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UTM(統合脅威管理)を業種別に導入する際の懸念点と対処法|製造業・医療・教育・EC・士業の注意事項

UTM(統合脅威管理)を業種別に導入する際の懸念点と対処法|製造業・医療・教育・EC・士業の注意事項

UTM(Unified Threat Management=統合脅威管理)は業種を問わず導入できるセキュリティ機器ですが、業種によって「導入して大丈夫か」という懸念の内容が異なります。製造業は工場設備の誤遮断、医療機関は電子カルテの可用性低下、学校は授業で使うサイトのブロックというように、業種特有のリスクへの対処を導入前に確認することが失敗を防ぎます。この記事では、業種別のUTM導入における主な懸念点と、それぞれの回避策を解説します。

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目次

    製造業でUTMを導入する際に確認すべき懸念点

    製造業はオフィスのITネットワークと工場の制御システム(OT)が混在するため、UTMの設定ミスが業務停止に直結するリスクがあります。

    工場の制御機器の通信をUTMが異常と誤判定して遮断するリスクが最大の懸念

    製造業の工場では、PLCや産業用機器がModbus・DNP3・PROFINET など汎用のITネットワークとは異なる通信プロトコルを使います。汎用のITセキュリティ設定で稼働するUTMは、これらの独自プロトコルによる通信を「未知の不審な通信」と誤判定してブロックする可能性があります。製造ラインの制御通信が遮断されると生産ラインの停止という大きな被害になるため、工場への導入前に「自社が使っている制御プロトコルへの対応」をベンダーに確認することが最重要の確認事項です。

    この懸念を回避する手順として有効なのが、UTMを「検知のみ(遮断なし)モード」で稼働させて工場通信のログを2~4週間取得し、誤検知の対象になりそうな通信パターンを確認してからホワイトリストを整備した後に遮断モードに切り替えることです。いきなり遮断モードで本番稼働することは製造業では特に避けるべきです。資料請求では、OTプロトコル対応の範囲・検知のみモードでの試験運用の対応・工場環境での導入実績事例を確認してください。

    老朽化した制御機器の独自通信がUTMの脅威パターンと誤って一致するリスク

    製造業では稼働年数が長い生産設備が現役で動いており、メーカーのサポートが終了した古い通信方式を使っているケースがあります。このような老朽化設備では、通信パターンがIPSシグネチャと誤って一致し、ブロックされることがあります。特に、IPS(不正侵入防止)の感度を高く設定した場合に、古い通信プロトコルの特定パターンがシグネチャと誤一致するトラブルが発生することがあります。

    老朽化設備への対処は、対象機器からの通信をIPアドレス単位でIPSの検査対象から除外するホワイトリスト設定が現実的です。ただし、除外設定が多くなると保護の抜け穴が増えるため、セキュリティと設備稼働の兼ね合いをベンダーと相談することが重要です。資料請求では、IPアドレス単位でのIPS検査除外設定の操作手順・老朽化設備への対応実績事例を確認してください。

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    医療・教育・官公庁でのUTM導入に特有の懸念点

    公共性の高い業種では、セキュリティと業務の継続性・教育目的の両立が懸念の中心です。

    医療機関では電子カルテの可用性とセキュリティのバランスが最大の懸念

    病院・クリニックにとって電子カルテシステムは診療業務の中核であり、電子カルテへのアクセスが遅くなる・止まるという事態は患者への医療提供に直接影響します。UTMを導入してスループット(通信処理能力)が不足すると、電子カルテへのアクセスが遅延するという懸念があります。特に、電子カルテのクラウド化が進んでインターネット通信が増加している環境では、すべての通信がUTMを経由することでボトルネックが生じやすくなります。セキュリティを確保しながら電子カルテの可用性を損なわないスペックのUTMを選ぶことが医療機関の懸念への回答です。

    医療機関でのUTM選定の具体的な確認手順は、電子カルテベンダーに「UTM導入時の推奨設定・禁止設定」を確認することから始まります。電子カルテとUTMの相性問題は、電子カルテベンダーが蓄積した知見があることが多く、事前確認で多くの問題を防げます。資料請求では、医療機関での導入実績・電子カルテシステムとの共存設定の推奨構成・スループット不足時の対処方法を確認してください。

    学校でのWebフィルタリングは有害サイトブロックと教育目的通信の両立が懸念

    学校でUTMのWebフィルタリングを設定する際の最大の懸念は「有害コンテンツをブロックしすぎて授業に必要なYouTubeの教育動画・調べ学習用サイト・学習管理システムまで遮断される」という問題です。一方で、フィルタリングが甘すぎると保護者・地域からのクレームにつながります。学年・学習目的・授業内容によって必要なアクセス範囲が異なるため、一律のフィルタリング設定では対応できない場合があります。教師が授業ごとに一時的な例外を設定できる機能があると、この懸念に対処しやすくなります。

    学校でのフィルタリング設定の懸念を軽減するには、「まずフィルタリングなしでログだけ取る期間(2週間程度)を設けて実際の利用状況を把握してからブロック対象を決める」アプローチが有効です。実際の通信ログから有害コンテンツへのアクセス実態を確認してから設定することで、過不足のないフィルタリング設定を実現できます。資料請求では、教師による一時的なフィルタリング例外設定の操作方法・GIGAスクール端末(Chromebook・iPad)への対応状況を確認してください。

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    EC・金融・士業のUTM導入における懸念点と対処法

    インターネットを業務の中心に置く業種と、機密情報を少人数で扱う業種では懸念の方向性が異なります。

    EC事業者ではHTTPS通信に隠れた攻撃をUTMが検知しにくくなることが懸念

    EC事業者のシステムはHTTPSで暗号化された通信を多用しており、マルウェアや標的型攻撃もHTTPS通信を悪用して侵入します。SSL復号化機能がないUTMはHTTPSの中身を検査できず、暗号化通信に隠れた脅威をすり抜けさせてしまいます。顧客の個人情報・決済情報を扱うEC事業者にとって、この懸念は非常に重大です。SSL復号化への対応状況を確認することが重要であり、SSL復号化有効時に業務に影響するパフォーマンス低下が生じないスペックかどうかを事前に確認することが必要です。

    EC事業者でSSL復号化を有効化する際の追加確認事項として、決済代行サービスのSSL証明書の扱いがあります。PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)の対象範囲の通信をUTMが復号化することへの影響を決済代行サービスのベンダーに確認することが推奨されます。資料請求では、SSL復号化有効時のパフォーマンスへの影響・PCI DSS環境でのUTM設定の推奨事項を確認してください。

    少人数の士業・中小企業では運用担当者不在時の対応体制の確保が懸念

    法律事務所・会計事務所・税理士事務所など少人数で機密情報を扱う士業では、IT担当者が兼任であることが多く、担当者が不在・退職した場合のUTMの維持管理体制の確保が課題です。UTMのアラートが誰にも確認されない・ファームウェア更新が止まる・設定変更ができる人がいないという状態になると、セキュリティの形骸化が起きます。マネージドセキュリティサービス(運用を外部委託するオプション)があるベンダーを選ぶことで、担当者不在時のリスクを低減できます。

    少人数事業所での運用体制を確保するには、UTMの日常運用をベンダーに委託して「アラートはベンダーが確認して問題があれば連絡してくれる」体制にすることが最も実用的です。月額費用は増加しますが、専任担当者を雇うコストと比較すると合理的な選択になるケースがあります。資料請求では、マネージドサービスオプションの内容と費用・担当者変更時の引き継ぎ支援の対応を確認してください。

    関連記事 クラウドUTM製品を比較!自社に適した選び方も徹底解説

    UTM(統合脅威管理)の業種別懸念点に関するFAQ

    ここではUTMについて、よくいただくご質問と回答をまとめました。

    ■Q1:UTM導入前に業種別の懸念点を確認するために何をすればよいですか?
    3つのアクションが有効です。(1)自社と同じ業種でのUTM導入実績があるベンダーを優先して候補に入れる(2)業種別の懸念(医療なら電子カルテとの共存・製造業なら制御システムとの相性)をベンダーへの問い合わせで確認する(3)同業種の導入事例を資料請求や商談で具体的に質問する。実績のないベンダーより業種理解が深いベンダーの方が、事前に懸念を洗い出して設定提案ができます。
    ■Q2:複数の業種にまたがる事業(製造業を持つ商社など)でUTMを選ぶ際の注意点はありますか?
    製造拠点とオフィス拠点でセキュリティ要件が異なる場合、拠点別にポリシーを独立設定できる製品を選ぶことが重要です。製造拠点には「OT通信への誤遮断防止」、オフィス拠点には「クラウドサービスへの最適化」という異なるポリシーを適用できる柔軟性が必要です。集中管理でありながら拠点別ポリシーを設定できる製品の対応状況を資料請求で確認してください。
    ■Q3:業種規制(個人情報保護法・医療情報安全管理ガイドラインなど)へのUTMの対応状況はどう確認しますか?
    ベンダーへの直接確認が最も確実です。「自社が遵守すべき規制・ガイドライン名(医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版など)」を明示して「この要件に対してUTMでどの設定が対応しているか」を具体的に質問します。認定取得状況(CC認証・FIPS140など)はカタログに記載されていることが多いため、資料請求時の確認事項に含めることを推奨します。

    まとめ

    UTMの業種別懸念点は、製造業のOT誤遮断・医療機関の可用性低下・学校の過剰フィルタリング・EC事業者のHTTPS検査漏れ・少人数事業所の運用体制の5つが代表的です。これらの懸念は導入前にベンダーに具体的に確認することで事前対策が可能です。業種での導入実績があるベンダーを選び、自社の懸念事項を資料請求・商談で確認することが業種特有の失敗を防ぐ最も確実な方法です。

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