リストを使ったピッキングは非効率的
倉庫や工場など、出荷前の製品が保管されている場所で欠かすことができないピッキング作業。あなたの会社ではどんな方法で行っていますか?
多くの企業では、ピッキングを人の手で行っています。ピッキングリストを作成し、リストに沿ってピッキングをします。どんなに倉庫内の商品をきっちり整理したとしても、リスト内の商品をひとつひとつ探す手間を考えると、それなりに時間がかかってしまいます。
また、リストを用いたピッキングでよくあることが、作業員2人1組でピッキング作業をすることです。1人がリストを読み上げ、もう1人が商品の取り出しを行うため、1つの作業を2人がかりで行うことになり、人件費が余分にかかってしまいます。
また、冷蔵庫・冷凍庫内では作業員の作業時間も限られてくるので、商品のピックアップは効率的に行い、時間を短縮していく必要があります。しかし、人の手で作業を行う場合、商品のピックアップの度に、リストにチェックを入れることで在庫把握をするために、時間がかかってしまいます。
さらに、棚・商品の位置がわからない初心者がピッキングをしようとしても、リストをみただけでは商品の場所がわからず、なかなか作業が効率よく進まないことが多いです。
ピッキングシステムで作業を効率化
こういったピッキングの課題を解決するために使われるのが、ピッキングシステムです。
最もベーシックなピッキングシステムは、バーコードリーダーのようなハンディターミナルを用いてバーコードによる商品管理を行います。商品が入荷・移動・出荷の度にバーコードで商品の管理をするので、商品の場所をリアルタイムでデータ化することができます。それにより商品の在庫管理に関するミスがなくなります。
ピッキングシステムを導入することで、リストを読み上げるために2人1組でピッキングを行う必要がなくなります。また、どの商品が/どの棚に/何個あるのかわかるため、誰でも簡単に必要な商品を探し出すことができるでしょう。初心者でも簡単にピッキング作業ができるようになることで、教育にかかる時間などが短縮し、人件費の削減に役立ちます。
こちらの記事では、ピッキングシステムの選び方を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
多様化するピッキングシステム
ピッキングシステムの種類は、近年ますます増えています。ピッキングした商品をベルトコンベアで運べるような仕組みや、ピッキングするカートにピッキング商品の指示をするカーナビのような画面が付いているものなど、ピッキングはさらに進化しているのです。ここでは、3つのピッキングシステムをご紹介します。
音声を用いたピッキングシステム
1つ目が、音声を用いたピッキングシステムです。ハンディターミナルを用いたピッキングシステムを使ったとしても、どうしてもハンディターミナルを持つ手が塞がってしまうという問題は解決しませんでした。そこで、ピッキング指示を音声で行うピッキングシステムが登場しました。
ピッキング担当者が、ヘッドセットを頭につけると機械音声がピッキング指示をしてくれます。それによって、手にリストやハンディターミナルを持たなくとも、ピッキングが可能となります。ハンズフリーになることで、重い物を両手でもったり、割れ物や危険物を丁寧に運んだりできるようになります。
また、リストやハンディターミナルを見る必要がないということで、アイズフリーになります。リストを注視していたために、周りを見ることができず、周囲の人とぶつかってしまうといった危険を避けることができます。
デジタルピッキングシステム
2つ目が、デジタルピッキングシステムです。デジタルピッキングシステムとは、商品を保管している棚に、デジタル式の数量表示計を付け、数量表示計のランプなどで、ピッキング指示をだします。
一目で必要な商品がわかるので、初心者でも簡単にピッキングができるだけではなく、リストなどを必要としないハンズフリーでのピッキングができます。たとえば、定番商品をピッキングする場合など、決まった商品を何度もピッキングするときに役に立ちます。
ロボット化
3つ目が、ロボット化です。商品を入れた棚を自動的に運ぶロボットを活用することで、人の手を使うことなくピッキングができるようになります。まだ、一般企業に浸透・普及しているとは言えませんが、これからどんどんロボット化が進んでいくかもしれません。
システム導入でピッキングを効率化
リストを用いたピッキングをしている企業は、まず、ハンディー式のピッキングシステムを導入することを検討してみてもいいかもしれません。さらに、商品の入れ替わりが早い棚が多いのであれば、音声式のピッキングシステムや、デジタルピッキングシステムといったピッキングシステムを導入することも検討してみることをおすすめします。現場の作業員の業務効率を上げ、企業に利益をもたらすピッキングシステムの導入をご検討ください。