データセンターを比較しよう!
データセンターにサーバを保管することで、地震や火災から守り、安定したサービスの提供・業務を行うことが可能です。重要なことは自社に最適なデータセンターを選ぶことであり、災害やセキュリティ対策以外にも会社からどれくらい離れているか確認することも大切です。
ここからは地域別にデータセンターを紹介します。是非参考にしてください。
なお、近年では海外のデータセンターを活用する企業も増えています。国内と海外のデータセンターの違いなどを知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
関連記事
watch_later
2021.01.07
最新版!データセンター業界の市場規模と動向|国内と海外の違い
続きを読む ≫
おすすめデータセンター:東日本編
東日本にあるデータセンターを紹介します。
ITトレンド2020年度上半期ランキング2位
「千葉情報センター」は三菱総研DCS株式会社が提供しているデータセンターです。このデータセンターは千葉県に位置し、東京・日本橋から約40分という好アクセスです。千葉県の中でも比較的地震が少ない場所であり、震度7以上の地震でも耐えられる建物の構造で、海抜30mの立地であるため津波の心配もほぼありません。
運用・保守要員が24時間365日常駐しており、セキュリティ強度が高いだけでなく、担当者の負担軽減や業務効率アップ、コスト削減にも貢献します。金融機関が採用しているノウハウで作られたデータセンターであるため、情報セキュリティ面も安心できます。
ITトレンド2020年度上半期ランキング3位
「データドック新潟・長岡データセンター」は株式会社データドックが提供しているデータセンターです。このデータセンターは新潟県長岡市に位置しており、東京から2時間でアクセス可能です。
特徴はグリーンエナジーによる低コスト運用を行っていることです。雪と外気による効率が良い空調体制であり、機械冷房の使用時間を大幅に削減することで、省CO2体制で運用を行っているため地球にも優しい施設です。このようにエネルギー効率が良く世界最高水準の電力供給を実現し、サービスを安定して運用できます。
「Colt 印西データセンター」はColtテクノロジーサービス株式会社(旧:KVH株式会社)が提供するデータセンターです。このデータセンターは地震のリスクが低いといわれる千葉県印西市に位置しており、東京からは40分ほどで行くことができます。
免震構造の建物であり、完全免震設計で震度7まで対応可能できるため、国内のデータセンターの中では地震対策の強度が高いです。24時間365日体制で監視・運用を行っており、日本語だけでなく英語によるサポートも受け付けています。ユーザーのニーズに合わせた幅広いソリューションを提供しています。
「Colt東京塩浜データセンター」はColtテクノロジーサービス株式会社 (旧:KVH株式会社)が提供するデータセンターです。 東京都江東区に位置するデータセンターであり、関東の企業はアクセスしやすいため、利便性は高いです。
このデータセンターは金融業界の重要なニーズに応えるために作られており、堅牢なセキュリティを誇ります。国内の拠点であれば低遅延接続が可能であり、遠隔地の企業でも快適に利用することができます。充実したサポート体制・災害対策など多様な付加価値サービスと災害復旧対策を提供しています。
JSS東京IDC の比較ポイント
- 東京23区内に有り,交通アクセスが便利
- 小規模センターでも安全・安心な設備環境
- 自社の開発部門によるシステムのソフト保守・システム運用も可能
「JSS東京IDC」は株式会社ジェイ・エス・エスが提供しているデータセンターです。このデータセンターは東京23区内に位置しているためアクセス面は抜群です。また、首都直下型の地震にも耐えうる免震構造の建物です。
ラック専用の免震設備を設置しているため、転倒や倒壊の恐れは高くありません。複数の空調設備に加え、24時間365日ノンストップでの電力供給待機体制をとっており、万が一の場合でも安定稼働できます。また、完全無窓化・監視カメラを採用しており監視体制は万全です。
東京データセンター の比較ポイント
- 24時間365日常駐フルマネージドサービス(日本人スタッフ対応)
- 強固なセキィリティに守られたプライベートクラウドの提供
- 仮想&物理サーバーを混在させたハイブリッド構成も一元管理
「東京データセンター」は株式会社大崎コンピュータエンヂニアリングが提供しているデータセンターです。24時間365日常駐フルマネージドサービスのデータセンターです。セキュリティ強度が高いだけでなく、ハウジング(物理サーバー)とホスティング(仮想サーバー)の混在(ハブリッド)環境の構築にも対応可能です。
東京の大手町に位置しているため関東の企業はアクセスしやすいです。都内最大級の免震システム構造のビルであるため、地震対策を行うことができます。地震以外に火災にも強く超高感度煙センサーを設置しているため、火災の被害がでる前に対処できます。
おすすめデータセンター:西日本編
西日本にあるデータセンターを紹介します。
クオリサイト沖縄DC の比較ポイント
- 【最小構成】1ラック ,000/月(100V20A電源込)からご利用可能
- 【10Gバックボーン回線】沖縄-東京間回線も低コストでご利用可能
- 【駆け付け不要】遠隔地DCでもお客様の駆け付け/DC入館が不要
ITトレンド2020年度上半期ランキング1位
「クオリサイト沖縄DC」はクオリサイトテクノロジーズ株式会社が提供しているデータセンターです。全国的に見ても地震のリスクが低い沖縄に位置しているため安心してサーバを保管できます。東京からは1,600km離れており、地震が発生した場合でもデータセンターが同時に被災するリスクは極めて低いです。
金融機関のオンラインシステム稼働実績があるため、安定したサーバの運用を行えます。災害が少ない地域ですが、火災発生時には窒素によるガス消火を行えます。また、熱感知器が作動しているため、火災の被害が拡大する前に対処できます。
「QTnet福岡第3データセンター」 の比較ポイント
- 供給電力は最大30kVA/ラック、GPUなど高負荷サーバーに対応
- 1,400ラック収容可能な拡張性のあるサーバールーム
- 低災害リスク、高い利便性を誇る福岡に立地
「QTnet福岡第3データセンター」は株式会社QTnetが提供しているデータセンターです。このデータセンターは福岡県に位置し、都心部から数分でアクセスできる好立地な場所であるため利便性に優れています。
このデータセンターでは1,400ラックも収容できるため、空きスペースを気にすることなく利用可能であり、サーバの拡張も問題なく行えます。博多は比較的地震による被害が少ないといわれているため、安全性と利便性を兼ね揃えています。24時間365日有人監視体制・監視カメラ・生体認証など、セキュリティ対策も万全です。
FIT-IDC の比較ポイント
- リスクにも備えた優れた立地環境
- 高いシステム運用能力
- 設備面も高信頼性を確保
北電情報システムサービス株式会社が提供する「FIT-IDC」は、富山県に所在するデータセンターです。大地震の恐れが少ないエリアに位置するだけでなく、人口密度の低さから交通渋滞などの心配が少ない点も特長のひとつです。
同社は北陸電力の基幹業務も運用しており、システム運用のノウハウが豊富です。また、設備面に関してもデータセンターの品質を評価・格付けするTier基準で4段階中3~4と高い評価を受けています。変電所を2つ使用し受電を2系統化、燃料供給事業者3社と緊急時の優先供給契約するなど、万が一の事態に備え万全を期しています。
Ryobi-IDCサービス の比較ポイント
- 災害リスクが少なくBCP・DR対策の拠点として最適
- お客様要件に合わせてさまざまな需要に柔軟に対応
- Ryobi-IDCを基軸とした各種サービスを提供
「Ryobi-IDCサービス」は株式会社両備システムズが提供しているデータセンターです。岡山県に位置しており、東京からは飛行機で1時間、新幹線で3時間30分ほどでアクセス可能です。
地震や火災などの災害に強く、電力を安定供給できるため、安定した運用が可能です。空調は外気を利用しており、効率良くサーバルームを冷却できます。また、このデータセンターは土地・建物・発電・空調設備まで全て自社所有しているため、ユーザーの要望にも柔軟に応じ、メンテナンスやサーバの拡張にも迅速に対応できます。
日本システムウエア株式会社が提供する「NSW高松データセンター」は、震度7にも耐えられる高い耐震性と徹底したセキュリティ体制が強みのデータセンターです。
ICカードリーダーや電子錠、生体認証装置、共連れ防止装置によるチェックなど、最新設備を使用した7段階のセキュリティ管理に加え、24時間365日の集中監視(専門技術者も常駐)が実施されています。データセンターの品質評価における最高水準「Tier4」に準拠しており、信頼性が高く安定稼働を期待できます。
ICC-IDCデータセンター の比較ポイント
- 「安全性」「安心性」「信頼性」を備えたデータセンター
- 約40年にわたるデータセンター運用実績
- 公的機関より各種認証取得(JEITA及びFISCの安全対策基準に準拠)
「ICC-IDCデータセンター」は株式会社石川コンピュータ・センターが提供しているデータセンターです。北陸に位置し、約40年の運用実績があり、「安全性」「安心性」「信頼性」を兼ね揃えたデータセンターです。
石川県の金沢駅から車で30分、小松空港からは40分の距離にあり、北陸や中部地方の企業であれば比較的アクセスしやすい立地です。24時間365日の有人監視を行っており、監視カメラはもちろん厳しい入室管理を行っているため、セキュリティ対策も万全です。
データセンターサービス
アイテック阪急阪神株式会社が提供している「データセンターサービス」は環境に配慮したエコでクリーンな品質の高い運用サービスです。大阪市西区にあるため、関西の企業はアクセスしやすいです。全館耐震構造のビル設備であり、免震ラックを使用しているため地震の耐性は高く災害対策を行えます。
ガスエンジン自家発電機・二重化電源・二重化空調設備など設備面も充実した、品質が高いデータセンターです。セキュリティ対策も万全であり、有人の対面認証による本人確認を実施しており、IDカードによって入退館を管理・指静脈情報の登録・監視カメラを使っています。
おすすめデータセンター:全国編
全国各所にあるデータセンターを紹介します。
S-Port データセンターサービス の比較ポイント
- 1/4・1/2ラックなど、小規模な案件にも柔軟に対応可能
- 高電力提供可能な都心型データセンターを低価格で提供
- マルチキャリア対応/インターネット/24時間監視運用サービス提供
「S-Port データセンターサービス」は鈴与シンワート株式会社が提供しているデータセンターで、国内7カ所(東京第一・東京第二・大阪・埼玉・北陸・九州・沖縄)に所在しています。企業が密集している関東・関西の企業では特にアクセスがしやすく利便性が高いでしょう。
セキュリティ対策も万全であり、入退室管理や監視カメラを完備しています。電力供給の信頼性が高く、停電などでも安心して運用することが可能です。また、耐震・免震構造の建物であるため、BCP対策を行うことが可能です。
ビジネスiDC の比較ポイント
- 日本全国50カ所の拠点から選定可能
- 専門アドバイザーが最適なデータセンターをご提案します
- データセンター×クラウドのハイブリッドもご提案可能です
「ビジネスiDC」は株式会社 USEN ICT Solutionsが提供しているデータセンターです。同社が提供しているデータセンターは全国に50カ所以上あるため、自社の近くにあるデータセンターを選定可能です。また、コンサルタントによる提案も受けられるので、自社の課題解決や実情に即したデータセンターが選べます。
それぞれの施設は24時間365日の運用体制であり、障害が発生したときにもスピーディに対応できます。データセンターの設計・構築・運用まで充実したサポート体制であるため、安心して利用できます。
データセンター の比較ポイント
- 高品質なデータセンターソリューションで企業のコストを削減
- IT運用50年以上の経験と技術力で安心・快適なサービスを提供
- 費用対効果の無料査定あり
50年以上のIT運用経験を持つ株式会社シーイーシーが提供する「データセンター」は、その経験や技術を活かして複数拠点の統合や他社からのリプレース、クラウド移行など、幅広い要望に対応可能です。導入前に費用対効果を無料で査定してもらえるため、コストパフォーマンスの比較検討にも役立てられます。
24時間365日の監視体制、さらにトラブル発生時には専門技術者がスピーディに対応するため安心・安定稼働が実現します。首都圏(3拠点)のほかに、近畿(1拠点)、九州(1拠点)にも展開しています。
WebARENA Symphony
「WebARENA Symphony」は株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズが提供しているデータセンターです。NTTグループが提供しているデータセンターであり、24時間365日の監視・復旧支援を行うなど、万全なサポート体制で利用できます。
システム管理者が行う日々の監視・保守・運用業務を任せることができるため、業務効率向上とコスト削減を実現できます。それ以外にも免震構造・空調設備の充実・電源の冗長化など高品質な施設であるため、企業が抱える課題を解消できるデータセンターです。
その他のデータセンターソリューション
ここからは、データセンター等で活用される製品を紹介します。
NTTスマートコネクト株式会社が提供する「クラウド クロス コネクト」は、プライベートネットワークを用いクラウドサービスとダイレクトに接続できるサービスです。大阪・堂島のデータセンターを介して接続します。
インターネットや第三者のネットワークを経由せずに接続できるため、セキュアかつ安定した通信が叶います。AWSやAzure、GCP、Enterprise Cloudなど大手クラウドサービスとも接続可能、さらに接続プランは2種類(低価格の共有型/安定の帯域確保型)から選べ、自社に最適なクラウド環境が整えられます。
NVIDIA DGX A100 の比較ポイント
- 従来の約2.5倍の演算性能を持つ新しいGPU「NVIDIA A100」を採用
- 最適化し統合されたDGX ソフトウェア スタック
- セキュリティ対策も万全で安心の体制!
GDEPソリューションズ株式会社が提供する「NVIDIA DGX A100」は、従来の約2.5倍の演算性能を持つ新しいGPUを搭載したAIシステムです。NVIDIA A100 Tensor Core GPUにより、トレーニングやデータ分析の高速化が実現します。
セキュリティについては自動暗号化ドライブや、署名つきソフトウェアコンテナー、マルチレイヤーアプローチなどの対策がとられています。
データセンターを選ぶポイント
ここまでさまざまなデータセンターを紹介してきましたが、データセンターは気軽に変更できるものではないため、後悔しないように、慎重に選ぶことが求められます。そのためには、データセンターについて理解を深めて選び方のポイントを知ることが重要です。
ここからはデータセンターを選ぶポイントを説明していきます。
安全・利便性のよい立地か
データセンターに求めるポイントは「安全性」になるため、建物の構造以外に立地場所も重要になってきます。海外では実際に洪水によってデータセンターが水没した事例もあるため、洪水の影響を受けないような場所にデータセンターが建てられているかが重要です。
また、データセンターに保管しているサーバのメンテナンスは遠隔で行うこともできますが、物理的な設備に異常が出る不具合が発生する可能性もあります。このような不測の事態に備え、すぐに駆けつけられるように利便性の良いところに立地していることも重要です。
日本国内のデータセンターであれば大きな地震の対策が重要になり、近年では災害が少ない海外のデータセンターを利用する企業も増えています。
コストパフォーマンスはどうか
データセンターにサーバを保管するためには利用料が発生するため、その費用に合った効果を得られているかが重要です。
データセンターの効果は「BCP対策」「保守・運用負担の軽減」「社内スペースの削減」「電気代などのコスト削減」です。BCP対策の費用対効果は、不測の事態にならないと測定できませんが、その他の効果は主にコスト削減に繋がるため、データセンターの費用と比較することが重要です。
基本的にデータセンターの費用は実施しているサービスと安全性によって変わってきます。サービスが充実しており、安全性が高いデータセンターは利用料が高くなります。
そのため、自社にとって必要ないサービスが多いと割高になりコストパフォーマンスは悪くなります。データセンターを選ぶときは、得られる効果と利用料金のバランスを考え判断する必要があります。
地震や火災などの災害対策はなされているか
データセンターは災害からサーバを守ることを目的に使うため、地震や火災などの災害対策が行われているかどうかが選ぶポイントになります。
地震の対策は、建物自体が耐震・免震構造であり、サーバルームの床が地震に強い作りになっているかが重要です。地震に強いデータセンターは「免震床」を採用しており、地震の振動に合わせて床が動き、衝撃を緩和します。このような作りであれば、保管されているサーバが倒壊する心配がありません。
また、データセンターの近隣で火災が発生したときにも燃え移らない工夫が必要です。火災に強いデータセンターは火が燃え広がらない建物の構造をしており、施設内の機材は燃えない材料で作られています。
また、一般的な建物は火災が起きるとスプリンクラーが作動し、消火を行いますが、データセンターではガスを使って消火を行います。他にも停電や洪水などの対策が施されているかを確認することが大切です。
セキュリティ対策は十分か
データセンターで行うセキュリティ対策には大きく分けて「物理セキュリティ」と「情報セキュリティ」の2種類あります。物理セキュリティとは、データセンターの防犯対策になります。
例えば、施設の入り口やサーバルームの入り口で入室確認を行うことや、監視カメラの設置、24時間365日の警備体制、サーバルームの無窓化などが該当します。データセンターには重要な情報が詰まっているため、侵入者などによる犯罪を防ぐ対策が求められます。
情報セキュリティとは、ネットワークを介したサイバー攻撃などの対策です。データセンターは常に攻撃を受けているため、堅牢な情報セキュリティ対策を行っていることが重要になります。通信を暗号化することや、ネットワークを24時間体制で監視していることが求められます。
空きスペース・空きラックがあるか
データセンター選びの意外なポイントは空きスペースや空きラックがあるかの確認です。
このポイントは見落としがちであるため、よく注意する必要があります。社内で重要なシステムをデータセンターに移した場合、使っている期間が長くなると保有するデータが多くなり、サーバを増設する可能性もあります。そのときに空きスペースがなければ増設することができません。
また、時間差でサーバを移行する場合も注意が必要です。メインとなる業務システムのサーバをデータセンターに移行してから、時間が経過した後に他のサーバをデータセンターに保管しようとしたときに、空きスペースがなければ他のデータセンターを使うことになります。
このような事態になれば、何かトラブルが起きたときにデータセンターを往復するため、業務効率が悪くなります。サーバを1つのデータセンターで管理するためにも空きスペースの確認は重要です。
選定ポイントをさらに詳しく確認したい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事
watch_later
2019.11.28
データセンター選定を失敗しない7つのポイント
続きを読む ≫
データセンター利用のメリット
自社に最適なデータセンターを選ぶためには、データセンターの特徴やメリットを知ることが重要です。データセンターのメリットを知ることで、コストと効果のバランスを測ることができるため、データセンターを導入する判断の参考になります。
ここからはデータセンターを利用するメリットを説明していきます。
突然の地震からデータを守る
先程説明したように国内のデータセンターは地震に対して強い対策を行っているため、自社の建物でサーバを保管するよりも安全です。仮に耐震・免震構造の建物だったとしても、データセンターのサーバルームは免震床を採用しているため、安全性は非常に高いです。
また、国内のデータセンターに限らず、地震が発生しない国のデータセンターを利用するという手段もあります。日本は世界的に見ても地震が多く、データセンターの費用も高いため、コスト面で有利な海外データセンターを使う動きが活発になっています。
地震だけでなく火災からもデータを守る
データセンターは地震だけでなく火災にも強い構造・対策を行っています。一般的な企業が入っている建物で火災が発生した場合、スプリンクラーが作動し消火を行いますが、水を使うためサーバを含むIT機器が故障する可能性が非常に高いです。
それに対してデータセンターは、二酸化炭素などの引火や化学反応を起こさないガスを使って消火活動を行うため、システム機器へ影響を与えず安全です。
サーバー費などの費用が削減できる
データセンターのサービスの中には自社でサーバを用意する必要がないものもあります。このような場合はサーバをレンタルするため、自社で購入するよりも導入費用を抑えることが可能です。
また、自社でサーバを設置すると、保守・運用する業務が発生するほか、サーバルームを用意したり、空調などで電気代が大きく発生します。そのため、データセンターを活用することでサーバを運用するさまざまなコストを削減できます。
24時間休みなくデータ保護ができる
サーバをデータセンターに保管するとデータセンターでサーバを保守・監視してもらえるため、24時間体制で休みなくデータ保護ができます。
自社で24時間体制による管理を行おうとすると、業務の負担が大きくなり、会社を常に開放することになるため、物理セキュリティの対策が弱くなります。このようにサーバの管理をデータセンターを使い委託することで、セキュリティ強度を高めることが可能です。
物理・情報セキュリティ対策ができる
データセンターでは物理・情報セキュリティ対策を行うことができるため、サーバをより安全に保管できます。データセンターは情報セキュリティ対策に強みがあるイメージがありますが、堅牢なデータセンターは物理セキュリティも強固です。
物理セキュリティを強化するためには、建物の構造を変える必要があるため、始めから防犯体制が強固な建物を使うことが有効です。
そもそもデータセンターとは?
データセンターとはサーバを安全に保管することができる施設です。自社にサーバを設置し構築すると、さまざまなコストとリスクが発生するため、コスト削減とリスク対策を実現できます。
例えば、サーバを設置するスペースも会社にとっては重要な「土地」になり費用が発生してしまいます。また、サーバは稼働していると熱を放出し、熱くなり過ぎるとダウンしてしまうため、冷却するために充実した空調設備が必要になり、電気代がかかります。ほかにも、サーバの保守・運用を行うエンジニアの人件費がかかり、知識と技術を持った担当者が必要になります。データセンターを利用することでこのようなコストは削減可能です。
自社でサーバを管理する最大のリスクは地震などの災害に弱いことです。大規模な震災が起こり、サーバを保管しているラックが倒壊すれば、サーバのデータは破損し、業務を行えなくなります。
ほかにも一般的な企業の中にサーバを保管すると、火災や火災に伴うスプリンクラーの影響により、故障することもあります。データセンターではこのようなさまざまなリスク対策を行うことができます。
3つのデータセンターサービス
データセンターはその堅牢性を活かし、サーバを預かり保管する以外にもサービスを提供しています。データセンターが行っているサービスは大きく分けて「ハウジング」「ホスティング」「クラウド」の3種類あります。
ここからは3つのデータセンターサービスを説明していきます。
自社サーバーを預けるハウジング
一般的にデータセンターを利用するということはハウジングを意味することが多いです。ハウジングとは自社のサーバをデータセンターに預けることです。データセンターにサーバを預けても設定やメンテナンスは遠隔でも行えるため、物理的な不具合を除いたその他の運用は全てデータセンターに任せることが可能です。
システム自体は自社で行うため、カスタマイズの幅が広く自由度が高い方法です。自社で管理していたサーバがデータセンターに移るイメージでBCP対策を行うことが可能です。
事業者のサーバーを借りるホスティング
ハウジングに対してホスティングは保管されているサーバが自社ではなく、データセンター事業者が提供しているものを使うサービスです。ホスティングの場合はサーバやネットワーク機器などの設備を自社で用意する必要がないため、何もない状態からでもサーバを使ったシステムを使うことができます。
このようにサーバをレンタルしてシステムを構築するため、「レンタルサーバ事業者」と呼ばれることも多くあります。導入費用を抑えられますが、事業者が提供しているOSなど制約が多く、毎月利用料が発生します。
機能豊富なクラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングはデータセンターが提供しているサービスという概念ではありません。主にクラウドサービスのサーバはデータセンターに保管されていることが多いですが、ハウジングとホスティングのどちらかである可能性があります。
クラウドコンピューティングのサービスはデータセンター事業者が行っているとは限りません。あくまでデータセンターに保管されているサーバが提供しているサービスになるため、1つのデータセンターに複数のクラウドサービスが存在している可能性もあります。
自社にあったデータセンターを比較し情報を守ろう!
ここまで紹介してきたように、データセンターにはさまざまな種類があり、企業の状況や目的に応じてふさわしい施設を選ぶことが重要です。そのためには今回紹介したデータセンターのメリットや選び方が参考になります。
中には見学を受け付けているセンターもあるため、本格的に導入する前にデータセンターの構造などを実際に見てみることがおすすめです。自社に合ったデータセンターを利用し、災害対策や情報セキュリティ対策を行いましょう。