ECサイトと実店舗や出店型の違い
ネットで販売する方法は一つではありません。まずは、それぞれの違いを整理しておきましょう。
実店舗との違い
実店舗では、来店できる範囲の人が主な相手です。営業時間も決まっています。ECサイトでは、地域を問わず注文を受けられ、時間帯の制約もありません。商品を並べる場所の広さにも縛られません。
一方で、実物を手に取ってもらえない点は弱みです。写真や説明文で伝える必要があります。試着や試用ができないぶん、返品への対応も考えておく必要があります。両方を持ち、互いを補い合う進め方も広く採られています。
大手の販売サイトに出店する形との違い
大手の販売サイトに出店する形では、そのサイトを訪れる人に商品を見てもらえます。集客の面では始めやすい形です。ただし、販売のたびに手数料がかかり、購入した人の情報も自社では自由に扱えないことがあります。
自社のECサイトでは、集客を自分たちで行う必要があります。その代わり、手数料の負担は抑えられ、顧客の情報も自社で持てます。デザインや見せ方も自由に決められます。どちらか一方に絞らず、両方を使い分ける会社もあります。
自社サイトを持つ意味
自社のECサイトは、販売の場であると同時に、商品や会社を伝える場でもあります。取引先や求職者が調べる際にも見られるため、その内容が印象を左右します。カタログを送る代わりに、常に最新の情報を置いておける場所としても使えます。
また、販売の経路を一つに依存しない意味もあります。出店しているサイトの方針が変わったり、手数料が改定されたりしたとき、自社の販売の場があれば影響を抑えられます。長い目で見た備えとしても考えられます。
ECサイトを持つメリット
自社でECサイトを持つ利点は、売る場所が増えることだけではありません。情報の活用や、運営の自由度にも関わります。3つの角度から整理します。
販売できる範囲と時間が広がる
店舗の商圏を超えて、全国から注文を受けられます。特定の地域でしか知られていなかった商品でも、探している人に届く可能性があります。営業時間外や休業日にも注文が入る点も、機会を増やします。
法人向けの取引でも同じです。担当者が電話やファクスで受けていた注文を、画面から入力してもらう形にできます。受注の作業が減り、聞き間違いによる誤りも防げます。取引先にとっても、都合のよい時間に発注できる利点があります。
購入した人の情報を自社で活用できる
誰が何をいつ買ったかの記録が、自社に蓄積されます。どの商品がどの層に売れているか、再び購入した人がどれだけいるかを確かめられます。この情報は、商品の企画や仕入れの判断にも使えます。
再購入を促す案内を送ることもできます。ただし、案内の送信は相手の同意が前提です。購入時に同意を得る形になっているか、配信を止める手段が用意されているかを確かめましょう。個人情報の扱いについては、社内の方針を定めておくことが重要です。
見せ方や販売の条件を自由に決められる
商品の並べ方、説明の書き方、写真の使い方を自社で決められます。作り手の思いや、使い方の提案まで伝えられる点は、大手の販売サイトにはない自由度です。会員向けの価格や、まとめ買いの条件も設定できます。
試したい施策をすぐ実行できる点も利点です。期間を限った企画や、新商品の先行販売なども自分たちの判断で進められます。ただし、何をどう見せるかを考える手間は自社で負うことになります。
始める前に確かめたい注意点
開設すれば売れるわけではありません。次の点を押さえたうえで検討しましょう。
集客を自分たちで行う必要がある
サイトを作っただけでは、訪れる人はいません。検索から来てもらう、会員制交流サイトで知らせる、広告を出すといった取り組みが必要です。どの方法もすぐには結果が出ず、続ける体制が求められます。
訪問が伸びない原因は一つとは限りません。商品の探しにくさ、説明の不足、価格や送料の条件、そもそも知られていないことなど、複数が考えられます。数値を確かめながら、原因を絞り込んで手を打ちましょう。
受注から発送までの運営に手間がかかる
注文が入った後、在庫を確認し、梱包し、発送し、追跡の番号を伝える作業が発生します。件数が増えるほど、この作業も増えます。問い合わせや返品への対応も必要です。
誰がどの作業を担当するのかを決めておきましょう。発送を外部に任せる方法もありますが、その費用も見込む必要があります。実店舗と在庫を共有する場合は、どちらで売れたかを反映する仕組みも欠かせません。
費用と手数料の負担が生じる
構築にかかる費用のほか、毎月の利用料、決済にかかる手数料、送料の負担が発生します。利益率の低い商品では、これらの費用が重くのしかかることもあります。価格の設定を見直す必要が出る場合もあります。
費用を見積もる際は、月にどれだけ売れる想定かをもとに計算しましょう。売上に応じて手数料が変わる形では、伸びたときの負担も確かめておく必要があります。無料で始められる形でも、機能の制限があるかを確認しましょう。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品で比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)でECサイト構築の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
構築の方法を選ぶときの確認項目
構築方法、決済や業務との連携、開設後の運営体制を確認し、自社の規模や目的にあう方法を選びましょう。
構築の方法による違いを知る
月額を払って用意された仕組みを使う形は、費用を抑えて早く始められます。決まった枠の中で作るため、独自の機能を加えにくい面はあります。まず試したい場合や、商品数が限られる場合に向く形です。
公開されている仕組みを自社のサーバに置く形や、一から開発する形もあります。自由度は高くなりますが、費用と期間、運用の手間も増えます。将来どこまで広げたいかを考えたうえで選びましょう。
決済と業務のつながりを確かめる
クレジットカード、コンビニ払い、後払いなど、購入する人が使いたい方法に対応しているかを確認します。法人向けでは、請求書での支払いを求められることもあります。対応していない手段があると、購入をやめられる恐れがあります。
在庫や受注の管理をどうつなげるかも重要です。実店舗や他の販売経路と在庫を共有する場合、二重に売ってしまう事態を防ぐ必要があります。つなぐ仕組みが止まったときに管理者へ知らせが届くかも、確認しておきましょう。
運営を続けられる体制かを確かめる
開設した後も、商品の追加、写真の差し替え、価格の変更といった更新が続きます。誰がその作業を担当するのかを決めておかないと、情報が古いまま残ります。専門の知識がなくても更新できる画面かどうかを、実際に触って確かめましょう。
問い合わせや返品への対応窓口も必要です。受付の時間帯と、対応する担当を決めておきましょう。担当を1人に固定せず、複数人が手順を把握しておくと、休みのときにも止まりません。
ECサイトの構築を支えるシステム
取扱商品数や運用の体制にあわせて検討できる、ECサイト構築の選択肢を紹介します。
ecbeing
- 豊富な実績と、最新のAI技術を融合させたノウハウ
- 準機能の充実とビジネスモデルに合わせたカスタマイズ性と拡張性
- サイト構築からマーケティング、セキュリティまで一気通貫の支援
株式会社ecbeingが提供する「ecbeing」は、企業のECサイト構築を支えるシステムです。商品数の多いサイトや、複数のブランドを扱うサイトの構築に対応した機能を備えています。会員管理や在庫管理といった機能も含めて構築できるため、業務の拡大にあわせた運用を検討できます。
futureshop
- エンジニアでなくてもドラッグ&ドロップで簡単に導線設計が可能
- 5店舗に1店舗は年商1億円超、実績に裏付けられたECカート
- EC運営の不安や疑問を解消するサポートとラーニングプログラム
株式会社フューチャーショップが提供する「futureshop」は、クラウド型のECサイト構築サービスです。専門的な知識がなくても運用できる画面が用意されており、商品の登録や更新を担当者が自分で進められます。集客や販促に関わる機能も備えており、開設後の運用まで見据えた選択肢になります。
メルカート
- データ統合とAIがもたらす圧倒的な売上成長
- AIによる自動化とシステム連携で運用を省力化
- 事故ゼロ件の堅牢なセキュリティ基盤が、安全なAI活用を支える
株式会社メルカートが提供する「メルカート」は、ECサイトの構築と運用を支えるシステムです。既存の在庫管理システムや会計システムと連携させる構成に対応しており、業務の流れに沿った運用を組み立てられます。商品数の増加や取扱チャネルの拡大にあわせた拡張も検討できます。
STORES (STORES株式会社)
- 2025年秋に新機能公開予定。
- 月額0円で利用できるフリープランあり
- 複数サービスをまとめて利用できるお得なセットプラン
らくうるカート (ヤマト運輸株式会社)
- 初期費用0円で手軽に開始可能。
- 集客・販促支援機能が充実
- 導入から運用まで手厚いサポート
ECサイトに関するよくある質問
開設を考えるときによく寄せられる疑問をまとめました。社内で話し合う際の参考にしてください。
- Q1: 大手の販売サイトへの出店と、どちらを先に始めるべきですか?
- 目的によって変わります。まず販売の手応えを確かめたいなら、集客の面で出店型が始めやすい形です。顧客の情報を蓄積し、自社の見せ方を作りたいなら自社サイトが向きます。両方を使い分ける進め方もあります。
- Q2: 開設までにどのくらいの期間がかかりますか?
- 方法によって大きく変わります。用意された仕組みを使えば短期間で始められる場合もあります。商品の写真や説明文の準備、送料や返品の条件を決める作業にも時間がかかるため、あわせて計画しましょう。
- Q3: 法人向けの取引でもECサイトは使えますか?
- 取引先ごとの価格や、掛け取引に対応した仕組みもあります。受注の作業を減らす目的で導入する例があります。取引先が使いやすい形かどうかを、実際の担当者に確かめてもらう方法が確実です。
- Q4: 安全面で気をつけることはありますか?
- 購入者の個人情報や決済の情報を扱うため、通信を暗号化する設定は欠かせません。不正なアクセスへの対策も必要です。どこまでを提供元が担うのかを確かめ、判断に迷う場合は情報システムの担当者に相談しましょう。
まとめ
ECサイトには、販売できる範囲と時間が広がること、購入した人の情報を自社で活用できること、見せ方や販売の条件を自由に決められることというメリットがあります。一方で、集客を自分たちで行う必要や、運営の手間、費用と手数料の負担も伴います。まずは扱う商品数と、月にどれだけ売りたいかを整理して構築の方法を選びましょう。資料請求を活用してみてください。


