各システム、単独運用からのスタート
90年代では、業務システムが部門ごとに単独導入され、管理も各部門で行っていました。しかし2000年になると、同じデータベースを使いながらも、管理がバラバラなためにシステムダウンが起こった時の対応が遅れ、業務全体が停止してしまうというダウンリスク論が展開されました。
それにより、運用管理ツールを単独運用していた体制から、集中管理と分散処理を行う体制へと、システムのメインフレームに変化させ、運用管理の効率化をする動きが市場で活発に起こりました。この時に、統合運用管理やSLA(Service Level Management)という考え方が広まったと言われています。
統合運用管理ツールの登場
統合運用管理4つの観点とITIL
まず、統合運用管理の基本的な4つの観点をご紹介します。
- 1.保守管理業務の統合
- 部門ごとの管理から、一元管理へ
- 2.バッチ処理自動化
- ジョブ管理の主体を人からシステム自身へ
- 3.システム監視・最適化
- トラブル検知やアップデートに関する業務負担やシステムダウンをなくす
- 4.標準化・サービス化
- システムサポートを充実させ、ユーザーの満足度を高める
2000年以降、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)の考え方が普及し、特に4つ目「サービス化」の視点で、オペレーションマネジメント支援を行う重要性が認識されるようになりました。
基本機能の向上
統合運用管理ツールとは、個別ツールの集まりのことですが、運用は一元的・段階的に行います。2000年代では、そうした統合管理の基本性能の向上が見られました。そのうち、大きく3つの機能を挙げると以下のようになります。
- ●作業実績管理:作業実績を記録し、過去の作業履歴を瞬時に追える状態にする
- ●データベースの一元化:柔軟性・拡張性を実現し、全ソフトウェアを同時に管理
- ●システム監視:作業実績を監視し、トラブル検知と復旧を自動化
現在ではほとんど基本機能として紹介される機能ですが、データベースのNoSQL化などの技術革新や、運用サポートの充実などが背景となっています。そのため、単にITILの普及期だったという運用指向の変化だけでなく、技術発展も大きな要素となっていました。この時期にサービスレベルが飛躍的に向上したことは、運用管理の新しい基準ができたとも言えます。
システム運用の現状
現在では、統合運用管理システムの各機能も高度化が進み、基本機能に加えて、仮想化技術の普及にも対応し、運用のタイムコストをさらに削減できるようになっています。しかし一方で、技術発展により、運用スキル要因の不足が問題として顕著になってきており、運用業務の自動化ニーズが高まっています。
管理業務の中でも、システム運用の場合は専門知識が必要だったため、管理ノウハウが蓄積されず、設定変更の度に対応が遅れるという問題がありました。そこで、リソース管理などを自動化することにより、クラウドリソース管理やジョブスケジューリング管理などの専門的な業務をシステム自身が広範囲に行えるようになりました。
統合運用管理のこれから
近年ではクラウド化が進み、ほとんどの製品が仮想化技術への対応を行っています。そのため、クラウドとオンプレミスが入り混じったハイブリット環境でのログ収集・管理が可能になりました。
さらに、多くの製品が、オープンソース製品やアプリケーションパフォーマンス管理ツールとも連携できるようになっています。今後はRPAやIoTなどのITシステムが増え続けていく中で、AIを活用し収集したデータを分析し予測する、提案を行うツールに進化していくのではないでしょうか。
統合運用管理のこれからに期待!
統合運用管理は今後、自動化とクラウド化によってさらに広範囲に運用に幅を広げていくと考えられます。ベンダーは、初めは専門性が求められますが、オートメーション化によって求められる知識レベルは低くなり、サービスはスピードや正確性が注目されるようになるでしょう。
統合運用管理ツールにご興味のある方は、実際の製品をご覧になてみてはいかがでしょうか。