在庫管理アプリとは
在庫管理アプリとは、スマホやタブレットを活用して在庫情報の確認・管理や棚卸、入出荷処理などの業務を効率化できる在庫管理ツールです。カメラを使ってバーコードやQRコードを読み込むことで、簡単に在庫管理業務の自動化が可能になります。ハンディターミナルなど専用の機器を導入しなくても手軽に活用できる点もメリットです。また、在庫情報をリアルタイムに確認できるようになるため、在庫不足や余剰在庫の回避にも貢献します。
在庫管理アプリでできること
サービスにより異なりますが、在庫管理アプリが搭載する主な機能は以下のとおりです。
- ●在庫データの登録、編集、確認、検索機能
- ●在庫の写真登録機能
- ●在庫アラート機能
- ●QRコード、バーコードとの在庫データの関連付け機能
- ●QRコード、バーコードの読み取り&該当在庫データ検索機能
在庫管理アプリはスマートフォンのカメラでQRコード・バーコードの読み取りや商品登録を行えるため、ハンディターミナルの導入が不要になります。できることは限られていますが、紙に記入するより使いやすいことで業務の効率化が期待できるでしょう。また、スマホに在庫状況のアラートが届く製品では、在庫切れや余剰在庫の防止にも役立ちます。スマホを使用するので暗い倉庫内でも記入しやすいこともメリットです。
以下の記事では、在庫管理アプリの機能についてより詳しく解説しています。機能面の理解を深めてから製品を選定したい方は、あわせて参考にしてください。
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在庫管理アプリのメリット
在庫管理アプリを利用するメリットは以下のとおりです。
- ●シンプルな機能で使いやすい
- ●安価で導入ができる
- ●どこからでも作業ができる
- ●他システムと連携可能なものもある
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
シンプルな機能で使いやすい
在庫管理アプリはスマホを活用できるので、ハンディターミナルの手配などの導入準備が必要ありません。普段から使い慣れた機器を活用でき、直感的な操作が可能なため導入時の混乱が抑えられるでしょう。また、発注時の在庫確認や他部署・他店舗からの在庫確認の連絡があった際に、スマートフォンを取り出して即座に在庫確認が可能です。最低限のシンプルな在庫管理機能があれば十分な企業なら活用しやすいでしょう。
安価で導入ができる
在庫管理アプリはスマートフォンのアプリのため、有料であっても比較的安価で導入できる製品がほとんどです。また、無料で活用できるものもあります。
ただし、無料版は機能に制限が多く本格的に利用するには向いていません。最低限の機能で活用したい場合や本格導入前のお試し版として活用するのがおすすめです。お試しで活用しながら、自社の在庫管理にどのようなシステムが最適かを明確にするとよいでしょう。
どこからでも作業ができる
在庫管理アプリはスマートフォンで活用できるため、操作する場所を選びません。パソコンを起動する必要もなく、手持ちのスマートフォンで手軽に在庫データを管理・確認できます。社外からでも常に在庫状況のチェックが可能になるので、的確な指示を出せるでしょう。
他システムと連携可能なものもある
在庫管理アプリには、関連するほかのシステムと連携し関連業務を効率化できる製品もあります。例えば会計ソフトと連携してお金の出入りを記録したり、POSシステム(レジのシステム)と連携して在庫数の変動を記録したりすることが可能です。
また、本格的なシステムであると同時にスマートフォンからも利用できる機能が付随している在庫管理システムもあります。このように、一口にスマートフォンアプリといっても、それだけで完結せずに大きなシステムの一つとして活用できます。
在庫管理アプリのデメリットと注意点
さまざまなメリットが得られる在庫管理アプリですが、注意点を理解して導入しないとデメリットが発生してしまう場合があります。ここでは、在庫管理アプリのデメリットと注意点について詳しく解説するので、導入前の参考にしてください。
中規模や大規模企業向けの機能がない場合がある
在庫管理アプリは比較的シンプルな機能で構成されており、小売店やECサイトなど、低コストで在庫管理業務を行いたい組織に適しています。
対して在庫管理システムは、生産管理や販売管理、納品書の発行など、より業務を円滑に進めるための機能が備わっている製品が多くあります。さらに生産管理システムや顧客管理システムといった他システムとの連携が可能な製品や、複雑な業務にもフレキシブルに対応した製品もあるため、企業規模によってはアプリよりも在庫管理システムの導入が高い効果を得られるでしょう。
在庫を管理するためだけの機能に絞られている
在庫管理アプリの基本的な機能は、商品の名前や在庫の数の入力、また写真やラベルによる商品管理です。在庫の数を把握する以上の機能を求めるのであれば、アプリではなく本格的なシステム導入を検討しましょう。
なお、スマートフォンで活用するという特性上の弱点もあります。データの容量が大きくストレージを圧迫する恐れがあるうえ、落下などで簡単に故障しデータが破損する可能性もあります。このようなリスクも把握したうえで活用するようにしましょう。
在庫管理アプリのタイプと特徴
在庫管理アプリには以下のタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解し、自社に適したタイプの在庫管理アプリを導入するとよいでしょう。
- ■クラウド型在庫管理アプリ
- 在庫管理データをインターネット上に保存するため、複数拠点での活用も可能です。スマートフォンから操作ができるクラウド型在庫管理システムもあります。
- ■ブラウザアプリ型在庫管理アプリ
- Web上にある在庫管理アプリにブラウザからアクセスして活用するタイプです。スマートフォンやタブレットのみではなく、パソコンなどほかの端末からもアクセスできる製品もあります。
- ■ERP型在庫管理アプリ
- 在庫管理機能を搭載し、スマートフォンから操作できるERPアプリ。マーケティングや顧客管理機能も搭載し、包括的に業務管理ができるタイプです。
在庫管理アプリの選定ポイント
在庫管理アプリを選定する際は、製品の機能とセキュリティに注目するとよいでしょう。
特に在庫管理アプリは最低限の在庫管理機能しか搭載されていないものも多いため、自社の業務に必要な機能を備えているか確認が必要です。スマホやタブレットでバーコード・QRコードの読み取り機能や、在庫アラート機能などがあるかも確認するとよいでしょう。
また、在庫管理アプリはスマートフォンで活用するため、パソコンに比べてセキュリティレベルが低い場合もあり注意が必要です。自社の求めるセキュリティレベルにあった製品か確認し、アプリを使用する端末にも適切なセキュリティ対策が行えるか検討してから導入するとよいでしょう。
在庫管理アプリおすすめ製品を比較
ここからは、ITトレンド編集部おすすめ在庫管理アプリを紹介します。気になった製品は「+資料請求リストに追加」ボタンをクリックすると、あとでまとめて資料請求もできるのでぜひご活用ください。
《クラウドトーマスPro》のPOINT
- 物流現場を知り尽くした開発チームが作る、オリジナルのWMS
- 多数の現場・物流改善ノウハウを持つプロによる導入サポート
- 独自API公開による様々なシステムとの連携が可能
株式会社関通が提供する「クラウドトーマスPro」は、複数の物流倉庫の情報をスマホアプリやパソコン、タブレットでリアルタイムに確認できるWMSです。スマホ端末とスキャナをつけることで、ハンズフリーによる作業が実現します。多彩な業種業態や複雑な管理にあわせたカスタマイズが可能です。
zBox
株式会社バーネットが提供する「zBox」は、ブラウザとスマホアプリの両方で利用でき、AndroidやiPhoneなど機種を問わず利用できます。パソコンもWindows・Macを問いません。外出先であっても、スマートフォン一つあればクラウド上のデータで在庫確認が可能です。また会計ソフトやPOSシステムとの連携にも対応しています。CSVファイルでの出力により、エクセルでデータの編集や保存も行えます。
スマホde在庫管理
株式会社サンクレエが提供する「スマホde在庫管理」は、ブラウザアプリのためデバイスに関係なく利用可能です。基本的にスマートフォンでの操作を前提に設計されています。CSVファイルでの出力機能を備えているので、エクセルでの編集にも対応しています。
在庫管理アプリの無料製品を比較
ここからは、無料で活用できる在庫管理アプリを紹介します。
《zaico》のPOINT
- 操作がカンタン!PC・スマホから誰でも手軽に利用できる
- QRコード・バーコードでミス撲滅!データと物品の紐付け自動化
- クラウド共有。複数人同時にリアルタイムで最新データへアクセス
株式会社ZAICOが提供する「クラウド在庫管理ソフトZAICO」は、最大200件のデータ登録と簡易検索機能を無料で利用できます。iOSとAndroidアプリに対応しており、パソコンでもデータ登録や更新、共有が可能です。すべての機能を利用できる有料版は、月額3,980円から利用可能です。
クラプロ
ビズノード株式会社が提供する「クラプロ」は、iPhoneとAndroidに対応した在庫管理アプリです。無料プランでもバーコードやQRコードのスキャン、在庫数アラートやABC分析レポートなどすべての機能が活用できます。
無料トライアルがある在庫管理アプリ
完全無料ではありませんが、無料トライアルでアプリを試用できる製品もあります。まずは無料で在庫管理アプリを試してみたい方は利用してみてもよいでしょう。
製品・サービスのPOINT
- iOSデバイスを利用して入出庫・棚卸しの効率化を実現
- メールアラート機能で発注漏れ・期限切れを防止
- 管理項目は完全自由!柔軟な台帳機能で様々なモノの管理に対応
株式会社ネットレックスが提供する「Convi.BASE(コンビベース)」は、iOSデバイスに対応する在庫管理システムです。スマホで入出庫数量の記録や棚卸しができ、アラートメール機能で発注漏れの防止も実現します。2週間の無料トライアルがあるため、実際に使用してみて導入を検討するとよいでしょう。
ロジクラ
株式会社ロジクラが提供する「ロジクラ」は、無料トライアルが利用できる在庫管理システムです。iPhoneから利用でき、便利なバーコードラベル発行機能やカメラを活用した入荷検品と在庫追加、棚卸し作業などが可能です。
ユビレジ 在庫管理
株式会社ユビレジが提供する「ユビレジ 在庫管理」は、同社提供のPOSレジアプリ「ユビレジ」の導入企業が使用できるiPhone・iPad用のスマートフォンアプリです。在庫管理とあわせて発注管理もサポートでき、独自バーコードの作成・スキャンや自動発注アラートなどの機能をもちます。無料トライアル期間は、1か月です。
また、スマホで在庫管理を行いたいのであれば、必ずしもアプリに頼る必要はありません。クラウド型の在庫管理システムであれば、スマホのブラウザからも利用できるためです。アプリと同じくスマホで運用するので、場所を問わずに利用でき、豊富な機能から自社にあったカスタマイズも可能です。
クラウド型で提供している在庫管理システムにも無料トライアルが可能な製品もあるため、本格的に導入する前に利用してみるとよいでしょう。自社に必要な機能を無料トライアルで体験することで、最適なシステムの導入につなげられます。
以下の記事では、ITトレンド編集部がおすすめする在庫管理システムを比較紹介しています。スマホで活用できる小規模向けの製品も紹介しているので、在庫管理システム比較の参考にしてください。
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無料の在庫管理アプリのメリット・デメリット
無料の在庫管理アプリはコストをかけずに導入ができるため、気軽に業務へ採り入れられることがメリットです。小規模な小売店やECサイトでの在庫管理業務への活用や、在庫管理アプリの本格導入前のお試し使用にも活用できます。
しかし、無料の在庫管理アプリには、対応できる企業規模や機能に制限があるなど、利用するうえで注意すべき点もあります。スマホアプリによる在庫管理はあくまで小規模な小売店やECサイト向けです。多くの在庫を抱える中規模・大規模企業ではかえって業務の妨げになる可能性もあります。特に在庫数に制限がある無料アプリは少なくありません。中規模以上の在庫がある場合は、無料版ではすべての在庫を登録することは難しいでしょう。
また、無料の在庫管理アプリでは、在庫数の記録・検索など基本的な機能は活用できるものの、そのほかの機能は制限されている場合が多くあります。棚卸管理や入出庫管理など、在庫管理業務全般でアプリを活用したい場合には、無料の在庫管理アプリでは不足があるかもしれません。
自社で在庫管理アプリを活用したい場面や効率化したい業務を明確にし、必要な機能が使用できるかを確認してから導入するとよいでしょう。
アプリで在庫管理を効率化しよう
在庫管理アプリはスマートフォンで活用できるため、導入のしやすさや直感的に操作できる点がメリットです。しかし、アプリに搭載されている機能は限られている場合があるため、自社が必要とする機能や特徴を備えたアプリか確認してから導入検討をおすすめします。
以下のボタンから各社製品の資料を一括請求できます。まずはどのような在庫管理アプリがあるかを知り、特徴や機能を比較することからはじめてみるとよいでしょう。