診療予約システムとは
診療予約システムとは、Webやスマホアプリなどを通して、効率的に医療機関の診療予約を行えるようにするためのシステムです。クリニック予約システムとも呼ばれます。
診療予約システムの導入メリット
診療予約システムは、患者の利便性向上や院内業務の効率化につながるなど、以下のようなさまざまなメリットがあります。
- ●リアルタイムで順番待ちの状況がわかる
- ●受診予定者の人数把握・調整が可能になる
- ●患者情報を一元管理できる
- ●予約忘れによるキャンセルを防げる
- ●受付業務の効率化により従業員の業務負担が軽減する
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
リアルタイムで順番待ちの状況がわかる
診療予約システムを導入すれば、患者は場所を問わず診察の順番や待ち時間の状況を確認できます。時間の見通しが立たないまま院内で待つのは、患者にとって大きなストレスとなるかもしれません。
診療予約システムからリアルタイムで順番待ちの状況がわかれば、ストレスも軽減されるでしょう。待ち時間にあわせて受付後の外出を可能にしたり、診察予定時間にあわせた来院を促したりと、患者の利便性を考慮した仕組みも作りやすくなります。
受診予定者の人数把握・調整が可能になる
診療予約システムでは、日にちや時間帯ごとに予約枠の上限を設けられるため、受診患者数の調整が可能です。外来患者が比較的多い曜日や手術の予定などにあわせ、予約上限を設定することで患者数の偏りを軽減できるでしょう。また、患者は予約状況の確認が可能なため、混雑している日を避けて予約を入れられます。
さらに、受診を予定している患者の人数がリアルタイムで表示されます。日ごとの患者数の偏りが少なくなると、人員の配置計画が立てやすくなるでしょう。
患者情報を一元管理できる
予約情報と電子カルテが連携できる診療予約システムであれば、予約に連動して電子カルテから受診歴や処方歴の確認が可能です。病歴や来院の理由などを素早く把握することで、事前に診察の準備ができるため受付スタッフや医師の負担を減らせるでしょう。
電子カルテとの連動機能の有無はシステムによって異なるため、資料請求を活用したりベンダーへ問い合わせたりして確認するのがおすすめです。
予約忘れによるキャンセルを防げる
診察時に次回の予約日時を伝えても、患者が忘れてしまってキャンセルが発生したり、日時を間違えて来院したりすることがあります。診療予約システムには、受診前にリマインドメールの自動送信機能を備えた製品もあるため、予約忘れによるキャンセルを防げるでしょう。
また、患者はオンラインで予約日時の確認が可能なため、来院日間違いの減少も期待できます。
受付業務の効率化により従業員の業務負担が軽減する
診療予約システムを導入することで、受付での予約確認やシステムへの予約入力が不要になります。予約を変更したい場合は、患者が自らインターネット上で操作できるため、電話など予約関連の対応数が減少するでしょう。
また、電子カルテやレセコンと連携可能な診療予約システムであれば、予約情報から患者の来院情報を確認できます。さらに、診察前の問診入力や新規受診患者の自動登録が可能な製品もあります。受付の医療事務員が対応する複数の業務を自動化するため、従業員の業務負担の軽減が見込めるでしょう。
診療予約システムの4つのタイプ
診療予約システムは、予約の方法などによって以下の4つに大別できます。
- ●予約受付に特化したタイプ
- ●受付・医療事務業務を効率化できるタイプ
- ●LINE予約に対応したタイプ
- ●アプリ予約に対応したタイプ
それぞれのタイプについて詳しく解説します。
予約受付に特化したタイプ
診療の予約受付機能のみに特化したタイプです。予約方法はWebや自動音声電話、医療機関内のタッチパネルなどから選択できます。診療科目や規模に応じて、柔軟にカスタマイズできる製品も多くあります。シンプルな機能で運用コストが低く、導入しやすいのがメリットです。
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受付・医療事務業務を効率化できるタイプ
電子カルテやレセコンとの連携が可能で、受付・医療事務業務の効率化に貢献するタイプです。予約情報と連携して患者情報を参照・入力でき、診療予約から会計までの業務全般をサポートします。患者対応が効率化することで、従業員の業務負担が軽減しクラーク業務やレセプト請求業務などに人員をあてられるようになるでしょう。
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LINE予約に対応したタイプ
メッセージアプリのLINEで診療予約ができるタイプです。普段使用しているLINEで友だち登録することにより、予約やリマインドなどをLINE上で完結可能です。Webページの検索やアプリのインストールの必要もありません。患者にとって予約のハードルが低く、集患や再診率向上への効果も期待できるでしょう。また、LINE経由でのお知らせ送付や、ボットによる医療相談が可能な製品もあります。
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アプリ予約に対応したタイプ
スマートフォンにインストールしたアプリからも予約ができるタイプです。オンライン診療や電子処方箋に対応している製品もあります。医院からのお知らせ送信やチャットによるフォローなど、患者との接点を増やすことで治療途中の離脱防止が期待できる製品も。集患やかかりつけ化を目的とする医院にもおすすめです。
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診療予約システムの比較ポイント・選び方
多種多様な診療予約システムから自院に最適な製品を選定するには、以下のポイントを押さえて比較するとよいでしょう。
- ●予約方法の種類は自院に適しているか
- ●自動音声応答での電話受付が可能か
- ●院内表示ディスプレイと連携可能か
- ●既存の電子カルテ・レセコンと連携可能か
それぞれの比較・選定ポイントについて詳しく解説します。
予約方法の種類は自院に適しているか
診察予約は医療機関によってさまざまな方法が使われます。例えば、予約順や日時指定、時間帯指定などさまざまな予約方法が考えられます。複数の科目や医師による診察を行っている場合や、1診・2診など複数の診察室が設けられている場合は、より複雑な予約設定が必要です。システム選定時には、自院の運営方法に対応しているか、予約方法を柔軟にカスタマイズできるかを確認しましょう。
自動音声応答での電話受付が可能か
自動音声応答機能(IVR)は、自動音声案内により電話で予約を受け付ける機能です。IVRは24時間365日、自動音声で受付対応できるため、患者は診療時間外でも予約が可能になります。また、Webやアプリを使い慣れていない人でも気軽に予約できるのが特徴です。医療機関のスタッフにとっても、電話応対の負担が減らせます。
院内表示ディスプレイと連携可能か
待合室で現在の呼び出し番号や順番、待ち時間などをディスプレイで表示すると、診察までどれくらいかかるかわかるため患者のストレスが緩和されます。患者の呼び出しもスムーズに行え、受付業務の効率化にもつながるでしょう。
また、ディスプレイの表示を自動で行うデジタルサイネージ機能に対応した予約システムもあります。スタッフが手動で表示を更新する手間が省けて便利です。ディスプレイとの連携可否や表示のカスタマイズ性はシステムによって異なるため、導入前にチェックしておきましょう。
既存の電子カルテ・レセコンと連携可能か
患者情報の一元管理や医療事務業務の効率化も同時に実現したい場合は、電子カルテやレセコンと連携できる製品を選びましょう。ただし、製品によって連携可能なシステムは異なるため、自院で活用している電子カルテ・レセコンと連携できるかどうかを具体的に確認してください。カスタマイズによって、既存システムとの連携に対応可能な場合もあります。
診療予約システムの料金相場
診療予約システムは、搭載機能や提供形態などによって初期費用や月額費用などのコストが変動します。例えば、この記事で紹介している製品の料金は以下のように幅があります。
- ●初期費用:無料~約200,000円
- ●月額費用:約10,000円~20,000円
搭載機能が多い製品やオンプレミス型で提供される製品は比較的高額な傾向にあります。自社の利用目的や必要な機能、予算などを考慮したうえで最適なシステムを選定するとよいでしょう。
なお、予算感を掴むためには資料請求の活用が便利です。以下のボタンより一括資料請求(無料)が可能なため、ぜひご利用ください。
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おすすめの診療予約システム紹介(予約に特化)
ここから、おすすめの診療予約システムをタイプ別に紹介します。まずは、予約受付の効率化に役立つ製品をピックアップしました。
《診療予約2025》のPOINT
- 受付方法に合わせて選べる「順番待ち版」「時間帯予約版」
- シンプルな画面構成と高い操作性で誰でも使いこなせるシステム
- クリニック・病院の独自の運用にもフレキシブルに対応可能
株式会社メディカルフォレストが提供する「診療予約2022」は、複数の受付方式に対応し、待ち時間の解消に役立つ予約システムです。「順番待ち方式」「時間帯予約」のほか、順番待ちと時間帯予約の両方を利用できる「複合方式」から、自院に適した運用方法を選択可能です。診療予約をはじめ、予約順や待ち時間の確認をPCやスマートフォンで行えます。60日間の無料トライアルが用意されています。
《リザエン》のPOINT
- 予約や顧客管理から決済対応まで200以上の業種に対応!
- 厳格なサーバー管理と情報管理体制を備える!
- 導入前後の充実したサポート体制が整っている!
株式会社インタークエストが提供する「リザエン」は、予約や顧客管理から決済対応まで200以上の業種に対応するインターネット予約システムです。顧客の個人情報管理や予約枠設定、一元予約管理など機能も豊富で、顧客の来店忘れを防止するリマインドメール機能も搭載されています。導入前後のサポート体制も整っており、はじめてでも安心して利用できるでしょう。
メディカル革命 byGMO
GMO医療予約技術研究所株式会社が提供する「メディカル革命 byGMO」は、医療に特化したクラウド型の予約管理システムです。既存のWebサイトに予約機能のみを追加でき、リマインドメールやダッシュボードを用いた予約数の見える化も可能です。また、Web問診やオンライン診療機能、IVRや電子カルテ連携などのオプション機能を利用すれば、窓口業務全体の効率化も図れます。
おすすめの診療予約システム紹介(医療事務を効率化)
診療予約から受付、問診、会計までの業務全般を効率化できる製品を紹介します。
《テルミーアイ》のPOINT
- 医科専用システムで、予約~問診~受付業務を効率化!
- 来院集中による混雑が緩和され、診察待ち時間のストレス解消へ
- 各社の電子カルテと連動、お使いのカルテに連携して運用が可能
株式会社アイアコスが提供する「テルミーアイ」は、電話・インターネットで当日受付や後日予約ができる総合型診療予約システムです。受付制限や画面カスタマイズなど多彩な機能があり、全国のクリニックで高い利用率を誇ります。また、電話・メール・FAXでの充実したサポート体制により、システムを快適に使用できます。
《カロネード》のPOINT
- 「リソース自動割り振り機能」で、カンタン予約管理!
- LINE予約機能でリピート率アップ!
- 技術力を活かしたカスタマイズ開発で、個別ニーズにも対応!
Kalonade株式会社が提供する「カロネード」は、美容・自由診療向けのWeb予約管理システムです。Web・LINE予約をはじめ、シフト管理や受付・会計、売上管理など幅広い管理業務に対応します。予約時にスタッフや設備を自動で割り振る機能があるため、空き枠を最小限に抑えた効率的な予約管理が可能です。
QuiQ
株式会社peerNISTが提供する「QuiQ」は、シンプルな画面設計と豊富な機能が特徴の診療予約システムです。Web予約のほか、QRコードによる来院受付や精算機・入金機と連携し、受付業務をトータルサポートします。また、表示板による診察室への呼び込みや会計窓口への呼び出しも可能です。
おすすめの診療予約システム紹介(LINE予約に対応)
患者の利便性向上に役立つLINE予約が可能な製品を紹介します。
ドクターキューブ
ドクターキューブ株式会社が提供する「ドクターキューブ」は、小児科から歯科や接骨院まで多様な導入実績をもつ診療予約システムです。時間予約・順番予約・時間枠予約に対応し、追加費用なしで1診・2診や複数科の予約も可能です。LINEでの予約受付や診療開始時間の通知も行えます。
ヨヤクル
株式会社ヨヤクルが提供する「ヨヤクル」は、順番・日時・時間帯予約に対応する診療予約システムです。多彩な予約方法も特徴で、Webからの新患予約やLINE予約、受付カウンターでのタッチパネル予約が可能です。また、オプションで電話による自動音声予約も利用できるため、インターネットに慣れていない年配の方も使いやすいでしょう。
おすすめの診療予約システム紹介(アプリ予約に対応)
Webやスマートフォンのアプリを利用して、予約・管理が行える製品を紹介します。
iTICKET Smart Cloud
エムスリーソリューションズ株式会社が提供する「ITICKET Smart Cloud」は、独自のスマートフォン向けアプリを採用したクラウド型の診療予約システムです。利用機能が異なる3つのプランを提供しており、自院の規模や課題解決に最適なシステム導入が可能です。導入時のサポートはもちろん、故障時に適切な人員を派遣するかけつけ訪問サポートもオプションで用意されています。
やくばと for Clinic
メドピア株式会社が提供する「やくばと for Clinic」は、専用アプリを利用し、医院と患者のコミュニケーションを活性化できる予約管理システムです。事前問診や検査の注意事項などを個別に送れるチャット機能、お知らせ一斉配信機能、オンライン診断機能により、初診・再診患者へのフォローを強化できます。また、電子カルテ・レセコンとの連携により、診療業務の効率化にも貢献します。
まとめ
診療予約システムは患者にとって予約の利便性が高まるだけでなく、受付業務の効率化にもつながります。製品によって対応している予約方法などに違いがあるため、自院の課題や利用目的にあった製品を選ぶとよいでしょう。
下のボタンから各社製品資料の一括請求ができるので、診療予約システムの比較検討にぜひ活用してください。