どれくらいの頻度でデータバックアップを行うのか
データのバックアップを行うときには、どれくらいの間隔で実施するかという頻度が重要なポイントとなります。
基本的にはデータが消失してしまっても、ダメージが最小限になるような頻度でバックアップを取る必要があります。その消失した分が許容できる範囲の期間に合わせて調整しましょう。
バックアップの頻度が高ければ安全性は増しますが、手間がかかり運用の負担は大きくなります。実際に膨大な量のデータをバックアップしようとすれば、それだけで多くの時間を使うでしょう。また、保存先のデータ容量も消費してしまいます。
基本的には、バックアップはデータの重要性と運用負荷を考えながら実施することがおすすめです。特に毎日更新するファイルであれば、業務に利用していない時間を選び、できるだけこまめに実施するのが理想です。
どこにデータバックアップを行うのか
データのバックアップは、保存先も重要です。つづいては、バックアップデータの代表的な保存先を4つに分け、特徴を紹介していきます。
USBメモリ
USBメモリは手軽にバックアップを実施でき、パソコンへの着脱も簡単なため、汎用性が高いです。小型化が進んでいて持ち運びも楽であり、使いやすいバックアップ先といえるでしょう。
しかし、比較的容量が少ないタイプが多いため、容量が大きいデータのバックアップには向きません。大容量を保存可能なUSBメモリもありますが、コストパフォーマンスが悪いので注意が必要です。業務で利用している容量が小さいファイルのバックアップに使うと良いでしょう。
光学ディスク
CDやDVD、Blu-rayなどの光学ディスクは、ひと昔前までは主流の保存先でしたが、今では一般企業の業務で利用されることは多くありません。
なぜなら光学ディスクは経年劣化するため、保存しているデータが失われる可能性があるからです。また、長期間保管した際には読み込めなくなってしまうケースもあるため注意しましょう。
外付けHDD・SSD
外付けHDD・SSDは、近年でも主流のバックアップ先です。大容量のデータを保存可能なため、パソコン1台分のデータであれば問題なく保存できます。USBで接続でき、パソコンが故障した場合でも他の端末にデータを移行して利用可能です。
新しい端末を導入するときなどに外付けHDDを使えば、スムーズにデータを復元できます。SSDは容量が大きいだけでなく、データの転送を高速で行えるため利便性が高いです。
しかし、HDDは衝撃に弱いため、大切に扱わなければデータが破損することも少なくありません。また、HDD・SSD両方とも、10年近く経過するとデータが失われるリスクもあり、注意が必要です。
NAS
NASとは「Network Attached Storage」の略で、ネットワークを通じて接続するハードディスクです。複数のハードディスクで構成されているため、1つ破損しても運用できます。安定性が高く利用しやすい方法ですが、現物が大きく持ち運びはできません。
また、高価なものが多く、安いNASは機能が乏しいため注意が必要です。
クラウドサービス
近年利用が進んでいるのがクラウドサービスであり、ネット環境があればどこでも使えるため便利です。
普段の業務で使用するデータの保存先としても有効で、場所に捉われることなくデータを利用できます。初期投資を抑えて利用できる上、自社が災害の被害に遭ってもデータを守ることが可能です。
しかし、利用するデータ量が多いと月額費用が大きくなるため注意しなければなりません。
どのようにしてデータバックアップを行うのか
最後に、データをバックアップする方法を見ていきましょう。
手動でコピー
もっとも基本的なバックアップの方法は手動でデータをコピーすることです。元になるデータをコピーして保存先へ移すだけなので、作業自体の負荷は大きくありません。
しかし、バックアップ頻度やバックアップする必要があるデータの数が多い場合は、運用の負荷が大きくなります。また、担当者の不注意によって適切にバックアップが実行されないケースもあるでしょう。
手動でバックアップを行うときは、社内ルールを整備して確実に行えるようにすることが大切です。
ミラーリング
ミラーリングとは、1つのデータを2台以上のHDDに自動保存する仕組みです。片方のHDDが停止してもアクセス可能で、システム障害が発生しても即時に復旧できます。常にバックアップデータを保存するため、安全性は非常に高いといえるでしょう。
しかし、バックアップを行う体制を整える費用は高額になりやすいため注意が必要です。
ソフトウェアを利用
効果的にバックアップを行うためには、バックアップソフトの導入がおすすめです。ミラーリングよりも低コストで環境を構築でき、手動のバックアップよりも運用の手間を削減できます。
有料・無料のソフトがあるため、コストと機能のバランスを見て選ぶことがポイントです。バックアップの使い方を学ぶ必要がある点も注意しましょう。基本的には一度設定すれば自動的にバックアップを行えます。
適切な頻度と方法でデータバックアップを行おう!
データのバックアップはなるべく小まめに行う必要がありますが、手間とコストがかかります。データの重要度と更新頻度を考慮して頻度を決めることが大切です。バックアップの保存先は以下のとおりです。
- ■USBメモリ
- ■光学ディスク
- ■外付けHDD・SSD
- ■NAS
- ■クラウドサービス
また、バックアップを行う手段には手動、自動、ミラーリングがあります。データの種類に合わせて適切な頻度と方法でバックアップを行いましょう。