ピッキング作業を効率化させる方法
ピッキング作業を効率化する方法を5つ紹介します。
ロケーションを工夫する
商品のロケーションを変えるだけでも作業は効率化します。
たとえば、頻繁に出荷する商品はできるだけ出荷場所に近いところに保管しておけば、往復する距離が短く済みます。また、同時に出荷される機会が多い商品同士を近くに保管しておけば、手間が少なく済むでしょう。そのほか、外見が似通った商品同士は離れた位置に置いておくと、ミスのリスクを減らせます。
整理整頓を行う
倉庫内が汚いと作業効率が低下します。たとえば、足元に荷物があれば歩きにくくなり、その分余計な時間が生じるでしょう。また、怪我をするおそれもあります。
以下の5Sに留意して倉庫を綺麗にし、作業員が安全かつ快適に作業できる環境を整えましょう。
- 整理
- 不要なものを処分する
- 整頓
- 使う物品の位置を適切にする
- 清掃
- ゴミや汚れを取り除く
- 清潔
- 整理・整頓・清掃の3つを維持する
- 躾
- 上記4つが守られるよう、従業員を教育する
ピッキングリストとマニュアルを整備する
作業員は、ピッキングリストを見ながらピッキングを行います。そのため、ピッキングリストが見やすいほうが効率的に作業できます。
特に注意したいのが、余計な情報が入っていないことです。ピッキングに必要な情報は品番・数量・ロケーションであり、出荷先や商品名などは必要ありません。余計な情報が盛り込まれていると必要な情報に目が行きづらくなり、作業効率が低下します。また、読み間違いによる誤出荷のリスクもあるでしょう。
さらに、作業員が作業の方法・手順に迷わないようにマニュアルを整備することも大切です。これがなければ作業が属人的になり、熟練者とそうでない作業員の間に大きな差が生じます。誰がやっても一定水準以上の成果を出せるように、作業を標準化しましょう。
品出し方法やピッキング手法を見直す
品出し方法を工夫するとピッキング作業が楽になります。ピッキングしやすい向きや位置を考慮して品出しすれば、ピッキング作業員の負担が軽減します。品出し作業員の負担は増えますが、品出しよりピッキングのほうが回数が多いため、トータルで考えると軽減できる負担は大きいでしょう。
また、ピッキング自体の方法を見直すのも有効です。ピッキングにはシングルピッキングとトータルピッキングがあります。前者は出荷先ごとに商品を取りに行く方法で、後者は全出荷先分の商品をまとめて集めた後、出荷先ごとに仕分ける方法です。出荷先が少ない場合は前者、多い場合は後者が効率的とされています。
自社の場合はどちらのほうが効率が良さそうか検討してみましょう。
マテハン機器や在庫管理システムを導入する
ピッキングは人の手を介する以上、どうしても作業員の熟練度による差が生じます。また、人為的ミスも完全に排除するのは不可能です。しかし、マテハン機器や在庫管理システムによって作業の一部を機械化すれば、それらのデメリットをある程度回避できます。
たとえば、最近ではハンディターミナルを用いたピッキングが珍しくありません。これは、ピッキングリストのデータをバーコード化し、それをハンディターミナルで読み取って作業するものです。作業員が間違った商品を取ろうとするとブザーなどで知らせてくれます。
一方、在庫管理システムがあれば倉庫内の在庫をシステム上で一元管理できます。在庫切れなどに伴うタイムロスを回避できるでしょう。また、ピッキングリストの出力も可能など、作業員への指示も効率化します。
ピッキング作業を効率化させた事例
続いては、ピッキング作業を効率化させた具体的な事例を紹介します。
- 【デジタルピッキングの利用例】
- ある企業は、紙ベースでのピッキングや、ミスを減らすために2人1組で作業をしていることに難を感じていました。そこで、表示器を利用したデジタルピッキングの導入に踏み切りました。その結果、商品知識がない作業員でも円滑な作業が実現。2人1組で行う必要もなくなり、生産性が大幅に向上したと言います。
- 【ピッキングシステムの利用例】
- 食料品を扱うある企業は、ピッキングを効率化するとともに、高度な品質管理を実現したいと考えていました。そこで、ピッキングシステムの導入を決断しました。その結果、作業内容はシステム上で一元管理できるため、作業の透明度が増したと言います。さらに、ベルトコンベアにより省力化も実現しました。
ピッキング作業の効率化を図り、生産性を高めよう!
ピッキング作業を効率化する方法は以下の5つです。
- ■ロケーションの工夫
- ■整理整頓
- ■ピッキングリストやマニュアルの整備
- ■品出し方法やピッキング手法の見直し
- ■マテハン機器や在庫管理システムの活用
特に作業の機械化は、ピッキングのみならず倉庫業務の総合的な効率化を実現します。作業を標準化して属人化を防ぎ、一定水準以上の生産性を確保しましょう。