バックアップの方法と種類
バックアップソフトはパソコンに内蔵されているものから市販のものまでさまざまです。まずはバックアップの範囲や保存先など、バックアップの基本知識について詳しく解説します。
バックアップの範囲
どのデータをいつバックアップするかで以下のように分類できます。
- ■フルバックアップ
- すべてのデータをバックアップする。データ管理が楽な反面、処理速度や使用するリソースが大きく、定期的なバックアップよりも効率が悪い。
- ■差分バックアップ
- 初期のバックアップデータから変更があれば都度保存する方式。フルバックアップに比べて日々のバックアップ時のデータ量が少なく済む。決められた時間ごとにデータを保存するため、消失したデータの被害を最小限に抑えられる。
- ■増分バックアップ
- 増えたデータ分のみを保存する。データ量は少なくて済むが、リストアが手間なのがネック。
バックアップデータの保存先
データの保存先にはHDDやSSD、USBメモリのような物理ディスクのほか、パソコンにあるCドライブやDドライブのような論理ディスクに分類できます。ビジネスにおいては法人向けのHDDやNAS(Network Attached Storage)と呼ばれるネットワーク上で接続できるストレージなどを活用します。また近年ではクラウドサーバへの保存も主流となってきています。
有料製品と無料製品の違いとは
OSにもともと付属しているバックアップ機能や市場に流通する無料ソフトと、有料製品にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、OS内蔵のバックアップ機能や無料ソフトにはバックアップ対象が限定されていることが多いです。業務に必要なデータを集約する仮想環境などとは別に1台ずつ管理する必要があるため、作業が煩雑になるでしょう。また、高度なカスタマイズやバックアップ設定が難しいのも難点です。
対して有料製品には、自動バックアップや世代管理、スケジューリング機能などがあります。自社の機密情報や膨大なデータを管理するのですから、将来的な拡張性も踏まえて使用する製品を検討しましょう。
バックアップソフトの選び方
それではバックアップソフトの選び方を見ていきましょう。
必要な機能を明確にする
バックアップソフトを導入するときは、自社のニーズや課題を把握し、それを解決できる製品を選ばなければなりません。例えば、データを破損させてしまったときの対策を行いたいのか、壊れたときの対策を行うのかでも必要な機能は異なるでしょう。
また、自身でバックアップが必要なのかベンダーに対応してもらいたいのかなど、必要とするサービスや機能も事前にあげておきましょう。
バックアップの範囲で選ぶ
バックアップする範囲によっても適切なソフトは変わります。先に紹介したフルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップなど、どの形式でバックアップを行いたいかも確認しましょう。
また、特定のファイルやフォルダをバックアップするのか、OSをまるごとバックアップしたいのかも重要です。保存対象の範囲が狭ければコストを抑えられる場合があったり、保存データ量が多いのであれば大容量データを高速でバックアップしてくれる製品がよかったりするためです。
対応OSを確認する
Windows、iOSなど、製品によって対応するOSが違います。また、スマートフォンに対応するものもあるため、こちらもOSを確認してみましょう。
おすすめ製品の比較表
この記事で紹介している一部製品の比較表を紹介します。各製品の詳細情報については、後ほど紹介していますので、気になる製品をチェックしてみてください。また、ITトレンドは無料で資料資料請求する事が可能であり、資料請求した製品の比較表をダウンロードする事が可能です。社内検討する際に活用してみてください。
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
おすすめのバックアップソフトを人気順に比較
まずは、ITトレンドが厳選したおすすめのバックアップソフトをランキング順に見ていきましょう。
製品・サービスのPOINT
- 専用線不要で簡単に導入できます。
- まるごとバックアップ
提供形態 |
無料トライアル |
参考価格 |
パッケージソフト / クラウド |
別途お問い合わせ |
別途お問い合わせ |
2021年上半期ITトレンド資料請求ランキング3位
北電情報システムサービス株式会社が提供する「FIT-Cloudバックアップサービス」はいつでもどこでもデータの複製や復元が可能になるまるごとバックアップと、小型サーバを置くだけで自動バックアップがとれる置くだけバックアップから選べるサービスです。
専用線が不要なので導入がリーズナブルかつ簡単です。さらに自然災害の少ない富山にデータセンターがあるので安心して使えるでしょう。
製品・サービスのPOINT
- 安価かつ手軽に遠隔地バックアップを実現
- セキュアなネットワークにも対応
- 自社データセンターによる運営ときめ細やかなサービス
提供形態 |
無料トライアル |
参考価格 |
クラウド / サービス |
別途お問い合わせ |
別途お問い合わせ |
株式会社石川コンピュータ・センター提供の「BCPリモートバックアップサービス」は効果的なBCP対策を行えるサービスです。インターネットとあわせてVPNなどを使いセキュアに通信します。さらにコンサルティングからシステム構築までサポートを行います。
小さい容量から提供しているので、スモールスタートからの運用も可能です。用途にあわせてソフトウェア、ハードウェアを選択できるため、計画的なバックアップが実現するでしょう。
製品・サービスのPOINT
- 簡単!たった5分の設定でOSを含めた全てのデータを守ります。
- 安全!AES-256で暗号化しデータを転送。アクセスも厳重に管理。
- デバイスの一括管理、自宅から遠隔で会社PC操作で効率化
提供形態 |
無料トライアル |
参考価格 |
クラウド / SaaS |
〇 |
月1,320円~(税込) |
「使えるクラウドバックアップ+」は使えるねっと株式会社が提供するバックアップとセキュリティ対策が一括して行えるサービスです。複雑な設定や構築作業なしに、低コストで気軽に災害対策が実現できます。
またモニタリングやレポート機能が搭載されており、バックアップの状態がいつでもどこでも確認可能です。低コストでBCP対策やDR対策を行いたい方やデバイスの管理や設定を遠隔で行いたい方に適しています。
《AvePoint Cloud Backup》のPOINT
- 自社の要望に応える豊富なバックアップ、リストアの機能!
- 非常に視認性が高いダッシュボード!データ量を瞬時に把握可能
- 充実したユーザーガイド、操作説明動画で安心して運用が可能!
提供形態 |
無料トライアル |
参考価格 |
クラウド / SaaS |
〇 |
別途お問い合わせ |
AvePoint Japan 株式会社提供の「AvePoint Cloud Backup」は、Microsoft 365やSalesforceのバックアップが可能なSaaSサービスです。信頼性の高いプラットフォーム下で全世界700万人のエンドユーザーのデータを保護しています。
一度の設定で最大1日4回までのバックアップが可能です。また進行状況や実行されたジョブの確認もできます。Microsoft 365のデータロス対策を検討している方に適しているでしょう。
無料版のデータバックアップソフト
つづいて、無料で利用できるデータバックアップソフトを見ていきましょう。
EaseUS Todo Backup Free
有限会社イーザスソフトウェア提供の「EaseUS Todo Backup Free」は、ディスクの複製やデータの復元を簡単に実現可能。フリーソフトですがバックアップ機能が充実しており、使いやすいことが特徴です。機能面に不安があれば有料版に切り替えることもできますが、最低限の機能は揃っています。
FBackup
「FBackup」はSoftland提供の操作が簡単なフリーのバックアップソフトです。バックアップ対象や保存先の設定も直感的に行えます。手動でバックアップを取る必要はなく、設定したスケジュールで自動的にバックアップを取ることが可能です。フルバックアップにも対応しているため、定期的に保存することで安全性を高められます。
Iperius Backup FREE
Enter Softwareによる「Iperius Backup FREE」はWindows用の無料バックアップソフトです。シンプルな構成で利用しやすく自動バックアップにも対応しているため、効果的に利用できます。NASやネットワークへの増分バックアップが可能で、ライセンス制限や有効期限はありません。
AOMEI Backupper Standard
Windows用の「AOMEI Backupper Standard」はAOMEI International Network Limitedが提供する、180カ国5,000万人以上のユーザーに利用されているバックアップフリーソフトです。カスタマイズ設定が可能なバックアップ機能のほか、クローン、同期、復元機能など基本的な機能を網羅しています。また、自動同期も可能です。さらに技術サポートも受けられるのが魅力です。
Sync with
「Sync with(シンクウィズ)」はHDDやSSD、USBメモリーなどの株式会社アイ・オー・データの対象製品向けバックアップアプリです。Windowsだけでなく、Macにも対応しています。二度目のバックアップ作業からは、追加更新されたファイルのみを上書きコピーするので時間がかかりません。コピー先としてNASを選択することも可能です。
データバックアップのソフトを導入してセキュリティ対策を!
ソフトの利用により、効果的にバックアップを取ることが可能です。専門のソフトには有料のものだけでなく無料のものもあるので、特徴をおさえて慎重に選んでください。ソフトを選ぶときには利用目的とバックアップの範囲を明確にすることが大切です。
自社に合ったデータバックアップソフトを導入してセキュリティ対策を行いましょう。