企業規模でDX支援サービスの選び方が変わる理由
DX支援サービスとは、DXの構想づくりから実行、定着までを外部の専門家が支援したり、業務の一部を請け負ったりするサービスです。同じ内容を依頼しても、企業規模によって社内の体制が異なるため、適した支援の形は変わります。
推進に割ける人員と時間の差
従業員数が少ない会社では、DXの担当者が他の業務と兼務している場合があります。この場合は、会議の設定や資料づくりまで支援側が担ってくれるかが重要です。
一方で規模が大きい会社では、専任のチームを置ける場合もあります。社内で進められる部分と、専門知識を借りたい部分を分け、必要な範囲だけを依頼すると、支援の費用と成果のバランスを取りやすくなります。自社の担当者がどれだけ時間を割けるかを、依頼前に見積もっておきましょう。
社内での意思決定にかかる時間の差
小規模な会社では、経営者が直接判断して進められるため、決定までの時間が短い傾向があります。支援側にも、短い期間で提案から着手まで進めてもらえるかを確認しておくと安心です。
規模が大きくなると、稟議や部門間の調整に時間がかかる場合があります。支援側が関係部署への説明資料づくりや合意形成を手伝ってくれるかも、依頼先を比べる際の材料です。自社の承認の流れを伝えると、無理のない計画を提案してもらいやすくなります。
求められる管理水準の差
企業規模が大きくなるほど、委託先に渡す情報の範囲や契約の確認が重視される傾向があります。社内の情報管理規程にもとづいて、委託先の審査を受ける場合もあるでしょう。
一方、小規模な会社でも取引先から情報管理の状況を問われる場面はあります。規模にかかわらず、守秘義務の取り決めや作業の記録の残し方は、依頼前に確認しておきたい項目です。
確認の結果は書面に残しておくと、後から経緯を説明するときに役立ちます。確認の際は、情報システム部門にも相談しましょう。
従業員10~50名の会社が依頼するDX支援の条件
従業員10~50名規模の会社では、DXに専任で取り組める人が限られます。そのため、相談のしやすさと、依頼範囲を段階的に広げられるかが比較の中心です。ここでは3つの規模に分けて確認点を紹介します。
| 規模の目安 | 確認したい条件 |
|---|---|
| 10名規模 | 小さな範囲から相談でき、専門用語を使わずに説明してもらえるか |
| 30名規模 | 業務の整理や優先順位づけを一緒に進めてもらえるか |
| 50名規模 | 伴走の範囲や頻度を、自社の体制にあわせて調整できるか |
10名規模で重視したい相談のしやすさ
従業員10名規模の会社では、経営者や総務担当者がDXの窓口を兼ねるケースが考えられます。まずは「何から手をつけるべきか」という相談から始められる支援サービスが候補になります。
初回相談の費用や、相談後に契約を急がれないかも確認しましょう。専門用語を避けて説明してくれるか、現場の声を聞いたうえで提案してくれるかは、打ち合わせの場で比べられる点です。経営者の想いを丁寧に聞いてくれるかも、相性を見極める材料です。
30名規模で必要になる業務整理の支援
従業員30名規模になると、部署ごとに業務のやり方が異なり、情報が分散する場合があります。ツールを選ぶ前に、現在の業務の流れを書き出して課題を整理する支援があると、方向性を決めやすくなります。
整理した内容は、優先順位をつけて段階的に進める計画へつなげます。支援側が現場へのヒアリングまで担当するのか、資料の作成は自社で行うのかなど、役割分担を契約前に確認しておきましょう。現場の担当者が負担を感じない進め方かどうかも、確認しておきたい点です。
50名規模で比較したい伴走の範囲
従業員50名規模では、複数の部署で同時にDXを進める場面が出てきます。支援側が定例会に参加するのか、相談があるときだけ対応するのかなど、伴走の頻度と範囲を比べておきたいところです。
比較する際は、支援内容、担当者の体制、契約期間、追加依頼の扱いの4点を軸に、候補を数社へ絞ると進めやすくなります。自社の担当者が無理なく関われる頻度かどうかも確かめましょう。最初は小さく依頼し、成果を見てから範囲を広げる方法も選択肢です。
100~300名以上の企業で確認したい支援体制
従業員100名を超えると、DXに関わる部門が増え、調整の負担が大きくなりがちです。300名以上の企業や上場企業では、社内規程にそった審査も必要です。規模の拡大にあわせた確認項目を解説します。
100名規模での部門横断の進め方
従業員100名規模の会社では、営業、製造、管理部門など複数の部署が同時に課題を抱える場合があります。部署ごとに別の支援会社へ依頼すると、方針がばらつく可能性があるため、全体を見渡す窓口が必要です。
支援側に、部門間の優先順位づけや、経営層への報告資料づくりまで任せられるかを確認しましょう。自社の業種や規模に近い企業の支援経験があるかを尋ねると、進め方のイメージを持ちやすくなります。事例を聞く際は、成果だけでなく、進める中で生じた課題への対応も尋ねましょう。
300名以上で必要な推進体制と統制
従業員300名以上の企業では、DXの案件が同時に複数動く場合があります。案件の進捗や予算を一覧で把握できる仕組みと、報告の頻度を決めておくことが大切です。
支援側が、推進組織の設計や社内向けの教育まで支援できるかも確認項目です。担当者が替わっても引き継げるよう、議事録や成果物を共有する方法を、契約前にすり合わせておきましょう。
これらを事前に決めておくと、案件が増えても管理の負担を抑えられます。報告の様式も、契約前に決めておくと進めやすくなります。
上場企業が確認する委託先の管理水準
上場企業では、内部統制の観点から、委託先の選定理由や管理状況を説明できる状態が求められる場合があります。選定の経緯や比較した記録を残しておくと、社内の審査に対応しやすくなります。
確認項目の例として、第三者認証の取得状況、再委託の有無、情報の持ち出しルールが挙げられます。取り扱う情報の範囲によって求められる水準は異なるため、情報システム部門や法務部門に相談しながら決めましょう。確認結果は社内の審査資料としても活用できます。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でDX支援・コンサルティング・アウトソーシングの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
グループ会社のDX支援をまとめて進めるには
グループ会社ごとに別々の支援会社へ依頼すると、方針や費用にばらつきが出る可能性があります。グループ全体でDXを進める場合に、確認しておきたい観点を整理します。
共通の方針と各社の事情を分けて整理する
グループで進めるときは、全社で共通にそろえる部分と、各社の事業にあわせて変える部分を分けて考えます。例えば、情報管理のルールは共通にし、業務の進め方は各社に任せる形です。
この区分を決めずに依頼すると、各社の要望が混在して支援の範囲が広がりやすくなります。支援側に、グループ共通の方針づくりを手伝ってもらえるかを確認しておきましょう。
方針の決定に各社の代表者が参加できる場を設けることも有効です。決めた区分は、全社へ周知しておきましょう。
進捗と成果を同じ指標で把握する
各社の取り組みを比べられるよう、報告の形式や指標をそろえておくと、本社が全体の状況を把握しやすくなります。指標が各社でばらばらだと、効果の判断に時間がかかる場合があります。
支援側が、共通の報告様式の作成や、進捗の取りまとめを担えるかも確認項目です。各社の担当者の負担が増えすぎないよう、報告の頻度と手間もあわせて決めておきましょう。数値で測りにくい成果をどう報告するかも、あらかじめ話し合っておくとよいでしょう。
契約と窓口を一本化するか各社で結ぶか検討する
グループで1つの契約にまとめると、請求や窓口の管理が簡単になる可能性があります。一方で、各社の事情に細かく対応しにくくなる場合もあるため、一長一短です。
各社で個別に契約する場合は、グループ共通のひな型や価格の取り決めを設けられるかを相談できます。どちらの形が自社グループにあうかは、支援側の対応実績をもとに比べましょう。
見積もりの段階で、両方の形での費用を出してもらうと比較しやすくなります。どちらの形でも、請求の単位は明確にしておきます。
規模別に比較するときの情報の集め方
自社の規模にあうDX支援サービスを選ぶには、複数の情報源を組み合わせて比べることが大切です。ここでは、比較の際に使える情報源と、確認する順番を紹介します。
公式サイトの支援内容と料金の記載を確認する
まずは各社の公式サイトで、支援の対象範囲、進め方、契約の形態を確認します。同じ「コンサルティング」という言葉でも、提案までなのか、実行の支援まで含むのかは会社によって異なります。
料金の記載がない場合は、問い合わせで確認する必要があります。公開されている支援事例では、事例企業の規模や課題が自社に近いかを見ておくと、依頼後の姿を想像しやすくなります。複数社を同じ観点で見比べられるよう、確認する項目を先に決めておきましょう。
資料請求と相談で候補を横並びにする
公式サイトだけでは、会社ごとに記載の形式が異なり、横並びで比べにくい場合があります。ITトレンドのような比較サイトで資料請求すると、複数社の特徴や支援内容をまとめて確認できます。
集めた資料をもとに、自社の規模で必要な条件を表にまとめ、各社の回答を書き込んでいきましょう。不明点は商談で確認し、回答も記録しておくと、社内で比較結果を共有する際に役立ちます。相談の場では、同じ質問を各社に投げかけると、回答の違いが見えてきます。
事例の規模や体制を見比べる
支援事例を読む際は、事例企業の従業員規模、業種、社内の推進体制を確認します。自社と条件が近い事例ほど、依頼後の進め方を想像しやすくなります。
事例に記載された成果は、その企業の条件で得られたものであり、同じ結果を保証するものではありません。成果だけでなく、どのような役割分担で進めたかに注目して読みましょう。
可能であれば、事例企業への取材や紹介を依頼できるかも尋ねてみましょう。複数の事例を読み比べると、傾向がつかみやすくなります。
規模や体制にあわせて相談できるDX支援サービス
従業員規模や提供エリア、社内の担当者の人数といった条件に着目し、相談先の候補となるDX支援サービスを紹介します。詳細は各社の資料で確認しましょう。
ICTコンシェルジュ
- 「売上拡大」「業務効率改善」「リスク回避」を実現
- 定期訪問により課題に合わせた解決策を伴走支援
- IT周りのお困りごともリモートサポートにて即時対応
株式会社テクニカが提供する「ICTコンシェルジュ」は、定期訪問を通じて現状把握と課題の可視化、改善に取り組むDX支援サービスです。対象は従業員10名以上500名未満の会社で、提供エリアは近畿です。「売上拡大」「業務効率改善」「リスク回避」の観点から相談でき、IT周りの困りごとにはリモートサポートで対応します。自社の規模と所在地が条件に当てはまるかを確かめたうえで、訪問の頻度や対応範囲を資料請求で確認すると、比較しやすくなります。
情シスSourcing(ソーシング)
- 企画業務から運用業務までほぼ全領域での支援が可能
- どんな情報システム業務も、半日作業から個別依頼ができる
- 情報システム部員を本来の企画業務へシフトすることが可能
ハイブリィド株式会社が提供する「情シスSourcing(ソーシング)」は、情報システム業務をコンサルティングから運用支援まで、小ロットでアウトソーシングできるサービスです。対象は従業員10名以上で、全国に対応します。半日作業から個別に依頼できるとされ、定常業務を外部に任せて、社内の担当者を企画業務へ振り向けたい会社の候補になります。自社の担当者が割ける時間や、任せたい業務の範囲を整理してから、対応できる業務の内容を資料請求で確認しましょう。
スポットPM
- 従来の一般的なコンサルとは異なり、低予算・小規模でも相談可能
- リサーチから運用まで、プロジェクトをスピーディーに推進
- プロジェクト専属のAIエージェントで工数削減とナレッジ化を実現
rayout株式会社が提供する「スポットPM」は、プロジェクトの整理から実装、運用のサポートまでを一貫して進めるPMサービスです。低予算や小規模でも相談できる点が示されており、対象は全ての規模とされています。社内に動ける人材が少ない会社が、プロジェクトの推進役を外部に相談する場合に向きます。提供エリアは全国です。依頼したい内容と社内の体制を整理してから、対応できる範囲や進め方を資料請求で確認しましょう。
IT顧問 情シス君
- 広範囲で情シス業務をカバーでき、何でも引き継ぎ可能
- 引き継ぎ資料・手順書・マニュアルの作成を行い、内製化も支援
- 3レイヤー体制による適材適所で脱属人化を無駄なくサポート
株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」は、専属の情シス担当のように、社内のIT導入や運用に関する業務を引き継ぐIT支援サービスです。対象は全ての規模とされ、必要なときに必要な分だけ依頼できる形を掲げています。全国に対応し、情報システム部門を置いていない会社が、IT業務の相談先を探す場合の候補になります。任せたい業務の範囲や、社内に残す役割を整理してから、対応できる内容を資料請求で確認しましょう。
DXレディネス (ライフイズテック株式会社)
- 大手中心に100社以上でDX人材育成を支援
- 全ビジネス人材をDX推進の主体者へ
- 全員がデジタルで課題解決できる状態へ
船井総合研究所 (株式会社船井総合研究所)
- 200社以上の導入実績と豊富な業種ノウハウ
- 複数業務を一元管理し、業務効率と可視化を強化。
- ワンストップ支援と業務に合わせた個別カスタマイズ
H&K (株式会社H&K)
- HubSpot Diamondパートナーに選出(120社中1社)
- 戦略~実行まで一気通貫でROI最大化
- 事業計画、KGI・KPI、市場分析に対応
DX支援に関するよくある質問
企業規模ごとのDX支援・コンサルティングについて、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:従業員10名ほどの小さな会社でも、DX支援を依頼できますか?
- A:依頼できる場合があります。小さな範囲の相談から受け付ける支援会社もあるため、初回相談で対応範囲を確認しましょう。社内の担当者が割ける時間もあわせて伝えると、無理のない提案を受けやすくなります。
- ■Q2:会社の規模が大きくなると、どのような点が変わりますか?
- A:関わる部門が増えるため、調整役や権限の整理、報告の仕組みが重要になる傾向があります。社内規程にもとづく委託先の確認が必要な場合もあるため、早めに関係部署へ相談しましょう。
- ■Q3:グループ会社でまとめて依頼するほうがよいですか?
- A:契約をまとめると、窓口や請求を管理しやすくなる場合があります。一方で、各社の事情に対応しにくくなる可能性もあります。共通部分と各社固有の部分を分けて検討しましょう。
- ■Q4:規模にあった支援会社を探すには、何から始めればよいですか?
- A:自社の従業員数、依頼したい範囲、社内の担当者の人数を整理するところから始めます。そのうえで資料請求を行い、近い規模の支援事例があるかを確認しましょう。
まとめ
DX支援・コンサルティング・アウトソーシングは、企業規模によって重視する条件が異なります。10~50名規模では相談のしやすさと伴走の範囲、100名以上では部門横断の調整や推進体制、上場企業やグループ会社では委託先の管理水準と窓口の整理が比較の中心です。自社の体制を整理したうえで、複数社を同じ条件で比べましょう。気になるサービスがあれば、資料請求で詳細を確認してみてください。

