バーコードを活用したエクセルでの在庫管理
近年、ハンディターミナルでバーコードを読み取ることで、在庫管理の効率化に成功した企業が増えてきているようです。ハンディターミナルとバーコードを活用すると、事務所のパソコンから入力を行わずとも、その場でリアルタイムに在庫状況が反映されるのです。エクセルで在庫管理をしている場合も、バーコードでの読み取り結果を在庫管理表の適切な箇所に反映させることが可能です。
ハンディターミナルを販売しているメーカーなどでは、バーコードを活用したエクセルでの在庫管理に対応している場合もあります。エクセルで在庫管理をする企業での導入実績も含めて、さまざまなメーカーを比較してみると良いでしょう。
バーコードによる在庫管理については、以下の記事で詳しく解説しています。
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在庫管理表の作成方法1:エクセルテンプレートを利用
エクセルで在庫管理をする場合は、在庫管理表が必要です。しかし、エクセルの操作に慣れていない人が、一から在庫管理表を作成するには時間がかかるでしょう。
ネット上には在庫管理表のエクセルテンプレートが無料で公開されているので、これらをダウンロードすれば簡単にエクセルで在庫管理ができます。
ただし、必ずしも最適な形式のテンプレートであるとは限りません。多少手を加えて自社仕様にカスタマイズしたほうが良い場合もあります。特殊な項目が多く、大幅に修正しなければならない場合は、一から作成したほうが使いやすいでしょう。
在庫管理表の作成方法2:エクセル関数を利用
テンプレートの在庫管理表が使えない場合は、エクセル関数を駆使して一から在庫管理表を作成する方法が良いでしょう。入庫と出庫は別シートで管理する場合が多く、エクセル関数を上手く活用することで、入庫数と出庫数の差である在庫数を簡単に算出できます。
中でも基礎知識として覚えておきたいエクセル関数をいくつか紹介します。
SUMIF関数
SUMIF関数は、足し算の合計を求める関数であるSUM関数よりも一歩進んだ関数です。特定の条件を付け加え、その条件に合う数値だけを足し算することができます。
SUMIF関数を用いれば、複数ロケーションに同じ商品を保管していても、すぐに在庫数の合計を求めることが可能です。また入庫数と出庫数の合計を算出し、その差を見れば現在の在庫数がわかります。
VLOOKUP関数
VLOOKUP関数は、表を縦方向に検索していき、特定のデータに対応した値を取り出す関数です。例えばある商品コードから商品名や棚番を導くことができます。
在庫管理においては、入庫管理表と出庫管理表という別々のシートから数値データを在庫管理表に抽出し、その差を求めることで在庫数が分かります。
IF関数
IF関数は、エクセル関数の中では比較的難易度が低く有名な関数です。設定した条件に対して「真」か「偽」かによって表示する値を変えることができます。
SUMIF関数やVLOOKUP関数で算出した在庫数が一定の数以下になったときに、自動で「要発注」などと表示させれば、欠品防止に役立ちます。
在庫管理表の作成方法3:マクロを利用
エクセル関数に加えて、エクセルマクロを使って在庫管理表を作成するという方法もあります。エクセルのマクロはプログラミングの一種であるため、敷居が高く感じられがちです。しかし自由度が高く、多くの作業を自動化できるため、ミスと手間を減らせるでしょう。
初めてマクロに触れる場合はまず、「マクロの記録」機能を使用してみることをおすすめします。ビデオの録画のように、録画開始から録画停止までの間に入力者がエクセルシート上で実行した処理を記録し、後から記録されたコードを確認できるのです。
さらに、記録したコードを Visual Basic Editor (VBE) にコピーして必要な箇所を編集すれば、初心者でもより質の高いマクロを作成することが可能です。
エクセルで在庫管理をする際の4つの注意点
エクセルで在庫管理を行うときの4つの注意点について知っておきましょう。
1.管理の項目が明確になっているか確認する
管理の項目で重要なのは、以下の4つです。
- ●何が(商品名、商品コード)
- ●いくつ(数量)
- ●いつ(入荷日、出荷日)
- ●どこに(棚番)
この4つを把握することが、在庫管理の目的です。特に、「何が」「いくつ」あるのかが重要です。「いくつ」については、入庫数から出庫数を差し引いた値です。つまり、何がどのくらい入庫され、それがどのくらい出庫したかが最重要事項になります。
そのうえで、消費期限や製造年月日の管理が重要な場合は「いつ」、そして保管場所でトラブルを生じることが多いようであれば「どこに」保管しているのかを管理することも大切です。種類と数さえ分かればいいのか、場所や日付も重要なのか、業務と照らし合わせて考えましょう。
2.管理する在庫の優先度を決める
日付や場所まできちんと記録できれば、それに越したことはありません。しかし、すべての商品に対してそれを行うと、多大な手間と労力を必要とします。そこで、商品の優先度を決めましょう。そのためにはABC分析が有効です。ABC分析では商品を以下の3段階に分類して扱います。
- A:全体売上の7割を占める商品
- B:全体売上の1~3割を占める商品
- C:全体売上の1割未満の商品
このように重要度を分類し、より重要度の高いものは細かく管理を行いましょう。逆に重要度の低いものは、最低限の管理で手間と労力を削減できます。
ABC分析について、詳しくはこちらの記事を参照ください。
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3.データの入力がしやすい在庫管理表にする
データ入力しづらい在庫管理表だと、どうしても入力が億劫になりがちです。そして入力を先延ばしにすればするほど、データと実際の在庫数がそぐわないことになります。正確に管理するためには利便性を考慮し、簡単に入力できる表にしましょう。
4.上書き保存はせずに更新履歴を残す
上書き保存でデータ入力していると、今の在庫をすでに記入したのか、それとも前のデータなのかがわからなくなることがあります。結局一から数え直すことになり、手間がかかります。履歴も残らなければ、対処のしようがありません。
いつ何がいくつ入庫したのか、あるいは出庫したのかを記録し、履歴が残るような工夫をしましょう。
在庫管理システム導入でエクセル入力の手間を減らそう
エクセルで在庫管理を適切に行うための注意点などを解説してきましたが、実際に行うのは容易ではありません。ロケーションや消費期限の管理は、エクセルですべて入力しようとすると大きな負担になります。
専用の在庫管理システムであればラベルやバーコード、ハンディターミナルで扱うことで、手入力する手間を大きく削減できます。
在庫管理システムには無料プランの製品もあるので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。在庫管理システムに興味を持たれた方は、以下の記事をチェックしてみてください。
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