データセンターとは
データセンターとはサーバを安全に保管するための施設のことで、そのための回線や電源、セキュリティが備わっています。また、万が一災害が起こった場合の対策も取られており、熱を持ちやすいサーバのために空調も完備されています。
データセンターにおけるサービスの種類
データセンターのサービスには大きく2種類あります。
ハウジング
ハウジングとは自社サーバをデータセンターに預けることのできるサービスで、コロケーションとも言います。設定やメンテナンスは遠隔で行うことができ、その他の運用はデータセンターに任せることが可能です。自社のサーバのため、カスタマイズも幅広く行うことができます。
ホスティング
データセンターが提供しているサーバを利用する方法です。機器を用意する必要がないため、導入費用を抑えることができますが、ハウジングよりはカスタマイズなどの自由度が減ります。サーバを用いてクラウドサービスを提供しているデータセンターもあるため、確認を行いましょう。
データセンターのメリット
上記の通りデータセンターはサーバを設置することに特化した施設になっています。そのため、以下のようなメリットが挙げられます。
- ●電力の供給と通信が安定しておこなうことができる
- ●休むことなく稼働し続けることができる
- ●災害対策がしっかりと行われている
- ●セキュリティがしっかりしている
▼データセンターのデメリットも知ろう
参考記事:データセンターのメリット・デメリットを5分で解説!
データセンター選定7つのポイント
データセンターは自社の情報を保管する場所にもなるため、慎重に選定しましょう。
選定ポイント1:十分な災害対策が行われているか
日本における、災害の代表格と言えば「地震」です。2011年3月に発生した東日本大震災も、まだ記憶に新しい未曾有の大地震です。
東日本大震災を契機に現在のデータセンターを利用し始めたという企業の割合が多くなっています。それだけ多くの企業に対して先の震災は影響を及ぼしたということであり、またデータセンターの選定においては耐震性や免震性が重要視されているということの表れでもあります。
実際、地震大国日本において自社の重要情報を確実に守るためには、地震に強いデータセンターを選択する必要があります。
耐震構造は万全か
建物の耐震構造には、大きく「免震」「耐震」の2種類があげられます。「免震」構造は、建物自体の揺れをで軽減するといわれており、サーバー自体の被害を最小限におさえられます。
「耐震」構造は建物自体が地震のエネルギーを吸収して軽減させる構造です。建物の倒壊や建物内の影響は地震の大きさに比例します。現在の技術では、「免震」が最も安全性の高い耐震構造といえます。
耐火災は「火災予兆システム」
「火災予兆システム」が最も高機能な火災探知システムとされています。また、実際に火災があった場合の耐火災対策としては、サーバーおよび人体に影響が少ないとされる窒素ガスの消化設備が安全です。
耐水害はハザードマップを参照
津波、浸水を回避するためには、港湾・河川から一定の距離があるデータセンターを選ぶことがポイントです。国土交通省が発信しているハザードマップを参照し検討材料としましょう。
選定ポイント2:いざというときのバックアップ体制が整っているか
いざ災害が起き、電力が供給されない状況に陥った時に、いかにサーバーを安全な状況で管理をするかがデータセンターの力の見せ所です。
停電時も適切温度を供給してくれる空調設備であるか
サーバーは暑さに弱く少しの温度差でも故障するリスクがあります。停電、節電時にも適切な空気を送り込める熱排気構造や外部から冷気が取り込める構造になっているかも選定のポイントです。
停電時の電源供給方法と連続供給時間をチェック
電源の供給がストップしてしまった場合のために、UPS(Uninterruptible Power Supply/無停電電源装置)と呼ばれる一時的に電源を供給する装置と自家発電システムが備えられている場合があります。UPSは一機だけでなく複数機あることで安定性はさらに上昇します。
そして、自家発電システムの燃料ストックはデータセンターによって異なります。貯蓄量が多ければ多いほど連続供給時間は長くなります。また燃料が尽きた際に優先して燃料が運搬される契約になっているかどうかも選定ポイントの一つです。
選定ポイント3:回線設備が充実している
データセンター上のサーバは、リモート接続によってデータを管理することになります。したがって回線設備や通信速度も、データセンター選定においては無視できない要素です。データセンターによっては、専用回線を準備してアクセスが集中した場合でも通信速度を維持できるようにしているところもあります。
また通信速度だけではなく、ネットワークセキュリティが徹底していることも不可欠な要素です。データセンター内の重要データを外部から確実に守るためにも、不正アクセスなどに対する備えを十分に行っている必要があります。
選定ポイント4:物理的なセキュリティを徹底している
ネットワーク経由でのセキュリティ上の脅威の他に、機器の破壊やデータの盗難といった物理的な脅威からも、大切な情報資産を守らなければなりません。したがって、関係者以外が絶対に立ち入ることができないように、データセンター内のセキュリティを徹底していることも、データセンターを選ぶ上で確認すべき事項です。
物理アクセスコントロールとしては、データセンターへの立ち入りに関する事前申請制度や、指紋認証などが取り入れられているケースが多くなります。
選定ポイント5:立地が自社のメリットに適している
物理障害の発生時や機器の交換時など、データセンターへと直接足を運ばなければならないこともあります。したがって、データセンターは、自社からの交通の便が良い方が何かと便利です。
しかし、大規模な災害に対するリスクヘッジという意味では、あえて自社から遠いエリアにデータセンターを設けるという選択肢もあります。前述の通り日本は自然災害の発生が多いので、場合によっては海外にデータセンターを設けることもあります。
▼海外のデータセンターについて解説!
参考記事:データセンターは海外?それとも国内?メリットとデメリットで比較!
選定ポイント6:空きラック・スペースがある
意外と見落としがちになってしまうポイントは空きラックやスペースがあるかです。
自社でサーバを持っている場合、サーバを増設することや移行を行うことがあります。その際に空きスペースがなければ、他のデータセンターを利用することになります。またなにかトラブルがあると、データセンターを往復することになるため、よく確認しましょう。
選定ポイント7:予算との兼ね合いを考える
以上から、災害に強く、通信環境も良好、セキュリティも万全、好立地なデータセンターが良いデータセンターということになります。しかし、好条件を備えたデータセンターは、それだけ人気となるため費用もかかります。希望する条件の優先順位などをあらかじめ決めた上で、予算に応じて取捨選択をしましょう。
また、料金形態も提供会社によって異なるため、よく確認しておく必要があります。
データセンター選定のキーワードは安全性
IT製品選定の際、「冗長性」という言葉をよく耳にします。冗長性とは余裕、余力があることをさしますが、データセンターにおいては電源供給口が複数用意されているか、インターネットの通信経路が複数に分かれているか、災害時の電源供給装置が複数用意されているか、などがあげられます。
まずはどんなデータセンターがあるのか比較してみてはいかがでしょうか?
▼地域別!データセンター比較
参考記事:データセンター15選を比較!選ぶポイントやサービス、メリットも!