出張管理システム(BTM)とは
出張管理システムとは、出張に関するさまざまな業務を一元管理できるシステムのことです。出張には書類作成や経費の申請など、1回の出張であってもかかわる部署は多く、業務も多岐に渡ります。出張管理システムを導入すれば、新幹線や飛行機・ホテルの予約まで、自動的に最適なプランを手配可能です。社内での出張申請や経費精算も、一括して行えます。
企業にとってシステム導入の必要性が高いのは、業務の効率化だけではありません。自社の出張規定を理解していない社員が犯してしまう、規定違反の解決にも役立ちます。
ITトレンド編集部おすすめ!出張管理システム12選を比較
それでは早速、厳選した12製品を紹介します。実際にどんなシステムがあるのか、比較検討してみましょう。
Concur Travel 出張管理
株式会社コンカーが提供する「Concur Travel 出張管理」は、出張管理に特化したシステムです。モバイルアプリを利用して、外出先からも出張手配や予約、旅程変更などの出張管理が可能です。経費精算レポートの簡素化と効率化も実現できます。申請方法をカスタマイズできるため、企業のコンプライアンスを促進できます。
価格 |
見積り |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
ERP、人事システム、会計システム |
出張手配の代行サービス |
なし |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
AI Travel
株式会社AIトラベルが提供する「AI Travel」は、出張業務のあらゆる課題を解決する出張管理システムです。乗換案内アプリのように手配要件を一度入力するだけで、国内・海外のホテル・飛行機・新幹線をまとめて検索できます。複数サイトで予約すると旅程管理が煩雑になりますが、AI Travelなら予約情報を一元管理できます。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
複数の経費精算サービス |
出張手配の代行サービス |
なし |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
Bzit
株式会社JTBが提供する「Bzit」は、出張者にも管理者にも、双方に便利なワンストップ・サービスを提供する出張管理システムです。飛行機・新幹線・ホテル・パッケージツアーなど、出張に必要なチケットを一括で手配でき、支払いも法人の一括払いが可能です。出張申請フローにおいて、管理者は予約データを可視化して把握できるため、規定遵守の徹底や内部統制の強化も図れます。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
要問い合わせ |
出張手配の代行サービス |
なし |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
BT-Compass
イオンコンパス株式会社が提供する「BT-Compass」は、国内の出張を一元化し、管理できる出張管理システムです。航空機・新幹線・ホテルなど、出張手配に必要なサイトが1つに統合され、各サイトに都度ログインすることなく予約できます。出張の利用を一括管理することで、旅費交通費にかかわる現状分析を行えます。直接経費や間接経費の削減が可能です。出張データを一括管理することで、コンプライアンスも強化します。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
各種ワークフロー |
出張手配の代行サービス |
なし |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
J'sNAVI NEO
株式会社JTBビジネストラベルソリューションズが提供する「J'sNAVI NEO」は、チケット手配や経費精算に加え、関連業務の効率化と出張コストの削減もできるシステムです。電子帳簿保存法に対応しており、タイムスタンプの付与や検索機能などを搭載。ペーパーレス化を実現できます。会計システムとの連携により、入力や取り込み作業の手間がなく、人為ミスも防げます。
価格 |
月額費用3万円〜、初期費用0円 |
無料トライアル |
あり(1か月間) |
連携できるツール |
会計システム、ERP、交通系ICカード |
出張手配の代行サービス |
あり(オプション) |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
要問い合わせ |
じゃらんコーポレートサービス
株式会社リクルートが提供する「じゃらんコーポレートサービス」は、宿泊予約にすぐれた出張管理システムです。宿泊サイト「じゃらんnet」よりも、お得なシークレットプランが利用可能です。宿泊費用は会社でまとめて後払いできます。管理画面で宿泊実績を一元管理することで、内部統制の強化や無駄なコストの見える化が可能です。
価格 |
月額費用0円、初期費用0円 |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
経費精算システム |
出張手配の代行サービス |
なし |
スマホ対応 |
要問い合わせ |
海外対応 |
要問い合わせ |
出張なび
株式会社日本旅行が提供する「出張なび」は、24時間いつでもパソコンやスマホから、オンライン予約が可能な出張管理システムです。新幹線・飛行機・宿泊・レンタカーを、法人専用料金でお得に予約できます。専任オペレーターによるチケット手配も可能です。独自開発した専用の分析ツールを用いて、出張データを分析し可視化を実現します。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
経費精算システム |
出張手配の代行サービス |
あり |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
Racco
楽天グループ株式会社が提供する「Racco」は、出張管理に特化した楽天トラベルの関連サービスです。予約データを一元化して、すべての経費を会社で一括精算できます。出張者の立替払いや経費精算などの業務工数を削減して、生産性を向上します。出張規定にあわせて予約を制御し、災害時のリスク管理も可能です。
価格 |
月額費用0円、初期費用0円 |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
要問い合わせ |
出張手配の代行サービス |
なし |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
BTOL
株式会社南海国際旅行が提供する「BTOL」は、出張にかかわる宿泊先や交通機関の手配などを、一括管理できる出張管理システムです。スマホで簡単に予約の変更や取消が可能で、業務の効率化を実現できます。シングルサインオンに対応しており、サイトごとに再ログインする手間がありません。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
ワークフローシステム |
出張手配の代行サービス |
あり |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
Smart BTM
株式会社IACEトラベルが提供する「Smart BTM」は、チャットや電話で気軽に出張の予約・相談ができる出張管理システムです。オンライン予約とオペレーター対応の併用で、出張業務の生産性を向上できます。さまざまな支払方法に対応し、立替経費の精算が不要です。出張先でトラブルが発生した場合にも、24時間体制でオペレーターが対応します。
価格 |
要問い合わせ |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
要問い合わせ |
出張手配の代行サービス |
あり |
スマホ対応 |
要問い合わせ |
海外対応 |
あり |
BORDER
ボーダー株式会社が提供する「BORDER」は、チャットでフライトやホテルを手配し、クラウド上で海外出張・国内出張の情報を一元管理する出張管理システムです。出張データを自動で集約し、簡易に可視化・分析ができます。時間をかけずにコスト削減と生産性向上が可能です。
価格 |
月額費用0円、初期費用0円、手配手数料1,100円/1出張 |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
要問い合わせ |
出張手配の代行サービス |
あり |
スマホ対応 |
あり |
海外対応 |
あり |
トラベルjp for Business
株式会社ベンチャーリパブリックが提供する「トラベルjp for Business」は、LINE WORKSのチャットで簡単にホテルや航空券などの予約ができる出張予約サービスです。出張の日程や要望などをもとに、コンシェルジュが航空券や宿泊施設の提案から手配までを行います。国内・海外のレストランや、モバイルWi-Fiの予約にも対応しています。
価格 |
月額費用0円、初期費用0円 ※予約確定後、利用料(要問い合わせ)の支払いあり |
無料トライアル |
なし |
連携できるツール |
要問い合わせ |
出張手配の代行サービス |
あり |
スマホ対応 |
要問い合わせ |
海外対応 |
あり |
出張管理システムの主な機能
出張管理システムには、出張業務を効率化するさまざまな機能が搭載されています。製品によっても異なりますが、一般的な機能を6つ紹介します。
出張手配
新幹線や飛行機・レンタカーといった交通手段の予約から、宿泊予約までシステム上で一括検索して予約する機能です。Webサイトで自力で調べて、さらに比較検討まで行うと、大きな手間がかかります。一連の手配を効率化し、製品によっては出張する当事者以外の秘書や営業事務でも、代わりに出張手配ができる機能もあります。
旅程管理
出張手配した交通手段やホテルなどの予約情報を、旅程として管理して簡易に確認できる機能です。モバイルアプリを使って、出張中に旅程の確認も可能です。出張管理システムを導入すれば、誰がどこに出張しているのか一覧で可視化できるため、災害や事故発生時の緊急対応を容易にします。
出張の申請・承認
出張の事前申請から承認まで、一連のワークフローをすべてシステム上で完結する機能です。紙やハンコを使った面倒な作業がなくなることで、業務の効率化につながります。
出張費用の経費精算
出張管理システム上の出張データをもとに、経費精算ができる機能です。個人立替から会社の一括精算に変わることで、出張者および経理の負担が軽くなります。
出張費用の一括清算
システム上から交通機関や宿泊施設の予約を行うことで、支払いを一元化できる機能です。請求処理や振込み作業の手間を省けるので、経理の業務を効率化できます。
規程チェック
出張規定をシステムに設定し、規定外の申請や精算があった場合にアラートを配信する機能です。規定に沿っているかチェックする手間を省き、自動化によって確認もれを防げます。
出張管理システムのメリット
出張管理システムを導入した場合、どんなメリットがあるのか気になりますよね。導入することで得られるメリットを4つ紹介します。
出張コストの削減
出張にかかった費用をすべて可視化できるため、どこに無駄があり何を削減すべきか分析することで、コストを削減できます。また、多角的なベンチマークによるレート検証によって、コストを抑えた最適な業者選定も可能です。
手配や経費処理の負担軽減
交通機関や宿泊施設の比較検討を、一画面で行えます。出張者が独自に調べる場合は、複数のサイトを行き来して確認するため手間がかかります。出張管理システムなら、一画面で複数サイトの情報を閲覧でき、その流れで出張申請も可能です。申請者と承認者の負担を軽減できます。出張経費も企業に一括で請求されるため、個別で精算処理を行う必要がありません。
リスクマネジメントの徹底
出張時にトラブルが発生する可能性はゼロではありません。出張管理システムでは、誰がどこへどのようなスケジュールで出張しているかいつでも正確に把握できるので、企業は最良の対応を迅速に行えます。状況把握に時間がかかったり、認識の相違によって対応を間違えたりといったトラブルの悪化を避けられるでしょう。出張管理システムの導入は、リスクマネジメントにつながります。
コーポレートガバナンスの強化
出張データを可視化し分析できるため、最適な出張規定の策定や規定にもとづいた予約手配が可能になり、コーポレートガバナンスを強化できます。また、個人の立替精算がなくなることで、経費の私的利用を防止可能です。規定のチェック機能や出張費用の個別分析による最適化を行えば、コンプライアンスも強化されます。
出張管理システムを選ぶポイント
出張管理システムを選ぶ際に、何を基準にすればよいのでしょうか。選定のポイントを5つ紹介します。
出張者と管理者それぞれの使いやすさ
出張者にとっても、上長などの管理者にとっても、使いやすいシステムであるかが重要です。出張者目線では、PCだけではなくスマホから予約・出張申請・領収書の提出ができるかは大事なポイントです。管理者目線では、出張の期日や経費を一括して把握できるかが重要でしょう。どちらの目線でも、使いやすいUIでないと効率化が期待できません。
出張コストの削減は可能か
システムを導入して、コスト削減ができるかも重要なポイントです。出張者の手配内容と相場を比較する機能や、個人別に出張コストを分析する機能があれば、コスト削減が期待できます。システムの使いやすさだけでなく、コスト削減につながる機能が搭載されているか確認するとよいでしょう。
経費にかかわるフローをすべて可視化できるか
管理者が経費にかかわるフローをすべて把握し、経費のどこに無駄があるか可視化できるのは重要です。誰がどこに出張しているか、どんな費用を使っているか、規定に違反していないかを正確に把握できる機能が求められます。
既存システムと連携できるか
既存システムと連携可能で、業務を効率化できるか確認しましょう。会計システムと連携ができなかったり、ワークフローシステムとの互換性がなかったりすると、無駄な工数がかかってしまいます。
海外出張にも対応しているか
海外出張が多い場合は、海外に特化したサービス機能があるかも重要です。海外出張を得意としている旅行代理店のサービスが利用できたり、外国語に対応できるオペレーターのサポートを受けられたりすると便利です。リスクマネジメントの観点では、海外出張者の安否確認ができるシステムを選ぶとよいでしょう。
BTMの導入時には選定ポイントの確認が大事
出張管理システム(BTM)とは、出張に関するさまざまな業務を一元管理できるシステムです。出張者と経理担当者の双方にとって便利な機能があり、導入のメリットは下記の4つです。
- ・出張コストの削減
- ・手配や経費処理の負担軽減
- ・リスクマネジメントの徹底
- ・コーポレートガバナンスの強化
紹介したシステムの特徴を確認し、選定のポイントを踏まえて自社の運用にあうシステムの導入を検討してください。