クラウド構築サービスの連携性を確認する重要性
企業のシステム環境は、複数のクラウドサービスやオンプレミス環境が混在するケースが増えています。クラウド構築サービスを選ぶ際は、自社の既存環境とどこまで連携できるかを確認することが重要です。
連携性が求められる背景
企業によっては、部署ごとに異なるクラウドサービスを利用していたり、既存のオンプレミス環境を段階的に移行していたりする場合があります。こうした環境では、単一のクラウドだけに対応したサービスでは要件を満たせないことがあります。
また、事業の拡大にあわせてシステムが増えていくと、連携すべき対象も増加します。将来的な拡張を見据えて、幅広い連携に対応できるサービスを選んでおくことで、後からの構成変更にも柔軟に対応しやすくなります。
連携設計が不十分な場合に起こりやすいこと
連携設計が不十分なまま構築を進めると、システム間でのデータ同期が停止したり、一部の処理が反映されなかったりする場合があります。複数のシステムが関わる連携では、原因の切り分けに時間がかかることもあります。
連携トラブルは、クラウド構築サービス側の設定だけでなく、連携先システムの仕様変更や、利用者側の設定不備など、複数の要因が関係する場合があります。契約前に、連携部分のテスト方法や、トラブル発生時の切り分け対応についても確認しておくことが重要です。
主要クラウド(AWS・Azure・GCP)への対応
AWSやAzure、GCPなど、主要なクラウド基盤への対応状況は、クラウド構築サービスを選ぶ際の基本的な確認項目です。
マルチクラウド対応の視点
複数のクラウド基盤を併用する企業では、それぞれの基盤に対応した構築実績があるかを確認することが重要です。特定の基盤に強みを持つサービスと、複数の基盤に幅広く対応するサービスでは、提案内容が異なる場合があります。
マルチクラウドでの構築は、単一のクラウドを利用する場合と比べて設計が複雑になりやすい傾向があります。複数の基盤を横断した運用管理ツールに対応しているか、監視や障害通知を一元化できるかについても確認しておくと、運用開始後の管理がしやすくなります。
特定クラウドに強みを持つサービスの見極め方
クラウド構築サービスの中には、特定のクラウド基盤において豊富な構築実績を持つ場合があります。自社が利用予定の基盤について、具体的な構築実績や対応可能な範囲を確認することが選定のポイントです。
実績を確認する際は、件数だけでなく、自社と近い規模や業種での事例があるかを具体的に質問することが重要です。加えて、その基盤の認定資格を持つ技術者が在籍しているかどうかも、専門性を判断する材料のひとつになります。
オンプレミスと連携するハイブリッド構成
すべてのシステムを一度にクラウドへ移行するのではなく、オンプレミス環境と併用するハイブリッド構成を選ぶ企業も見られます。
ハイブリッド構成が求められる場面
基幹システムなど一部のシステムをオンプレミスに残しつつ、他のシステムをクラウドへ移行するハイブリッド構成は、段階的な移行を進めたい企業や、特定のデータを社内環境に保持する必要がある企業で選ばれる傾向があります。
ハイブリッド構成では、オンプレミスとクラウドの間でのデータ連携が正しく機能するかが重要な確認項目です。ネットワークの接続方式や、通信が不安定になった場合の挙動についても、事前に確認しておくことが望ましいとされています。
ハイブリッド構成で確認したい視点
ハイブリッド構成を検討する際は、オンプレミスとクラウドの間でどこまで自動的にデータが同期されるか、一部の処理が手作業で残る可能性があるかを確認することが重要です。
また、ハイブリッド構成は将来的に全面クラウド移行へ切り替える可能性も考慮し、段階的な移行計画に対応できる柔軟性があるかも確認しておくとよいでしょう。移行の各段階でどのようなサポートを受けられるかについても、あわせて質問しておくと安心です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でクラウド構築の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
監視ツール・CI/CD環境の組み込み
システムの安定稼働や開発効率の向上には、監視ツールやCI/CD環境をクラウド構築時に組み込めるかどうかも重要な視点です。
監視ツール連携の視点
監視ツールを組み込むことで、システムの稼働状況やリソースの利用状況を可視化し、異常の早期発見につなげやすくなります。既存の監視ツールとの連携に対応しているか、新規に監視環境を構築してもらえるかを確認することが重要です。
また、監視結果の通知方法や、異常検知時のアラート設定の柔軟性についても確認しておくとよいでしょう。監視項目が多すぎると通知が埋もれてしまう可能性もあるため、重要度に応じた通知の振り分けができるかもあわせて確認したい項目です。
CI/CD環境構築の視点
開発チームを持つ企業では、CI/CD環境をクラウド上に構築するニーズがあります。既存のバージョン管理システムやビルドツールとの連携実績があるかを確認することが選定のポイントです。
CI/CD環境は、開発チームの規模や利用頻度によって求められる構成が異なります。将来的にチームや利用範囲が拡大した場合でも、柔軟に環境を追加できるかどうかについても、契約前に確認しておくことが重要です。
認証基盤(SSO)・API連携
複数のシステムを利用する企業では、認証基盤やAPI連携への対応状況も、クラウド構築サービスを選ぶ際の重要な確認項目になります。
SSO連携の視点
シングルサインオン(SSO)を組み込むことで、複数のシステムへのログインを一元化し、利用者の利便性を高めることができます。既存の認証基盤との連携実績があるかを確認することが重要です。
また、SSOの導入は利便性が向上する一方、認証基盤に不具合が発生した場合、複数のシステムに影響が及ぶ可能性もあります。認証エラー発生時の切り分け方法や、緊急時の代替ログイン手段についても確認しておくと安心です。
API連携で確認したいこと
API連携を前提とした構築では、連携先システムの仕様変更や、リクエスト回数の上限に達した場合の挙動について確認しておくことが重要です。連携が停止した場合の通知の仕組みもあわせて確認したい項目です。
また、API連携は自社システムだけでなく、外部サービスとの連携が絡む場合もあります。責任範囲があいまいにならないよう、連携先が複数にわたる場合は、それぞれの役割分担を事前に整理しておくことが望ましいとされています。
クラウド構築サービスの連携性を比較する際の確認方法
連携性を比較する際は、対応実績の有無だけでなく、自社のシステム構成に対する適合度を具体的に確認することが重要です。
連携実績だけで判断しない視点
「連携実績多数」という表記だけでは、自社のシステムとの相性が分かりません。連携実績を確認する際は、自社が利用しているシステムと同種のツールでの連携事例があるかを具体的に質問することが重要です。
実績の件数よりも、実際の連携内容や、連携後にどのような課題が発生し、どう対応したかという事例のほうが、選定の判断材料として参考になります。可能であれば、担当者に具体的な事例を尋ねてみるとよいでしょう。連携先が複数にわたる場合は、それぞれの事例をまとめて確認しておくと比較がしやすくなります。
自社システムとの相性を確認する方法
連携性を確認する際は、契約前に自社で利用しているシステムの一覧を整理し、それぞれの連携可否を個別に確認することが重要です。連携できると回答があった場合でも、実際にどこまでの機能が連携されるかまで確認しておくことが望ましいとされています。
可能であれば、契約前に検証環境で実際の連携動作を確認できる機会を設けてもらうと、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。複数のサービスに同じ確認項目を伝え、回答内容を比較する進め方が実行しやすい方法です。回答のスピードや具体性からも、担当者の対応力を判断する材料になります。
マルチクラウド・ハイブリッド構成に対応するサービス
AWSをはじめとした主要クラウドへの対応実績に加え、オンプレミス環境や他システムとの連携に対応できるクラウド構築サービスを紹介します。自社が利用中のシステムとの連携実績もあわせて確認してみてください。
AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)
- オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境構築に対応
- 一緒に悩み寄り添いながら全国どこでも対面フォロー
- AWS最上位となる「AWSプレミアティアサービスパートナー」を取得
株式会社TOKAIコミュニケーションズが提供する「AWSソリューション(クラウド移行/サーバーレス開発/運用保守/内製化)」は、AWSを活用したクラウド構築を支援するサービスです。既存のオンプレミス環境からの移行やサーバーレスを活用したシステム開発に対応し、既存システムとの連携を踏まえた構成提案から運用保守までを相談できます。
株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス
- AWS環境のみならず、OSやミドルウェアまで含めた対応が可能
- 導入後も24時間365日体制でお客様のAWS環境を有人で運用監視
- 構築のみ、運用のみのご相談でも大歓迎
株式会社ディーネットが提供する「株式会社ディーネットのAWS導入・運用支援サービス」は、AWSの導入設計から構築、運用までを支援するサービスです。既存のオンプレミス環境や他システムとの連携を踏まえたインフラ設計を相談でき、監視体制の構築や運用保守まで一貫して依頼できます。
「さくらのクラウド」構築・運用パック
- データ転送無料メリット最大化。予実管理しやすい定額運用を支援
- 夜間休日も緊急対応まで全て代行。実績に基づいたサポートで安心
- 専門知識、いりません。設計から請求の一元化まで丸投げOK
株式会社フューチャースピリッツが提供する「『さくらのクラウド』構築・運用パック」は、さくらのクラウドを活用したシステム構築・運用を支援するサービスです。AWSやAzureとは異なる基盤での構築・運用を検討する際の選択肢のひとつとして、要件整理から運用保守までをまとめて相談できます。
CloudAce (クラウドエース株式会社)
- Google Cloud認定資格エンジニアが多数在籍
- WafCharmでCloud Armorを自動運用。
- 導入1,000社超、GCP Partner of the Yearを7回受賞。
SUSE®RancherPrime (SUSEソフトウエアソリューションズジャパン株式会社)
- 場所を問わずワークロードを安全に管理・実行。
- 統合認証・制御・可観測性・セキュリティで運用効率化
- マルチクラウド対応のKubernetes一元管理。
まとめ
クラウド構築サービスの連携性は、AWSやAzure、GCPなど主要クラウドへの対応に加え、ハイブリッド構成や監視ツール、CI/CD、SSO、API連携など、確認すべき項目が多岐にわたります。自社のシステム構成を整理したうえで、具体的な連携実績や対応範囲を比較することが重要です。資料請求や相談を通じて、自社に合った提案内容を確認してください。


