古いキャッシュが表示され続けるケース
サイトを更新したのに、利用者の画面に古い内容が表示され続けることがあります。CDNのキャッシュ配信は表示を速くする一方で、設定や更新の手順によっては古い情報を配信してしまう場合があります。原因と対処法を整理しましょう。
CDN側で考えられる原因
古いキャッシュ(配信拠点に一時保存したデータ)が残る原因として、保持期間が長く設定されていることが考えられます。保持期間が切れるまでは、配信拠点に保存された古いデータが返され続けます。
また、キャッシュを削除するパージを実行しても、各地の配信拠点に反映されるまでに時間がかかる場合があります。削除の対象とするURLの指定を誤り、更新したファイルが削除されていない可能性もあるため、実行した内容と対象を確認しましょう。オリジンサーバ側の設定で保持期間を指示している場合もあります。
ブラウザ側のキャッシュの影響
CDNのキャッシュを削除しても、利用者のブラウザに保存されたキャッシュが残っていると、古い内容が表示される場合があります。ブラウザのキャッシュは利用者の端末に保存されるため、CDN側の操作では削除できません。
確認の際は、ブラウザのプライベートモードや別の端末で表示し、CDNとブラウザのどちらに原因があるかを切り分けましょう。ブラウザに保存する期間を短めに設定しておくと、更新が利用者に届くまでの時間を短くできます。
古いキャッシュを解消する対処
更新が多いファイルは、ファイル名にバージョン番号や更新日を含め、更新のたびに新しい名前で配信する方法が有効です。名前が変われば新しいファイルとして扱われるため、古いキャッシュの影響を受けにくくなります。
あわせて、記事を管理するCMSと連携して更新時に自動でパージを実行する仕組みを整えると、手作業による削除漏れを減らせます。パージの完了までにかかる時間を把握し、公開のタイミングを調整することも大切です。
動画のストリーミング配信で起こりうるエラー
動画のストリーミング配信では、動画を細かいファイルに分割して順に届けるため、静的なファイルの配信よりも設定の要素が増えます。再生が始まらない、途中で止まるといったエラーの原因と、ライブ配信特有の問題を紹介します。
再生が始まらない、途中で止まる原因
動画の再生が始まらない場合は、再生の順番を記した再生リストのファイルが古いまま配信されている、動画の形式が端末に対応していないといった原因が考えられます。動画のプレーヤーと配信元のドメインが異なる場合、ブラウザの安全上の仕組みで読み込みが拒否されることもあります。
途中で止まる場合は、分割されたファイルの一部が取得できていない、利用者の回線速度が不足しているといった可能性があります。CDNのログでエラーが出ているファイルを確認しましょう。
ライブ配信特有の遅延と途切れ
ライブ配信では、映像が次々と作られるため、再生リストのキャッシュ期間を短く設定する必要があります。期間が長すぎると、新しい映像が届かず再生が止まるおそれも考えられます。反対に短すぎると、オリジン側への負荷が高まります。
また、映像を配信用の形式に変換するエンコーダーや配信サーバの不具合、配信元の回線の問題が原因で、映像が途切れることもあります。CDNだけでなく、配信の経路全体を順に確認することが大切です。本番前には、同じ構成で試験配信を行っておきましょう。
視聴制限の設定によるエラー
会員限定の動画を配信するために、期限付きのURLやトークンで視聴を制限している場合、その設定がエラーの原因になる場合があります。有効期限が短すぎると、長い動画を視聴している途中で再生できなくなる可能性があります。
サーバとCDNの時刻のずれや、トークンを作るための鍵の設定の不一致も、再生エラーにつながることがあります。視聴制限の設定を変更する際は、検証環境で長時間の再生や複数の端末での視聴を確認してから本番に反映しましょう。
画像の自動変換機能で反映が遅れるケース
画像の形式やサイズを自動で変換するCDNの機能は、転送量の削減や表示速度の向上に役立ちます。一方で、元の画像を差し替えたのに変換後の画像が古いままになる、変換に時間がかかるといった問題が起こる場合があります。
反映の遅れが生じる仕組み
画像の自動変換では、利用者の端末にあわせて変換した画像を、配信拠点にキャッシュとして保存する場合があります。元の画像を同じファイル名で差し替えても、変換後の画像のキャッシュが残っていると、古い画像が表示され続ける可能性があります。
また、初めてリクエストされた画像は、変換の処理が終わるまで表示に時間がかかる場合があります。大量の画像を一度に追加した直後は、変換の処理が集中し、表示が遅く感じられることもあります。
反映の遅れを確認して対処する方法
画像の反映が遅れている場合は、まず元の画像がオリジンサーバで正しく差し替わっているかを確認しましょう。そのうえで、変換後の画像を含めてキャッシュを削除できるかを、CDNのマニュアルで確認します。
変換後の画像は、元のURLとは別に保存されている場合があるため、削除の方法が通常のファイルと異なることがあります。画像を差し替える運用が多い場合は、ファイル名を変えて新しい画像としてアップロードする方法も有効です。
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CDNのWAFで意図しない動作が起こるケース
WAFは、Webアプリケーションの弱点を狙った攻撃を検知して遮断する機能です。攻撃を防ぐ仕組みである一方、検知の条件や事業者側の更新、不具合によって、正常な通信まで遮断してしまう場合があります。起こりうるケースと対応を紹介します。
誤検知による正常な通信の遮断
WAFは、攻撃に使われる文字列やパターンを検知して通信を遮断します。そのため、問い合わせフォームにプログラムのような文字列を入力した場合や、管理画面から特殊な記号を含むデータを送信した場合に、攻撃と判断されて遮断される場合があります。
このように正常な通信を攻撃と誤って判断することを誤検知と呼びます。誤検知が起きると、利用者がフォームを送信できない、管理者がサイトを更新できないといった問題につながる可能性があります。
ルールの更新や不具合による影響
CDN事業者は、新しい攻撃に対応するために検知のルールを更新します。ルールが更新された直後に、それまで問題のなかった通信が遮断されるようになる場合があります。
また、事業者側のシステムに不具合が生じ、WAFが想定外の動作をする可能性もゼロではありません。過去には、CDN事業者の設定の誤りが広い範囲の障害につながった事例も公表されています。ステータスページや事業者からの告知を確認できる体制を整えておきましょう。
誤検知が起きたときの対応の流れ
誤検知が疑われる場合は、まずWAFの検知ログで、どのルールによって通信が遮断されたかを確認しましょう。原因のルールがわかれば、特定のURLやルールを対象外にする設定で対処できる場合があります。
ただし、対象外の範囲を広げすぎると、本来防ぐべき攻撃まで通してしまうおそれがあります。設定の変更は、情報システム部門やベンダーと相談し、影響の範囲を確認したうえで行いましょう。変更した内容と理由は記録に残しておくことが大切です。
CDNのエラーに備える運用体制
CDNのエラーは、どれだけ注意して設定しても起こる可能性があります。エラーが起きたときに早く気付き、原因を切り分けて対処できるように、日頃から監視と問い合わせの準備を整えておくことが大切です。
監視とログの確認
エラーに早く気付くには、CDNのエラーの発生件数や、キャッシュが使われた割合の変化を監視することが有効です。一定の件数を超えた場合にメールやチャットツールへ通知する設定ができるかを確認しましょう。
原因の切り分けには、アクセスログやWAFの検知ログが欠かせません。ログを管理画面で何日分確認できるか、外部のストレージへ保存できるかを把握しておきましょう。担当者が1人しかログを確認できない状態は避け、複数人で確認できるようにしておくことが大切です。
ベンダーへの問い合わせ準備
自社で原因を特定できない場合は、CDN事業者のサポートに問い合わせます。発生した日時や対象のURL、エラーの内容、試した対処を整理して伝えると、回答までの時間を短くできる場合があります。
問い合わせの窓口や受付時間、契約プランで受けられるサポートの範囲を、手順書にまとめておきましょう。過去の問い合わせ内容と回答を記録しておくと、同じエラーが起きた際の対応に役立ちます。記録は担当者個人ではなく、チームで共有できる場所に保管しましょう。
エラー時の対応も確かめたいCDN
キャッシュの更新や動画配信、WAFの動作など、エラーが起きた際の対応も含めて比較したいCDNサービスを紹介します。
エッジキャッシュCDN
- 限られた予算で効率化・年間予算を決定しやすい月額定額料金採用
- 専門知識不要・設定やチューニングはすべてサポートが実施
- Webサイトやサーバーに変更を加えることなく導入可能
合同会社レッドボックスが提供する「エッジキャッシュCDN」は、キャッシュ技術を活用したCDNサービスです。Web表示速度の向上や突発的な負荷への対策、CMSなどのセキュリティ強化を行えます。設定やチューニングはサポートが実施する体制のため、キャッシュ設定の見直しを自社だけで抱え込まずに済みます。Webサイトやサーバーに変更を加えずに導入できます。キャッシュ削除の手順や障害時の連絡方法は、導入前に問い合わせて確認するとよいでしょう。
Fastly (ファストリー株式会社)
- リアルタイムな観測でトラフィック把握
- プログラム制御でキャッシュとルーティングを柔軟に設定。
- 高速パージと大容量POPでパフォーマンスと拡張性を強化。
CacheFly (CacheNetworks, LLC.)
- 75拠点以上のサーバ網を展開し、配信実績多数。
- 動画・ゲーム・ソフト配信に最適化された高速転送機能を搭載。
- 100%稼働SLAと柔軟なプランで安定運用を実現するCDN。
CDN77 (DataCamp Limited)
- リアルタイムでの詳細なレポートと分析機能を提供。
- API経由でCDN設定の自動化と管理が可能。
- HTTP/3など最新技術をサポート
Cloudflare (Cloudflare Japan株式会社)
- 1つのダッシュボードで全拠点のネットワークを管理可能!
- Enterpriseプランは稼働率100%を実現!
- 平均で1日1,120億件の脅威をブロックする圧倒的な稼働実績!
AkamaiCDN (アカマイ・テクノロジーズ合同会社)
- 世界規模の分散サーバーから低遅延配信。
- Web/アプリ向け高可用性・高スケーラビリティ
- 配信、API、メディア向け最適化・負荷分散に対応。
CDNetworks (株式会社シーディーネットワークス・ジャパン)
- 1.24Tbps規模のDDoS攻撃を防ぎ、ブラウザゲーム基盤を保護
- ベトナム有料テレビ著作権侵害対策を強化
- IDC中国WAAP評価で強力なWAAP能力を評価
まとめ
CDNの機能で起こるエラーには、古いキャッシュの表示や動画の再生エラー、画像の変換の遅れ、WAFの誤検知などがあります。CDN側の設定だけでなく、ブラウザや端末、オリジンサーバの状況が影響する場合もあります。原因を切り分けるためのログと監視の体制を整え、ベンダーへの問い合わせの準備をしておくことが大切です。エラー時の確認手段やサポートの範囲も含めて、資料請求をして複数のCDNを比較検討してみてください。

