UTMとルーターの違い
UTMとルーターの大きな違いが、その役割です。ルーターは、自社内ネットワークと外部のネットワークを相互に接続するためのネットワーク機器である一方、UTMは自社ネットワークの出入口で悪質な不正アクセスやウイルスをブロックするセキュリティ製品です。
そのため、UTMとルーターはどちらか一方を選択するのではなく、両方を設置するのが基本的な考え方になるでしょう。

UTMとルーターの配置
それでは、UTMとルーターをどのように配置していくのかについて見ていきましょう。
ルーター直下に設置することが一般的
UTMは社外と内部のネットワークの入り口であるルータの下に設置することが一般的です。ルーターは内部ネットワーク(LAN)と外部ネットワークをつなぐ役割を果たすため、UTMをその直下に置くことで、外部からの不正アクセスに対してすぐに対応できます。
このようにルーター直下に配置することで不審な通信をブロックし、企業内のネットワーク全体を保護できます。
UTMを搭載したルーターもある
ルーターの中にはUTMの機能を搭載した製品もあります。UTMは、管理しやすい側面もあり中小企業で導入が進んでいますが、UTMを搭載したルーターを使えば、2台管理する必要がなくなり、効率的な通信を実現できるでしょう。
適切なセキュリティ対策を行える知識や技術を持つエンジニアがいない企業は、管理しやすいUTM搭載ルータを使うことをおすすめします。
反対に、最近では、ルーター機能を搭載したUTMも多く登場しています。以下の記事では最新のUTM製品を紹介していますので、参考にしてみてください。
UTMとルーター設置時の注意点
UTMとルーターの配置について解説しましたが、実際に設置する際の注意点を見ておきましょう。
UTMがダウンするとネットワーク全体に影響がある
ルーター機能付きUTMを使用している場合、UTMがダウンするとネットワーク全体に影響があります。ひとたびシステムがダウンしてしまうと、セキュリティ効果が失われるだけでなく、ネットワークとの接続性も失ってしまうでしょう。
スペックによって処理スピードに影響が出る
UTMとルーターのスペックによって処理スピードに影響が出るのも注意点です。いくらUTMのスペックが高くとも、ルーターのスペックが低くては通信処理のスピードは落ちてしまいますし、その逆もまた然りでしょう。
UTM設置のメリット
ここまで、UTMとルーターの関係について説明してきましたが、なぜルーターとともに設置するのがUTMでなければならないのか、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。ここからはUTMを設置するメリットを見ていきましょう。
管理・運用の工数を削減できる
UTMのメリットは管理や運用面の工数を削減できることです。通常、複数のセキュリティツールを導入し、管理・運用するためにはそれぞれのツールの知識と技術を持ったエンジニアが必要になります。
しかし、UTMであれば1台だけの運用で済み管理しやすくなるでしょう。また、UTMベンダーのサポートが整っていればメンテナンスをお願いできアップデートも自動で行われます。そのため、自社でのメンテナンスが不要です。
低コストでセキュリティ対策ができる
UTMは1台に複数のセキュリティ機能を搭載しており、それぞれのツールを個別で揃えるよりも低価格で導入できます。また、人的コストも削減可能なため、低コストでセキュリティ対策ができるでしょう。
また、複数のセキュリティツールを導入しようとする場合、ソフトウェアの相性があるため組み合わせを検討しなければなりません。しかし、UTMであれば組み合わせを考えることなく導入することが可能です。時間と手間を削減でき、結果としてコストを削減できるでしょう。
UTMのメリットについてさらに知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
UTMとルーターの関係を把握して万全の対策を行おう
UTMとルーターの関係性とUTMのメリットについて紹介してきました。UTMとルーターは役割が異なるため、その違いをしっかりと把握し運用する必要があります。
UTMのスペックを最大限に発揮するためにも、資料請求を通してしっかりと製品について理解し、UTMの設置場所や注意点を把握してセキュリティ対策を行いましょう。
