無線LANの寿命年数
無線LAN機器だけではなく、通信規格やセキュリティにも寿命があります。ここでは、無線LANの寿命を詳しく解説します。
機器の寿命は4~6年
無線LANは4~6年経つと、経年劣化などが原因で故障する可能性が高くなります。
寿命についてはメーカー側で明確にしていませんが、4~6年を目安に無線LANを買い替えるケースが多いです。通信速度の低下や通信環境が安定しなくなるのも4~6年経過した頃であることを考慮すれば、寿命を4~6年とするのは妥当でしょう。
パソコンやスマートフォンなど、複数台を接続する環境では機器に負荷をかけてしまい、更に寿命が短くなる可能性があります。
また、無線LANには耐久年数も存在します。耐久年数とは使用に耐えられる年数のことで、約10年です。接続する機器も少なく使用環境が良好であれば、10年近く使用することができるでしょう。
通信規格の寿命は2~6年
通信規格は2~6年で更新されるため、無線LANの通信規格の寿命もそれと同じです。
昔と比べ、音声サービスや動画配信など、大量のデータを必要とする使い方が増えてきました。また、スマートフォンやタブレットの同時使用も当たり前のようになっています。
無線LANの通信規格が古いままだと通信環境は不安定になり、スムーズなデータのやり取りができません。
新しい通信規格の無線LANであれば、高速で安定した通信環境を構築できます。したがって、無線LANの買い替えが必要になるのです。
セキュリティーの寿命は2~5年
不正アクセスによる被害防止のため、無線LANの通信は暗号化されています。サイバー攻撃は日々巧妙化しており、それに対応すべく、暗号化方式も2~5年周期で更新されます。この2~5年がセキュリティ寿命の目安となります。
たとえば、インターネットバンキングの利用などキャッシュレス化が進んでいますが、ネット上で個人情報がやり取りされるため、通信の暗号化は必須です。
しかし、古い暗号化方式のままでは、暗号化解析ソフトなどにより解析される恐れがあります。暗号が解析されると、個人情報やクレジット情報が流出し、悪用される可能性が高くなるでしょう。
つまり、セキュリティ上の観点から最新の暗号化に対応した無線LANへの買い替えが必要となるのです。
無線LAN機器の寿命サイン
買い替えを検討すべき無線LANの寿命サインは、どのようなものでしょうか。寿命と考えられる2つのサインを見ていきましょう。
電源が入らず動かない
まず、線やコンセントが抜けていないか確認しましょう。コンセントがささっている場合、何度も抜き差しして下さい。それでも電源が入らず動かなければ寿命のサインです。寿命の原因として、機器の経年劣化が考えられます。
また、電源ランプが点滅している場合は機器エラーの可能性があるため、取扱説明書を読んで対応するかメーカーに問い合わせましょう。
購入時より通信速度が遅い
通信速度の低下を感じた場合、寿命の可能性があります。
無線LANの通信速度が低下すると、Webサイトの表示や動画再生に時間がかかるようになります。一時的なものであれば問題ありませんが、そういった状態が何日も続くようであれば無線LANの寿命と判断すべきです。
無線LAN機器を長持ちさせる方法
日常的にどういったことに気を付ければ、無線LANを長持ちさせることができるのでしょうか。長持ちさせる2つのポイントを紹介します。
熱を放出させる
無線LAN機器は熱に弱いため、熱を逃がす工夫が必要です。たとえば、直射日光が当たる環境では機器が熱くなり、熱暴走を起こす可能性が高くなります。熱がこもらないように、配線が密集していない場所に無線LANを設置してください。
ほかには、エアコンの冷風や無線LAN専用の冷却ファンを機器にあてるなどの対策をとるべきです。
機器を使わないときは電源を切る
長時間稼働させると無線LANの劣化につながるため、利用しないときは電源をこまめに切るようにしましょう。電源スイッチがない場合は、コンセントを抜きます。無線LANを休ませ、機器の負荷軽減が期待できます。
また、パソコンやスマートフォンの無線LANへの自動接続機能をOFFにする方法も有効です。無線LANへのアクセスを手動にするだけで、機器が長持ちするでしょう。
無線LANの寿命を確認し、適切な状態で使用しよう
無線LANの寿命は以下のとおりです。
- ■機器の寿命は4~6年
- ■通信規格の寿命は2~6年
- ■セキュリティの寿命は2~5年
電源を入れても動かない・通信速度の低下といた症状があれば、無線LANの買い替えサインです。また、少しでも無線LANを長持ちさせたい場合は機器の熱を放出させ、こまめに電源を切りましょう。
無線LANの寿命を把握し、適切な環境で無線LANを使用しましょう。