DX支援サービスで課題解決を図る前に整理したいこと
DX支援サービスとは、DXの構想づくりから実行、定着までを外部の専門家が支援する、または業務の一部を請け負うサービスです。依頼前に課題を整理しておくと、支援会社への相談が具体的になり、提案の比較もしやすくなります。
課題を業務の言葉で書き出す
「DXが進まない」という表現のままでは、何を支援してもらえばよいのか決まりません。「月末の集計に3日かかる」「申請書の回覧に時間がかかる」というように、業務の場面で書き出してみましょう。
書き出した課題は、困っている人、発生する頻度、かかる時間の目安とあわせて整理します。支援会社に伝えると、課題の大きさや優先順位を共有しやすくなり、見積もりの前提もそろいます。課題の書き出しは、現場の担当者にも協力してもらうのが有効です。
原因を複数の観点で切り分ける
同じ「定着しない」という課題でも、原因は一つとは限りません。操作が難しい、メリットが現場に伝わっていない、既存の業務の流れとあわないなど、複数の要因が重なっている場合があります。
原因を、ツール、業務の進め方、人の意識や体制という3つの観点で切り分けると、必要な支援が見えてきます。切り分けは、支援会社と一緒に行う方法もあります。仮説の段階でも構わないので、支援会社に共有して意見をもらいましょう。
目標と判断基準を先に決める
支援を依頼する前に、何をもって課題が解決したと判断するかを決めておきましょう。作業時間の短縮や、確認の手戻りの減少など、測定できる形にしておくと、支援の評価がしやすくなります。
目標が決まっていないと、支援が終わっても成果を判断できません。目標の水準は、社内の関係者で合意しておき、支援会社にも共有しておくと安心です。
支援の途中で見直すことも前提にしておきます。基準があれば、支援会社の提案が自社の目標にあうかも比べやすくなります。
定着しない・効果が出ない不安への支援の選び方
ツールを導入しても現場に定着しない、投資に見合う効果が出るか不安といった悩みは、DX支援・コンサルティングの相談で聞かれる代表的な課題です。支援を選ぶときの観点を整理します。
現場に定着しない原因を確認する
定着しない原因には、現場の意見を聞かずに導入が決まった、研修が不足している、既存の業務で二重入力が生じているといった状況が考えられます。原因によって、必要な支援は異なります。
支援会社に、現場へのヒアリングや使われていない理由の調査を依頼できるかを確認しましょう。調査の結果をもとに、導入済みのツールの見直しから相談できる会社もあります。利用状況のデータを確認できる場合は、あわせて調査の材料にしましょう。
定着まで伴走する支援を選ぶ
定着を重視するなら、構想や提案だけでなく、導入後の運用支援まで担う支援会社が候補です。研修の実施、問い合わせ対応、利用状況の確認などが、支援に含まれているかを確認しましょう。
伴走の期間と頻度は、契約によって異なります。自社の現場が慣れるまでに必要な期間を見積もり、その期間に対応できるか、期間の延長が可能かを、事前に尋ねておくと安心です。伴走型の支援は、費用が増える場合もあるため、見積もりの内訳も確かめましょう。
効果を測る指標を決める
投資の効果が出るか不安な場合は、導入前に現状の数値を記録しておきましょう。作業時間、処理件数、ミスの件数など、比較できる指標があると、支援後の変化を確かめられます。
効果が出るまでの期間は、課題や取り組みによって異なります。支援会社に、効果の確認時期と、期待どおりに進まない場合の対応方針を聞いておきましょう。
成果を約束する表現には、根拠があるかも確認が必要です。数値で測りにくい効果は、現場の声を集める方法も取り入れましょう。
Excel運用・属人化・紙業務の見直しに向く支援
現場ごとにバラバラなExcel運用、特定の人に頼った業務、紙の書類は、DXの取り組みで挙がりやすい課題です。課題の種類ごとに、支援に期待できる内容を整理します。
| 課題 | 支援に期待できる内容 |
|---|---|
| Excel運用の限界 | 現状の整理、共通の様式づくり、仕組みへの移行計画 |
| 業務の属人化 | 業務の可視化、手順書の作成、担当の分散 |
| 紙の書類 | 書類の棚卸し、電子化の対象や順番の整理 |
現場ごとのExcel運用を整理する
現場ごとにExcelの様式や管理方法が異なると、集計に手間がかかり、ミスも起こりやすくなります。まずはどのファイルを誰が使っているのか、一覧にして現状を把握します。
全員が同じ仕組みを使うには、現場の要望を聞きながら様式をそろえる調整が必要です。支援会社に、この調整を進行役として担ってもらえるかを確認すると、現場との摩擦を抑えやすくなります。一度に全面的に置き換えず、優先度の高い業務から移す計画が現実的です。
属人化した業務を可視化する
特定の担当者しかやり方を知らない業務は、休暇や退職の際に滞るおそれがあります。解消の第一歩は、業務の手順や判断の基準を書き出して見える形にすることです。
ただし、現場の担当者にとっては負担の大きい作業です。ヒアリングや文書化を支援会社が代行してくれるか、担当者の確認だけで済むかなど、依頼できる範囲を確認しておきましょう。
手順を書き出す際は、例外の対応や判断の理由も記録しておきましょう。担当者の負担を減らす進め方を相談しましょう。
紙の業務マニュアルや申請書をペーパーレス化する
紙のマニュアルや申請書を電子化すると、検索や共有、更新が容易になります。まずは、紙の書類を種類ごとに一覧にし、頻度や重要度の高いものから対象を決めましょう。
税務に関わる帳簿や書類は、電子帳簿保存法の要件にそった保存が必要な場合があります。電子化の範囲や保存方法については、支援会社や税理士などの専門家にも確認しておくと安心です。電子化したあとに、現場が参照しやすい形で運用できるかも確認が必要です。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料請求して、さまざまな製品の機能や特徴を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でDX支援・コンサルティング・アウトソーシングの一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
構想策定から定着までの工数を減らす進め方
構想の策定、ツールの選定、導入、定着までを自社だけで進めると、多くの時間と人手がかかります。工数を抑えるために、工程ごとの役割分担を見直す方法を紹介します。
工程ごとの役割分担の整理
DXの進行は、構想策定、要件整理、ツール選定、導入、定着の工程に分けられます。工程ごとに、自社で進めるのか、外部に依頼するのかを一覧にして整理しましょう。
全工程を同じ支援会社に任せる方法と、工程ごとに得意な会社へ分けて依頼する方法があります。前者は窓口が一つで済みますが、後者は専門性を活かせるなど、それぞれの特徴を比べて決めましょう。役割分担は、契約前に表にして、支援会社と確認しておきましょう。
外部に任せやすい工程と社内で担う工程
情報の収集や比較表の作成、会議の運営といった作業は、外部に任せやすい工程です。一方、自社の方針の決定や、現場との合意形成は、社内で担う必要があります。
社内の担当者が取り組むべき内容を絞り込むと、負担を減らせます。支援会社の提案の中で、社内に求められる作業量が見積もられているかも、比較の材料にしましょう。
任せる工程でも、成果物の確認は社内で行うことが望ましいです。社内で担う作業量は、事前に見積もっておくと安心です。
工数を抑える計画の立て方
最初から大きな範囲に取り組むと、調整が増えて工数がかさみます。効果が見込みやすい業務から小さく始め、成果を確認して広げる進め方が考えられます。
計画の段階で、各工程の作業量と期間の目安を支援会社に示してもらいましょう。見込みと実績に差が出た場合に、どのように計画を見直すのか、取り決めておくと安心です。
小さな成功体験が、現場の協力を得るきっかけになる場合もあります。対象を絞る判断も、支援会社と相談できます。
DX推進を内製と外部委託のどちらで進めるか
DX推進を自社で進めるか、外部に委託するかは、判断に迷う場合がある点です。どちらか一方に決めるのではなく、業務の性質によって使い分ける考え方を紹介します。
内製に向く業務の特徴
自社の業務や顧客の情報を深く理解している必要がある業務は、内製に向きます。例えば、業務改善の方針づくりや、現場との調整、日常の運用管理などです。
内製を進めるには、担当者の育成と時間の確保が欠かせません。経験のない分野で一から進めると時間がかかるため、支援会社に研修を依頼して、社内にノウハウを蓄積する方法もあります。
業務の知識が社内にたまると、次の改善にも活かしやすくなります。内製に向くかの判断は、担当者の経験も目安になります。
外部委託に向く業務の特徴
専門的な知識が必要な業務や、一時的に多くの作業が発生する業務は、外部委託に向きます。ツールの選定、システムの設計、立ち上げ時の作業などが例です。
外部委託では、委託先の品質や進め方を管理する役割が社内に必要です。丸投げにすると自社の意図とずれる場合があるため、定期的に進捗を確認する体制を整えましょう。
委託先との間で、成果物の受け入れ基準を定めておくことも大切です。委託の範囲は、段階的に広げる方法もあります。
組みあわせて進める方法
実際には、内製と外部委託を組みあわせる方法があります。立ち上げ期は外部の知識を借り、安定したら社内に移す、といった段階的な形です。
判断の基準として、業務の専門性、社内の人員と時間、継続的に発生するかを確認しましょう。基準を一覧にして社内で共有すると、委託する範囲に納得感が生まれます。移行の時期は、あらかじめ計画に盛り込んでおきましょう。
移行後に必要な社内の体制も、あわせて整えましょう。役割の切り替え時期も、支援会社と相談できます。
課題の種類に応じて相談できるDX支援サービス
プロジェクトの停滞、情シス業務の属人化、経営課題の整理など、課題の種類ごとに相談先の候補となるサービスを紹介します。支援の範囲は、資料請求や相談で確認しましょう。
スポットPM
- 従来の一般的なコンサルとは異なり、低予算・小規模でも相談可能
- リサーチから運用まで、プロジェクトをスピーディーに推進
- プロジェクト専属のAIエージェントで工数削減とナレッジ化を実現
rayout株式会社が提供する「スポットPM」は、「進まない社内プロジェクト」の整理から、実装、運用のサポートまでを一気通貫で進めるPMサービスです。進捗が見えない、関係者との調整に追われる、社内に動ける人材がいないといった悩みを想定しています。小規模でも相談できる点が示されており、提供エリアは全国です。自社の課題が支援の対象に含まれるかや、進め方の具体例を、資料請求や相談の場で確認しておくと安心です。
IT顧問 情シス君
- 広範囲で情シス業務をカバーでき、何でも引き継ぎ可能
- 引き継ぎ資料・手順書・マニュアルの作成を行い、内製化も支援
- 3レイヤー体制による適材適所で脱属人化を無駄なくサポート
株式会社デジタルハックが提供する「IT顧問 情シス君」は、課題の見極めから言語化、実行まで支援するIT支援サービスです。何から始めればよいかわからない、情シス担当者の退職で引き継ぎが不安といった悩みを想定しています。引き継ぎ資料や手順書の作成も行い、内製化の支援も内容に含まれています。提供エリアは全国です。自社の課題が支援の対象に含まれるかや、担当するコンサルタントの体制を、資料請求や相談の場で確認しておくと安心です。
情シスSourcing(ソーシング)
- 企画業務から運用業務までほぼ全領域での支援が可能
- どんな情報システム業務も、半日作業から個別依頼ができる
- 情報システム部員を本来の企画業務へシフトすることが可能
ハイブリィド株式会社が提供する「情シスSourcing(ソーシング)」は、業務自体を運営委託し、フローやマニュアルを整備して、標準化と効率化を図るサービスです。属人化による非効率や、担当者の離職による業務継続のリスクを想定しています。実務を外部化して、社内の担当者を企画業務へ移すことも目指しています。対象は従業員10名以上で、半日作業から依頼できます。自社の課題が支援の対象に含まれるかや、依頼できる業務の単位を、資料請求や相談の場で確認しておくと安心です。
ICTコンシェルジュ
- 「売上拡大」「業務効率改善」「リスク回避」を実現
- 定期訪問により課題に合わせた解決策を伴走支援
- IT周りのお困りごともリモートサポートにて即時対応
株式会社テクニカが提供する「ICTコンシェルジュ」は、「売上拡大」「業務効率改善」「リスク回避」の観点から、定期訪問で現状把握と課題の可視化、改善に取り組むDX支援サービスです。ペーパーレスの電子契約やテレワーク導入支援なども取り組み例として挙げられています。対象は従業員10名以上500名未満の会社で、提供エリアは近畿です。自社の課題が支援の対象に含まれるかや、訪問の頻度の目安を、資料請求や相談の場で確認しておくと安心です。
DXレディネス (ライフイズテック株式会社)
- 大手中心に100社以上でDX人材育成を支援
- 全ビジネス人材をDX推進の主体者へ
- 全員がデジタルで課題解決できる状態へ
FLUEDの営業DXコンサルティングパートナー (株式会社FLUED)
- 国内2社限定のHubSpotダイヤモンドパートナー
- BtoBマーケ・営業・オペレーションDXを一気通貫で実現
- BtoB特化、HubSpot導入実績多数。
ITモダナイゼーション (コベルコシステム株式会社 )
- データ・性能保証、保守性向上を軸に移行支援。
- 独自方法論と新旧比較ツールで品質確保。
- 性能改善、リソース可視化、テスト自動化を提供。
DX支援に関するよくある質問
DX支援・コンサルティングでの課題解決について、よくある質問と回答をまとめました。
- ■Q1:ツールが現場に定着しない場合、まず何をすればよいですか?
- A:原因を、ツール、業務の進め方、人の意識や体制の観点で切り分けましょう。原因によって必要な支援が異なるため、現場へのヒアリングから支援会社に相談する方法もあります。
- ■Q2:DX推進は内製と外部委託のどちらがよいですか?
- A:業務の性質によって異なります。自社の業務理解が必要な部分は内製、専門知識が必要な部分は外部委託というように、使い分ける方法があります。人員と時間の余裕も判断の目安です。
- ■Q3:投資しても効果が出るか不安なときは、どうすればよいですか?
- A:導入前に作業時間などの現状を記録し、効果を測る指標を決めておきましょう。効果が出るまでの期間は取り組みによって異なるため、確認時期も支援会社と共有します。
- ■Q4:課題がいくつもあるときは、どれから取り組めばよいですか?
- A:影響の大きさと、取り組みやすさの両面から優先順位を決めましょう。まず1つの課題に絞って小さく試し、結果を見て次に広げる進め方もあります。優先順位に迷う場合は、支援会社の相談窓口で整理を手伝ってもらう方法もあります。
まとめ
DX支援・コンサルティング・アウトソーシングで課題解決を図るには、課題を業務の言葉で書き出し、原因を切り分けたうえで支援を選ぶことが大切です。定着には伴走型の支援、Excelや紙の見直しには現状整理と移行計画の支援が、役立つ場合があります。内製と外部委託は業務の性質で使い分けましょう。気になるサービスは資料請求で比較してみてください。

