可能です。
しかし、仕訳の追加や修正が複数ファイルに分散すると、更新漏れが起こりやすくなります。仕訳番号や作成者、承認者、更新日時を記録し、変更履歴を追える状態にしましょう。
連結財務諸表の作成
各社の財務数値と連結修正仕訳を集計すれば、連結貸借対照表や連結損益計算書を作成できます。定型的な関数を設定しておくことで、元データを更新した際に計算結果を反映させることも可能です。
ただし、計算式の削除や参照先のずれが生じても、気づけない場合があります。重要な帳票は別の担当者が再計算するなど、確認工程を設けてください。
| 業務 | 無料運用での対応方法 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 財務データの収集 | 共通の表計算ファイルを各社へ配布する | 提出形式や科目の違いを確認する |
| データの合算 | 関数や集計表を使って各社数値をまとめる | 参照範囲や計算式のずれを確認する |
| 内部取引の消去 | 取引明細を突きあわせて修正仕訳を作成する | 取引先や通貨、計上時期の差異を整理する |
| 帳票作成 | 集計結果を連結財務諸表の様式へ反映する | 数値更新後の再確認が必要になる |
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無料の連結会計システムの制限
無料運用では、ソフトウェア費用を抑えられる一方、手作業や確認作業が増える傾向にあります。決算の正確性や監査対応に影響する可能性もあるため、費用だけでなく担当者の工数まで含めて判断しましょう。
データ収集に時間がかかる
メールでファイルを回収する運用では、未提出の会社への連絡や差し戻し対応が必要です。どの会社が提出済みなのか、最新ファイルがどれなのかを確認する作業も発生します。
グループ会社が増えるほど、連絡や進捗管理の負担は大きくなります。提出状況を一覧化し、ファイル名や保存場所を統一しても、一定の管理工数は見込んでおきましょう。
入力ミスを自動検知しにくい
有料の連結会計システムには、貸借不一致や入力漏れ、前期との差異を確認する機能が搭載されている場合があります。表計算ソフトでは、同様のチェック機能を自社で設計しなければなりません。
確認項目が不足していると、誤りが連結財務諸表へ反映される恐れがあります。チェックリストを用意し、入力者とは別の担当者が検証する体制を整えてください。
内部取引照合の負担が大きい
グループ会社間の債権と債務、売上と仕入には、計上時期や金額の差異が生じることがあります。無料運用では、各社の明細を並べ、差異の原因を手作業で調べるケースが中心です。
取引件数や会社数が増えると、照合作業だけで多くの時間を要します。内部取引が頻繁に発生する企業では、自動照合や差異抽出に対応した製品も検討しましょう。
権限管理や監査対応が難しい
共有フォルダでファイルを管理すると、閲覧者や編集者を細かく分けられない場合があります。誤って上書きした場合や数値を変更した場合に、誰が操作したのか追跡しにくい点も課題です。
監査で変更履歴や承認記録の提示を求められる企業は、操作ログや権限設定を確認してください。無料運用を続ける場合は、保存方法や承認証跡を補う仕組みが必要です。
- ■会社数の制限
- グループ会社が増えるほど、ファイル回収や進捗確認、差し戻しの負担が増加します。
- ■処理件数の制限
- 内部取引や連結修正仕訳が多い場合、手作業による照合や確認に時間がかかります。
- ■統制面の制限
- アクセス権限や操作履歴、承認記録を表計算ファイルだけで管理するのは困難です。
- ■制度対応の制限
- 会計基準や開示要件が変わった場合、自社で計算式や帳票を更新する必要があります。
無料運用が向いている企業
無料の連結会計は、グループ構成や取引内容が比較的シンプルな企業に向いています。反対に、対象会社や内部取引が多い企業では、担当者の負担がシステム利用料を上回る可能性もあります。
連結対象会社が少ない企業
親会社と数社の子会社で構成され、勘定科目や会計方針がそろっている場合は、表計算ソフトでも管理できる可能性があります。取引件数が少なければ、内部取引の照合も手作業で進めやすいでしょう。
ただし、将来の子会社設立や買収を予定している場合は注意が必要です。会社数が増えてから運用方法を変更すると、過去データの移行や手順の見直しに時間がかかります。
連結決算を試行する企業
連結決算の対象範囲や作業手順を確認する目的で、表計算ソフトを使って試行する方法があります。どのデータを収集し、どのような修正仕訳が必要かを把握する準備段階に適しています。
試行によって業務量が見えれば、システムに必要な機能も整理できます。無料運用を最終形とせず、製品選定に必要な要件を明確にする期間として活用するとよいでしょう。
管理連結から始める企業
法定開示を目的とした制度連結ではなく、社内の業績把握を目的とする管理連結から始める企業にも適しています。売上や利益など、限られた指標をグループ単位で集計する方法です。
ただし、管理連結でも数値の定義が会社ごとに異なると、正確な比較ができません。集計項目や計算方法、データ提出日を統一したうえで運用してください。
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有料へ切り替える判断ポイント
無料運用から有料システムへ切り替える時期は、会社数だけでは決まりません。決算日程の遅れや確認作業の増加、監査対応の負担を確認し、無料運用を続けるリスクと導入費用を比較しましょう。
決算業務が特定担当者に偏る
表計算ファイルの構造や計算式を理解している担当者が限られる場合、連結決算が属人化しています。担当者の異動や退職によって、処理方法がわからなくなる可能性も否定できません。
同じ担当者しか更新や修正ができない状態になったら、切り替えを検討する目安です。処理手順をシステム上で標準化し、複数人で作業できる環境を整えましょう。
ファイルの修正が増えている
提出後の差し替えや計算式の修正が頻繁に発生すると、どのファイルが最新なのか判断しにくくなります。修正内容をすべての集計表へ反映する作業にも時間がかかるでしょう。
決算のたびに同じミスや差し戻しが起こる場合は、入力チェックやワークフローを備えたシステムが役立ちます。エラーの発見だけでなく、原因確認まで効率化できるか比較してください。
決算の早期化が必要になった
上場準備や経営管理の高度化を進める場合、連結数値を早く確定させる必要があります。メールと表計算ファイルによる運用では、各社の提出待ちや確認作業が決算日程を圧迫します。
データの提出状況を画面上で確認できる製品や、内部取引を自動照合できる製品なら、作業時間を短縮しやすくなります。月次連結を行う場合も、有料化を検討する時期です。
監査や内部統制を強化したい
誰が数値を入力し、誰が承認したのかを記録する必要がある場合、表計算ソフトだけでは管理が複雑です。操作履歴やアクセス権限を備えた連結会計システムが候補になります。
製品を比較する際は、利用者ごとの権限設定や承認経路、ログの保存範囲を確認しましょう。監査資料を出力できるか、監査法人とデータを共有できるかも重要です。
| 確認項目 | 有料化を検討する状態 |
|---|---|
| 担当者 | 特定の担当者しか計算式や処理方法を理解していない |
| 会社数 | 子会社の増加によりファイル回収や確認が遅れている |
| 内部取引 | 照合件数が増え、差異の原因調査に時間がかかる |
| 決算日程 | 提出待ちや再集計によって連結決算が遅れている |
| 監査対応 | 変更履歴や承認証跡を手作業で準備している |
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無料の連結会計システムの比較項目
無料デモや資料を活用するときは、画面の見やすさだけで判断せず、データ収集から帳票出力まで確認しましょう。現在の業務で負担が大きい工程を整理すると、必要な機能を比較しやすくなります。
データの収集方法
まず確認したいのは、グループ各社からデータを収集する方法です。表計算ファイルの取り込みやWeb画面への入力、会計システムとの連携など、製品によって対応方法が異なります。
子会社側の作業負担も比較してください。親会社にとって使いやすくても、各社で複雑な変換作業が必要になると、提出遅れや入力ミスにつながります。
内部取引の照合機能
債権と債務、売上と仕入のデータを突きあわせ、差異を抽出できるか確認しましょう。取引先名や通貨、計上時期の違いに対応できる製品なら、原因調査を進めやすくなります。
自動照合の条件を設定できるか、差異の一覧から元データを確認できるかも比較項目です。取引件数が多い企業ほど、操作手順をデモで確認する必要があります。
連結処理と帳票の範囲
投資と資本の消去や未実現損益の消去、税効果会計、連結キャッシュ・フロー計算書に対応できるか確認します。制度連結だけでなく、予算連結や管理連結が必要かも整理してください。
帳票を自由に設計したい場合は、出力項目やレイアウトの変更範囲も重要です。表計算ソフトへ出力した後に、どの程度の加工作業が残るか確認しましょう。
導入支援と運用サポート
連結会計システムは、契約後に初期設定や科目対応表の作成が必要です。導入支援の範囲や担当者への教育、運用開始後の問い合わせ方法を比較してください。
会計基準の改正時に、システムがどのように更新されるかも確認しましょう。追加費用の有無や対応時期は、資料請求後の相談で明確にしておくと安心です。
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無料相談できる連結会計システム
連結会計システムは、自社の会社数や連結処理によって必要な機能が変わります。無料の資料請求や製品相談、デモを活用し、現在の表計算運用をどこまで置き換えられるか確認してください。
Oracle NetSuite
- 財務会計、各種業務アプリケーションを1つの経営基盤として提供
- 自動仕訳、税法対応により会計業務の効率化を支援
- Oracleの信頼性!充実のサポートと継続的なアップグレード
日本オラクル株式会社が提供する「Oracle NetSuite」は、財務会計や顧客管理、販売管理などを統合できるクラウド型の業務基盤です。複数の子会社や通貨を含む財務情報をまとめて管理したい企業に適しています。無料で利用し続けられる製品ではないため、資料や相談を通じて対象会社数、必要な機能、導入費用を確認しましょう。
iCAS (連結決算システム)
- 連結業務にとどまらず、さまざまな課題を一緒に解決できる
- 子会社、関連会社の増加減少時のメンテナンス作業が簡単
- 大手企業から中小企業まで、業種業態を問わず連結会計業務に対応
株式会社インプレスが提供する「iCAS(連結決算システム)」は、連結財務諸表の作成や内部取引の照合、連結データの分析を支援するクラウド型システムです。会社別や事業別、地域別などの切り口で数値を確認したい企業にも適しています。利用料金や事前確認の方法は資料でご確認ください。
マネーフォワード クラウド連結会計
- 会計システム連携、Excelインポート機能でデータ収集を効率化
- グループの経営状況をいつでもどこでもリアルタイムに把握できる
- 短期間・低価格で導入可能!クラウドなのでインストールも不要
株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウド連結会計」は、グループ各社の財務データ収集から連結処理、帳票出力までをクラウド上で行えるシステムです。各社が使用している表計算ファイルを取り込めるため、既存の収集方法を生かしながら移行したい場合に比較できます。料金は利用会社数によって異なるため、見積もりを依頼しましょう。
eCA-DRIVER
- 業務フローに沿った直感的なメニュー構成で「決算早期化」を実現
- 監査で求められる標準帳表に加え、独自様式の管理帳表も出力可能
- 連結決算の実務経験豊富な公認会計士が「決算効率化」をサポート
株式会社TKCが提供する「eCA-DRIVER」は、子会社からのレポーティング・パッケージ収集や連結処理、連結財務諸表の作成を支援する連結会計システムです。Web入力やファイル取り込み、複数の会計基準による処理に対応しています。デモや提案を依頼できるため、実際の運用を想定して確認するとよいでしょう。
Consoleasy(コンソリイージー)
- 公認会計士が伴走しますので、体制に不安があっても安心です。
- 業界最安値クラスの月額15,000円から。利用頻度に応じたプラン
- 連結決算で必要となる機能を豊富に搭載!AI異常検知機能も。
エールアカウンティング株式会社が提供する「Consoleasy(コンソリイージー)」は、連結決算に必要なデータ収集や連結処理を支援するシステムです。現在の表計算ファイルを活用しながら、連結業務を標準化したい企業の候補になります。無料で対応できる範囲やデモの実施条件は、資料請求後に提供会社へご確認ください。
無料の連結会計システムに関するFAQ
連結会計システムの無料利用を検討する際によくある疑問をまとめました。無料運用を続けられる条件や、製品を試す際の確認項目を押さえ、自社に必要な対応範囲を整理しましょう。
- Q1:無料の連結会計システムはありますか?
- 利用期間や会社数に制限なく、法人の連結決算を継続的に処理できる無料製品は限られます。費用を抑えたい場合は、既存の表計算ソフトを使う方法や、製品の無料デモ、導入相談を活用する方法があります。
- Q2:表計算ソフトだけで連結決算はできますか?
- 連結対象会社や内部取引が少なく、処理内容がシンプルであれば対応できる可能性があります。ただし、計算式の誤りやファイル管理、変更履歴の確認に注意が必要です。入力者と確認者を分けて運用しましょう。
- Q3:無料デモでは何を確認すべきですか?
- グループ各社からのデータ収集方法や内部取引の照合、連結修正仕訳、帳票出力までの流れを確認してください。自社で使用している表計算ファイルを取り込めるか、子会社側の操作が難しくないかも重要です。
- Q4:連結会計システムの料金は何で決まりますか?
- 主に連結対象会社数や利用者数、搭載機能、導入支援の内容によって変わります。月次連結や予算連結、複数会計基準への対応などを追加すると、料金が変動する場合があります。複数社から見積もりを取得して比較しましょう。
- Q5:有料システムへ切り替える目安はありますか?
- ファイル回収や内部取引の照合に時間がかかる、特定担当者しか作業できない、決算日程が遅れている場合は切り替えの目安です。監査対応や操作履歴の管理が必要になった場合も、システム化を検討してください。
まとめ
連結会計システムを完全無料で継続利用できるケースは限られますが、表計算ソフトを使った試行や、無料相談、製品デモを活用する方法があります。ただし、会社数や内部取引が増えると、確認作業やファイル管理の負担も増加します。
決算の早期化や属人化の解消、監査対応を重視する場合は、有料製品も含めて比較しましょう。各製品の対応機能や料金、サポートの違いを効率よく確認するには、ITトレンドの一括資料請求を活用してください。



