マルチオーダーピッキングとは?
マルチオーダーピッキングの概要を見ていきましょう。
複数オーダーのピッキングと、仕分けを同時に行うやり方
マルチオーダーピッキングは、複数オーダー分のピッキングをしつつ、同時に仕分けを行う方法です。簡単な例を基に見ていきましょう。
- オーダー1
- 商品A×2個、商品B×3個
- オーダー2
- 商品A×4個、商品B×1個
上記の2オーダー分の商品をまとめてピッキングする場合、商品Aは6個、商品Bは4個取ってくることになります。しかし、それぞれまとめて6個・4個として取ってくると、後でオーダーごとに分ける必要が生じます。
そこで、あらかじめダンボール箱などを複数用意し、オーダーごとに分けて商品を取ってくるのがマルチオーダーピッキングです。上記の例では、オーダー1とオーダー2の箱を用意し、必要な数量の商品A・Bをそれぞれの箱に投入します。
ピッキング手法の一つ
ピッキングの手法にはいくつかの種類があります。代表的なのがシングルピッキングとトータルピッキングです。
シングルピッキングとは、オーダーごとに商品を取ってくる方式です。前述の例で言えば、まずオーダー1のピッキングを終え、次にオーダー2に着手するといった形で進めます。単純で分かりやすい反面、倉庫内を往復する回数が増えてしまいます。
これとは反対に、トータルピッキングでは複数オーダー分の商品をまとめて取ってきます。前述の例では、商品Aを6個、商品Bを4個取ってくるのがトータルピッキングです。しかし、この方法では後でオーダーごとに商品の仕分けを行わなければなりません。
一方、マルチピッキングは両者の長所をあわせ持つ方式と言えます。トータルピッキングのようにまとめて持ってこれますが、ピッキングと同時に仕分けをするため、後で手間が生じません。ただし、同時に行う以上ミスが生じやすいのが難点です。
ピッキングの生産性を向上させるには?
いくつかあるピッキング手法のうち、自社に適切なものを採用すると生産性を高められます。しかし、ピッキングの生産性を向上させられる手段はそれだけではありません。ほかにも2つの方法があるため、くわしく見ていきましょう。
作業工程の分析
一口にピッキングといっても、その作業は多くの工程で構築されています。たとえば、ピッキング前には台車にオリコンを積んだりピッキングリストを取得したりする手間があるでしょう。実際にピッキングをする際にも、ロケーションまで足を運び、リストを読み、商品を手に取るといった工程があります。
ピッキングの生産性を高めるには、これらの工程を分析することが大切です。各工程にどのくらいの時間がかかっているのか、それは全体の何%かなどを明らかにしましょう。そして、分析結果を基に改善点を探します。時間がかかり過ぎている作業や、本当に必要なのか怪しい工程を見つけ出し、対策を講じましょう。
たとえば、歩行に時間がかかりすぎているのなら、ロケーションを見直せば改善するかもしれません。リストを読むのに時間がかかるようなら、それを見やすく工夫するのも良いでしょう。こうした各工程への地道な対策が、総合的な生産性を底上げします。
ピッキングシステムの活用
ピッキングを大幅に効率化する方法として、ピッキングシステムの活用があります。ピッキングシステムとは、その名のとおりピッキングを支援するシステムです。作業を機械化することで人手を介する割合を減らし、ミスの回避につなげます。代表的なシステムをいくつか紹介します。
- デジタルピッキング
- デジタル表示器を活用したピッキングシステムです。表示器の文字やランプを見ながら作業します。
- タブレットピッキング
- 紙のピッキングリストではなく、タブレット端末に表示される指示に従ってピッキングを行います。
- ハンディターミナル・バーコード
- 商品とリストの照合を、目視ではなくバーコードスキャンによって行うシステムです。
- RFIDタグ
- 商品に埋め込んだタグと無線通信を利用し、ピッキングミスを防ぐシステムです。
マルチオーダーピッキングについて知り、作業を改善しよう!
マルチオーダーピッキングとは、複数オーダー分の商品を仕分けしながらピッキングすることです。シングルピッキングとトータルピッキングの長所を持ち合わせた方法と言えます。適切に活用すれば生産性を向上させられるでしょう。
また、そのほかの生産性を高める方法は以下のとおりです。
以上を踏まえてピッキング作業を改善し、業務を効率化しましょう。