データバックアップ製品を導入するメリット
データバックアップ製品とは、データを別のメディアに複製して記録し、保存するためのソフトウェアです。あらかじめバックアップを取っていれば、人為的ミスやシステムの異常、ハードウェアの故障などで必要なデータが失われてしまった場合にも、保存した時点のデータを復元できます。
また、外部からの不正アクセスやウイルス感染による問題発生時に証拠を記録できる点、原因を特定できる点もメリットといえるでしょう。リスクを防止するためには、定期的なバックアップが大切です。
バックアップの機能自体は、一般的なOSには標準装備されていることがほとんどです。また、無料版でも自動バックアップ可能な製品が数多くあります。ただし、バックアップする対象や方式、容量などによっては有料版が適している場合もあります。導入する目的にあわせて製品を選びましょう。
無料版のデータバックアップ製品を選ぶときの注意点
ここでは、データバックアップ製品を選ぶ際に着目すべきポイントを説明します。前提として、対応しているOS・デバイスも確認しましょう。
対応しているバックアップ方式を確認する
バックアップには4つの方式があります。それぞれの長所と短所を踏まえて選びましょう。製品によって対応している方式が異なるため、事前の確認が必要です。
フルバックアップ
データに限らずシステムをまるごと保存し迅速に復元できますが、保存に時間がかかり、保存容量も大きくなります。
差分バックアップ
初回のフルバックアップから変更されたデータのみを保存します。フル方式よりも時間と容量を縮小できますが、復元に時間がかかります。
増分バックアップ
前回のフルバックアップから変更されたデータを保存します。差分方式より保存容量が少なく短時間でバックアップできるものの、復元にはすべてのバックアップと長い時間を要します。
ミラーバックアップ
常に最新のデータを上書きしながら保存します。保存容量は縮小しますが、最後のバックアップよりも前のデータは復元できません。
製品のセキュリティ対策について確認する
バックアップを行うためには、データの保存先を用意しなくてはなりません。SSD、HDD、USBメモリといったハードウェアや自社サーバーを活用してオンプレミスで保存する場合、外部からの不正アクセスによる情報漏えい・改ざんなどのリスクは低いといえるでしょう。
一方で、バックアップしたデータをクラウドストレージに保存したり、クラウドバックアップサービスを利用したりする場合、セキュリティ対策はサービス提供事業者によって異なります。暗号化やマルウェアの検知など、どのような対策が講じられているかを見極めることが重要です。
バックアップできる容量を確認する
無料版のデータバックアップ製品の多くは、保存容量に制限があります。保存の対象や方式によっては大きな容量が必要になるため、無料版で保存できる容量を確認しましょう。
また、将来的に有料版に切り替えた場合、どの程度まで保存可能になるのか、拡張性があるかを確認しておくこともおすすめします。
使用できる機能を確認する
無料版のデータバックアップ製品は、有料版と比べて機能が限定されていることがほとんどです。また、自動バックアップの日付や間隔を設定するスケジュール機能や、上書きされたバックアップよりも前にさかのぼって復元できる世代管理機能など、製品により搭載されている機能は異なります。
使用したい機能が備わっているかを確認しましょう。
サービス提供事業者の信頼性を確認する
バックアップを行い自社や取引先のデータを守ることは、企業にとって非常に重要です。
データの損失は自社の業務停止・遅滞だけでなく、顧客からの信用低下にも直結します。データバックアップのサービス提供事業者の信頼性も、必ず確認しましょう。
無料で使えるデータバックアップ製品
無料でデータバックアップができる主な製品を紹介します。
BunBackup(Windows対応・無料版のみ)
無料版データバックアップ製品の定番といえるでしょう。フルバックアップだけでなく、複数のストレージに同じデータを保存するミラーリング(同期)も可能です。
自動バックアップのスケジュール機能や、バックアップファイルを圧縮して容量を軽減する機能、世代管理機能、バックアップのログを記録する機能も備えています。
FBackup(Windows対応・無料版のみ)
使いやすいインターフェースが特徴で、ウィザードの質問に答えながら気軽にバックアップを進められます。バックアップ方式は標準ZIPファイルを生成するフルバックアップか、圧縮なしのミラーバックアップです。
ZIPファイルにパスワードを設定すればセキュリティ対策にもなります。日時指定による自動バックアップも手動でのバックアップも可能です。
Todo Backup Free 2022(Windows対応 ※・有料版あり)
バックアップ、クローン、復元など無料版では類を見ないほど豊富な機能を備えた製品です。フル・増分・差分バックアップを選べるほか、ファイル指定や暗号化、スケジュールや頻度の設定など高度なオプションも充実しています。
管理面での性能も高いので、時間や容量を節約して効率的なバックアップを実現できるでしょう。
※macOS対応の「EaseUS Todo Backup for Mac」もあり(無料/個人利用のみ)
AOMEI Backupper Standard(Windows対応・有料版あり)
作業と同時にバックアップを行えるほどの軽さと速さ、安定性が特徴です。さらに、古いバックアップを自動で削除する機能を備えているため、保存容量を圧迫しません。
操作しやすいシンプルなデザインと、柔軟なカスタマイズ性を両立しています。スケジュール設定による自動化、セクタ単位のバックアップも可能です。
製品を比較して自社のニーズに合ったシステムを導入しよう
今回は、データバックアップ製品の概要や無料で使えるおすすめのソフトを解説しました。データバックアップ製品は、導入しただけでは意味がありません。不測の事態に備え、日頃から定期的にバックアップを行うことが大切です。
事業を継続し成長させていくためにも、自社の状況や目的を明確に把握したうえで、最適な製品を選びましょう。
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