【選定ポイント1】管理するIT機器の種類で選ぶ
LCMサービスはその管理対象から3つに分類できます。社内のIT資産管理に関する課題をベースにLCMサービスで管理する対象を選びましょう。
パソコンに特化したサービス
LCMサービスで最も多いのがパソコンの管理に特化したアウトソーシングサービスです。パソコンは台数が多く、種類も多彩です。周辺機器や搭載アプリケーションになると、管理が煩雑になります。
台数が多いだけに故障も多く、現場から早急な復旧を求められます。個人所有と会社所有の区別が曖昧であったり、部門での勝手な購入も見られます。許可されていないアプリケーションのインストールも多々あります。
このような背景から、パソコンの調達から設置・設定、運用・保守、廃棄までを代行するアウトソーシングサービスが提供されています。
特定の機器に特化したサービス(パソコン以外)
特定IT機器の製造事業者が、導入後の運用管理も含めてサービスする場合に見られます。一般の製造事業者が提供するメンテナンスサービスだけでなく、故障対応やバージョンアップ、廃棄、さらには新規導入のサポートまで対応します。
例えばコールセンターシステムの場合、インフラからアプリケーション、クライアントの面倒まで一切を担当します。
サービス提供事業者にはユーザ以上のノウハウが蓄積されていますから、機器に関する知識に自信がない企業は利用したほうが良いでしょう。
ITシステム全般のアウトソーシング
特定の機器に限らず、ITシステム全般の運用管理をトータルに代行します。例えばマネジメント段階において経営戦略と情報システム戦略の整合性をとり、システムの企画・構築までを支援するサービスがあります。
クラウドサービスの場合、ベンダーの選定・導入から構築後の運用・保守、システムの評価と刷新・再構築、までトータルに対応するものがあります。
【選定ポイント2】自社で必要となるサービス内容から選ぶ
パソコンであれ、ITシステム全般であれ、各ライフサイクルにおいて必要となるサービスの内容は共通しています。以下でLCMサービスの主な内容について紹介しますので、自社の課題や目的に合ったサービス内容から選びましょう。
選定・調達
ハードウェアやソフトウェアの選定には専門性の高い製品知識や、それぞれのベンダーに関する知識が必要です。IT製品を導入する企業の多くはこれらが不足しているので、客観的な視点で製品選定を支援するLCMサービスを利用するのが効果的です。
また、自社に合った製品を選定するだけでなく、メーカーからのIT機器の調達も支援します。購入はもちろん、レンタルやリースなど、自社に適したサービスを提供しますので、これだけでも大きな負担軽減になります。
キッティング
キッティングとは、出荷状態のパソコンなどのIT機器をユーザが利用できる状態にセットアップすることを指します。IT機器の組み立て・配置・配線、OSや必要なソフトウェアのインストール、ネットワークなどの各種初期設定などの導入作業を代行してもらえるので、自社でキッティングをわざわざ行う必要がありません。
マスターイメージ作成
キッティング作業の共通部分を自動化するため、初期のセットアップが完了した状態のハードディスクをマスターイメージとして、利用します。新規導入時にマスターイメージを複製することで、同時に複数台のキッティング作業を平行して実施できます。マスターイメージを適用した予備機の準備、保管に対応してくれる場合もあります。
ヘルプデスク
エンドユーザのIT機器の操作や不具合などに関する問い合わせに対応します。ヘルプデスクのサポート方法には様々なものがあり、お客様の職場に常駐するオンサイト型、電話やメール、リモートコントロール、社外から対応するオフサイト型などがあげられます。
下取り・データ消去
古いIT機器を下取りし、機器の入替えを促進します。IT機器は、セキュリティ上の観点からもできるだけ最新機器を利用することが望ましいです。故障などによって使用不可能になれば、入替えとなりますが、まだ使える状態での入替え、廃棄に抵抗がある場合もあります。そのような場合には下取りサービスが有効です。
下取りや廃棄を実際にしようという場合、一般的な操作でファイルやフォルダを削除しても、ハードディスク上にデータは残っています。そのため、特殊な方法によってデータを取り出すことができてしまいます。データの完全消去は、このようなデータ復旧を不可能にします。
自社に合ったLCMサービスを選定し、効率的なIT運用管理を!
IT製品の普及が急激に進んでいる中で、IT製品をいかに上手に活用するかが多くの企業の問題になっています。LCMサービスであればこれらの悩みを解決でき、自社のスムーズなIT製品導入を後押しします。
LCMサービスを選定する際には、管理するIT機器の種類と自社に必要なサービス内容に注意すべきです。自社の目的や課題を明確にし、効率的にIT製品を管理しましょう。