法人向け無線LANとは
法人向け無線LANとは、企業や団体が利用するために設計された無線インターネット接続サービスのことです。複数の端末が同時接続しても安定した通信品質が保てるよう設計されています。また、セキュリティ対策も強化されています。
接続状況や利用端末を一元管理できる機能を備えた製品もあり、オフィスや工場などの業務環境での効率的なネットワーク運用が可能です。
法人向け無線LANをお探しの方へ
この記事では、おすすめの法人向け無線LANを提供形態別に分類し、価格や特徴などを比較しています。「すぐにツール選定に移りたい」という方は、以下の見出しをクリックして、詳しい製品情報をご覧ください。
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【比較表】おすすめの法人向け無線LAN
法人用無線LANと家庭用無線LANの違い
法人用と家庭用無線LANとでは、主に「ルーター機能の有無」「同時接続台数」「セキュリティ機能」において違いがあります。具体的な違いは以下のとおりです。
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法人用無線LAN |
家庭用無線LAN |
ルーター機能の有無 |
・ルーター機能を持たないアクセスポイント単体が多い |
・ルーター機能とアクセスポイントが一体化 |
同時接続の台数 |
・数十台以上 ・高性能なCPU搭載 |
・一般的に20台未満 |
セキュリティ機能 |
・暗号化規格 ・方式:WPA2/AESを採用 ・RADIUSやLDAPなど、外部認証サーバとの連携 |
・暗号化規格 ・方式:WPA2/AESを採用 |
以下の記事でも、業務用(法人用)無線LANと家庭用無線LANの違いについて、さらに詳しく解説しています。
法人向け無線LANのタイプ
法人向け無線LANは、提供形態によって2タイプに大別できます。
クラウド型
ネットワーク管理をクラウド上で行うタイプです。物理的なコントローラを設置する必要がなく、専用の管理画面を通じてリモートから設定や監視が可能です。運用管理の負担を軽減し、拠点が複数ある場合でも一元管理ができます。また、クラウド上でのアップデートにより常に最新の安全機能が利用可能なため、セキュリティ面でも安心です。
クラウド型は、複数の拠点をもち、リモートで一元管理が必要な企業におすすめです。また、限られたITリソースで運用しながら、コストを効率的に管理したい企業にも適しています。
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アプライアンス型
企業のネットワーク内に専用のハードウェア(コントローラ)を設置して管理するタイプです。クラウドに依存せずローカルでの管理が可能なため、データが社内で完結し、強固なセキュリティを確保します。また、大規模な施設でも安定した接続が可能です。だたし、導入には設置スペースや初期コストがかかります。
アプライアンス型は、高いセキュリティが求められる金融機関や製造業、医療機関などの企業に最適です。
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法人用無線LANの比較・選定ポイント
ここからは法人用無線LANの選び方を見ていきましょう。具体的なポイントは以下のとおりです。
- ●接続可能台数で選ぶ
- ●セキュリティ強度で選ぶ
- ●データの通信規格で選ぶ
- ●内蔵型か外付け型かで選ぶ
接続可能台数で選ぶ
無線LANは、製品によって接続可能台数が異なります。接続可能台数を超えての同時接続は、通信の遅延や一時停止を起こす可能性があります。遅延や停止が生じれば、業務に大きな支障をきたしかねません。
実際にどのくらいの台数が同時接続するのかを確認したうえで、無線LANを選びましょう。同時接続可能台数は少し余裕をもって選ぶのが理想的です。ビジネスにおけるIT機器の重要性は年々増してきているため、接続台数が増えることも想定しましょう。
加えて、ロードバランサ機能にも着目しておきましょう。ロードバランサとは、負荷を分散する機能です。1つの無線LANアクセスポイントで通信が混雑した際、別の無線LANへ自動で通信を振りわけます。そのため、多くのデバイスで無線LANを使う状況でも、安定した通信を実現します。
セキュリティ強度で選ぶ
無線LANには、ネットワークへの「不正侵入」や「データ盗聴」といったセキュリティリスクが存在します。万が一企業の機密情報や個人情報を盗まれた場合、被害は甚大なものとなります。法人利用の場合は、セキュリティ強度を重要視しましょう。
無線LANは、製品によって採用している暗号化規格が異なります。代表的なものは以下のとおりです。
- ■WEP(Wired Equivalent Privacy)
- 鍵生成に問題があり、利用は推奨されていない。
- ■WPA(Wi-Fi Protected Access)
- WEPの問題を解決するために作られた規格。暗号化方式はTKIP。
- ■WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)
- WPAを高度化したもので現在の主流。暗号化方式はAES。
AESは、アメリカ政府が採用した強固な方式。特にこだわりがない場合はWPA2を選択しておくと無難。
WPA2は、パーソナルモードとエンタープライズモードがあります。法人の場合は、認証サーバに個別のIDとパスワードを認証させるエンタープライズの利用がおすすめです。また、WPA2の後継としてWPA3も発表されています。暗号化と認証の仕組みを変更し、よりパスワードの保護が強化されています。
データの通信規格で選ぶ
通信規格とは通信を行うためのルールです。規格によって通信速度が異なるため、無線LAN選定時にはよく確認しましょう。代表的なものは以下のとおりです。
- ■IEEE802.11n(Wi-Fi4)
- 最大通信速度・・・300Mbps
周波数帯・・・2.4GHz帯/5GHz帯
- ■IEEE802.11ac(Wi-Fi5)
- 最大通信速度・・・6.9Gbps
周波数帯・・・5GHz帯
- ■IEEE802.11ax(Wi-Fi6)
- 最大通信速度・・・6.7Gbps
周波数帯・・・60GHz帯
最新の規格ほど、通信速度が向上しています。Wi-Fi6が現在の最新規格ですが、デバイスが対応していないケースもあります。そのため自社の利用するデバイスの対応規格を確認したうえで選ぶと確実です。
内蔵型か外付け型かで選ぶ
無線LANには、アンテナの配置によって内蔵型と外付け型の2種類があります。外観や性能、コストを考慮して、最適なタイプを選びましょう。
- ■内蔵型
- アンテナが機器内部に組み込まれているため、外からアンテナが見えない。店舗内など見た目を重視する場所に設置する場合に適している。また、広い範囲に均一に電波が届くのも特徴。
- ■外付け型
- 機器の表面にアンテナが突き出しており、電波の感度が高い。複数フロアにわたるオフィスにも適している。アンテナの向きを調整できるため、特定の方向に効率よく電波を送れるのが特徴。ただし、高性能である分、内蔵型より価格が高め。
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【比較表】おすすめの法人向け無線LAN
ITトレンドがおすすめする法人向け無線LANを紹介します。まずは、提供形態や特徴などを比較してみましょう。また、ITトレンド編集部が調査し見えてきた法人向け無線LANの傾向もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
- ●クラウド型とアプライアンス型の割合は半々ほど。クラウド型とアプライアンス型など、複数の選択肢をもつ製品も多い。
- ●同時接続台数は100台以上対応している製品が多い。
- ●料金プランを公開していない製品が多い。また、製品によって料金が大きく異なるため個別の資料請求や見積依頼が必要。
- ●通信規格はIEEE802.11acまたはIEEE802.11axを採用している製品が多い
最新の人気傾向を参考にしたうえで製品選定を進めたい方は、ぜひ以下の月間ランキングページもご覧ください。
おすすめの法人向け無線LAN(クラウド型)
複数拠点をもちリモート管理が必要な企業や、コスト管理を重視する企業におすすめの法人向け無線LANを紹介します。
《ビジネスWi-Fi》のPOINT
- マネージドクラウドでアクセスポイントを遠隔設定管理
- 高セキュリティなWi-Fi
- Wi-Fiサポートセンターを設けている為、サポートが充実
株式会社 USEN ICT Solutionsが提供する「ビジネスWi-Fi」は、クラウド型の無線LAN設定・運用サービスです。コントローラをクラウド上に置いているため、アクセスポイントの管理工数が省けます。認証機能やネットワークコントロール機能の有無によってプランが複数あり、リーズナブルに導入できます。
提供形態 |
クラウド/ASP/SaaS/サービス |
参考価格 |
月額2,600円~ |
同時接続台数 |
ー |
導入環境 |
オフィス |
通信規格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点
公務員(教員を除く)
5,000名以上
《Aerohive》のPOINT
- シンプルな構成のため煩わしい作業から解放できる
- セキュアな環境下での利用を実現する独自の認証方式
- 完全コントロールレスにより、コスト削減を実現できる
株式会社システムコンシェルジュが提供する「Aerohive」は、コントローラレスで、運用管理の手間を抑えたクラウド型の次世代Wi-Fiソリューションです。複雑な操作が不要で、誰でも簡単に運用できます。また、設置場所の平面図を取り込むことで電波到達範囲の予測ができ、適切な台数の配置が可能です。
提供形態 |
ハードウェア/アプライアンス |
参考価格 |
ー |
同時接続台数 |
ー |
導入環境 |
医療機関、流通・サービス、文教・公共機関、企業・金融 |
通信規格 |
802.11ax |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
CISCO Meraki(株式会社ジャパンコンピューターサービス)
製品・サービスのPOINT
- Webブラウザやタブレット、スマホで機能拡張や障害対応が可能
- IT管理者の負担やコストの削減に効果的
- 多拠点や遠隔地への迅速なビジネス展開が可能
株式会社ジャパンコンピューターサービスが提供する「CISCO Meraki」は、ネットワークを包括的に管理するソリューションです。LANケーブルをつなぐだけですぐに使えるゼロタッチ導入が特徴で、ネットワーク知識の少ないスタッフでも簡単に設置作業を行えます。
提供形態 |
クラウド/アプライアンス |
参考価格 |
ー |
同時接続台数 |
ー |
導入環境 |
小規模から多拠点まで対応、屋内および屋外アクセスポイント |
通信規格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
500名以上 750名未満
《Cisco Meraki》のPOINT
- 遠隔地からすべてのネットワーク機器を管理
- Wi-Fi6などハイスペックな機器に対応
- 世界中で豊富な導入実績
シスコシステムズ合同会社が提供する「Cisco Meraki」は、遠隔地から複数拠点のネットワーク機器を一元管理できるクラウド管理型ITソリューションです。ネットワーク機器の状況を可視化することで、快適な通信環境を実現します。また、従来の複雑なネットワーク管理を簡略化し、誰でも簡単に導入・運用できるようにします。
提供形態 |
クラウド/ハードウェア/SaaS/ASP/アプライアンス |
参考価格 |
ー |
同時接続台数 |
ー |
導入環境 |
ー |
通信規格 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
5,000名以上
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
10名以上 50名未満
《ギガらくWi-Fi》のPOINT
- 社内ネットワークシステムの設定変更不要ですぐに使えます
- 店舗導入でお客さまに快適なWi-Fi環境を提供し顧客満足度アップ
- トラブル時はサポートにお任せ。365日対応します
東日本電信電話株式会社が提供する「ギガらくWi-Fi」は、プロによる導入から運用までのサポートが付いた、安心・カンタン・すぐに使えるWi-Fiサービスです。ハイエンド6プランは最新の通信規格IEEE802.11axを採用し、1台あたりの同時接続端末台数は100台まで対応。ほかにも業務に関係ないアプリの利用や通信帯域の制限ができる機能を搭載しています。
提供形態 |
サービス |
参考価格 |
初期費用無料、月額2,200円~(インターネット接続サービス別途) |
同時接続台数 |
100台まで |
導入環境 |
店舗、オフィス |
通信規格 |
IEEE802.11ax |
改善してほしい点
医療
1,000名以上 5,000名未満
おすすめの法人向け無線LAN(アプライアンス型)
高セキュリティが必要な企業や、大規模施設で安定した接続を求める企業におすすめの法人向け無線LANを紹介します。
製品・サービスのPOINT
- スマートフォンやタブレット端末で無線LANを活用したい方
- オフィスや施設などで無線LANをご検討されている方
- 中学、高校、大学でキャンパスネットワークを無線LANにしたい方
株式会社フルノシステムズが提供する無線LAN構築は、スマートフォンやタブレット端末のインフラ構築に最適なWi-Fiサービスです。無償保証期間は5年、万が一の故障時の際も先出センドバック交換対応があり安心です。また、アクセスポイント1台から導入できるうえ、高い拡張性を備えています。
提供形態 |
パッケージソフト/アプライアンス |
参考価格 |
約100,000円前後~ |
同時接続台数 |
100台以上 |
導入環境 |
オフィス、教育機関、自治体、ホテル、病院など |
通信規格 |
IEEE802.11ac(Wave2)/n/a、IEEE802.11n/g/b同時使用可 |
いい点
教育・教育学習支援関係
1,000名以上 5,000名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
10名以上 50名未満
《ACERA 1150w》のPOINT
- 動画機能をアクセスポイントに集約
- つながる、切れない無線LAN環境、40人クラスでも安心
- 2.4GHz帯/5GHz帯同時使用可、電波干渉に強い
株式会社フルノシステムズが提供する「ACERA 1150w」は、教室用動画対応無線LANアクセスポイントです。教育現場で使われることを想定した製品で、40人が同時に接続しても電波干渉を起こしにくいのが特徴です。電子黒板やタブレットでの授業支援などにも活用できます。
提供形態 |
アプライアンス |
参考価格 |
ー |
同時接続台数 |
100台以上 |
導入環境 |
教育機関 |
通信規格 |
IEEE802.11ac/n/a/b/g |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
1,000名以上 5,000名未満
改善してほしい点
情報処理、SI、ソフトウェア
1,000名以上 5,000名未満
製品・サービスのPOINT
- RADIUSサーバ機能、DHCPサーバ機能といった各種サーバ機能を内蔵
- 無線LANアクセスポイントを増設しても追加ライセンスは不要
- ゲストユーザごとにネットワークアクセスポリシの設定が可能
アラクサラネットワークス株式会社が提供する「AXprimoW(無線LANコントローラ)」は、低コストで安定した通信を実現する無線LANコントローラです。同シリーズのアクセスポイントと一緒に使うことで、一元管理が可能となります。RADIUSサーバ機能やDHCPサーバ機能など、無線LANシステム構築に必要なサーバ機能を内蔵しており、別注する必要がありません。また8年間の長期保証・保守に対応しています。
提供形態 |
アプライアンス |
参考価格 |
ー |
同時接続台数 |
アクセスポイント最大3,000台、登録ユーザー最大50,000人 |
導入環境 |
オフィス(中小規模から大規模まで幅広く対応) |
通信規格 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac;Wave2 デュアルバンド2.4GHz&5GHz |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
いい点
情報処理、SI、ソフトウェア
1,000名以上 5,000名未満
改善してほしい点
卸売・小売業・商業(商社含む)
100名以上 250名未満
まとめ
法人で利用できる無線LANを紹介しました。製品を比較する際には、接続可能台数、セキュリティ強度、データの通信規格を特に注意して選択することをおすすめします。無線LANは、企業において不可欠なネットワークインフラです。比較検討して、自社に最適な無線LANを導入しましょう。
なお、ITトレンドでは法人向け無線LANの一括資料請求が可能です。社内検討の際に役立つ比較表も作成できるので、ぜひご利用ください。