ITトレンドがおすすめする製品・サービス
- ■大企業の運用課題別
- 多拠点の設定や利用状況を一元管理できるタイプ:Cato Cloud、クラウドVPN Verona、Ivanti Connect Secure
- 証明書や多要素認証で認証を強化できるタイプ:Ivanti Connect Secure、クラウドVPN Verona
- 回線や網を冗長化できるタイプ:Arcstar Universal One、クローズドIPネットワーク
- 構築や運用の支援が付くタイプ:クラウドVPN Verona、クローズドIPネットワーク
大企業の海外向けVPNで生じやすい課題
大企業の海外向けVPNでは、拠点や利用者の数が多いため、小規模な企業とは異なる課題が生じます。まず、よく起こる課題を整理しましょう。
拠点ごとにVPNが分かれてしまう
海外の子会社や拠点が、それぞれ別のVPNを導入している場合があります。製品や設定がばらばらだと、全社での設定の統一や、セキュリティの対策の確認が難しくなります。
障害が起きたときの連絡先も分散し、原因の調査に時間がかかります。まず、現在の利用状況を一覧にして、全体像をつかみましょう。拠点ごとの契約の更新時期も整理しておくと、統合の計画を立てやすくなります。
利用者の増減への追従
人事異動や出向、退職が多い企業では、利用者の追加と削除の作業が頻繁に発生します。更新の漏れがあると、不要なアカウントが残り、不正な接続を許す可能性があります。
人事の情報と連動して、利用者を更新できる仕組みがあるかを確認しましょう。連動が難しい場合は、更新の担当者と頻度を決めて、定期的に棚卸しを行います。
統制と現場の使いやすさの両立
統制を重視して制限を厳しくすると、現場の使い勝手が落ち、許可されていない方法で通信する利用者が出るおそれがあります。反対に、使いやすさを優先すると、統制が弱まります。
全社の方針を決めたうえで、国や拠点ごとの事情に応じた例外のルールも用意しましょう。
海外向けVPNで多拠点を一元管理する設計
多数の海外拠点を効率よく運用するには、管理の仕組みを集約し、設定を標準化することが欠かせません。設計の考え方を紹介します。
管理画面と運用の窓口を集約する
拠点ごとに別の管理画面を使うのではなく、全社の拠点を一つの画面で見られる仕組みがあると、運用の手間が減ります。設定の変更や、稼働状況の確認を、日本の担当者が一括で行えます。
ただし、管理者の権限が集中するため、操作の記録と承認の手順も整えましょう。管理者の人数と交代の手順も、あらかじめ決めておくと安心です。
設定のひな形を標準化する
拠点の規模や用途に応じて、設定のひな形を数種類に絞ります。新しい拠点を追加する際に、ひな形を使えば、設定の抜けや誤りを減らせます。
ひな形の変更は、影響する拠点の範囲を確認してから行います。変更の履歴も残しておきましょう。拠点の事情で標準から外れる設定は、理由とあわせて記録します。
子会社や地域ごとに権限を分ける
全社の管理者がすべてを操作するのではなく、地域や子会社の管理者に、限られた範囲の操作を任せる設計もあります。現地の事情にあわせた対応が、すばやく行えます。
任せる範囲と、本社が管理する範囲を、あらかじめ明確にしておきましょう。権限の範囲は、定期的に見直す機会も設けておくと安心です。
大企業に必要な認証とアクセス制御
利用者が多いほど、誰がどの情報に接続できるかの管理が重要です。認証とアクセス制御の考え方を整理します。
既存のID管理や認証基盤と連携する
社内のID管理や認証基盤とVPNを連携すると、利用者の情報を二重に管理せずに済みます。入社や退職の情報が反映されれば、更新の漏れも減らせます。
連携できる認証基盤の種類は製品ごとに異なります。自社で使っている基盤に対応しているかを、事前に確認しましょう。
多要素認証を標準にする
パスワードだけの認証では、漏えいした場合に不正な接続を許す可能性があります。多要素認証を標準にし、端末の証明書とあわせて確認する構成も検討しましょう。利用者への案内や、端末の紛失時の手順も整えておきます。
海外では、携帯電話の電波が届きにくい場所や、通信が制限される場所もあります。認証の手段を複数用意しておくと安心です。
部署や役割に応じて接続先を絞る
全社員が、すべての社内システムへ接続できる状態は避けたほうが安全です。部署や役割ごとに、接続できるシステムを絞る設定ができるかを確認しましょう。
設定が多くなるほど、管理の手間も増えます。役割の種類を整理して、数を抑えましょう。異動の際に、役割を付け替える手順も決めておきます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で海外向けVPNの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
大規模な海外向けVPNの性能と冗長化
大企業の海外向けVPNは、多数の接続が同時に発生します。性能の不足や障害は、業務全体に影響するため、余裕のある設計が求められます。
同時接続数と通信量の見積もり
全社の在宅勤務や、ビデオ会議の増加で、同時接続数と通信量は大きく変わります。現在の利用状況に加え、災害や感染症の流行時に増える場合も見込んで見積もりましょう。
ライセンスや装置の上限に達した場合の、追加の手順と期間も確認しておきます。定期的に利用状況を確認し、上限に近づく前に拡張を検討しましょう。
障害時に備える冗長構成
1台の装置や1本の回線に依存していると、障害時に全社の接続が止まります。複数の装置や回線を用意し、片方が止まっても接続を続けられる構成にしましょう。
切り替えが自動で行われるか、手動かによって、復旧までの時間が変わります。切り替えの試験を定期的に行い、実際に動作するかを確かめておきましょう。
地域ごとの接続先を分ける
すべての利用者が日本の接続先へ集まると、遅延や負荷が大きくなります。地域ごとに接続先を分け、近い場所へつなぐ構成も有効です。
接続先を増やすと運用の対象も増えるため、一元管理との両立を考えましょう。拠点ごとの通信量を記録して、配置を定期的に見直します。
監査とガバナンス、各国の法令対応
大企業では、監査への対応や、各国の法令を守ることが求められます。VPNでも、記録と統制の仕組みが必要です。
接続ログの保管と監査への対応
誰が、いつ、どこから、どのシステムへ接続したかの記録は、監査や不正の調査に使われます。保管する期間と場所、閲覧できる担当者を決めておきましょう。
ログの量が多くなるため、保存先の容量と、検索のしやすさも確認します。監査の際に、必要な期間の記録を提出できるかも見ておきましょう。
国ごとの規制や法令の確認
国や地域によって、VPNの利用、暗号化、データの国外移転に関する規則が異なります。規則は変わる場合があるため、定期的な確認が必要です。
現地の法務の担当者や専門家と連携し、拠点ごとの対応状況を一覧で管理しましょう。
委託先や関係会社の接続の管理
委託先や関係会社の従業員が接続する場合は、社員とは別のルールが必要です。接続できる範囲を限定し、期間を決めて許可する運用も検討しましょう。
契約が終わったときに、確実に接続を停止できる手順も用意しておきます。委託先の担当者の入れ替わりも、定期的に確認しましょう。
大企業の海外向けVPNの導入と移行の進め方
大企業では、一度に全拠点を切り替えるのは現実的ではありません。段階的に進める方法を紹介します。
一部の拠点で試してから広げる
まず、条件の異なる数拠点で試し、速度、使い勝手、運用の負担を確認します。国や回線の事情が違う拠点を含めると、課題を早く見つけられます。
試した結果をもとに、設定のひな形と運用の手順を整えましょう。現地の担当者から、使いにくい点や不安な点も聞き取っておくと、全社展開の際に役立ちます。
旧環境と並行して切り替える
切り替え期間中は、旧環境と新環境を並行して動かすと、問題が出たときに戻せます。利用者への案内は、時差のある拠点にも届くよう、余裕を持って行います。
切り替えの日程は、各拠点の繁忙期を避けて決めましょう。切り替え後に問題が出た場合の、連絡先と元に戻す手順も事前に周知しておきます。
運用体制と問い合わせの窓口を整える
導入後の運用は、日本の本社、地域の統括拠点、現地の担当者の三層で分担する方法があります。誰がどの作業を担い、どの順序で連絡するのかを、手順書にまとめておきましょう。
提供事業者との契約では、サポートの受付時間と対応の言語、緊急時の連絡先を確認します。時差のある拠点からの問い合わせにも対応できるかが、運用の安定に影響します。
大企業の運用課題から見る海外VPN一覧
多拠点の管理、認証、冗長化、運用支援の4つの観点で、大企業の海外拠点を想定した製品を一覧にしました。
| 製品名 | 特徴 |
|---|---|
| Arcstar Universal One | 拠点ごとにプランを選べ、回線の二重化も標準で用意されている |
| KDDI IP-VPN | SLAを備えた国際IP-VPNで、拠点ごとに接続プランを変更できる |
| KDDIGlobalIP-VPN | 190以上の国・地域に対応し、海外拠点とのフルメッシュ接続が可能 |
| クローズドIPネットワーク | 複数キャリアの回線で冗長化でき、24時間365日で可用性を監視 |
| Cato Cloud | 拠点やクライアントのポリシーをクラウドで一元管理できる |
| クラウドVPN Verona | クライアント証明書で認証し、ステータス情報を1か所に集約 |
| Ivanti Connect Secure | 多要素認証やシングルサインオンに対応し、利用状況を一元管理 |
大企業の運用課題に応える製品紹介
拠点数や利用者数が多い環境で問題になりやすい点ごとに、特徴のある製品を選びました。認証や利用状況の可視化を重視する場合の製品も含みます。
Arcstar Universal One (NTTドコモビジネス株式会社)
- 回線の二重化でギャランティアクセス時最大稼働率99.9999%
- 大手NTTドコモビジネス運営の安心感
- UTM機能つきVPNで圧倒的なセキュリティ
KDDI IP-VPN (KDDI株式会社)
- 大手KDDIの技術を最大限に生かしたセキュアで高品質なIP-VPN!
- 企業ニーズや通信量に合わせて選べる回線種類!
- SLAによりサービス品質が担保されたVPN!
KDDIGlobalIP-VPN (KDDI株式会社)
- 全世界190以上の国・地域へワンストップで提供
- MPLS技術による高セキュリティで信頼性の高い網内
- メッシュ型通信に適した料金体系と高い拡張性
クローズドIPネットワーク (アルテリア・ネットワークス株式会社)
- マルチキャリアを活かした冗長構成で安定したネットワークを実現
- VPN接続の可用性を24時間365日監視できる体制完備
- 企業向けITバックボーンで構成し高セキュアで高品質なVPN
Cato Cloud (株式会社寺岡精工)
- クラウドセキュリティ機能ですべての通信を保護
- 最適化された経路で、安定通信を実現
- ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイルデバイスにも対応
クラウドVPN Verona (株式会社網屋)
- クラウドだから機器もソフトも管理センターもオールインワン
- リモートからのアクセスでも独自の認証システムで不正を防止
- 障害対応だけでなく設定変更もOKの運用サポート
Ivanti Connect Secure (Ivanti Software株式会社)
- 多要素認証でログインを厳重化
- すべてのアクセスを単独のクライアントで処理
- ユーザーやデバイスを一元管理し高度な可視性を実現
まとめ
大企業が海外向けVPNを整えるには、多拠点の一元管理、認証とアクセス制御、性能と冗長化、監査と法令対応を総合的に設計する必要があります。段階的に移行すると、リスクを抑えられます。製品を比べる際は、一括資料請求も活用してください。

