電子署名サービスの市場規模は?
電子署名サービスは、電子文書に署名を付け、作成者や改ざんの有無を確かめられるようにするサービスです。電子署名サービスに限った市場規模は、公開されている統計や調査会社の発表では確認できません。電子署名を使って契約を結ぶ分野では、調査会社のITRが国内の電子契約サービス市場は2024年度に295億円で、前年度比20.7%増だったと発表しています。2029年度には500億円を突破する予測ですが、電子署名サービスそのものの数字ではありません。
ITトレンドには、電子署名サービスとして4製品が掲載され、提供企業も4社です。いまはITトレンドから資料請求できる製品がなく、4製品すべてが情報のみの掲載です。電子署名の仕組みについては、電子署名とは?セキュリティ強化の概要や仕組みを解説!をご覧ください。
ここからは、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、電子署名サービスの動きを見ていきます。
ITトレンドに掲載されている主な電子署名サービス
まずは、ITトレンドに掲載されている電子署名サービスを紹介します。いずれも情報のみの掲載のため、製品ページの掲載内容から用途を整理しました。
ITトレンドのデータで見ると、2026年10月時点の電子署名サービスは契約書などに電子署名を付けて締結する製品が4製品中2製品を占めます。いまはITトレンドから資料請求できる製品はなく、4製品とも情報のみの掲載です。契約のほか、タイムスタンプを使った文書の保存や、電子処方箋向けの署名など、用途の違う製品が並ぶ点が特徴です。
次の図は、掲載されている4製品を、製品ページの掲載内容をもとに用途で分けたものです。その下の表では、ITトレンドから資料請求できるかどうかもあわせて示しています。
| 製品名 | 提供企業 | 資料請求 | 製品の特徴 |
|---|---|---|---|
| AcrobatSign | アドビ株式会社 | 情報のみ掲載 | Webブラウザやモバイルから電子サインを送受信でき、契約の締結から管理まで行える。 |
| DocHub | DocHub, LLC | 情報のみ掲載 | 電子署名で契約を締結でき、PDFの編集やチームでの共同編集にも対応。 |
| スティータイムスタンプ | 株式会社AKUODIGITAL | 情報のみ掲載 | 総務大臣認定のタイムスタンプを使い、文書の送信から長期保存・検証まで提供。 |
| iTrust電子処方箋管理サービス向け署名共通モジュール | サイバートラスト株式会社 | 情報のみ掲載 | HPKIカードに対応し、厚生労働省のガイドラインに準拠した署名とタイムスタンプを付与。 |
※「製品の特徴」は、ITトレンドの製品ページの掲載内容をもとにまとめています。
※「情報のみ掲載」の製品は、ITトレンドから資料請求できません。
[分析]2026年の電子署名サービス市場の3つの傾向
ここでは、ITトレンドに掲載されている4製品の製品ページから、市場の傾向を整理します。
1.契約書への電子署名が中心、オンラインで完結
掲載4製品のうち2製品は、契約書などに電子署名を付けて締結する製品です。AcrobatSignは、契約書の送信から署名・管理までをオンラインで完結できることを掲げています。DocHubは、電子署名に加えてPDFの編集やチームでの共同編集に対応しています。契約業務を紙から電子に移したい企業に向けた製品です。
2.タイムスタンプや電子処方箋など、用途を絞った製品も
残る2製品は、特定の文書や業務に絞った製品です。スティータイムスタンプは、文書の送信から長期保存、検証までをまとめて提供し、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を支援します。iTrust電子処方箋管理サービス向け署名共通モジュールは、HPKIカードに対応した医療分野向けの製品です。同じ電子署名でも、使う場面によって製品の性格は大きく違います。
3.資料請求できる製品はなく、レビューもまだない
ITトレンドでは、4製品とも情報のみの掲載で、資料請求できる製品はまだありません。レビューもなく、導入後の評価を比べられる段階にはありません。提供企業は4社で、製品ごとに想定する文書の種類が違います。まずは各社の製品ページで、対応する文書や署名の方式を確かめる段階といえそうです。
どれを選ぶべき?目的別のおすすめ
- ■契約書の締結から管理までをオンラインで行いたい企業
- AcrobatSign / DocHub
- ■帳簿書類などにタイムスタンプを付けて長期保存したい企業
- スティータイムスタンプ
- ■電子処方箋など医療分野の文書に電子署名を付けたい事業者
- iTrust電子処方箋管理サービス向け署名共通モジュール
電子署名サービスは、署名を付ける文書の種類によって合う製品が変わります。比べる前に、契約書・帳簿書類・医療文書のどれに署名を付けたいかを決めておくと選びやすくなります。
掲載製品をどう活かす?比較するときの注意点
- ●掲載製品はすべて情報のみ掲載で、ITトレンドから資料請求できないため、各社に直接問い合わせる必要がある
- ●掲載は4製品と少なく、レビューもまだない
- ●契約向け、文書の保存向け、医療向けで対象の文書が違うため、同じ電子署名サービスとして単純に比べない
掲載製品の顔ぶれは、どんな種類の製品があるかを知る手がかりとして役立ちます。最終的には、署名する文書の種類や、今使っている業務システムとの連携に合うかを軸に比較することが大切です。
自社に合う電子署名サービスを比較検討しよう
この記事では、ITトレンドに掲載されている製品の顔ぶれから、電子署名サービスの市場の様子を紹介しました。気になる製品は製品ページで対応する文書や機能を確かめ、自社の業務に合うかを見比べてみてください。
以下の記事では、おすすめの電子署名ソフトを比較し、導入事例や選び方も紹介しています。あわせてご覧ください。

