統合運用管理とは
統合運用管理は、企業内のサーバやネットワーク、ツールなどのさまざまなITシステムを一元管理することです。企業のDX化が進むなか、複数システムの運用管理や資産管理に課題を感じる企業が出てきました。そこで、運用コスト削減やトラブルへ迅速に対応可能な環境を構築するため、専用の統合運用管理ツールを導入する企業が増えています。
統合運用管理ツール(統合運用管理システム)とは、自社内のシステム運用管理を一元化するツールです。ジョブ監視・実行やセキュリティ管理など、システムが増えるほど複雑になるシステム運用管理業務の効率化が可能です。
統合運用管理ツールの機能
統合運用管理ツールには、以下のような機能が備わっています。
- ■ジョブ管理
- ジョブの進捗や処理状況を管理する機能。
- ■可用性管理
- ITシステムに十分な機能性があるかを管理する機能。
- ■性能管理
- ITシステムの基本性能が十分にあるかを管理する機能。
- ■構成管理
- ITシステムを構成する要素や環境を最適に管理する機能。
- ■セキュリティ管理
- アクセス権限の管理やセキュリティ対策を行う機能。
- ■IT資産管理
- アップデートなどによりシステムを高機能化・簡易化する機能。
統合運用管理ツールの機能については、以下の記事で詳しく解説しています。統合運用管理の概要も解説しているので、理解を深めたい方は参考にしてください。
統合運用管理ツールの導入メリット
統合運用管理ツールを導入するメリットは次のとおりです。
- ●社内のITシステムを一元管理でき業務効率化につながる
- ●システム監視・バックアップなどの運用管理業務を自動化できる
- ●24時間365日体制で運用監視できる
- ●IT資産の一元的な管理が実現できる
統合運用管理ツールのメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。具体的なメリットを知ってから導入を検討したい方は、あわせてご覧ください。
統合運用管理ツール導入時の注意点
導入メリットの多い統合運用管理ツールですが、安易に導入を決めてしまうとかえって無駄な作業やコストが発生しかねません。統合運用管理ツールを導入する際に注意すべき点は次のとおりです。
- ●導入・運用にコストがかかる
- ●操作方法や業務フローについての周知・サポートが必要
このようなデメリットの発生を回避するためには、統合運用管理ツールを導入する前に予算や運用体制などを検討することが重要です。さらに各社製品をよく比較し、自社に最適な統合運用管理ツールを導入するとよいでしょう。
統合運用管理ツールのおすすめ製品は下のボタンから資料請求できます。ぜひ社内検討に役立ててください。
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統合運用管理ツールの選び方
統合運用管理ツールの選び方について解説します。製品による特徴やメリット・デメリットを理解すれば候補が絞りやすくなるでしょう。
オンプレミスかクラウドか
統合運用管理ツールにはオンプレミス型とクラウド型があります。それぞれの特徴を押さえて、自社にあった提供形態を選びましょう。
- ■オンプレミス型
- オンプレミス型では、自社内にサーバを設置するのが一般的です。しかし製品によっては、クライアントにインストールするツールもあります。オンプレミスの強みであるカスタマイズ性に加え、細かい機能を搭載している製品も登場しており、規模が大きい企業にとってはコストメリットが大きいでしょう。
自社で運用管理を行う手間がかかることや、初期費用が高額になりやすい点はデメリットといえるでしょう。
- ■クラウド型
- インターネットを介してサービスを利用します。オンプレミス型と比べ初期費用を抑え短期間で導入できる点が大きなメリットです。機能追加の柔軟性やカスタマイズ性は低いといえますが、必要な機能が搭載された製品を見つけられれば、低予算で課題解決できるでしょう。
ネット環境があればスマートデバイスも管理しやすく、比較的従業員規模が小さい企業におすすめです。
自社に必要な機能を搭載しているか
ツールを導入する目的に応じて必要な機能が異なります。例えば、「コストを抑えて常時運用監視を実現したい」という場合、処理を自動化するジョブ管理に特化したツールがおすすめです。そのほか、「ツールの一元管理によりインシデントに備えたい」といったニーズがあれば、IT資産管理に特化したツールが適しているでしょう。
統合運用管理ツールには、ジョブ管理機能やIT資産管理機能に加えて、セキュリティ管理やパフォーマンス管理などの機能があります。導入目的にあわせて必要な機能を事前に洗い出しておくとよいでしょう。
必要なパッチ適用やアップデートが管理しやすいか
管理しているシステムやIT資産のセキュリティ強度を維持するには、常に最新バージョンを保つことが重要です。しかし、管理するシステムが多いとバージョンアップの作業負担が大きいといえるでしょう。統合運用管理ツールを導入するときは、管理者の負担をいかに減らせるかを考えることが大切です。アップデートや契約更新などをいち早く確認し簡単に操作できる製品を導入すれば、管理者の負担を軽減し、セキュリティ強度の保持につながるでしょう。
また、異常が発生した際にはセキュリティパッチの適用が不可欠です。そこで、必要なパッチ適用が可能なシステムを導入すれば、効果的に運用できるでしょう。
おすすめの統合運用管理ツールを比較
ITトレンドがおすすめする統合運用管理ツールを紹介します。提供形態や対応機能などを比較しているので参考にしてください。また、気になる製品は「+資料請求リストに追加」でカートに入れておき、あとでまとめて資料請求が可能です。
《Senju/EN》のPOINT
- 3つのエンジンで混在する管理ツールを統合
- 既存ツールの設定を変更せず、メッセージ統合&フィルタリング
- 外部ツールとの連携
株式会社野村総合研究所が提供する「Senju/EN」は、ViewやRule、Hubの3つエンジンで統合運用管理を行います。複数システムの情報を集約し、情報を抽出して処理を行い、操作を実行するという各フローをそれぞれのエンジンが担います。また、障害発生の検知から対処までの自動化も可能です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
パッケージソフト / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
障害監視対応 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
5,000名以上
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
1,000名以上 5,000名未満
ベニックソリューション株式会社の統合運用管理ソリューション
製品・サービスのPOINT
- 統合監視によるITシステムの安定化・効率化を実現
- 異機種環境・大規模環境でも安定したジョブ管理ソリューション
- 重要データを確実に保護するバックアップ自動化ソリューション
ベニックソリューション株式会社の統合運用管理ソリューションは、サーバ監視やジョブ自動化、バックアップなどの統合管理に対応しています。分散されたサーバ上のリソース監視やバックアップを自動化できるほか、障害予兆検出により障害発生時のスピーディーな対応により、システム管理者の業務負荷軽減にもつながるでしょう。
対象企業規模 |
従業員数500名以上/売上100億円以上 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
障害監視対応 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《AX-Network-Manager》のPOINT
- マルチベンダー対応。まとめて複数台ワンタッチで操作可能
- ネットワーク情報の収集自動化。ドキュメントもワンタッチ出力
- 直感的GUIで簡単に状況把握。ネットワークの管理・運用が効率化
アラクサラネットワークス株式会社が提供する「AX-Network-Manager」は、ネットワーク情報を一元管理するためのネットワーク運用ソリューションです。直感的にネットワークを変更できるGUIで、モデル名や装置名、IPアドレスやシリアル番号などの詳細情報や通信経路の状態を表示します。さらに、バックアップ取得やソフトウェア更新など9種類以上のタスクスケジュール設定が可能です。設定したスケジュールに沿って自動で実行するため、早朝や深夜の処理に便利です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《アラートメールフィルタ》のPOINT
- アラートメールの送信先にAMFを加えるだけで簡単に利用できる
- スクリプト開発の必要なくノーコードで設定可能
- 運用会社が開発したツールのため導入後も手厚いサポート体制
「アラートメールフィルタ」は株式会社ビリーフワークスが提供しており、障害発生時に届くアラートメールの選別を自動化するクラウドサービスです。アラートフィルタ機能で、対応すべきアラートメールかを判別し、電話やメール、チャット送信などの自動対応をします。緊急度の高いアラートの見逃しや、内容の読み間違えなどを防止できるため、人為的ミスの削減につながるでしょう。アラートメールが多く、内容の確認や初動対応に工数がかかっている企業におすすめです。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
エントリー:初期費用無料、月額18,000円 スタンダード:初期費用無料、月額50,000円 エンタープライズ:初期費用無料、月額120,000円 プロフェッショナル:初期費用無料、月額180,000円 専用環境:初期費用200,000円、月額360,000円 ※無料トライアルあり |
対応機能 |
障害監視対応 |
クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View
製品・サービスのPOINT
- 「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2024-2025」で1位を獲得!
- IT資産情報を一元管理し、管理者の業務負担を軽減!
- 組織のポリシーに合わせてセキュリティを強化
「クライアント運用管理ソフト SKYSEA Client View」 はSky株式会社が提供しており、情報漏えい対策やIT運用管理を支援する運用管理ソフトウェアです。メンテナンスやサーバ監査、ログ管理など多くの機能から運用にあわせて選択できます。IT資産運用では、端末の管理をはじめサーバやソフトウェア情報などの一括管理に対応しています。条件を設定して端末を絞り込み、バージョンアップの実行など日常的な管理が効率化するでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
50名以上 100名未満
改善してほしい点
介護・福祉
500名以上 750名未満
《Jira Service Management》のPOINT
- リックソフトはAtlassian Platinum Solution Partnerです
- ITIL準拠のITサービスマネジメントツール
- 問い合わせ受付者数に基づくライセンス形態
リックソフト株式会社が提供する「Jira Service Management」 は、ITサービスマネジメントツールです。変更管理やインシデント管理、サービスリクエスト管理、問題管理の4つのプロセス管理でITIL互換のPinkverifyを取得しています。組織の資産を一元管理し、インフラを総合的に可視化します。重要な問題の特定ができるため、迅速な解決やコンプライアンス違反の回避につながるでしょう。要望にあわせた研修など、システム導入後の定着や運用サポートが手厚いのも特徴です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド |
参考価格 |
初期費用無料、月額2,400円~ |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《MaLionCloud》のPOINT
- 勤怠管理システムと連携し、従業員の働き方をグラフで見える化
- PC・スマホ・タブレット一元管理!社内外すべてのIT資産見える化
- PCの操作ログやIT資産の監視・制御で、情報漏洩リスクの見える化
株式会社インターコムが提供する「MaLionCloud」は、社内外PCをはじめとしたIT資産の運用管理に必要な機能が標準搭載されています。勤怠管理システムとの連携で従業員の働き方を可視化し、PC操作ログの収集・解析を通じて情報漏えいリスクを低減。さらに、MDMオプションの利用で、スマートデバイスも効率的に管理できます。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
月額900円/ライセンス ※100ライセンスの場合 |
対応機能 |
障害監視対応 |
《AssetView Cloud +》のPOINT
- ヒトを軸とした人事情報連携による管理でセキュリティ対策
- 業務に必要なプランのみ選択しコスト削減と高効率な運用を実現
- 目的に沿った運用ができるよう導入から運用まで幅広くサポート
株式会社ハンモック提供の統合型IT運用管理「AssetView Cloud +」は、IT資産管理・情報漏えい対策・PC更新管理・SaaS管理の4つのプランから、自由に組み合わせて導入できます。サーバ管理が不要なうえ、サポート窓口や管理コンソールが一本化するため、効率性の高い運用が可能です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
禁止ソフト設定 / 自動配布 / 障害監視対応 |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
《Zabbix》のPOINT
- スマートで高速自動化、多くのプラットフォームに対応
- スマートな問題のしきい値を定義し、問題を迅速に検出
- 収集したデータをさまざまな方法で視覚化
「Zabbix」はZabbix Japan合同会社が提供する、オープンソースの監視ソリューションです。アプリケーションやネットワーク、ログなど幅広い監視に対応しています。トレンド予測や機械学習で問題の検出、収集したデータを視覚化できるため、分析に役立つでしょう。そのほか、コンサルティングやトレーニングなどのサービスも豊富です。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
無料 |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
50名以上 100名未満
改善してほしい点
卸売・小売業・商業(商社含む)
5,000名以上
《Ansible》のPOINT
- 作業の自動化によって、作業管理を容易に行うことが可能!
- システムを最新状態で保存できるのでスムーズな障害対応が可能!
- 本番環境のシステムに自動で確実にデプロイすることが可能!
レッドハット株式会社が提供する「Ansible」は、複数のシステムの構成管理や作業の自動化、スムーズな障害対応をするツールです。障害などのトラブル発生時に、ただちに別サーバにデプロイして更新や変更作業を実施するため、原因究明と対応が滞りなく実現するでしょう。また、サーバやシステム、ソフトウェアを常に最新の状態で保ち、定常業務などの自動化で作業工数や人員工数の削減につながります。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー※無料トライアルあり |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
250名以上 500名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
5,000名以上
Splunk Enterprise
Splunk Services Japan合同会社
《Splunk Enterprise》のPOINT
- 世界110カ国以上の13,000以上の企業と教育・行政機関が利用!
- 美しく見せるダッシュボードでデータを可視化できる!
- 導入が容易で低コスト・低リスク!
Splunk Services Japan合同会社が提供する「Splunk Enterprise」は、ビッグデータのログを集計し分析する総合ログ管理プラットフォームです。データ収集や監視、可視化や分析に対応し、コンプライアンス対策やビジネス分析、不正行為の検出が可能です。AIと機械学習を統合し独自の学習モデルを作成できるため、企業にあわせた問題解決に役立つでしょう。さらに、容量増加や処理に応じてシステムの拡張にも対応しています。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
オンプレミス / クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー※無料トライアルあり |
対応機能 |
自動配布/障害監視対応/アウトソーシング |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
5,000名以上
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
5,000名以上
《LogicMonitor》のPOINT
- クラウド(SaaS)型で、エージェントレス、AIOps標準実装
- 3,000種類以上事前設定済み標準テンプレートで簡単初期設定
- マルチ・テナント(アカウント)管理で運用業務改革(DX)を促進
「LogicMonitor」は、SaaSpresto株式会社が提供するクラウド(SaaS)型統合監視プラットフォームです。パブリッククラウドやオンプレミス、ハイブリッド、仮想環境でもエージェントレスで一元監視ができます。仮想デスクトップ基盤やMicrosoft 365、Zoomなど、さまざまなツールのモニタリングにも対応が可能です。運用保守業務全般の効率化に役立つでしょう。
対象企業規模 |
すべての規模に対応 |
提供形態 |
クラウド / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点
素材
100名以上 250名未満
まとめ
統合運用管理ツールを導入すれば、社内にある複数のシステムを集中管理するため個別に管理する手間が省けます。また、システムの状態も把握しやすくなるため、異常を素早く察知でき、迅速な対応が可能です。
システム選定時には複数製品を比較し、資料を請求したり無料デモを受けたりしたうえで導入するのがよいでしょう。ITトレンドがおすすめする統合運用管理ツールは、一括で資料請求ができます。オリジナルの比較表も作成できるため、ぜひ社内検討にご利用ください。自社にあう統合運用管理ツールを導入して、社内の運用体制を整えましょう。