追加コストが発生しやすい費用項目
データセンターの料金体系は複雑で、基本料金に含まれない費用が複数存在します。契約前に全項目を洗い出すことが重要です。
電力費の超過課金と予測困難なコスト増
データセンターでは、ラックごとに契約電力(例:3kW/ラック)が設定されていることが多く、これを超えた場合に追加課金が発生します。特にGPUサーバーや高性能ストレージを後から追加した際に、消費電力が契約値を超えることは珍しくありません。
対策として、現在の機器の実際の消費電力と、将来追加予定の機器の消費電力を事前に合算し、余裕を持った電力容量で契約することが重要です。また、施設によっては電力の従量課金制を採用しているところもあるため、予算策定時には変動幅を考慮した上振れ分を確保しておきましょう。
リモートハンズ・作業代行費の積み重ね
遠隔地のデータセンターを利用する場合、担当者が現地に行けないときに施設スタッフに機器操作を依頼する「リモートハンズ」サービスがあります。このサービスは1回あたり数千円〜数万円の費用がかかることが多く、頻繁に利用すると月々のコストに大きく影響します。
リモートハンズが基本料金に含まれているか、別途課金かを事前に確認しましょう。月何回まで無料か、超過した場合の単価はいくらかも把握しておくことが重要です。施設に近い場所の担当者を確保するか、リモートハンズ込みのプランを選ぶことでコストをコントロールできます。
帯域超過料金と通信コストの変動リスク
インターネット回線の帯域についても、契約帯域を超えた場合に追加課金が発生するケースがあります。特にシステムの利用者が増えた時期や、大容量データの転送が集中した月に帯域超過が起きやすいです。
帯域の契約形態(固定帯域か従量課金か)と、超過した場合の課金方式を事前に確認しましょう。95パーセンタイル課金(1ヵ月の帯域使用量の上位5%を除いたピーク値で課金する方式)を採用している施設もあり、それぞれの方式が自社の利用パターンに合っているかを検証することが重要です。
長期運用で発生しやすい追加コストの対策
初期費用だけでなく、長期利用に伴って発生する追加コストも事前に把握しておくことが重要です。
設備更改・機器増設時の工事費
データセンター内の棚・電源タップ・ケーブルの増設・変更が必要になった際に、工事費が別途発生することがあります。特にラック内のレイアウト変更や電源系統の増設では、数万〜数十万円の費用がかかる場合もあるため注意が必要です。
機器増設の計画がある場合は、工事の見積もりを事前に取っておき、年間の設備更改予算に組み込んでおきましょう。施設によっては軽微な作業は無料で対応してくれる場合もあるため、確認しておくとよいでしょう。
物価上昇・電力料金改定による価格改定リスク
近年の電力料金の高騰により、データセンターの電力費関連料金が改定されるケースが増えています。長期契約であっても、電力料金改定条項が設けられている施設では、一定期間後に価格が引き上げられる可能性があります。
契約書の価格改定条項を確認し、改定通知の期間(何ヵ月前に通知されるか)・改定幅の上限・改定を拒否した場合の選択肢(解約の権利など)を把握しておきましょう。長期的なコスト予測に際して、電力料金の変動リスクを一定程度見込んでおくことが重要です。
解約時に発生する原状回復費・搬出費
データセンター契約を終了する際に、ラック内の機器撤去・ケーブル処理・清掃などの「原状回復」費用が発生することがあります。また、機器の搬出作業を施設スタッフに依頼した場合は、別途作業費がかかる場合もあるため、契約前に確認しておくと安心です。
解約時のコストを事前に把握するために、契約書に原状回復の条件と費用の目安が記載されているかを確認しましょう。施設を乗り換える際のタイミングと費用感を事前に把握しておくことで、余裕を持った移行計画を立てられます。
データセンターコストを長期的に最適化する戦略
追加コストを防ぐだけでなく、長期的にコストを最適化するための戦略的な取り組みも重要です。
長期契約とスポット契約の使い分け戦略
安定した利用が見込まれる基本部分は長期契約で低価格を確保し、変動する部分はスポット利用(短期・月次更新)で対応するハイブリッドな契約戦略が、コスト最適化に有効です。クラウドとデータセンターを組み合わせたハイブリッド環境でも、同様の考え方を適用できます。
長期契約の割引率と解約コストのバランスを計算し、自社のビジネス変化リスクと比較して最適な契約期間を選びましょう。
省電力化・効率化によるコスト削減
ラック内のサーバーを最新の省電力モデルに更新したり、仮想化技術を活用して物理サーバーを統合したりすることで、電力消費量を削減し、データセンターのコストを下げられます。電力消費量が10%減れば、電力費に関連するコストも同様に削減可能です。
また、稼働率が低いサーバーをクラウドに移行して物理サーバーを廃止することで、ラック数を削減し、スペース費用を圧縮することも有効な戦略です。定期的に機器の稼働率を確認して、無駄なサーバーを特定することから始めましょう。
コスト配分と部門別チャージバックの仕組み
複数の部門でデータセンターを利用している大企業では、部門ごとの利用量に応じてコストを配分する「チャージバック」の仕組みを導入することで、各部門のコスト意識を高め、無駄な利用を抑制できます。データセンター全体のコストを「共通費」として扱うのではなく、利用量ベースで配分することが、全社的なコスト効率化につながります。
チャージバックの計算には、施設が提供する利用レポートや電力計測データを活用しましょう。透明性のある配分ルールを設定することで、部門間の不公平感を解消できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品と比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でデータセンターソリューションの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
費用の透明性が高いデータセンターソリューションの紹介
追加コストの内訳が明確で、コスト管理がしやすいデータセンターソリューションを紹介します。
S-Port データセンターサービス
- 1/4・1/2ラックなど、小規模な案件にも柔軟に対応可能
- 高電力提供可能な都心型データセンターを低価格で提供
- マルチキャリア対応/インターネット/24時間監視運用サービス提供
都心立地で高品質・低コストを実現するデータセンターです。1/4ラックの小規模から利用でき、震度6強相当の耐震設計と48時間の自家発電に対応。マルチキャリア接続も可能です。
ビジネスiDC
- 専門アドバイザーが最適なデータセンターをご提案
- 日本全国80ヵ所以上のデータセンターをご案内できます
- データセンター×クラウドのハイブリッドも提案可能
全国80ヵ所以上のデータセンターから最適な施設を提案する選定支援サービスです。専門アドバイザーが業種・規模・予算に合わせてプランを提案。月額116,000円からのスターターパックも用意されています。
IIJデータセンターサービス
- 利便性の高い都市型センター、郊外型センター、海外にも展開中
- 耐震・免震構造、24時間365日体制の設備など万全の体制でご提供
- 構内配線に接続するだけで広帯域バックボーンへ接続可能
全国16拠点と海外にネットワークを持ち、耐震・免震構造を備えた大規模データセンターです。自社クラウドとの親和性が高く、24時間365日の運用体制で企業のITインフラを支えます。
東京・大阪エリア MCDRコロケーションソリューション
- ミッションクリティカルデータの安全性、可用性を担保する設計
- 将来の拡張要件に対応した大容量電源を提供可能
- 大阪中心部から約20km、東京エリアと共に災害リスクの低い地域
東京・大阪に立地するハイパースケール向け高密度データセンターです。ISO27001/SOC2認証取得済みで、1ラック単位から柔軟に利用可能。高いセキュリティ基準と拡張性を両立しています。
IDCフロンティア (株式会社IDCフロンティア)
- ソフトバンクGのデジタルインフラ企業
- 約73%の顧客がマルチインフラ構成を利用。
- 東京府中データセンターは超高負荷に対応
QTnet福岡第3データセンター (株式会社QTnet)
- 供給電力は最大30kVA/ラック、GPUなど高負荷サーバーに対応
- 1,400ラック収容可能な拡張性のあるサーバールーム
- 低災害リスク、高い利便性を誇る福岡に立地
まとめ
データセンターの追加コストは、電力超過料金・リモートハンズ費・帯域超過料金・工事費・価格改定・解約費の六項目が特に発生しやすいです。契約前にこれら全項目の条件と単価を書面で確認し、年間トータルコストで施設を比較することが、コスト管理の基本となります。


