はじめにー文書電子化の工程
これから社内の文書電子化を進める方向けに、流れを紹介します。文書電子化は以下のような手順ですすめるのが一般的です。
- ■書類を揃え、ファイルから取り出す。ホッチキスを外す li>
- ■モノクロかカラーか仕様を決めて機械でスキャンする li>
- ■必要な場合は電子署名、タイムスタンプを記録する li>
- ■読み込んだデータを編集する li>
- ■データのファイル分け、インデックスを行う li>
- ■書類を元に戻す li>
ここでは、文書電子化のスキャンニングについてを中心に紹介します。文書管理ソフト全般について知りたい方は下記の記事も参照ください。
文書電子化の方法は2つ
文書電子化の手段には、サービス事業提供者にまかせるアウトソーシングと、パッケージを購入して自社で実施する2つのパターンがあります。これは大変重要な選択となります。それぞれの特徴や選択のポイントを以下で詳しく解説します。
外注サービスを利用する
書類の原本を事業者に渡して、電子化されたデータと原本を受け取ります。短期間で実施することができ、社員のリソースを使わず、データ化するべき書類や管理の方法のアドバイスを受けることができるメリットもあります。保存する書類の状態によっては特殊なスキャンニングの機材が用意されていることも非常に便利でしょう。電子帳簿保存法の改正後、多くの事業者が参入し、価格もリーズナブルになっています。
自社でパッケージソフトを利用する
自社でスキャンニングの機材とソフトを用意し、社員が書類を電子化していきます。自社のペースで文書電子化をすすめることが可能となります。自社にあったデータの形式や保存方法を実現できることも魅力です。
一方で、膨大な量の書類がある場合、スキャンニングの時間と手間がかかります。そのため過去の文書は一括して外注し、新規に発生した文書から社内で電子化していく方法もあります。また、パッケージソフトを提供している会社でスキャンニングサービスを用意している企業も多いので確認してみましょう。
外注サービス業者のチェックポイント
外注サービスを選定する際のチェックポイントを紹介します。非常に多くの業者がいますが、価格だけでなく必ずチェックしてほしいことがあります。
セキュリティは万全か
社内の重要書類を預けることになるので、入退室の管理はもちろん、預けた書類の配送の状況、社員への教育状況などを確認し、細やかな管理ができる企業を選択しましょう。Pマークの取得や、ISO27001などの取得状況も重要な検討材料です。
全体のフローをサポートできるか
文書電子化はどの書類をデータ化をするかから始まり、保存の形式はどうするか、その後の運用はどうするか、他のシステムと連携する必要はあるかなど決定をすることがたくさんあります。スキャンニングだけではなく、全体のフローまで相談に乗ってくれる業者を選択することも重要です。
パッケージツールのチェックポイント
パッケージツールを選定する際のチェックポイントを紹介します。
スキャンニングの後の管理や利用が容易か
データ化した後の文書の分類が容易で、誰でも簡単に操作可能かどうか確認しましょう。データ化が推進されない企業の原因の一つは、PC操作に不慣れな人にとって、システムが使いにくい、どこにどのデータが入っているかわからなくなってしまうことだと言われています。自社の社員が簡単に操作できるかを念頭にチェックしましょう。
手書きの文字をデータ化できるか
手書きの領収書などを、OCR機能を使ってデータとして認識できるかとその精度も確認しましょう。外国語や、記号、アンケート形式にも対応できるかなど、自社での活用を想定して確認をすることがおすすめです。
コストで比較する際のポイント
スキャンニングをアウトソースするか、自社でパッケージサービスを利用して行うかどうかは、そのコスト比較によって決定するという企業も多いでしょう。検討の材料となるのは、社内のデータ化するべき書類のおよその量と、どういった形式のデータが欲しいかということです。
アウトソースの場合は、上記の情報を業者に伝え見積もりを依頼します。自社でパッケージソフトを利用する場合は、人件費(枚数×スキャン時間)・機材購入費・パッケージソフトの料金を合計してみましょう。
初めて文書電子化を実施する際には、何からやればいいのか、戸惑うことも多いでしょう。そんなときも、今回紹介したポイントを参考にツールや業者選定をきちんと行うことで、安心して実現することができます。はじめからアウトソーシングか自社での実施かを限定せずに、いくつかのサービスやパッケージソフトの提供会社に問い合わせを行い、自社にあった方法を見つけましょう。