ウィルス対策ソフトの選び方
ここからは、製品の選定ポイントについてみていきましょう。具体的には以下の通りです。
- ●検出率の高さをみる
- ●動作の軽微さを確認する
- ●多機能よりサポートを重視する
それではみていきましょう。
検出率の高さ&未知の脅威への対応重視
ウィルス対策の要は、やはり検出力の高さです。検出力とは、ウィルス対策製品がどれだけマルウェアを検出できるかを調査したものです。これまでも、オーストリアのAV-Comparatives.org、ドイツのAV-Test.orgなど、さまざまな第三機関が、セキュリティ製品の製品評価のひとつとして検出力を調査してきました。
しかし、既存のウィルスにたとえ強くとも、数秒に1つ新たに誕生しているとも言われるウィルスに対抗することはできません。検出力の高さは大前提として、頻繁な更新が行われ、かつ未知の不審な挙動を行うソフトをブロックする機能を持つウィルス対策製品ほど、優秀であると言えるでしょう。
動作の軽微さを確認する
セキュリティと利便性は相反するものです。PCやサーバに負荷がかかり、動作が重くなってしまうことも少なくありません。最悪の場合、必要なソフトが動作しなくなったり、送信されたファイルが開けなくなったり、という事態が起こることもありえます。
つまり、いくら検出力が高く、未知の脅威への対策がなされていても、実際の業務に影響が出るようでは、本末転倒です。検出力や道の脅威への対応が優れていることは大前提ではありますが、実際に使用している環境に適した、できるだけ動作の軽い製品を選択することが重要になってきます。
多機能よりサポートを重視する
近年は、ユーザ心理を悪用して感染を誘うウィルスも登場しています。IP制限やフィルタリング機能が付属するなど、多機能なものも多いウィルス対策製品ですが、そもそも理論上、100%ウィルスを防御することは不可能であるため、本当にその機能が必要なのかを見極める必要があります。
セキュリティ製品の使用とともに、システムを使用する社員のセキュリティ意識を高めることが、セキュリティの強化には大変重要になります。業務に不要なサイトへは行かない、わからないリンクは踏まない、身に覚えのないファイルは開かないなど、セキュリティ対策製品と併用して、セキュリティに関するリテラシーを社員全員に浸透させることが、現在の企業に求められています。
常に最新の脅威への対策を製品で行いつつ、社員のセキュリティリテラシーを高める。この二つを両立させるためにも、セキュリティ対策選定においてもっとも重要なことはサポートになります。企業によっては、社員のリテラシー教育を行うサービスもあり、企業内システムの安全性を高める一助となるでしょう。
企業に求められるウィルス対策を活用しよう
現在ウィルス対策として流通している製品のほとんどは、中央のサーバにインストールするものか、エンドユーザが使用する個々のPCへインストールするタイプのものです。しかし、これらを一度導入すればそれで終わりではないところが、ウィルス対策の難しいところでもあります。だからこそ、製品の選定ポイントを明らかにし活用していきましょう。