1.トレーサビリティを確保する「ロット別在庫管理」
医薬品向け販売管理システムは、ロット単位で医薬品の在庫を管理し、在庫管理システムとしても機能します。ロットとは、同一条件で連続して製造された製品のグループのことです。同じ原料・機械・ラインで同時期に製造されているため、製品の品質もまったく同じになります。
ロット管理をすることで、古い順に医薬品の在庫を出荷していく先入先出法を行うことができます。古い医薬品が残ってしまい、有効期限が過ぎて廃棄するというような在庫ロスを防止でき、適切な在庫管理が実現します。
また、ロット単位により品質管理ができるのも大きなメリットです。ある医薬品に不良が発覚した際、ロット単位で出荷先を特定し、回収範囲を限定できます。全品回収をする必要はありません。
加えて、ロットごとに成分分析表を作成し、納品書に添付する機能が搭載されている販売管理システムもあります。なお、在庫管理を重点的に行いたい場合は、在庫管理システムも検討してみると良いでしょう。
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2.医薬品の安全管理を徹底する「有効期限・使用期限の管理」
製薬業、薬品卸、病院・クリニックなどでは、扱う医薬品の安全管理を徹底しなければなりません。医薬品向け販売管理システムでは、医薬品の有効期限と使用期限を管理でき、安全性・信頼性を確保します。
- ■有効期限:薬品の有効性を保障できる期限のこと
- ■使用期限:未開封保管の場合に品質を保持できる期限のこと
これらは法律で表記が義務付けられています。有効期限の表記対象は、抗生物質、生物学的製剤、放射性医薬品、インスリン製剤などです。使用期限は、ニトログリセリン、
アスピリンなどが対象です。
医薬品向け販売管理システムには、ロットごとに有効期限と使用期限を登録し、定められた期限を過ぎて販売されないよう支援する機能が搭載されています。目視による人為的判断をなくし、安全に出荷できます。
3.取引先ごとに柔軟な対応ができる「単価管理」
医薬品向け販売管理システムは取引先ごとに複数の販売単価を設定できます。医薬品の販売単位は箱単位、包装単位、バラ、などさまざまで、単価設定の柔軟性が求められるためです。
また、出荷数での割引、季節やキャンペーンごとに単価設定できる機能を搭載した製品もあります。
4.受発注業務を効率化する「JD-NETとSDC-VANへの対応」
多くの医薬品向け販売管理システムは、業界VANに対応しています。VANとは、特定の業界内で広く利用されている、ネットワークを介した受発注システムです。ネットワークを介したデータ転送は、回線に取り決めが多く、お客様ごとに対応するのは大変な負荷となります。そこで、業界特有の取り決めに広く対応するシステムが用意されているのです。
医薬品向けには大きく分けて2種類の受発注システムがあります。これらによって、すばやく正確な取引が可能です。
- ■JD-NET:製薬メーカーと医薬品卸との間で利用されているシステム
- ■SDC-VAN:卸と医療機関・調剤薬局の間で利用されているシステム
JD-NETやSDC-VANのデータを、販売管理システムに連携することで、転記の手間を省けます。
医薬品向け販売管理システムで管理効率を上げよう!
医薬品向け販売管理システムは、在庫管理システムとしての機能も果たし、ロットごとに有効期限や使用期限、単価管理ができます。さらに、病院への預け在庫、製造元からの預かり在庫、直送在庫の管理も対応可能です。管理効率を上げるために、医薬品向け販売管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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