データ消去ソフトの導入が思うように進まない主な原因
データ消去ソフトとは、パソコンやサーバーなどのデータを復元できない状態にするソフトです。導入後に期待した効果が出ない場合は、製品側、利用者側、運用の仕組みなど、複数の要因が重なっていることがあります。原因を切り分けて確認すると、対策の優先順位をつけやすくなります。
| つまずく場面 | 事前の対策 |
|---|---|
| 目的や対象が曖昧 | 消去する機器と目的を洗い出す |
| 運用ルールが未整備 | 手順と記録の様式を決める |
| 導入後の確認不足 | 定期的に運用状況を点検する |
導入の目的と対象範囲が曖昧なまま進める
何のために消去するのかが曖昧なまま導入すると、必要な機能を見落とす場合があります。廃棄時の情報漏えい対策なのか、リース返却時の対応なのかで、求める機能は変わります。例えば、廃棄の頻度が低い企業と、毎月のように入れ替える企業とでは、重視する機能が異なります。
対象とする機器の種類も洗い出しましょう。パソコンだけでなく、サーバーやUSBメモリ、スマートフォンまで含めるかによって、選ぶ製品の条件が変わります。対象の洗い出しには、IT資産管理の台帳や、各部署への聞き取りが役立ちます。
運用ルールや役割分担が決まっていない
ソフトを導入しても、誰がいつ消去し、結果を誰が確認するのかが決まっていないと、運用が定着しにくくなります。製品の機能に頼るだけでは、運用の抜けは補えません。例えば、消去の依頼は申請書で受け付け、実施後は確認者が結果を承認する流れが考えられます。
導入前に、依頼から消去、記録の保管までの流れを書き出しましょう。各段階の担当者と、問題が起きたときの連絡先も決めておくと、運用が安定しやすくなります。規模が小さい企業でも、最低限の役割分担を文章にしておくと、担当者が替わった際も混乱しにくくなります。
導入後の運用状況を点検していない
導入した時点で満足し、その後の運用を確認しないと、ルールが守られなくなる場合があります。消去の実施件数や記録の保管状況は、定期的に点検したい項目です。点検では、記録の件数と、実際に廃棄した機器の数が一致しているかを突きあわせましょう。
半年や1年に一度など、見直しの時期をあらかじめ決めておきましょう。点検で見つかった課題は、手順書や設定に反映すると、運用の改善につながります。結果を記録に残しておけば、次の見直しにも役立ちます。
データ消去の属人化が解消しない理由と整える運用ルール
ソフトを導入しても、廃棄する端末の消去が特定の担当者に頼ったままになる場合があります。属人化が続く背景を整理し、運用ルールで補う方法を紹介します。属人化しているかどうかは、次の3点で確かめられます。
- ■判断基準の所在
- 消去方式の選び方が文書になっているか
- ■代わりに作業できる人
- 担当者が不在でも、別の人が作業を進められるか
- ■記録の保管
- 消去の実施記録が、共有の場所に残っているか
手順が担当者の経験に依存している
ソフトの操作自体は簡単でも、消去前の確認や、方式の選び方が担当者の経験に頼っている場合があります。その担当者が異動や休暇で不在になると、作業が止まるおそれがあります。例えば、SSDかハードディスクかの判断を、見た目や担当者の勘に頼っているケースも見られます。
判断が必要な箇所を洗い出し、基準を文章にしておきましょう。例えば、機器の種類ごとに使う消去方式を一覧にしておくと、経験の浅い担当者でも判断しやすくなります。手順書の作成には、実際に作業を行う担当者の意見も取り入れましょう。
手順書や記録の様式の統一
手順書がないか、部署ごとに内容が異なると、作業のやり方が人によって変わります。消去の記録も、様式がそろっていないと、後から確認しにくくなります。様式が部署ごとに違うと、後から集計する際に項目の読み替えが必要になり、確認に手間がかかるでしょう。
全社で共通の手順書と記録の様式を用意しましょう。ソフトが出力する消去レポートを記録として使えるなら、様式の統一にも役立ちます。手順書は、製品の更新にあわせて見直すことも忘れずに行いましょう。
複数人で状況を把握できる体制づくり
担当者を1人決めて任せるだけでは、属人化は解消しません。複数人で作業状況を把握し、引き継ぎができる体制が必要です。例えば、週に一度、消去の予定と実施済みの機器を確認する短い打ち合わせを設けるのも一案です。
管理画面で作業の進み具合や結果を共有できる製品なら、状況の把握に役立ちます。そうした機能がない場合は、共有の表やチャットで、実施状況を記録する方法もあります。担当者が替わった場合に備えて、作業の履歴や連絡先も共有しておきましょう。
OS標準の初期化からデータ消去ソフトへ移行するときの落とし穴
これまでOS標準の初期化で対応してきた企業が、データ消去ソフトに切り替える際には、移行がうまくいかない場合があります。原因となりやすい点を見ていきましょう。
初期化と消去の違いの理解不足
OSの初期化は、設定やアプリを元の状態に戻す機能です。方法や機器によっては、記憶装置上のデータが残り、専用のツールで読み出せる場合があります。例えば、初期化した端末でも、復元用のソフトを使うとデータが読み出せる場合があります。
この違いが社内で共有されていないと、ソフトを導入する目的が伝わりません。消去は、データを復元できない状態にするための作業であると、あらかじめ説明しておくことが大切です。社内の説明資料には、初期化と消去の違いを図で示すと、理解が進みやすくなります。
運用変更の周知と手順の切り替え
初期化から消去に切り替えると、作業時間や手順が変わります。変更が現場に周知されていないと、従来の手順のまま廃棄されてしまうおそれがあります。周知の方法には、社内の掲示板への掲載や、部署ごとの説明、手順書の配布があります。
導入のタイミングで説明会を開き、新しい手順書を配布しましょう。一定期間は、旧手順と新手順が混在していないかを確認すると、定着しやすくなります。質問を受け付ける窓口を設けておくと、現場の疑問を早く解消できます。
対象機器と消去方式の洗い出し
パソコンの記憶装置には、ハードディスクとSSDがあり、適した消去方式が異なる場合があります。ソフトが全ての機器に対応しているとは限りません。例えば、スマートフォンやタブレット、複合機の記憶装置も、対象に含めるかを検討します。
移行前に、社内の機器の種類と記憶装置を一覧にしましょう。対応していない機器があれば、別の方法を併用するか、データ消去サービスの利用を検討します。対応状況の確認結果は表にまとめ、判断の根拠として保管しておくと便利です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータ消去ソフトの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
消去漏れの端末から情報が流出する事態を避けるには
ソフトを導入しても、消去の対象から漏れた端末があれば、情報流出のリスクは残ります。漏れが生まれる経路を把握し、仕組みで抑える方法を考えましょう。
台帳に載らない端末や媒体の存在
IT資産管理の台帳に載っていない端末が、部署の倉庫や個人の机に残っている場合があります。リモートワーク用に貸し出した端末や、予備のUSBメモリも対象外になりやすい機器です。棚卸しでは、端末のシリアル番号を控え、台帳の番号と一致するかを確認する方法があります。
年に一度などの棚卸しで、実物と台帳を突きあわせましょう。消去の対象は、パソコンだけでなく、記憶装置を持つ機器全般として洗い出すのが基本です。見つかった端末は、使用の有無を確認してから、消去の対象に加えます。
消去後の確認と記録の突きあわせ
消去を実行しても、途中でエラーが出て完了していない場合があります。結果の確認を怠ると、未完了のまま廃棄される可能性があります。突きあわせの際は、機器の識別番号、消去の日時、結果の3項目を照らす方法が一つの目安です。
消去した機器の一覧と、ソフトが出力したレポートを突きあわせましょう。完了した機器だけ廃棄に回す運用にすれば、確認漏れを抑えられます。エラーで失敗した機器は、原因を調べて再度消去し、完了のレポートを入手しましょう。
保管中や返却待ちの機器の管理
廃棄前の機器を倉庫に保管している間にも、紛失や持ち出しのリスクがあります。リース返却前の端末も、消去前に外部へ渡さない管理が必要です。紛失を避けるには、保管場所の鍵の管理者を決め、持ち出し時に台帳へ記入する方法があります。
保管場所への入室を制限し、出し入れの記録を残しましょう。消去の済んだ機器と未消去の機器を、ラベルなどで区別しておくと、取り違えを防ぎやすくなります。リース返却の期限が近い端末は、消去の優先度を上げて処理しましょう。
繁忙期にデータ消去の処理が遅くなるときの考え方
入れ替え時期が集中する繁忙期には、消去の処理に時間がかかり、作業が予定どおりに進まない場合があります。遅くなる要因と、備え方を整理します。
- ■記憶装置の容量や種類
- 容量が大きいほど、消去には時間がかかる傾向がある
- ■選んだ消去方式
- 上書きの回数が多い方式ほど、処理が長くなる場合がある
- ■作業台数と機器の性能
- 同時に処理する台数や、接続方法が影響する場合がある
処理速度に影響する要因の把握
消去にかかる時間は、製品の処理能力だけで決まるものではありません。記憶装置の容量、消去方式、接続方法、機器の性能など、複数の要因が影響します。例えば、同じ容量でも、HDDとSSDでは処理にかかる時間が異なる場合があります。
上書き回数を増やす方式を選ぶと、処理時間も長くなります。社内の規程で求められる方式を確認したうえで、所要時間の目安を提供会社に問い合わせておきましょう。目安は、提供会社の資料や試用で測った実測値を参考にするのが確実です。
同時に処理できる台数と作業環境の確認
複数台を並行して消去できる製品でも、同時に処理できる台数には上限がある場合があります。作業用のパソコンや電源、ネットワークの環境が整っていないと、処理が遅れる原因にもなります。複数台をまとめて処理する場合、USBハブの給電能力が不足して認識が不安定になることもあります。
繁忙期に作業が集中する場合は、必要な台数を同時に処理できるかを事前に確認しましょう。検証用の端末で複数台を試し、所要時間を実測しておくと見通しを立てやすくなります。
余裕を持った計画と前倒しの作業
入れ替えの時期が決まっている場合は、消去作業を前倒しで進める計画が有効です。使用を終えた端末から順次消去すれば、繁忙期への集中を避けられます。例えば、入れ替えの2~3か月前から、使用を終えた端末の消去を始めると、繁忙期の負担を抑えられます。
作業が遅れたときの代替手段も用意しておきましょう。例えば、一部の機器を外部のデータ消去サービスに委託する方法があり、あらかじめ委託先の条件を確認しておくと、慌てずに対応できます。前倒しで消去した端末の保管場所と、廃棄の時期も決めておきましょう。
紛失や盗難への備えもあわせて確認したい製品
廃棄時の消去だけでなく、運用中の端末における紛失や盗難への備えも、情報漏えい対策の一部です。目的にあわせて確認したい製品を紹介します。
TRUST DELETE on CLOMO Cloud
- 強固なリモートロックやリモートワイプで第三者への情報漏洩防止
- 使用ルール違反はセキュリティアクションが発動し、不正使用防止
- 復元が困難な方式でデータが残らない安心な消去を実現
株式会社アイキューブドシステムズが提供する「TRUST DELETE on CLOMO Cloud」は、Windows PCの紛失や盗難が発生した際に、遠隔からのデバイスロックやデータ消去を行うクラウド/SaaSサービスです。廃棄時に端末へソフトを入れて消去する製品とは役割が異なりますが、廃棄やリース返却時の消去にも対応します。導入前に、自社の目的が遠隔対応か廃棄時の消去かを整理して確認しましょう。
DiskRefresher5 SE (株式会社アイオーデータ)
- 外付けドライブのデータを完全に消去すること。
- ゼロ上書きによるデータ消去
- 廃棄・譲渡時の情報漏えい対策に活用できる。
DiskDeleter (株式会社ジャングル)
- 内閣府や特許庁、警視庁などを含めた10,000以上の導入実績!
- データ消去の専門業者が採用するほどの詳細なレポート!
- 無制限のライセンスでいつでも・何台でも使用可能!
完全ハードディスク抹消PRO USB版 (株式会社ジャングル)
- 無制限のライセンス方式でいつでも何台でもデータ消去可能!
- データ消去の専門業者が採用するレベルのレポート機能搭載!
- 最新のHDD・SSDデータも高度な技術で完全消去!
データ消去ソフトに関するよくある質問
データ消去ソフトの導入でつまずく原因について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:データ消去ソフトを入れれば、属人化は解消しますか?
- A:ソフトだけでは解消しない場合があります。判断基準を文書にし、複数人で作業状況を共有できる体制もあわせて整えましょう。
- ■Q2:OS標準の初期化だけでは、なぜ不十分な場合があるのですか?
- A:方法や機器によっては、データが残り、専用のツールで読み出せる場合があるためです。初期化と消去の違いを、社内で共有しておきましょう。説明資料に図を入れると伝わりやすくなります。
- ■Q3:消去漏れを減らすには、何から始めればよいですか?
- A:台帳と実物を突きあわせる棚卸しから始めるとよいでしょう。消去後は、レポートと機器の一覧を照らして完了を確認します。
- ■Q4:繁忙期に処理が遅くなるのを抑える方法はありますか?
- A:容量や消去方式、同時に処理する台数など、複数の要因が関わります。入れ替え前に消去を前倒しで進める計画が有効です。所要時間は試用で実測すると見通せます。
まとめ
データ消去ソフトの導入で失敗しないためには、目的と対象範囲の整理、属人化を防ぐ運用ルール、初期化との違いの周知、消去漏れを抑える点検、繁忙期の処理時間の見積もりが大切です。原因は製品だけでなく、運用の仕組みにも関わります。自社にあう製品を探すために、まずは資料請求で機能や運用の条件を比べてみてください。

