BOMとは?

BOM(部品表)とは、製品を造るのに必要な部品を一覧にし、製品の製造に関する重要な情報について端的に示したものです。品目情報である「PN」と、それぞれの部品が何に使われるかなどの情報「PS」の2つが記載されています。
製造に必要となる部品表は設計部門でつくられ、生産部門に引き渡されます。生産部門では部品表を生産管理に必要な形に整え、スケジュールに落とし込みます。また、部品を調達する購買部門でも部品表は必要です。
登録方法から見るBOMの種類
BOMは登録の仕方(データ構造)によって、サマリ型とストラクチャ型に分けられます。
サマリ型
製品を構成する部品の数を入力していきます。
たとえば最終製品Aを生産するのに、中間製品Bが1個と部品Cが4個必要で、さらにその中間製品Bの生産にも部品Cが2個必要だとします。この場合、製品Aを生産するのに必要なのは「部品Cが6個」と登録します。
必要な部品の総数がわかり、部品調達に向いています。
ストラクチャ型
サマリ型とは異なり、ストラクチャ型は製品が完成するまでの中間工程も入力していきます。構造型とも呼ばれます。
たとえば、製品Dをつくるために製品Eが必要だとします。その場合、製品Eに必要な部品数を入力し、その後製品D完成までに必要な部品数を入力すると、EやDの工程や標準リードタイムが判断できます。
膨大な数の中間工程がある場合、ストラクチャ型が便利です。
用途からみるBOMの種類
BOMは用途によって以下のように分類できます。
- ■E-BOM(設計部品表)
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開発・設計段階で利用されます。部品やモジュールの仕様、設計情報(図面データ)、技術情報などが表示され、部品やモジュールの詳細情報を提供します。
- ■M-BOM(製造部品表)
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製品の組立に必要な部品をリストで表示します。製造(加工・組立・外注)に必要な部品・資材情報と工程情報を表し、生産スケジューリングや生産指示、工程管理、部品手配(サプライヤへの発注タイミング)に活用します。
- ■S-BOM(販売部品表)
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販売支援で使用される販売部品表です。販売支援システムと連携します。
- ■購買BOM
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購買部門で使用する部品表です。購入単位数量や仕入先ごとの購入価格リストなど、見積・発注作業に必要な情報がリスト化されます。
- ■サービスBOM
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製品サービスや保守メンテナンスに利用します。メンテナンスに必要な部品がリスト化されます。
より理解を深めるために、主要なBOMであるE-BOM(設計部品表)とM-BOM(製造部品表)の違いを図で比較してみましょう。

BOMにはさまざまな種類があり、内容や活用方法が異なります。BOMを効率的に管理するうえで、BOMの種類についての理解は必須でしょう。
今注目を集める「BOMシステム」とは?
部品管理に多くの企業が悩みを持つ中で、不可欠になりつつあるのがBOMシステムです。以下でその概要を見ていきましょう。
部品管理を効率化するシステム
かつて、BOMは紙やエクセルなどで管理していましたが、二重入力の発生や検索がしにくいなどの問題がありました。また、誤記により部品表間で矛盾が生じることも多かったのです。
そうしたBOM管理の問題を解決するのが、部品管理システム(BOMシステム)です。BOMシステムは専用システムとして提供されることもありますし、生産管理や購買管理の一部機能として含まれることもあります。PLM(Product Lifecycle Management)を構成する重要な要素でもあります。
部品の不足をなくし、納期を正確に判断できる
BOMシステムを利用することで、個々の部品を使用するタイミングを特定し、納期を正確に判断できるので部品不足をなくせます。
CAD、生産管理システム、資材購買システムと連携して、製品情報管理の効率化も可能です。
以下の記事では、BOMシステムについてより詳しく解説しています。部品管理を効率化するためにBOMシステムを導入しようか迷っているという方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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