フリーの在庫管理システムを比較!
まずは無料で利用できる在庫管理システム、フリーソフトを紹介します。無料プランがある在庫管理システムはクラウド型に多く、利用後に有料プランへの変更がスムーズに行なえる点も特長です。
ロジクラ
株式会社ロジクラが提供する「ロジクラ」は、小売・EC事業に適した在庫管理ソフトで、パソコンとiPhoneに対応しており、無料プランがあります。無料プランだと拠点数は1拠点のみ月間出荷300件までの制限がありますが、商品を無制限に登録でき、一括での登録は100件まで可能です。登録商品のバーコードラベル発行もできるため、人的ミスの防止にも役立てられるでしょう。
なお、有料プランだと宅配便の送り状作成機能まであります。無料プランから有料プランへ変更したい場合でもデータは引き継がれるので安心です。
クラウド在庫管理ソフトZAICO
株式会社ZAICOが提供する「クラウド在庫管理ソフトZAICO」は、製造業・販売・小売業、幅広い業界での利用実績があり、無料あるいは月額980円~9800円までのプランを選んで利用できます。情報はクラウド上で管理されるためスマホなどデバイスの機種変更や紛失時にもデータは損なわれません。プランを問わずクラウド会計ソフトfreeeとの連携が可能です。
ただし、無料プランは最大200件のデータ登録と簡易検索ができますが、多くの機能は有料版にしなければ解放されません。980円プランではQRコードやバーコードを利用した基本的な在庫管理、さらにグレードをあげれば発注点管理やピッキングリストの発行も行えます。
SASO
日本装束を販売する日本標準機構が提供している「SASO」は、オープンソース型のフリー在庫管理システムです。幅広い業務に適用できますが、特にアパレルの在庫管理に適しています。
ラベル印刷機能を利用してのバーコードによる数量管理、棚番管理が行え、フリーロケーションによる在庫管理が行なえます。保管スペースの有効活用や、収納効率アップにつなげられるでしょう。デモサイトがあるので、導入前に機能や操作感を確認した上で検討できます。
LASK
株式会社プロトンが提供する「LASK」は、小売業、通信販売業、サービス業など幅広い業種で使える基本無料の在庫管理システムです。
ダウンロード後サーバーにアップデートするだけで利用を開始でき、利用開始後も簡単な操作方法と軽快な動作でストレスなく利用できます。また、在庫管理はLASKで行い、帳票作成はエクセルや既存のソフトで行うといった使い方もできます。有料でカスタマイズもできるため、実際に使ってみて必要な機能の追加を検討しましょう。
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無料で在庫管理を行う方法
改めて、無料で在庫管理を行うにはどのような方法があるのか見ていきましょう。
1.エクセルで在庫管理表を作成する
エクセルはビジネスシーンでもよく使用されるソフトであり、在庫管理表も作成できます。
エクセルテンプレートを利用する
無料で提供されているテンプレートは数多くあり、在庫管理表や入出庫チェックリスト、棚卸表などをダウンロードして使えます。
ただし企業や業種によって適切な形式は異なるため、ダウンロードしたものに手を加えないといけないケースもあるでしょう。人が作ったものをアレンジするとかえって難易度があがり、一から作成したほうが効率が良い場合もあるので注意してください。
エクセル関数を使って自作する
以下のようなエクセル関数を利用することで在庫管理表を作成する方法もあります。
- ◆SUMIF関数
- 足し算(SUM関数)をより機能的にしたものです。IF、つまり条件に合うものだけを選択的に合算できます。
- ◆VLOOKUP関数
- 条件に合った数値を抽出するための関数です。その都度入力する必要がないため、入力ミスを減らせます。
- ◆IF関数
- 設定した条件によって処理を変えることができる関数です。例えば在庫が一定数以下になると「要発注」などと表記するよう設定できます。
このような在庫管理に必要な関数を駆使して管理表を作成できます。
エクセルマクロを使って自作する
エクセル関数に比べるとややとっつきにくい印象のあるエクセルマクロですが、習得すれば自由度が高く、自動印刷や見積書の発行などが容易に行えるようになります。プログラミング言語を利用するので複雑ですので上級者向けといえます。
エクセルを活用した在庫管理について興味のある方は以下の記事を参照してください。
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2.無料の在庫管理アプリを利用する
無料アプリで在庫管理を行う方法もあります。スマホを活用してバーコードやQRコードを読み取れるため、ハンディターミナルなどの専用機器を導入しなくてもいい点がメリットと言えるでしょう。具体的には以下のようなことができるようになります。
- ●在庫データの登録、編集、確認、検索
- ●在庫の写真登録
- ●QRコード、バーコードとの在庫データの関連付け
- ●QRコード、バーコードの読取り&該当在庫データ検索
アプリによって違いはありますが、主な機能は「在庫数の記録」と「検索」です。
専用システムと違い、使い慣れたスマホやタブレットを使用するため、操作性もよく、紙に書いていたときと同じ感覚でデータを入力できます。持ち運びしやすく片手で操作できるので、暗い倉庫内でも作業しやすいでしょう。
3.無料の在庫管理システムやフリーソフトを利用する
記事の冒頭で紹介したように、無料の在庫管理システムやフリーソフトを使うという手もあります。
また、オープンソースで提供されている在庫管理システムは自分でカスタマイズできるため、知識のある人であれば使えるでしょう。シンプルな商品管理やラベル発行などの機能を備えています。
なお、クラウドサービスで提供されている在庫管理システムは、無料トライアル期間を設けていることがあります。こちらは、期限があるのでずっと無料で使い続けられませんので、導入に向けてのお試しとして使いましょう。
無料で在庫管理を行う際の注意点
さまざまなツールを駆使することで、コストをかけずに在庫管理ができますが注意点もあります。よく検討したうえで利用しましょう。
エクセルの場合は人的ミスやリアルタイムのデータ反映が難しい
エクセルでコストをかけない在庫管理は可能ですが、数字の入力ミス防止や属人化の解消などは難しいでしょう。ほかにも同時編集できない、数字をリアルタイムで反映しづらいといったデメリットもあり、在庫管理システムと比べて作業効率はあまりよくありません。社員数や拠点数、扱う製品数が多くない、小規模企業向きの管理方法と言えるでしょう。
在庫管理表の作成や管理にはエクセルを利用しつつ、データ入力はハンディターミナルやバーコードを使って自動化できるツールもあります。エクセルの在庫管理表を活かしながら効率化を目指す場合は、システムの導入もぜひ検討してみましょう。
機能が制限されている
特に無料アプリについていえることですが、大抵の場合、機能が制限されています。在庫の名前と数量の管理はできても、入出庫管理や棚卸管理などの機能は有料版にしなければ利用できない場合があります。
そもそも在庫管理アプリは小売店やECサイトを対象としたサービスが多く、生産管理や販売管理、納品書の発行など、業務を円滑に進めるための機能は十分ではありません。
無料アプリを有料版にグレードアップして入出庫管理や棚卸管理機能などを利用するならば、数の把握だけでなく在庫分析やデータ抽出なども出来る在庫管理システムの導入も検討するのが得策でしょう。
セキュリティ対策が不十分な可能性がある
無料で提供されているツールやソフトの中には、十分なセキュリティ機能が備わっていないケースもあり、ウイルス感染により大切なデータを盗まれる可能性がないとは言い切れません。故障や不具合でデータが消える可能性もあります。利用する際は情報漏えいのリスクを認識したうえで、バックアップをこまめにとるようにしましょう。
またオープンソースのシステムの場合、スキルを持ったエンジニアがいないと使いこなせません。ある日突然提供が終了するケースや、サポート体制が不十分で運用負荷が大きくなることもあるので、導入前に十分注意しましょう。
有料の在庫管理システム導入も検討しよう
無料のツールやシステムはできることが限られています。使い慣れたころに限界を感じるくらいであれば、早い段階で有料ツールの導入を検討しましょう。またコストがかからないという点は導入の大きな後押しにはなりますが、一番に考慮すべきは「このシステムの導入で自社の課題は解決できるのか」という点です。
有料ツールは在庫の登録や数の把握にとどまらず、適正量の管理・コントロール、在庫分析による需要の予測など、機能も充実しています。有料製品も視野にいれた比較検討をおすすめします。