そもそも文書電子化システムとは
文書電子化システム(サービス)とは、光学文字認識機能により読み取った紙の文書を、電子化されたテキストデータとして保存するシステムです。紙の文書を電子化することで、次のようなメリットがあります。
- ●電子データからすぐに検索できる
- ●紛失や破損のリスクも少ない
- ●複数人での共有が可能
- ●保管スペースの確保
- ●倉庫の保管費、事務処理の経費、文書の流通や移動などにかかるコスト削減
一方で、文書電子化システム導入は、突然導入して今の業務形態に適応できるとは限りません。社員がうまく順応できるよう、現状の見直しと業務改革が必要となります。また紙の書類では、複数枚を卓上に並べて俯瞰できますが、電子化された文章ではそれが難しくなり、見づらくなる恐れもあります。
導入前に文書管理システムのメリットデメリットについても理解し、次の5つのステップに進みましょう。
文書電子化システム導入後の5つのステップ
文書電子化システムを導入したら具体的にどのようなことを実施するのか、5つのステップに分けて説明します。1.電子化する文書を選別する
文書電子化は、省資源化や省スペース化につながります。とはいえ、あらゆる文書が電子化に適しているとは限りません。業務上の理由や規約で紙での保存が必須のものもあるでしょう。一方で既に必要性を失い、廃棄すべき文書も存在するでしょう。文書電子化システムの導入後には、まずはこのような電子化すべきではない文書と、システム上で保存し電子化すべき文書を選別する必要があります。
2.タグやフォルダを設定し検索しやすい環境を整える
文書電子化システムは、システム上に保存されている文書の検索機能を備えています。文書中の文言や登録日時などの条件で必要な文書を探し出すことができるのです。適切なフォルダ分けを実施できるよう、サイズや解像度、わかりやすいファイル名の決め方など、ルールについて複数の部署で検討しましょう。
3.データの更新スケジュールを決定する
文書電子化システム上の文書データは、更新する必要があります。そして全社で正しい情報を共有するためには、常に最新のデータを取得できる環境を整えなければなりません。
文書電子化システムの導入後には、システム上の文書データを更新する頻度やスケジュールを検討し社内で共有しましょう。また複数の部門が取り扱う文書については、部門間での調整も図りながら、データ更新のタイミングを決定することも重要です。
4.データの機密性と合致したアクセス権限を設定する
文書電子化システムは、機密性の異なるさまざまな文書データが取り扱われます。そのためシステム導入後には、各文書の機密性に則したアクセス制限を設定する必要があります。導入初期段階からの適切なアクセス制限は、内部情報の不正持ち出しをはじめとした情報セキュリティ上のリスクを回避することにもなるのです。
5.他システムや外部機器と連携させる
文書電子化システム上の文書データは、帳票システムや給与システムといった他のシステムで利用するケースもあります。こうした場合には、文書電子化システムを他のシステムと連携させられるように設定を行いましょう。
また電子化された文書であっても、プリンタなどで印刷をしなければならない場合もあります。さらに、電子文書をFAX送信することも少なくありません。こうしたケースに備えて、文書電子化システムをプリンタやFAX機といった外部システムと連携させることも、必要な作業のひとつです。
文書電子化のステップをアウトソーシングすることも可能
以上のように、文書電子化システムの導入後には「電子化文書の選定」「タグなどの設定」「更新スケジュールの決定」「アクセス権限の設定」「他のシステムとの連携」という5つのステップがあります。
文書電子化には入念な準備が必要なため、担当者が期間を決めて取り組む必要があります。もし、社内だけでの実施に不安がある場合や、担当者の確保が難しい際には、文書電子化のアウトソーシングサービスを利用するという選択肢もあります。全体もしくは一部のみのアウトソースも可能なので、一度検討してみてもよいでしょう。
5つのステップで文書電子化をスムーズに!
社内の膨大な文書の電子化は労力がかかりますが、ステップを確実に踏んでいけば実施が可能です。自社の文書電子化で業務の効率化、コストの削減を実現させましょう。