無料で使えるメールアーカイブとは
無料で使えるメールアーカイブには、オープンソースソフトウェアやメールサービスの標準機能があります。費用を抑えて保存環境を構築できますが、法人利用では管理体制や検索性、障害対応まで確認する必要があります。
送受信メールを保存する仕組み
メールアーカイブとは、従業員が送受信したメールをサーバやクラウド上へ保存し、検索や閲覧を可能にする仕組みです。利用者がメールボックスから削除した場合でも、アーカイブ側には記録を残せます。
メールの本文や送信日時、宛先、添付ファイルを保存できるため、取引履歴の確認や社内調査にも活用できます。担当者個人のメールボックスだけに情報を残さず、組織として管理できる点が特徴です。
無料で利用する主な方法
無料で始める方法は、大きく分けて次の3つです。利用人数や保存するメール量、管理者の技術力を踏まえて選びましょう。
- ■オープンソースソフトウェア
- プログラムが公開されているソフトウェアを、自社のサーバへ構築して利用する方法です。
- ■メールサービスの標準機能
- 利用中のメールサービスに含まれる保存や検索、保持設定を活用する方法です。
- ■メールソフトの保存機能
- パソコン上のメールソフトから、過去のメールをファイルとして書き出す方法です。
なかでも、オープンソースソフトウェアはライセンス費用を抑えやすい方法です。ただし、サーバの準備や初期設定、アップデート、障害対応は自社で行う必要があります。
バックアップとの違い
メールアーカイブとバックアップは、どちらもメールを保存しますが、主な目的が異なります。バックアップは、障害や誤操作で失われたデータを復旧するための仕組みです。
一方、メールアーカイブは、過去のメールを長期間保管し、条件を指定して検索することを目的としています。監査や社内調査、証跡確認に利用する場合は、検索機能やアクセス履歴を備えたメールアーカイブが適しています。
| 比較項目 | メールアーカイブ | バックアップ |
|---|---|---|
| 主な目的 | 長期保存や検索、証跡管理 | 障害発生時のデータ復旧 |
| 検索方法 | 送信者や期間、本文などで検索 | 保存時点やデータ単位で復元 |
| 保存データの利用 | 監査や問い合わせ対応で閲覧 | 消失したデータの復旧に利用 |
| 改ざん対策 | 保存後の削除や変更を制御 | 製品や設定によって異なる |
無料のメールアーカイブでできること
無料のメールアーカイブでも、基本的なメール保存や検索、データの書き出しに対応できる場合があります。まずは小規模な環境で利用し、自社が必要とする保存方法や検索条件を整理すると比較しやすくなります。
メールを長期間保存する
無料ツールを利用すると、メールサーバを通過したメッセージや、指定したメールボックスのデータを保存できます。従業員がメールを削除した場合でも、別の保存領域に記録を残せることがあります。
ただし、保存期間を細かく設定できるかはツールによって異なります。保存期限を過ぎたメールの自動削除や、部署別の保持ルールが必要な場合は、設定範囲を確認しましょう。
過去のメールを検索する
送信者や受信者、件名、送信日時などを指定して、保存したメールを検索できます。顧客との過去のやり取りや、退職した担当者が対応した内容を確認する際に役立つでしょう。
全文検索に対応するツールであれば、本文に含まれる言葉から対象メールを探せます。ただし、添付ファイルの中身まで検索できるか、日本語の表記揺れに対応できるかは製品ごとに違います。
メールをファイルとして出力する
保存したメールを一般的なメールファイル形式で書き出せるツールもあります。対象となるメールを抽出し、調査担当者や監査担当者へ共有する場合に利用できます。
一方、無料ツールでは一括出力の件数や形式が限られることもあります。大量のメールを扱う企業は、出力にかかる時間や、添付ファイルを含めて取り出せるかを確認してください。
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無料のメールアーカイブの制限
無料のメールアーカイブは、検証や小規模運用には活用できます。一方、企業全体のメールを管理する場合は、保存容量や検索速度、権限管理、保守体制が不足する可能性もあるため注意しましょう。
保存容量を拡張しにくい
メール本文だけでなく添付ファイルも保存すると、必要なストレージ容量は増加します。無料ツールそのものに利用料金がなくても、サーバや保存領域の準備には費用が発生する場合があります。
保存容量が不足すると、古いメールを削除したり、ストレージを追加したりする作業が必要です。将来のメール増加量を見込み、容量の監視方法や拡張手順を決めておきましょう。
検索や監査機能が限られる
無料版では、複数条件を組み合わせた検索や、添付ファイル内の検索に対応していないことがあります。メール件数が増えると検索に時間がかかり、必要な証跡をすぐに確認できない可能性もあります。
また、誰がどのメールを閲覧したかを記録する監査ログや、検索結果の承認機能が備わっていない場合もあるでしょう。内部調査で利用するなら、操作履歴を残せる仕組みが必要です。
権限管理が不十分な場合がある
メールには、顧客情報や契約内容、従業員情報が含まれることがあります。そのため、管理者であっても、すべてのメールを自由に閲覧できる状態は避けなければなりません。
無料ツールでは、部署や役職に応じた閲覧範囲を設定できない場合があります。検索権限や閲覧権限、データ出力権限を分けられるかを確認し、必要に応じて社内の承認手順を設けましょう。
自社で保守する必要がある
オープンソースソフトウェアは、設定や更新、障害対応を自社で行うのが基本です。メールサーバとの接続に問題が発生すると、保存されていない期間が生じる恐れがあります。
担当者が不在でも対応できるように、設定内容や復旧手順を文書化してください。技術者を確保できない場合は、運用支援を受けられる有料製品のほうが適していることもあります。
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無料のメールアーカイブが向いている企業
無料のメールアーカイブは、保存対象が少なく、運用担当者を確保できる企業に向いています。本格導入前の検証環境として活用し、実際のメール量や検索頻度を確認する方法も有効です。
少人数でメール量が少ない企業
利用者が少なく、保存するメール量も限定的であれば、無料ツールで対応できる可能性があります。まずは対象部署を限定し、保存や検索の手順を確認するとよいでしょう。
ただし、従業員数だけで判断するのは適切ではありません。画像や設計資料などの添付ファイルを頻繁に送受信する企業は、少人数でも保存容量が増えやすいためです。
社内に技術担当者がいる企業
メールサーバやネットワークに詳しい担当者がいる企業は、オープンソースソフトウェアを運用しやすいでしょう。自社の環境にあわせて設定を変更できる点も利点です。
一方、担当者だけが設定を把握している状態では、異動や退職時に運用が止まる恐れがあります。複数人で管理し、設定変更や障害対応の履歴を共有してください。
導入前に操作性を確かめたい企業
本格的な製品選定の前に、必要な機能を整理する目的でも無料ツールを活用できます。実際のメールを保存し、検索条件や管理画面の使い方を試すことで、選定要件を具体化できます。
検証時は、保存できるかだけでなく、必要なメールを短時間で探せるかも確認しましょう。監査担当者や法務部門にも操作してもらうと、部門ごとの要望を整理できます。
無料から有料へ切り替える判断ポイント
メール量や利用人数が増え、無料ツールの運用負担が大きくなった場合は、有料製品への切り替えを検討しましょう。料金だけでなく、管理工数や障害リスクを含めて判断することが重要です。
検索に時間がかかる
保存するメールが増えると、検索結果の表示に時間がかかる場合があります。監査や顧客対応では、必要なメールを迅速に提示できることが求められます。
検索速度が業務に影響している場合は、インデックスを利用した全文検索や、複数条件による絞り込みに対応する製品を比較しましょう。添付ファイル内の文字を検索できるかも重要です。
管理者の負担が増えている
サーバの容量監視や更新、バックアップ、障害対応に時間を取られている場合は、無料運用の見直しが必要です。利用料を抑えられても、管理工数が増えれば全体の負担は大きくなります。
クラウド型の有料製品なら、サーバの保守やソフトウェア更新を提供会社へ任せられる場合があります。自社で行う作業と、提供会社へ任せられる範囲を比較してください。
監査や調査への対応が必要
監査や不正調査でメールを利用する場合は、データが変更されていないことや、閲覧履歴を確認できることが重要です。無料ツールでは、必要な監査機能が不足する可能性があります。
法務部門や監査部門と連携し、保存期間や検索権限、データ出力の手順を整理しましょう。海外との取引がある企業は、電子証拠開示への対応範囲も確認が必要です。
メール環境が複雑になった
複数のメールサービスや拠点を利用している場合、保存設定を個別に管理すると運用が複雑になります。設定漏れがあると、一部のメールだけ保存されない恐れもあります。
複数環境のメールを一元管理できる製品へ切り替えることで、保存ルールを統一しやすくなります。現在のメール経路や利用サービスを整理し、対応可能な製品を選びましょう。
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無料で資料請求できるメールアーカイブ製品
無料ツールで要件を満たせない場合は、法人向けメールアーカイブ製品を比較しましょう。ITトレンドでは、保存容量や検索機能、メールセキュリティとの連携方法を確認するための資料を無料で請求できます。
IIJセキュアMXサービス
- お客様のメール環境に応じた導入・運用が可能
- 送受信メールを国内データセンターのストレージでアーカイブ
- メール本文を含めた高速全文検索に対応
株式会社インターネットイニシアティブが提供する「IIJセキュアMXサービス」は、メールセキュリティ機能とメールアーカイブ機能を組み合わせて利用できるクラウドサービスです。
送受信メールを国内データセンターのストレージへ保存し、メール本文を含めた全文検索に対応します。迷惑メール対策やメールフィルタリングとあわせて、メール環境をまとめて管理したい企業の比較候補です。
GUARDIANWALL Mailセキュリティ
- クラウド時代のセキュリティへ最適解!安心・安全を提供します
- 高度なフィルタリング機能!柔軟なポリシー設定が可能です
- 国内自社開発・サポートで脱PPAPなど市場ニーズに即応します
キヤノンマーケティングジャパン株式会社が提供する「GUARDIANWALL Mailセキュリティ」は、メールの保存や監査、誤送信対策を支援する製品です。
送受信メールに対してポリシーを設定でき、組織のルールに応じたメール管理を行えます。アーカイブだけでなく、送信前の確認やメールセキュリティを含めて検討したい企業に適しています。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で「メールアーカイブ」の一括資料請求が可能です。ぜひ、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。
無料のメールアーカイブの選び方
無料ツールを選ぶ際も、有料製品と同じように保存範囲や検索性、セキュリティを比較する必要があります。将来の利用人数やメール量も想定し、継続運用できるかを確認しましょう。
保存対象と保存期間を確認する
まず確認したいのは、どのメールをどの程度の期間保存するかです。すべての送受信メールを保存するのか、特定部署や特定ドメインだけを対象にするのかを決めましょう。
保存期間を決めずに運用を始めると、容量不足や不要なデータの蓄積につながります。社内規程や取引上の要件を踏まえ、メールの種類ごとに保持ルールを整理してください。
検索機能を確認する
検索条件が少ないツールでは、保存したメールが増えたときに目的の情報を探しにくくなります。送信者や受信者、期間、件名、本文を組み合わせて検索できるか確認しましょう。
添付ファイルを多く扱う企業では、ファイル名だけでなく内容まで検索できると便利です。検索結果から対象メールを閲覧し、必要な形式で出力できるかも試してください。
セキュリティ機能を確認する
メールアーカイブには、機密情報や個人情報が集約されます。保存データの暗号化や管理画面への認証、通信経路の保護に対応しているか確認しましょう。
管理者権限を複数段階に分けられると、メールを検索する担当者と、設定を変更する担当者を分離できます。閲覧や出力の操作履歴を残せるかも重要な比較項目です。
運用に必要な費用を確認する
無料ツールでも、サーバやストレージ、保守担当者の人件費が必要になる場合があります。ライセンス料金だけでなく、運用にかかる費用を含めて比較しましょう。
| 確認項目 | 無料ツールで想定される負担 |
|---|---|
| サーバ | 機器やクラウド環境の準備、保守が必要 |
| 保存容量 | メール量に応じたストレージの追加が必要 |
| 初期設定 | メール経路や保存ルールを自社で設定 |
| アップデート | 脆弱性への対応やバージョン更新を実施 |
| 障害対応 | 原因調査やデータ復旧を自社で実施 |
無料運用に必要な作業を洗い出し、有料製品の利用料金と比較すると判断しやすくなります。管理者の負担やメールを保存できない期間が生じるリスクも考慮してください。
無料のメールアーカイブに関するよくある質問
無料のメールアーカイブを検討する際は、メールソフトの保存機能との違いや、法人利用の可否が疑問になりやすいでしょう。ここでは、導入担当者が確認しておきたい質問をまとめます。
- Q1:メールソフトの保存機能でも代用できますか?
- 個人のメールを保管する目的であれば利用できます。ただし、従業員による削除を防ぐ機能や、組織全体を対象にした検索、閲覧権限の管理には向きません。監査や証跡管理が目的なら、専用のメールアーカイブを検討しましょう。
- Q2:オープンソースなら費用はかかりませんか?
- ソフトウェアのライセンス費用が不要でも、サーバやストレージ、構築作業、保守対応には費用がかかる場合があります。管理工数を含めた総費用で、有料製品と比較することが重要です。
- Q3:無料ツールを法人利用しても問題ありませんか?
- ライセンスで法人利用が認められていれば利用できます。ただし、商用利用の条件や改変時の義務、サポートの有無はツールごとに異なります。利用前に最新のライセンス条項を確認してください。
- Q4:メールを保存すれば監査に対応できますか?
- 保存するだけでは、十分な対応にならない場合があります。検索機能や改ざん防止、閲覧権限、操作履歴、データ出力なども必要です。監査部門や法務部門と相談し、求められる要件を整理しましょう。
- Q5:無料から有料へ移行する目安はありますか?
- 検索速度の低下や容量不足、管理者の負担増加が見られた場合は移行を検討しましょう。監査対応や権限管理が必要になった場合も、有料製品を比較する適切なタイミングです。
まとめ
メールアーカイブは、オープンソースソフトウェアや既存サービスの保存機能を活用すれば、無料で始められる場合があります。ただし、容量や検索性、権限管理、保守体制には制限があるため、法人利用では慎重な確認が必要です。
まずは無料環境で必要な機能を整理し、管理負担や監査要件を満たせない場合は有料製品も比較しましょう。ITトレンドの一括資料請求を活用すると、複数製品の機能や提供形態を効率よく確認できます。自社のメール環境にあう製品選びに役立ててください。



