業務用と家庭用の無線LANの違い
さっそく、業務用と家庭用無線LANの違いを見ていきましょう。
接続可能なデバイスの数
無線LAN機器には接続可能なデバイス数が決まっています。それを超過すると通信の遅延や停止のおそれがあります。
家庭用無線LANの接続可能デバイス数は一般的に20台未満です。それに対し、業務用無線LANは数十台以上の同時接続を想定しています。
そのため、接続台数が1台だけであれば家庭用と業務用にあまり違いはありませんが、利用者が増えるほど通信速度の差が顕著になります。
数人しかいないオフィスなら家庭用無線LANでもよいですが、そうでないなら業務用の製品を選びましょう。
セキュリティレベル
無線LANは通信内容を暗号化することで通信の安全性を高めています。暗号化規格・方式には一般的に解読が難しいWPA2/AESを採用しています。この点では業務用・家庭用で大きな違いはありません。
しかし、暗号化だけでは情報を盗み見られるリスクがあります。そこで、業務用無線LANではRADIUSやLDAPなど、外部認証サーバとの連携により情報漏洩を防ぐ仕組みが採用されています。
無線LANのセキュリティについて詳細が知りたい際は、以下の記事も参考になります。
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設定、設置方法
家庭用の無線LANであれば、無線LANをモデムに接続し、デバイスを無線LANと接続することで通信が実現します。モデムが不要な場合がありますが、設置手順に大きな違いはありません。
しかし、業務用の場合は縦置きや横置き、壁掛けなどいくつかの設置方法があり、オフィス環境に適した設置方法をとらなければなりません。
複数の無線LANの用意やアンテナ調節により、オフィス内にまんべんなく電波が届くように配慮する必要があります。また、業務用無線LANの設定も複雑です。機密情報漏洩防止を目的としたアクセス制限など、業務用ならではの設定が必要となります。
さらに、無線LANが多数ある場合は、初期設定をすべての無線LANにコピーする必要もあるでしょう。
導入にかかるコスト
業務用無線LANのほうがコストが高くなります。
家庭用の無線LANよりも高度な設定機能や耐久性が求められるため、本体価格が高額です。価格は2~3万円が一般的でしょう。また、機器の管理や点検に加え、月額料金もかかります。料金はベンダーによって差がありますが、月額2~3千円が一般的です。
それに対し、家庭用の無線LANは安価です。本体は数千円から1万円程度で購入可能なうえ、ランニングコストはかかりません。
企業が家庭用ルーターを使う場合の問題点
企業で家庭用無線LANを利用する問題点は、業務用無線LANとは接続可能デバイス数に大きな差があることです。
家庭用無線LANは数台の接続にしか耐えられません。それ以上の台数のデバイスを接続すると通信が遅延し、業務に大きな支障をきたすおそれがあります。また、接続可能台数を超過していなくても、遅延が目立つケースは少なくありません。
近年のビジネス環境では、無線LAN接続デバイス数は増加の一途をたどっているため要注意です。たとえ利用者が増えなくても接続デバイス数は増加しています。PCやタブレット、スマートフォンなど、1人が複数のデバイスを無線LANに接続することが多いためです。
小規模なオフィスでも業務用無線LANを選ぶのが理想的です。
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業務用無線LANルーターの選び方
業務用無線LANルーターを選ぶ際には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
対応する電波の通信規格を確認する
無線LANは対応する通信規格によって通信の品質が変わります。代表的な通信規格は以下のとおりです。
【IEEE802.11ad(11ad)】
- 最大通信速度
- 6.7Gbps
- 周波数帯
- 60GHz帯
【IEEE802.11ac(11ac)】
- 最大通信速度
- 6.9Gbps
- 周波数帯
- 5GHz帯
周波数帯によって適した環境が異なります。たとえば、60GHz帯は狭い範囲での高速通信に適している、5GHz帯は電子レンジやBluetoothの影響を受けにくいのが特徴です。利用環境を考慮したうえで適切な規格を選びましょう。
また、デバイスによって対応規格が異なるため、接続デバイスの仕様も考慮する必要があります。ちなみに、現在の主流は11acで、特に問題がなければこれを選択することが多いです。
アンテナの配置場所を確認する
無線LANはアンテナの位置によって内蔵型と外付け型に大別されます。
内蔵型はアンテナが無線LAN機器の内部に配置されているため、外観上はアンテナがありません。店舗内に配置するなど、見栄えが気になる場合は内蔵型が好まれる傾向にあります。また、電波が広範囲にバランスよく届くのが特徴です。
それに対し、外付け型は無線LANの表面にアンテナが突き出しています。外付け型のほうが電波の感度が良好です。特に、アンテナの向きによって電波を目的の方向に届けられるのが特徴です。ただし、高性能な分、内蔵型より高額な傾向にあります。
外観や性能、コストを総合的に考慮し、利用環境に適したものを選びましょう。
業務用無線LANを理解して自社に合った製品を導入しよう!
業務用無線LANは、家庭用無線LANと比べて以下の特徴があります。
- ■接続可能なデバイス数が多い
- ■セキュリティレベルが高い
- ■設置や設定が複雑
- ■コストが高い
また、業務用無線LANを選ぶ際には以下の点を確認しましょう。
以上を踏まえ、自社に適した無線LANを導入してください。