法人向けウイルス対策ソフトとは
法人向けウイルス対策ソフトとは、企業で使用するパソコンやスマートフォン、サーバなどをウイルスやマルウェアから保護するためのセキュリティ製品です。ウイルスの検知・隔離・削除といった基本機能に加え、複数端末の状態を管理画面から確認したり、セキュリティ設定をまとめて適用したりできる製品もあります。
企業では、多数の従業員がさまざまな端末を使用します。端末ごとに個別管理すると、アップデート漏れや設定のばらつきが生じる可能性があるため、組織全体のセキュリティを統一して管理できる法人向け製品が活用されています。
法人向けと個人向けウイルス対策ソフトの違い
法人向けと個人向けのウイルス対策ソフトは、どちらもウイルスやマルウェアへの対策を目的としていますが、管理方法やライセンス、サポートなどに違いがあります。主な違いを以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 法人向け | 個人向け |
|---|---|---|
| 端末管理 | 複数端末を管理画面から一元管理できる製品が多い | 利用者が端末ごとに管理する製品が中心 |
| セキュリティ設定 | 管理者が組織全体の設定を統一しやすい | 利用者ごとに設定する |
| ライセンス | 端末数やユーザー数などに応じて契約する | 1台・3台・5台など一定台数のプランが中心 |
| 監視・レポート | 端末のセキュリティ状態や検知状況をまとめて確認できる製品がある | 各端末で確認する製品が中心 |
| サポート | 法人専用窓口や運用支援を提供する製品もある | 一般ユーザー向けのサポートが中心 |
複数端末をまとめて管理できる
法人向けウイルス対策ソフトの大きな特徴は、社内で利用する複数端末を一元管理できることです。管理画面から各端末のセキュリティ状態やアップデート状況、脅威の検知状況などを確認できます。
従業員数や端末数が多い企業でも、管理者がまとめて状況を把握できるため、更新漏れや設定ミスを発見しやすくなります。
セキュリティ設定を組織全体で統一できる
個人向け製品では、基本的に利用者自身が端末の設定を行います。一方、法人向け製品では、管理者があらかじめ設定したセキュリティポリシーを複数端末へ適用できるものがあります。
従業員によって設定内容やセキュリティレベルに差が生じるのを防ぎ、組織全体で一定水準の対策を維持しやすくなります。
ライセンスをまとめて管理できる
法人向け製品では、端末数やユーザー数に応じたライセンス契約が一般的です。管理画面から利用状況を確認できる製品もあり、従業員の入退社や端末の追加・廃止にあわせてライセンスを管理できます。
契約期間や最低利用数、追加・削減できるタイミングなどは製品によって異なるため、導入前に確認しておきましょう。
法人向けのサポートを利用できる
法人向けウイルス対策ソフトのなかには、法人専用の問い合わせ窓口や導入支援、セキュリティ運用のサポートを提供する製品もあります。
特に社内にセキュリティの専門担当者がいない場合は、トラブル発生時の連絡方法や対応時間、支援範囲まで確認しておくと安心です。
法人でウイルス対策が重要な理由
企業がウイルスやマルウェアに感染すると、1台の端末だけでなく、社内ネットワークや取引先にまで影響が広がる可能性があります。そのため、法人では個々の端末だけでなく、組織全体を意識したセキュリティ対策が重要です。
機密情報や個人情報の漏えいを防ぐため
企業のパソコンには、顧客情報や従業員情報、契約書、営業資料などさまざまな重要データが保存されています。マルウェア感染によって情報が外部へ流出すると、顧客への対応や信用低下など大きな影響につながりかねません。
ウイルス対策ソフトによって不審なファイルやプログラムを検知・ブロックし、情報漏えいにつながるリスクを低減することが重要です。
ランサムウェアなどのサイバー攻撃に備えるため
企業を狙うサイバー攻撃では、端末内のデータを暗号化して金銭を要求するランサムウェアなど、業務継続に大きな影響を与える攻撃もあります。
ウイルス対策ソフトはこうした脅威への基本的な防御策の一つです。ただし、ウイルス対策ソフトだけですべての攻撃を防げるわけではないため、必要に応じてEDRやメールセキュリティ、バックアップなど複数の対策を組み合わせる必要があります。
社内や取引先への被害拡大を防ぐため
感染した端末から社内の別端末へマルウェアが広がったり、メールなどを通じて取引先へ被害を拡大させたりする可能性もあります。
企業では1人の従業員だけの問題では済まないため、各端末のセキュリティ状態を適切に管理し、感染を早期に検知・対応できる環境を整えることが求められます。
法人向けウイルス対策ソフトを導入するメリット
法人向け製品を導入することで、単にウイルス感染を防ぐだけでなく、セキュリティ管理の効率化にもつながります。主なメリットを紹介します。
社内端末のセキュリティ状況を把握しやすい
管理画面を備えた製品であれば、各端末の稼働状況やウイルス検知状況、アップデート状況などをまとめて確認できます。問題が発生している端末を把握しやすくなるため、セキュリティ上のリスクを放置する可能性を減らせます。
端末ごとの設定差を防げる
従業員が個別にウイルス対策ソフトを管理していると、設定内容やアップデート状況にばらつきが生じます。法人向け製品で設定を一括適用できれば、組織のセキュリティポリシーに沿った環境を構築しやすくなります。
情報システム担当者の運用負担を軽減できる
端末ごとにアップデート状況を確認したり、ライセンス期限を管理したりする作業は、台数が増えるほど大きな負担になります。法人向け製品で管理を一元化することで、情報システム担当者の管理作業を効率化できます。自動アップデートやアラート通知などの機能も活用すると、さらに運用負担を抑えられるでしょう。
法人向けウイルス対策ソフトを導入する際の注意点
法人向け製品を導入すればすべてのセキュリティ課題を解決できるわけではありません。導入前には、自社の環境や必要な対策範囲を整理しておきましょう。
ウイルス対策ソフトだけですべての攻撃は防げない
ウイルス対策ソフトは、マルウェアへの対策として重要ですが、サイバー攻撃の手法は多様化しています。認証情報の窃取や不正アクセス、メールを起点とした攻撃など、ウイルス対策ソフトだけでは十分に対応できない脅威もあります。
自社のリスクに応じて、EDRやファイアウォール、メールセキュリティ、多要素認証、データバックアップなどを組み合わせ、多層的な対策を検討しましょう。
利用しているOSや端末への対応状況を確認する
製品によって、Windows・macOS・Linux・iOS・Androidなど対応しているOSは異なります。社内PCだけでなく、スマートフォンやタブレット、サーバも保護したい場合は、それぞれが対応対象に含まれるか確認してください。
また、ウイルススキャンなどによる端末への負荷も製品によって異なるため、無料トライアルが提供されている場合は実際の業務環境で試すとよいでしょう。
既存のセキュリティ製品との役割を整理する
すでにEDRやUTM、メールセキュリティなどを導入している場合は、新しいウイルス対策ソフトと機能が重複する可能性があります。
現在利用しているセキュリティ製品と、新たに導入する製品の役割を整理し、不足している対策を補える構成にすることが重要です。
法人向けウイルス対策ソフトの代表的な製品
ここでは、ITトレンドに掲載されているおすすめの法人向けウイルス対策製品を紹介します。各製品で対応できる脅威や運用支援の範囲が異なるため、自社のセキュリティ体制にあわせて確認してください。
Votiro Secure File Gateway
- シグネチャの存在しない未知の攻撃も防御
- あらゆる経路からの侵入をブロック
- 豊富な導入実績
株式会社アズジェントが提供する「Votiro Secure File Gateway」は、ファイルがマルウェアを含んでいるかもしれないという可能性を重視し、外部から入ってくるあらゆるファイルを無害化するソリューションです。検知するのではなく無害化する考え方のため、シグネチャの存在しない未知の攻撃に対しても防御が働きます。メールやWebなどさまざまな経路からの侵入をブロックできるので、入口ごとに個別の対策を積み上げる負担を減らせます。ウィルス対策やスパイウェア対策の機能を備え、SaaSの形態で提供されます。
ESET PROTECT MDR
- 業界最速のMDRレスポンス ※ESET社調べ
- エンドポイントのセキュリティ対策をひとまとめで任せられる
- 24×365でキヤノンMJグループが日本語対応!安心して任せられる
キヤノンマーケティングジャパン株式会社が提供する「ESET PROTECT MDR」は、ESETの高性能なウイルス対策エンジンをベースとした法人向けセキュリティサービスです。専門アナリストが24時間365日体制で監視・分析を行い、未知の脅威や標的型攻撃を素早く検知します。さらに、専任チームがインシデント発生後の対応まで支援するため、情報システム部門の負担を大幅に軽減できます。
AppGuard
- 定義ファイル不要の「OSプロテクト型」
- 未知・既知を問わず、高度なサイバー攻撃による侵害を未然に防止
- 端末に対して悪いコトをさせず、「攻撃の無効化」を実現
DAIKO XTECH株式会社が提供する「AppGuard」は、従来型のウイルス検知に頼らず、OSに対する不正な動作を制御して攻撃を防ぐ法人向けセキュリティ製品です。定義ファイルを使用せず、未知・既知を問わず不審なプログラムの起動やシステムへの侵害につながる動作をブロックします。クライアントPCとサーバの両方に対応しており、ゼロデイ攻撃など未知の脅威への対策を強化したい企業に適しています。
セキュアエンドポイントサービス(Va)
- 高い精度のスキャンにより、アプリの脆弱性把握や対処が可能
- オンプレやリモート環境など、パソコンの動作状況をすべて把握
- 重大なインシデント発生時は対象パソコンを自動で隔離し能動通知
ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス (トレンドマイクロ株式会社)
- PC1台から導入可能
- 全デバイス一括管理機能で内部統制を強化
- Mac OSやスマホ・タブレットにも対応
Microsoft Defender for Business (日本マイクロソフト株式会社)
- 安価でエンタープライズ級の保護機能を提供。
- 管理画面と運用が簡素で使いやすい。
- 複数OS対応で、ハイブリッド勤務やリモート環境を包括的に保護。
Kaspersky Endpoint Security Cloud (株式会社Kaspersky Labs Japan)
- 脅威のランサムウェアに対し高い保護率!徹底的なセキュア化!
- デバイスだけじゃない!Microsoft365の通信も保護
- 場所にとらわれない保護を実現!リモート暗号化で漏洩防止も!
SophosEndpointProtection (ソフォス株式会社)
- AIで既知・未知のマルウェアを検知。
- ランサムウェア対策とEDRで脅威の調査と対応を支援。
- Sophos Centralで複数デバイスをクラウド一元管理。
「自社に合うのはどの製品か?」と悩んでいる方は、資料請求を活用するとスムーズです。各製品の機能や料金体系をまとめて比較できるため、最適な選定につながります。
以下の記事では、クラウド型のウイルス対策ソフトを厳選して紹介しています。クラウド型は拡張性や柔軟性が高く、成長中の企業やリモートワークを推進する組織におすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
まとめ
法人向けウイルス対策ソフトは、個人向けと比べて、管理の効率化やセキュリティレベルの統一化などのメリットがあります。導入の際には、対応するOSや端末、既存のセキュリティ製品との役割分担などを確認し、自社の環境に適した製品を選びましょう。
ITトレンドでは、法人向けのウイルス対策製品を数多く取り扱っています。万全なセキュリティ対策を構築するために、まずは資料請求をして製品の特徴を知ることからはじめましょう。

