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在庫回転率とは?在庫回転期間や適正在庫の計算方法とあわせて解説

2024年06月05日 最終更新

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在庫回転率とは?在庫回転期間や適正在庫の計算方法とあわせて解説

製造業や小売業などにとって重要な在庫管理業務。在庫管理を適切に行い適正在庫を実現するために必要な指標のひとつとして、「在庫回転率」があげられます。

この記事では、在庫回転率とは何かや、必要性、計算方法などをわかりやすく解説します。関連製品の一括資料請求も可能なため、製品をじっくり検討したい方はぜひご利用ください。

目次

      在庫管理システム紹介ページ遷移画像

    在庫回転率とは

    在庫回転率とは、一定期間内に在庫がどの程度入れ替わったかを示す指標です。簡単な例を挙げると、ある商品の平均在庫が100個のとき、それが200個売れると在庫回転率は2となります。

    上記の例では個数で計算していますが、金額でも同様です。たとえば、平均在庫の価値が10万円の商品が20万円分売れると、在庫回転率は2となります。

    在庫回転率が示すのは、「その商品がどのくらいのペースで売れているか」です。この数値が大きいほど売れ筋であることを示します。反対に数値が小さい場合は、商品が売れるのに時間がかかっていることを示します。在庫を多く保有するほど管理コストがかかるため、企業は在庫回転率を高めるような施策を行う必要があるのです。

    在庫回転率を把握するメリット

    在庫回転率は商品がどの程度のサイクルで売れているのかが可視化できる指標であり、基本的に数値が大きいほど理想的です。それだけその商品が企業の売上に貢献していることを意味します。ただし売上総利益を見なければ、在庫回転率が高いだけで経営が順調とは断定できません。

    それでは、在庫回転率を把握する目的はなんでしょうか。在庫回転率を把握することで得られるメリットは以下のとおりです。

    • ●顧客のニーズを知ることで、経営状態を正しく判断できる
    • ●在庫過多を防ぎ、無駄なコストを生み出さなくなる
    • ●在庫切れを防ぎ、販売機会の損失を防げる
    • ●在庫サイクルを知り、商品の品質を維持できるようになる

    売れ筋や死に筋の商品を把握し需要予測を立てたり、経営判断に活かされたりするのが在庫回転率。季節や業種により変動があるため、前年同期や同業他社と比較するとよいでしょう。

    在庫回転率の計算方法

    続いては、在庫回転率の計算方法を見ていきましょう。金額ベースと個数ベースの計算方法をそれぞれ紹介します。

    金額ベース:期間売上原価を期間平均在庫で割る

    金額ベースで在庫回転率を計算する場合は、以下の計算式を用いましょう。

    在庫回転率=期間売上原価/期間平均在庫金額

    分子に売上高ではなく売上原価を使うのは、分母が仕入値だからです。同じく仕入値である売上原価を用いることで、実態に合った値が得られます。

    一般的には、1年間における在庫回転率が利用されるため「年間売上原価/年間平均在庫」で算出されることが多いです。年間平均在庫は、その期間の期首(前期の期末)と期末の棚卸資産を平均して算出します。

    なお、売上原価と平均在庫金額の計算式は次のとおりです。

    • ●売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
    • ●平均在庫金額=(期首在庫高+期末在庫高)/2

    以下で簡単な例を見てみましょう。

    • 令和3年度の年間売上原価=105万円
    • 令和2年度の期末棚卸資産=30万円
    • 令和3年度の期末棚卸資産=40万円

    上記の条件のとき、令和3年度の在庫回転率は以下のように算出されます。

    • 年間平均在庫=(30万+40万)/2=35万円
    • 在庫回転率=年間売上原価/年間平均在庫 =105万/35万 =3回

    個数ベース:期間出庫数を期間平均在庫数で割る

    個数ベースで在庫回転率を計算する場合は、以下の計算式を用いましょう。

    在庫回転率=期間出庫数/期間平均在庫数

    期間出庫数は、対象の期間における日々の出庫数量の合計値です。そして、期間平均在庫数には、対象の期間の期首・期末の在庫を足して2で割った数値を使います。

    金額ベースよりも、個数ベースによる計算のほうが実務的だといわれています。なぜなら、金額ベースで計算するのは決算書を見る経営層だからです。

    また、金額は在庫の売れ行き以外の要素によっても左右されがちです。それに対して、在庫の数は現場で実態を把握できます。そのため、現場における在庫管理の改善を目指すうえでは、個数ベースで計算した在庫回転率を目安にするほうが役に立つでしょう。

    決算書のデータによる金額ベースの計算は1年ごとが一般的ですが、個数ベースなら現場でデータを集計していつでも算出できます。できれば1か月ごとくらいのペースで計算し、業務の改善に役立てましょう。

    在庫回転期間の計算方法

    在庫回転率に似た言葉として、「在庫回転期間」があります。在庫回転期間とは、在庫が1回入れ替わるのにかかった期間のことです。たとえばある商品の在庫回転期間が2か月/回であれば、在庫が入れ替わるのに2か月を要したことがわかります。

    数値が小さいほど、当該商品を在庫として抱えている期間が短い、つまりその商品が売れ筋であることを意味します。さらにいえばその商品は企業の良好なキャッシュフローに貢献しているともいえるでしょう。

    在庫回転期間の計算式は以下のとおりです。

    在庫回転期間=棚卸資産/売上高

    たとえば、年間の売上高が2,000万円で棚卸資産が200万円だったとします。この場合、200/(2,000/365)=36.5となり、平均36.5日で在庫が1回転していることがわかります。このように売上高を365で割れば日ごと、12で割れば月ごとの在庫回転期間が算出できます。

    業種別:在庫回転率・期間の計算方法

    どの業界でも、在庫回転率や在庫回転期間の基本的な計算方法は先述したとおりです。しかし、業界に特有の着眼点や注意点もあります。そこで、小売業と製造業を代表にその特徴を見ていきましょう。

    小売業:商品回転率・期間を算出

    これまでに解説してきた計算方法では、単独の商品に焦点を当てていました。しかし、小売業では複数の商品を含むジャンルごと、あるいは全商品をまとめて在庫回転率や在庫回転期間を計算することが多いです。

    部門別に売上を管理している小売店では、在庫回転率や在庫回転期間も部門別に算出することがあります。それらのデータは部門別の経営分析に用いられます。

    製造業:原材料・仕掛品・製品回転率・期間を算出

    製造業では、在庫を「原材料」「仕掛品」「完成品」の3つに分けて考えます。そのため、在庫回転率や在庫回転期間の算出も、これら3つについて別々に行います。

    原材料の在庫回転率の計算式は以下のとおりです。

    原材料の在庫回転率=売上原価/原材料の期間平均在庫

    上記の式の「原材料」の部分を「仕掛品」や「完成品」に置き換えると、それぞれの在庫回転率の計算式になります。また、在庫回転期間はいずれも「期間/在庫回転率」で算出されます。

    在庫を3種類に分類して考えるのは、どの形態かによって管理上の注意点が異なるからです。たとえば、仕掛品は完成品のようにすぐ売ることはできません。また、原材料のようにほかの製品の製造に使うこともできません。

    したがって、仕掛品の在庫回転期間を短くすることが特に重要視されます。

    適正在庫の計算方法

    適正在庫とは、過不足のない理想的な在庫のことです。以下の計算式で算出されます。

    適正在庫高=期間売上原価/目標在庫回転率

    この計算式で算出する際に必要になるのが、目標在庫回転率の設定です。目標値を設定する際には、以下の計算式を用いるとよいでしょう。

    目標在庫回転率=年間の目標売上金額/目標平均在庫金額

    なお目標とする値については、同業他社の数値を調べるのがおすすめです。また経済産業省が発表しているデータを目安にするのもよいでしょう。各業種における一般的な在庫回転率が公表されているため、これをもとに目標値を定めましょう。

    一例として、製造業を行う中小企業の在庫回転率を紹介します。

    プラスチック製品製造業
    17.0回
    ゴム製品製造業
    16.7回
    食料品製造業
    16.6回
    繊維工業
    7.1回

    参照:4.中小企業の商品(製品)回転率|商工業実態基本調査|経済産業省

    在庫回転率を上げて、適正在庫を維持するポイント

    最後に、在庫回転率を高めて適正在庫を維持するための方法やポイントを解説します。

    リードタイムを把握する

    リードタイムとは、商品の発注や製造にかかる期間のことです。たとえば、原材料を発注してそれが手元に届くまでに2日を要するのであれば、発注リードタイム=2日となります。そのほかにも、生産にかかる生産リードタイムや、顧客に届けるまでにかかる納品リードタイムがあります。

    在庫回転率を上げるにはこれらのリードタイムを考慮することが大切です。基本的にどのような顧客も、なるべく早く納品してくれる企業を求めます。そのため、各種リードタイムを短縮して顧客満足度を向上させることで、在庫の回転が早くなります。

    関連記事 在庫管理におえる3つのリードタイムとは?改善する方法も解説

    販売価格を見直しする

    在庫回転率が低い(商品があまり売れない)原因の1つとして、販売価格が不適切であることが考えられます。価格を下げることで販売を促進しましょう。

    価格を下げると商品1個あたりの売上は減少しますが、在庫回転率は高くなります。それが一概によいとはいいきれませんが、ずっと在庫を抱えておくわけにもいきません。

    長く保持しておくと大抵の商品は経年劣化するため、やがては価格を下げてでも販売せざるを得なくなります。それならば、はじめから在庫回転率を高めることを優先して価格の改訂を考えてみましょう。

    在庫状況を定期的に把握する

    在庫回転率を最適化するためには、自社の在庫回転率が適正なのかを知らなければなりません。一見問題がないように見えても、客観的に見てみると改善が必要なケースもあり得ます。

    具体的には過去のデータと比較するとよいでしょう。あらためてデータで比較すると、思わぬ異変が明らかになるかもしれません。また、同じ業種であれば他社の在庫回転率も比較対象となります。これらの確認を定期的に行うことで、自社の在庫の異変をいち早く察知することが重要です。

    在庫管理システムを導入する

    在庫や出荷状況をリアルタイムに管理したいのであれば、在庫管理システムの導入がおすすめです。自動で在庫回転数を算出してくれるので、忙しい担当者や経験不足の方でも簡単に在庫回転率の改善に取り組めるでしょう。

    以下の記事では人気の在庫管理システムについて、費用感や口コミをまとめて解説しています。ぜひ数社の資料請求を行い、自社の在庫管理の改善について検討してみてください。

    関連記事 在庫管理システムおすすめ22選を比較!業種・業界別に紹介

    在庫回転率を向上させ、経営を最適化しよう

    在庫回転率とは、ある期間に売れた在庫が、その期間の平均在庫高の何回分に相当するかを示した値です。また、在庫回転率が1回に到達するまでに要した期間を在庫回転期間と呼びます。

    これらの値は経営状態を見直すうえで役立ちます。なぜなら、対象の商品がどれほど売れているかを示すからです。この指標を活用して適正在庫を保ち、経営を最適化しましょう。

    武藤 正敏
    武藤 正敏さんのコメント

    適切な在庫管理は経営の大きなテーマの一つです。商品在庫が多すぎると無駄なコストが発生してしまい、少なすぎると売上増加の機会を損なってしまうリスクがあります。ぜひ覚えていただきたい、在庫管理に役立つ重要な指標が在庫回転率です。定期的にチェックすることで経営のヒントにしていきましょう。

    例えば、在庫回転率を商品ごとに比較分析すると、売れ筋商品と死に筋商品が浮かびあがり営業戦略の見直しに役立ちます。在庫回転率が高まれば、在庫費用の削減とキャッシュフローの改善につながります。手軽に在庫回転率をチェックするために在庫管理ツールの活用をおすすめします。

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