
UTM(統合脅威管理)導入前の課題
UTM(統合脅威管理)の導入を考える前に、従来のセキュリティ対策ではどのような課題があるのか確認しておきましょう。
課題1.ソフトウェア製品の組み合わせ管理の手間がかかる
セキュリティ対策を施す場合、ファイアウォールやウィルス対策など複数のソフトウェアをインストールする必要があります。ただし、セキュリティソフトは「組み合わせ」を考慮しなければならず、場合によってはエラーが発生する可能性も考えられるのです。従来のセキュリティ対策では、こうした相互運用性を考慮する手間がかかっていました。
課題2.トラブル時の対処が大変
セキュリティ機能が複数で構成されている場合、故障が発生したときにはどの部分にエラーが出ているのかを調査したあとで対処する必要があります。問題の発生を突き止めるまでに手間がかかり、復旧までに多くの時間がかかることもあるようです。
課題3.管理するための専任者が必要
ファイアウォールをはじめとするさまざまなセキュリティ対策を常に最新にするにあたっては、セキュリティに詳しい担当者を置くケースがほとんどです。一方、担当者のいない中・小規模の企業ではセキュリティの重要さは知りつつも、安全性を確保できていないことがありました。
UTM(統合脅威管理)の導入メリット
これまでUTMの導入前にあがる課題について確認してきました。まとめると以下のようになります。
- ●課題1:ソフトウェア製品の組み合わせ管理の手間
- ●課題2:トラブル時の対処が大変
- ●課題3:管理するための専任者が必要
しかし、これらの課題はすべてUTMを導入することで解決できます。それでは、ここからはUTMのメリットを紹介し、どのように課題を解決するのか、見ていきましょう。
メリット1.システム一元化の手間を省くことができる
UTMはファイアウォールやウィルス対策などのセキュリティ機能をひとつのハードウェアに統合したものです。大切なデータを守るために必要なものがひとまとめになっているので、ソフトウェア製品と違って組み合わせをチェックする必要がありません。
メリット2.故障があってもすぐに復旧できる
UTMのメリットとしてトラブルからの復旧が早い点が挙げられます。複数のセキュリティ機能がひとつにまとめられているので、万が一システムに故障が発生したときでも、UTMそのものを交換することですぐに対応できます。
従来のように、故障時に正常な部分と異常な部分を見極める作業がありません。復旧までの時間が比較的早く、また専門的なスキルがなくても導入しやすいのが特徴です。
メリット3.最新のセキュリティを維持できる
UTMは自動アップデート機能によって最新のサイバー攻撃にも対応できるようになっています。UTMベンダーのサポート体制が整っていれば、拠点にセキュリティ担当者を置かなくとも安全性を保つことができるでしょう。
UTMベンダーは、最新のセキュリティ情報に精通していることから、未知の脅威にも素早く対応できることが強みです。従来から知られている種類の不正アクセスだけでなく、日々生み出される新たな不正アクセスの手口にも素早く対応できます。
また最新のセキュリティ動向を把握した上で必要な対策を講じてくれるので、導入する企業・組織の側が高度なセキュリティ対策を意識する必要もありません。
UTMには他にも多くのメリットがあります。以下の記事でメリットについてさらに詳しく解説していますので参考にしてみてください。
UTM製品を利用してセキュリティの課題を解決しよう!
UTMで解決できる課題と、導入によるメリットをまとめました。上記のような課題がある場合はUTMの導入で解決されるでしょう。しかし、UTMをただ導入するだけでは最大の効果は得られません。しっかりと自社にあった製品を選び、適切な活用を行うことで初めて最大限の効果を得られるのです。以下の記事を参考にして、自社にあったUTMを選びましょう。
