診療予約システムとは
診療予約システムは医療機関での診察の予約を行うシステムです。多種多様な機能を備えたシステムがありますが、特にインターネットを活用したものが主流になっています。インターネットにアクセスできれば、Webやアプリ、LINEなどを通して場所を選ばず外来の予約ができるため、患者にとって利便性の高いシステムです。
また、医療機関にとっても予約の処理をある程度自動化でき、業務の効率化が図れます。システムを活用して同時間帯における診察の集中を防げ、駐車場や待合室などの混雑の軽減も期待できるでしょう。
このように診察予約システムは患者と医療機関の双方にとってメリットの大きいシステムです。
診療予約システムの3タイプ
診療予約システムは予約の方法などによって3つのタイプに分けられます。以下ではそれぞれのタイプについて簡単にご説明します。
予約特化型
集患や患者の囲い込みといった付加価値を求めず、診療の予約業務のみに特化したタイプです。。予約方法にはWebや自動音声電話、医療機関内のタッチパネルなどから選択できます。シンプルで運用コストが低く導入しやすいのがメリットです。
LINE対応型
予約方法の中にLINEも含まれているタイプです。普段使っているLINEで友だち登録することで、LINE上で予約やリマインドなどが完結できるため、Webページを探したりアプリをインストールしたりする必要がありません。
患者にとっての予約のハードルが低く、集患に効果があるのが特徴です。また、LINE経由でお知らせを送付や、ボットによる医療相談が可能な場合があり、患者の囲い込みも期待できるでしょう。
アプリ対応型
スマートフォンにインストールしたアプリからも予約ができるタイプです。
従来のメール送信では迷惑メールに届いてしまい、患者に医療機関からのお知らせが正常に届かない場合がありますが、アプリならその心配はありません。例えばワクチン接種や休診日などの情報も問題なく送付できます。また、予約以外にもオンライン診療や電子処方箋に対応している場合もあります。
このようなきめ細かなアフターケアを行う事で、かかりつけ医として選ばれやすくできるのが特徴です。
診療予約システム導入のメリット
診療予約システムを導入するメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
リアルタイムで順番待ちの状況がわかる
診療予約システムを導入すれば、どれくらい待つ必要があるかという順番待ちの状況を患者が自分で確認できます。
待ち時間の見通しが立たない状態で待合室で待たされるのは、患者にとって大きなストレスになります。診療予約システムからリアルタイムで順番待ちの状況が分かれば、そのストレスの軽減に役立つでしょう。
曜日による患者数の変動を抑えられる
診療予約では予約数が曜日により変動し、特定の曜日に予約が集中することが珍しくありません。この変動を診療予約システムで抑制できます。診療予約システムから予約状況が確認できるため、患者は待ち時間を減らそうと混雑している日を避け、自然と空きが多い日に予約を入れるようにできるためです。
曜日ごとの患者数の偏りが少なくなると人員の配置計画が立てやすくなり、業務の効率化が期待できるでしょう。
受診予定の人数把握が可能に
診療予約システムでは、特定の日時に受診を予定している患者の人数をリアルタイムで確認可能です。その人数から診察に必要な従業員の数が予想ができるため、効率のよい人員の配置ができるでしょう。
例えば今まで診察に対応していたスタッフに予約が少ない時間帯には他の業務の担当をしてもらう、といったことが可能になります。
患者の情報を一元管理
予約の情報と電子カルテが連携できる診療予約システムであれば、来院する患者の情報が素早く確認できます。スムーズに病歴や来院の理由などを把握でき、受付スタッフや医師の負担を減らせるでしょう。
電子カルテとの連動機能の有無はシステムによって異なるため、導入前に確認する必要があります。
予約忘れによるキャンセルを防げる
診察時に次回の予約日時を伝えても、患者が忘れて来院せずにキャンセルが発生することがあります。診療予約システムを利用すれば、患者がいつでもオンラインで予約日時を確認できるため、予約忘れを防ぐ効果が期待できます。
また、受診前にリマインドメールなどを送る機能を備えた診療予約システムであれば、予約忘れによるキャンセルを減少させられるでしょう。
診療予約システムの比較のポイント
多種多様な診療予約システムがある中で、どれが自院にとって最適かを比較し選ぶのは難しく感じる方もいるかもしれません。ここでは診療予約システムを比較するときに押さえておきたいポイントをご紹介します。
予約方法の種類
診察予約は医療機関によってさまざまな方法が使われます。例えば時間の指定方法であれば、予約順や日時指定、時間帯指定などがあり、さらに同じ診療科でも1診や2診などがある場合も考えられるでしょう。
そのため、自院が必要とする予約方法に診療予約システムが対応しているか、柔軟にカスタマイズ可能かは重要な比較のポイントになります。
自動音声応答による電話での受付
自動音声応答機能(IVR)は、自動音声案内により電話で予約を受け付ける機能です。IVRは24時間365日、Webやアプリを使い慣れていない人でも気軽に予約できるのが特徴です。また医療機関のスタッフにとっても、電話応対の負担が減らせます。
院内表示ディスプレイへの対応有無
待合室で現在の呼び出し番号や順番、待ち時間などをディスプレイで表示すると、診察までどれくらいかかるか分かるため患者のストレスが緩和されます。また、患者の呼び出しもスムーズに行え、受付業務の効率化にもつながるでしょう。
ディスプレイの表示を自動で行う、デジタルサイネージ機能に対応した予約システムもあり、スタッフが手動で表示を更新する手間を省いてくれます。ディスプレイと連携できるかどうかや、表示のカスタマイズの自由度はシステムによって異なるため、導入前にチェックしておきましょう。
おすすめの診療予約システム5選
ここでは実際におすすめの診療予約システムをご紹介します。ぜひシステム導入の際に参考にしてください。
iTICKET Smart Cloud
「ITICKET Smart Cloud」はアイチケット株式会社が提供しているクラウド型の診療予約システムです。クラウド型のため院内サーバーが必要なく、さらに運用に必要な機器のレンタルにも対応し、導入しやすいのが特徴です。導入時のサポートはもちろん、故障時に適切な人員を派遣するかけつけ訪問サポートもオプションで用意されています。
ネット予約の導入を考えていない場合には、オンライン受け付け機能を取り除いた姉妹システムの「iTICKET mini」もあり、コストをおさえてミニマルな予約システムから試してみることもできます。
QuiQ
「QuiQ」は、株式会社peerNISTが提供する診療予約システムです。受付業務のトータルサポートを特徴とし、Web予約はもちろん、QRコードによる来院受付、さらに精算機や入金機とも連携できます。予約、受け付け、会計までの診療に必要となる窓口業務全体を効率化可能です。
また、Webの他にLINEからの予約にも対応しています。予約に関係した通知もLINE経由で送信できるため、予約忘れも防げるでしょう。
ドクターキューブ
「ドクターキューブ」は株式会社ドクターキューブが提供している診療予約システムです。同社は1999年から診療予約システムを専門に開発しており、小児科から歯科や接骨院まで多様な導入実績があります。その経験を生かしたドクターキューブは以下のような幅広い機能が用意されているのが特徴です。
例えば予約は時間予約、順番予約、時間枠予約に対応し、追加費用なしで1診・2診や複数科の予約もできます。利用できる診察券もリライト診察券、バーコード診察券、スマート診察券などを網羅しており、さらにデジタルサイネージや電子カルテ・レセコンとの連動も可能です。
メディカル革命 byGMO
「メディカル革命 byGMO」はGMO医療予約技術研究所株式会社が提供するクラウド型の診療予約システムです。すでにあるWebサイトにそのまま追加できる予約機能、来院前に問診票が記入できるWeb問診機能や、予約画面からオンライン診療できる機能、LINE予約といった、インターネットを活用した機能が充実していることが特徴です。
さらに、WebだけでなくIVR(電話自動応答システム)機能もあるため、インターネットの利用が苦手な患者への対応も問題なく行えるでしょう。
ヨヤクル
「ヨヤクル」は株式会社ヨヤクルが提供するクリニック向けの診療予約システムです。基本機能として順番、日時、時間帯予約が可能で、Webからの新患予約、バーコード受付にも対応しています。さらにオプションとして追加できる機能の種類が多く、カスタマイズ可能なのが特徴です。例えば、電子カルテ連動や自動音声電話予約なども追加できます。
初期費用は176,000円、月額が9,900円~(2023年8月現在)です。オプション機能を追加すると料金が加算されるシステムのため、必要な機能だけを選ぶと費用を抑えて導入できるのも特徴です。
自院に合う診察予約システムを選んで効率化しよう
診療予約システムは患者にとって予約の利便性が上がるだけでなく、受付業務の効率化にもつながります。それぞれのシステムには対応している予約方法などに特徴があるので、ぜひ自院に役立つものを探してみてください。
もし気になる診療予約システムがあったら、以下のボタンより資料請求して比較の参考にしましょう。