適性検査で測定できること
適性検査は、受検者の特性や潜在能力などを測定できる方法のひとつです。以下の4種類の項目について、多角的な視点で測定します。
- ■基礎能力
- 業務遂行に必要な基本能力のこと。業務に必要な処理能力や対応力があるかどうかを判断する目安になります。
- ■性格特性
- 受検者が持っている性格的な特徴のこと。従業員が職場でどのような行動をとるのか判断する目安になります。
- ■業務適性
- 職場や業務に対する適応度のこと。業務を継続的に遂行するための対人能力やスキル特性などを判断する目安になります。
- ■ストレス耐性
- 業務内で発生するさまざまなストレス要因に対して、どの程度の耐性があるのか判断する目安になります。
企業が適性検査を導入する目的
それでは、企業が適性検査を導入する目的にはどのようなものがあるでしょうか。主要な3点を紹介します。
採用業務を効率化するため
企業の採用業務では、限られた時間内で求職者のスキルや性格などを把握しなければなりません。しかし、エントリーシートや面接だけで求職者の業務適性を正確に判断するのは困難です。適性検査によって求職者の基礎能力や性格適性などを理解できれば、採用業務の効率化につながるでしょう。
適性検査によって効率化できるのは、以下のような業務です。
- ・求職者のスクリーニング(いわゆる足切り)
- ・面接だけではわからない人材の特性把握
- ・客観的な選考基準の明確化
- ・採用後のミスマッチ防止
- ・自社が求める人材特性と志望者の傾向把握
- ・ターゲット求職者への囲い込み
- ・今後の採用戦略の立案
従業員のマネジメントに活用するため
適性検査では客観的な視点で従業員の特性や能力を把握できるため、得られた結果をもとにさまざまな従業員マネジメントを実施できます。よく使われるマネジメントの例は、以下のようなものです。
- ・従業員のスキルや適性に応じた人員配置
- ・不足しているスキルをもとにした育成計画の策定
- ・従業員の特性に応じた評価基準の策定
- ・キャリア面談のための資料作成
- ・エリート従業員の検査結果と同じような結果を出した求職者の採用
離職防止策を検討するため
従業員が早期離職・退職する理由の一つに、自身のストレス耐性と職場での働き方があわないことが挙げられます。適性検査によって従業員のストレス耐性を把握できれば、適した配置や育成計画の策定などの対策が可能となり、早期離職の防止にもつながるでしょう。
また実際に早期退職した従業員の検査結果を分析することで、どのような傾向があると早期離職に至るのかがわかるようになり、効果的な離職防止策を検討しやすくなります。
適性検査を効果的に行うタイミング
企業で適性検査を実施する場合、効果的なタイミングはいつなのでしょうか。以下で解説しますので参考にしてください。
採用で適性検査を実施する場合
適性検査では受検者の隠れた特性や業務適性がわかるため、採用時の実施をおすすめします。具体的には以下の4つのタイミングがあるでしょう。
- ■書類選考通過後
- 面接前に受検者のスクリーニングを行いたい場合は、このタイミングで適性検査を実施しましょう。自社とあう受検者を早期に選別すれば無駄な面接の機会が減り、人事担当者の負担を軽減できます。適性検査の結果をもとに、面接での質問内容を検討することも可能です。
- ■面接時
- 面接の流れのまま実施されるため、面接での印象と受検結果を照らしあわせながら総合的な人物評価が行えます。別途スケジュールを設定したり、会場を用意したりする必要もありません。
- ■一次面接後
- 最終面接の参加者を絞り込みたい場合におすすめです。
- ■最終面接後
- 最終候補者の中から採用者を決めたい場合や、最終的な判断として受検者の価値観と企業理念との相性を確認したい場合などに実施します。
従業員に適性検査を実施する場合
適性検査は従業員に家族が増えたときや、昇進して職場内での地位が変化したときなどにも実施することをおすすめします。このような変化によって、従業員の仕事に対する考え方やスキル、業務適性などが変わっていくためです。定期的に適性検査を実施すれば、企業として従業員の価値観や業務適性の変化にも柔軟に対応できるでしょう。
適性検査の継続的な実施は、評価の際にも効果的です。蓄積した検査結果のデータをもとに、個人や集団の実績が判断しやすくなるためです。よって評価を行うタイミングも踏まえて検査を実施するのもよいでしょう。
適性検査に関するFAQ
適性検査の導入を検討する際によくある疑問をまとめました。測定項目や実施タイミングの判断にお役立てください。
- ■Q1:適性検査で測定できる基礎能力・性格特性・業務適性・ストレス耐性は、それぞれ何を判断する目安になりますか?
- 基礎能力は業務遂行に必要な処理能力や対応力の目安です。性格特性は職場での行動傾向、業務適性は対人能力やスキル特性の継続性、ストレス耐性は業務内のストレス要因への耐性を判断する目安になります。
- ■Q2:採用時に適性検査を実施する場合、書類選考通過後と面接時ではどちらがよいですか?
- 面接前に受検者を絞り込みたい場合は書類選考通過後の実施がおすすめです。人事担当者の負担を軽減でき、面接での質問内容の検討にも活用できます。一方、面接時の実施は別途スケジュールや会場を用意する必要がなく、面接の印象と受検結果をあわせて総合的に評価できます。
- ■Q3:一次面接後と最終面接後では、適性検査を実施する目的が違いますか?
- 目的は異なります。一次面接後は最終面接の参加者を絞り込みたい場合に適しています。最終面接後は最終候補者から採用者を決める場合や、受検者の価値観と企業理念との相性を最終確認したい場合に実施します。
- ■Q4:採用時だけでなく、既存の従業員にも適性検査を実施する意味はありますか?
- 従業員に家族が増えたときや昇進で職場内の地位が変化したときは、仕事に対する考え方やスキル、業務適性が変わることがあります。定期的に検査を実施すれば、こうした価値観や適性の変化に柔軟に対応でき、評価や育成計画の資料としても活用できます。
- ■Q5:ストレス耐性の測定は、早期離職の防止にどのように関係しますか?
- 早期離職の理由の一つに、従業員自身のストレス耐性と職場での働き方があわないことが挙げられます。適性検査でストレス耐性を把握すれば、適した配置や育成計画を検討でき、早期退職者の検査結果を分析することで離職の傾向を把握し、効果的な防止策の検討にもつながります。
適性検査の導入で人材管理を効率化しよう
適性検査の実施には、採用業務の効率化や従業員のマネジメントへの活用、離職防止策の検討といった目的があります。適性検査では導入目的をしっかり意識しつつ、基礎能力や性格特性、業務適性、ストレス耐性の4つの項目を評価しましょう。適性検査は採用活動や、従業員の生活環境が変化したときなどに実施するのがおすすめです。自社にあったやり方で適性検査を導入し、人材管理を効率化してください。


