ファイアウォールの使いにくさが生じる場面
ファイアウォールとは、社内ネットワークと外部の通信を監視し、許可した通信だけを通す仕組みです。使いにくいという印象は、担当者の体制と製品の作りの組み合わせで生じます。
頻度の高い作業に手数がかかる
負担として現れやすいのは、日常的に繰り返す作業です。ルールの追加、遮断された通信の確認、利用者からの問い合わせへの回答といった作業に、画面の移動や項目の入力が多く必要だと、件数が増えるほど時間を要します。
確認の方法としては、自社で頻度の高い作業を3つ挙げ、それぞれについて必要な操作の回数を数える方法があります。試用や検証機の貸し出しがあれば、実際に操作して所要時間を計測しましょう。資料では分からない部分であるため、複数の製品で同じ作業を試すと差が見えてきます。
用語や前提知識の量が多い
設定画面に表示される用語が専門的だと、意味を調べる時間が加わります。ネットワークの構成に関する知識を前提とした項目が多い製品では、専任の担当者がいない企業で負担が大きくなる可能性があります。
比較の際は、画面に説明の表示があるか、マニュアルが日本語で用意されているか、設定の手順を案内する機能があるかを確認しましょう。あわせて、よく使う設定について、標準の雛形が用意されているかも確認項目です。ゼロから作る必要がなければ、初期の負担を抑えられます。
ファイアウォールの管理画面で負担になる要素
管理画面の作りは、日々の運用に直結します。ここでは比較の際に見ておきたい要素を整理します。
設定項目の探しやすさ
項目が階層の深い場所にある、あるいは似た名前の項目が複数あると、目的の設定にたどり着くまで時間がかかります。検索の機能があるか、よく使う項目を登録できるかは、作業の効率に影響します。
確認する際は、あらかじめ変更したい設定をいくつか決めておき、説明を受けずに自分で探せるかを試してみましょう。探すのに時間がかかった項目は、日常の運用でも同じ状況が起こる可能性があります。複数の担当者で試すと、個人差を除いた判断がしやすくなります。
状況を把握するまでの手数
問題が起きた際に、状況をつかむまでの手数も比較の対象です。現在の通信状況、遮断された記録、機器の負荷といった情報が一つの画面で確認できるか、それぞれ別の場所を見る必要があるかで、対応の速さが変わります。
確認したいのは、表示される情報の粒度と、絞り込みの条件を指定できるかという点です。特定の利用者や端末に関する記録を素早く取り出せると、問い合わせへの回答が早まります。表示の内容を自社で組み替えられる製品であれば、よく見る情報をまとめた画面を用意する運用も選べます。
ファイアウォールの初期設定でつまずく箇所
導入時の作業は、日常の運用とは異なる知識が必要になる場面があります。どこに負担が生じるかを把握しておきましょう。
ネットワーク構成の整理が必要になる箇所
初期設定では、現在のネットワーク構成を把握したうえで、機器をどこに置き、どの通信を通すかを決める必要があります。既存の構成図がない場合、この整理から始めることになり、時間を要する可能性があります。
負担を抑えるには、導入前に現在の構成を整理しておくことが有効です。使用している回線、接続している拠点、社外から接続する仕組み、業務で使う主要なサービスを一覧にしておきましょう。整理が難しい場合は、現状調査を含めた支援を依頼できるかをベンダーへ相談してください。
作業を依頼できる範囲を確認する
初期設定の負担は、どこまでを自社で行うかによって変わります。設定作業の代行を依頼できる場合と、設定方法の案内までにとどまる場合とでは、必要な社内工数が大きく異なります。
見積もりを受け取る際は、作業項目ごとに実施する側を明記してもらいましょう。機器の設置、初期設定、既存設定の移行、動作確認、利用者への案内といった項目に分けると、抜けを防げます。あわせて、導入後に設定を変更する際も相談できるか、その範囲はどこまでかを確認しておくと、運用開始後の不安を減らせます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でファイアウォールの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
ファイアウォールのサポートで待ち時間が生じる要因
問い合わせへの回答が届くまでの時間は、契約内容と問い合わせの方法によって変わります。仕組みを把握しておくと、対応の見通しを立てやすくなります。
契約内容によって対応が変わる点
保守契約には等級が設けられている場合があり、対応する時間帯や回答までの目安時間が異なります。平日日中のみの契約では、夜間や休日の問い合わせは翌営業日の扱いになる可能性があります。
確認したいのは、対応する時間帯、回答までの目安、問い合わせの手段、日本語での対応可否です。海外に開発拠点がある製品では、技術的な確認に時間を要する場合があります。等級を変更できるか、変更にかかる費用はどの程度かもあわせて聞いておくと、運用開始後に調整できます。
問い合わせ時の情報提供で変わる点
回答までの時間は、提供する情報の内容によっても変わります。発生した時刻、影響の範囲、直近の変更、取得したログがそろっていれば、確認が進みやすくなります。
製品側で、障害の切り分けに必要な情報をまとめて取得する機能が用意されている場合があります。導入時にその手順を確認し、文書に残しておきましょう。あわせて、問い合わせの際に伝える項目を一覧にしておくと、担当者が変わっても同じ水準の情報を提供できます。運用を委託している場合は、どちらが問い合わせを行うかも取り決めておいてください。
スマートフォンからファイアウォールを確認する場合
外出先から状況を確認したいという要望もありますが、対応の範囲は製品によって異なります。
対応している操作の範囲を確認する
管理画面がスマートフォンの画面幅に対応している製品もあれば、パソコンでの利用を前提とした作りの製品もあります。専用のアプリケーションが提供されている場合もありますが、操作できる範囲は限られることがあります。
確認したいのは、状況の確認だけができるのか、設定の変更まで行えるのか、通知を受け取れるのかという点です。多くの場合、外出先では状況の確認と一次的な判断までを行い、設定の変更は戻ってから行う運用が現実的です。実際の画面をデモで見せてもらうと、想定していた使い方ができるかを判断しやすくなります。
社外から管理画面へ接続する条件
管理画面へ社外から接続する場合、接続元を限定する設定や、追加の認証が求められる場合があります。安全性を保つために設けられた条件であり、手順が増える点は把握しておきましょう。
確認したいのは、接続元を限定する仕組みがあるか、複数の要素を使った認証に対応しているか、社内の規程で許可される方法かという点です。社外からの管理操作を認めるかどうかは、自社の情報セキュリティの方針にも関わります。導入前に情報システム部門や責任者と方針を確認したうえで、必要な機能を選定条件に加えてください。
扱いやすさを確かめたいファイアウォール
日常的に行う設定変更や状況確認の手数は、実際の画面で確かめておきたい部分です。運用の負担を比べたい製品を紹介します。
ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ
- 業界最多クラスのセキュリティ機能の中から独自のカスタムが可能
- 管理者負担軽減!導入から運用、保守まですべて一括対応
- 24時間365日の障害検知・切り分けから復旧対応までサポート!
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスセキュリティ(VSR)nシリーズ」は、ファイアウォールを中心に複数のセキュリティ機能をまとめたUTM製品です。導入後の運用監視とオンサイトでの保守が含まれるため、社内で対応しきれない作業を任せたい場合に適した構成です。設定の変更依頼まで含めた範囲を確認しておきましょう。
MRB-Cloud
- 常時最新のセキュリティを提供。ソフトの導入や定義の更新は不要
- 3つのインバウンドセキュリティで外からの脅威を防御します
- 外出先でも安全に通信可能でリモートワークにも対応します
株式会社アンペールが提供する「MRB-Cloud」は、クラウド型のUTMサービスです。ソフトウェアの導入や定義ファイルの更新を自社で行わずに済む作りのため、担当者が限られる環境でも運用を続けやすくなります。複数拠点の一元管理に対応している点もあわせて確認しておきましょう。
QuantumSpark (チェックポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)
- AIで脅威防御し最新のサイバー攻撃に対応。
- FW/VPN/AV/URL/アプリ制御を一体提供。
- クラウドポータルで遠隔設定・監視が可能。
FWX120 (ヤマハ株式会社)
- 20,000円/年の低コストでメールセキュリティも利用可能!
- 複数運用方式のURLフィルターで的確な制限効果を実現!
- 直感的に不正を判断できるセキュリティアドバイス機能!
ファイアウォールに関するFAQ
ファイアウォールの使い勝手について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
- Q1: 使いやすさはどうやって比較すればよいですか?
- 頻度の高い作業を決めて、試用や検証機で実際に操作し、所要時間や手数を計測する方法が有効です。複数の担当者で試すと個人差を除いた判断ができます。
- Q2: 初期設定を自社で行うのは難しいでしょうか?
- ネットワーク構成の整理が必要になるため、専任の担当者がいない場合は負担が大きくなる可能性があります。作業を依頼できる範囲をベンダーへ確認してみてください。
- Q3: サポートの回答が遅いと感じる場合の対処法はありますか?
- 契約している等級で対応時間帯と回答の目安が決まります。問い合わせ時に必要な情報をそろえて提供すると確認が進みやすくなるため、取得手順を用意しておきましょう。
- Q4: スマートフォンだけで運用できますか?
- 操作できる範囲は製品によって異なり、状況の確認に限られる場合があります。外出先では確認までとし、設定変更はパソコンから行う運用を想定しておくとよいでしょう。
まとめ
ファイアウォールの使いにくさは、頻度の高い作業にかかる手数、必要な前提知識の量、初期設定で求められる整理、サポートの対応範囲、社外からの操作の制約といった項目に分けると比較できます。いずれも資料だけでは判断しにくいため、試用や検証機の活用が有効です。自社の体制と作業内容を整理したうえで、複数の製品資料を取り寄せて比較検討を進めてください。

