ピッキング作業でミスが発生する原因
ピッキング作業は人力で行うため、ミスが生じます。しかし、「ミスが生じるのは仕方がない」と諦めてはいけません。原因を特定して対策を講じればミスは減らすことができます。
ピッキング作業におけるミスの代表的な原因は以下のとおりです。
- 情報が多すぎることによる間違い
- ピッキングリストに記載されている情報が多すぎて見間違うなど
- 似た情報があることによる間違い
- 品番や外見が似通っていることで商品を間違うなど
- 前後情報の混同による間違い
- 連続して似た商品を扱うことによる混同など
- 経験による思い込み
- 作業に慣れて逐一情報を確認しなくなるなど
ピッキング作業でのミスを防ぐコツ
先述したミスの原因を踏まえて、ピッキング作業を正確に行うにはどうすれば良いのでしょうか。
ロケーションと保管方法を最適化する
似た外見の商品が近い位置に保管されていると、見間違うことがあります。品番を見れば判別がつきますが、経験を積んだ作業員ほど直感的に判断しがちです。似た商品は離れたロケーションに保管し、見間違いを減らしましょう。また、類似品が存在することはあらかじめ作業員に周知しておくと、より高い効果を期待できます。
一方、倉庫内を綺麗に保つことも大切です。特定の箇所に商品が集中していたり、本来商品を保管すべきでない場所に設置していたりすると、ミスや怪我を招きます。ロケーションをバランスよく決め、あらかじめ決めた場所以外には物品を置かないようにしましょう。
ピッキングリストと棚番を見やすく調整する
ピッキングリストはあくまでピッキングをするための書類です。したがって、ピッキングに不必要な情報は記載すべきではありません。
ピッキングに必要なのは、基本的に品番・数量・ロケーションの3点だけです。これら以外に商品名や発送先を記載しているケースもありますが、必要ないうえに、ミスを招く原因にもなります。たとえば、商品名を記載していると、似た名前の商品を混同するおそれがあります。初めから品番だけを書いておけば、このようなミスは生じません。
また、棚に記載している棚番を見やすくすることも大切です。記載する位置や文字の大きさを工夫しましょう。見間違いを防ぎやすくなるのはもちろん、棚番を確認する手間が減るため生産性が向上します。
品番の付け方を工夫する
品番は、基本的に文章として意味を持たない英数字の羅列です。そのため、人間が判読する際に些細な違いを見分けづらい特徴があります。特に、ごく1部分が異なるだけの品番を、正確に見分けるのは困難です。「A-2381415」「A-2381416」のように、連続した番号を用いるのは適切ではありません。
また、見た目が似通った文字にも注意が必要です。たとえば、「BEE-562569」と「BEF-562596」の違いは、ぱっと見た限りでは見つけづらいはずです。この例では「E」と「F」、「6」と「9」が異なります。他にも、「0」と「O(オー)」、「1」と「I(アイ)」などは見間違いやすいため注意が必要です。ミスを招きやすい文字は避けて品番を決めましょう。
理想的なのは英字・数字の配置や数が統一されていない品番にすることです。たとえば、「5A-1682KK」と「X78M3」であれば、見間違えることはありません。
作業や情報共有にルールを設ける
ピッキングは、作業内容だけを見れば、指定された商品を倉庫内から探してくるというシンプルなものです。そのため、作業手順を決めることなく作業員に任せきりにしているケースもあります。しかし、作業方法が作業員ごとに異なるとミスの原因を特定できず、対策をとれません。
そのため、マニュアルを作成して作業手順を標準化しましょう。それでミスが減らないようなら、マニュアルのどこかに不備があると考え、ブラッシュアップしていきます。これを繰り返すことで、作業員全員の業務品質を高められます。
また、ピッキングを正確に行うには、前提として商品が正しいロケーションに保管されていることが不可欠です。したがって、入庫作業もマニュアル化してミスを減らしましょう。さらに、ロケーションが変わる際は、入庫・ピッキング作業員に必ず周知しましょう。
ピッキング作業の正確性を大幅に向上させる方法
ここまでは、ピッキング作業は人手で行うものである以上、ミスが生じる前提で考えねばならないことを紹介してきました。しかし、ピッキングを機械化すればミスの問題は根本的に解決できます。
たとえば、近年はバーコードをハンディターミナルで読み取ってピッキングする形態が増えてきています。これならば、そもそも人間が目視でリストを読む必要がなく、読み間違いは生じません。検品時にもバーコードを使用するため、目視によるチェックよりも正確に間違いを検出できます。
また、機械化はミスの減少だけでなく人件費の削減にもつながります。倉庫作業の生産性を総合的に高められる方法と言えるでしょう。
ピッキングでのミスを減らして、業務の効率化を!
ピッキング作業は人手で行うためミスが生じがちです。ちょっとした見間違いや記憶違いがミスを招きます。少しでもミスを減らすために、以下の対策を講じましょう。
- ■ロケーションと管理方法を最適化する
- ■ピッキングリストと棚番を見やすくする
- ■品番の付け方を工夫する
- ■作業や情報共有にルールを設ける
また、ピッキング作業を機械化することで大幅にミスを減らせます。
以上を踏まえ、業務を効率化しましょう。