暗号化ソフトの費用相場を左右する料金体系
暗号化ソフトの費用は、買い切り型・サブスクリプション型・従量課金型のいずれを採用しているかで大きく変わります。まずは自社が比較検討する際の目安として、それぞれの費用相場を確認しておきましょう。
法人向け暗号化ソフトの初期費用とライセンス単価
オンプレミス型の法人向け暗号化ソフトは、初期費用が20万円から100万円程度、1ライセンスあたりの年額は3,000円から1万円程度が目安です。データベース全体を暗号化するエンタープライズ向け製品は、対象データベースの規模や暗号化方式によって見積もりが変動するため、価格は個別問い合わせとなるケースが多くあります。
ライセンス単価は、対象端末数やユーザー数に応じて段階的に割引される従量制が一般的です。導入前には対象台数・部署範囲を明確にしたうえで複数社から見積もりを取得し、初期費用とライセンス費用の合計で比較することが重要です。
クラウド型暗号化ソフトの月額費用の目安
クラウド型の暗号化ソフトは、月額3,000円から3万円程度の範囲で提供されている製品が多くあります。ユーザー数課金型のサービスであれば、1ユーザーあたり月額数百円から千円程度に設定されているものもあり、少人数から段階的に契約数を増やせる点が特徴です。
クラウド型は初期費用が不要、またはオンプレミス型より低く設定されている場合が多く、サーバー構築の手間もかからないため、スモールスタートしやすい料金体系といえます。ただし機能を追加するとオプション費用が発生する製品もあるため、必要な機能が標準プランに含まれているかを事前に確認しましょう。
安価に導入できる暗号化ソフトの選び方
費用を抑えて暗号化ソフトを導入するには、必要な機能を見極めたうえで対象範囲を絞り込むことがポイントです。無料プランの活用や機能の取捨選択で、コストを大きく圧縮できる場合があります。
小規模企業向けの無料から使える暗号化ソフト
従業員数が少ない小規模企業向けには、無料プランやトライアル期間を設けている暗号化ソフトも存在します。ファイル単位・フォルダ単位の暗号化に特化した製品であれば、必要最小限の機能から無料で試したうえで、有料プランへの移行を検討できます。
ただし無料プランは対象端末数や保存容量に制限があることが一般的です。事業拡大にあわせて有料プランへ移行する際の費用感も含めて、あらかじめ料金体系を確認しておくと予算計画が立てやすくなります。
費用を抑えるための機能の絞り込み方
暗号化ソフトの費用は、対応する暗号化アルゴリズムの種類や、アクセス制御・監査ログといった付加機能の有無によっても変わります。すべての機能を求めるのではなく、自社が守るべきデータの種類と重要度にあわせて必要な機能を絞り込むことで、無駄なコストを削減できます。
例えば個人情報など機密性の高いデータのみを対象にするのであれば、全社一律の暗号化ではなく、対象を限定したプランを選ぶ方法もあります。暗号化強度と費用のバランスを比較検討し、過剰なオーバースペックを避けることが節約のポイントです。
50名規模企業で考える暗号化ソフトの年間費用イメージ
暗号化ソフトの年間費用は、対象となる従業員数やライセンス数に比例して増減します。ここでは従業員規模50名の年間費用イメージと、費用対効果を高める選定ポイントを紹介します。
従業員50名規模の暗号化ソフト年間費用の目安
従業員50名規模の企業がクラウド型の暗号化ソフトを導入する場合、1ユーザーあたり月額500円から1,500円程度の製品を選ぶと、年間の費用は30万円から90万円程度が目安です。オンプレミス型を選ぶ場合は初期費用に加えて保守費用が別途かかるため、年間コストはさらに高くなる場合があります。
この規模であれば、部署ごとに対象範囲を分けて段階的に契約数を増やす方法も選択肢のひとつです。全社一斉導入よりも初年度の負担を抑えられ、運用状況を見ながら予算を調整できます。
費用対効果を高める暗号化ソフトの選定ポイント
費用対効果を高めるには、価格だけでなく暗号化方式の信頼性や運用のしやすさもあわせて確認することが重要です。AESなど広く採用されている暗号化方式に対応した製品であれば、セキュリティ強度と互換性の両面で安心して導入できます。
また、サポート窓口の対応時間や導入時の設定支援が料金に含まれているかどうかも確認しましょう。安価な製品でもサポートが手薄な場合、トラブル発生時に別途対応費用が発生し、結果的にコストが増える可能性があります。
暗号化ソフト導入時に費用以外で確認すべきポイント
暗号化ソフトは価格だけで選ぶと、導入後に想定外の追加費用が発生することがあります。契約前に確認しておきたいポイントを整理します。
サポート体制と保守費用
暗号化ソフトの月額費用や年額費用の中に、サポート対応や保守作業が含まれているかどうかは製品によって異なります。基本料金にはサポートが含まれず、電話・メール対応や設定変更のたびに別途費用が発生する製品もあるため、契約前に対応範囲を確認しておく必要があります。
特に暗号鍵の管理や障害対応は専門知識が求められる領域です。自社に情報システム担当者が少ない場合は、サポート費用を含めた総額で比較検討したほうが、結果的に安く運用できるケースもあります。
既存システムとの連携コスト
暗号化ソフトを既存の業務システムやファイルサーバーと連携させる場合、追加の設定作業やカスタマイズ費用が発生することがあります。暗号化が不十分なまま運用すると、パスワードの解読手法のひとつであるレインボーテーブル攻撃などの被害を受けた際に、原因調査や復旧に想定以上のコストがかかる恐れもあります。
連携範囲が広いほど作業工数は増えるため、対象システムの棚卸しを行ったうえで、どこまでを暗号化の対象にするかを事前に整理しておくと、見積もり時の費用のブレを抑えられます。
暗号化ソフトの費用対効果を高める運用の工夫
導入後も運用方法を工夫することで、暗号化ソフトの費用対効果をさらに高められます。段階的な導入や補助制度の活用も検討してみましょう。
段階的導入でコストを分散する方法
全社一斉に暗号化ソフトを導入すると初年度の費用負担が大きくなるため、優先度の高い部署やデータから段階的に対象を広げる方法があります。まずは個人情報を扱う部署から導入し、運用が安定してから他部署へ展開すれば、予算を複数年度に分散しながら安全性を高められます。
段階導入は、現場からの問い合わせ対応や設定変更にかかる工数も分散できる利点があります。一度に全社展開するよりも、運用ノウハウを蓄積しながら費用対効果を検証できる点がメリットです。
補助金・助成金の活用可能性
自治体や国が実施するIT導入補助金などの制度を活用できれば、暗号化ソフトの初期費用を抑えられる場合があります。対象となる製品や申請条件は年度によって変わるため、導入を検討している製品が補助対象に含まれているか、事前にベンダーへ確認しておくとよいでしょう。
補助金の申請には事業計画書の提出など一定の準備期間が必要です。導入スケジュールに余裕を持たせ、申請時期を逃さないよう早めに情報収集を進めることが、費用負担の軽減につながります。
- Q1:暗号化ソフトの費用は端末数で決まりますか?
- 多くの製品でライセンス数や対象端末数に応じた従量課金制が採用されています。ただしデータベース暗号化のように対象データ量で費用が変わる製品もあるため、見積もり時に課金基準を確認しておく必要があります。
- Q2:無料の暗号化ソフトだけで法人利用は十分ですか?
- 簡易的なファイル暗号化であれば無料ツールでも対応可能ですが、アクセス制御や監査ログ、サポート体制が必要な法人利用では、有料製品の方が運用面で安心できます。
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費用相場を踏まえて検討したい暗号化ソフトの製品例
ここまで紹介した料金体系や年間費用の目安を踏まえ、対象範囲や運用コストの観点から検討しやすい暗号化ソフトを紹介します。自社のデータベース環境やシステム構成にあわせて、費用対効果を比較する参考にしてください。
D.AMO DP
- 既存データベースに後付けでクエリー変更せずに導入可能
- 選択的暗号化を実現しデータベースの機密性と可用性を両立
- 暗号化+アクセス制御+監査ログのAll-In-Oneパッケージで提供
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「D.AMO DP」は、Oracle・SQL Server向けのデータベース暗号化ソフトです。カラム単位での暗号化に対応しており、アクセス制御や監査ログ機能もあわせて備えているため、対象範囲を絞り込んでコストを調整したい企業でも導入計画を立てやすい製品です。
D.AMO DE
- 暗号化の導入時アプリケーションのコードやクエリーの改修不要
- カラム単位で機密データを選択的に暗号化
- 暗号化+アクセス制御+監査ログのAll-In-Oneパッケージで提供
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「D.AMO DE」は、MySQLやMariaDBなどOSS系データベース向けの透過的暗号化ソフトです。エンジンレベルで動作するため既存システムの改修が不要で、連携コストを抑えたい場合の選択肢として検討しやすい製品です。
データ暗号化 (タレスジャパン株式会社)
- 物理・仮想サーバーのデータ管理を、鍵とポリシーで一元化。
- 高性能な暗号化で外部・内部脅威からデータを保護。
- 独立したデータ保護と鍵管理でクラウド移行を支援。
TrellixCompleteDataProtection (Musarubra Japan株式会社)
- ドライブ暗号化とアクセス制御で端末データを保護。
- USBやクラウドなど多様なチャネルでDLPが情報流出を防止。
- 単一コンソールで運用を統合し、監査・法令対応を支援。
WinMagicSecureDoc (ウィンマジック・ジャパン株式会社)
- マルチデバイスを単一コンソールで管理可能。
- リムーバブルメディアも暗号化対応。
- PBConnex™で認証前のデバイス起動・データアクセスを制限。
SophosEncryption (ソフォス株式会社)
- OS標準暗号化を活用しCentralで鍵管理と復旧を簡素化。
- 暗号化のまま編集・共有でき業務を止めない設計。
- 複数端末とOSの暗号化を可視化し統制・規制対応。
まとめ
暗号化ソフトの費用は、オンプレミス型かクラウド型か、対象範囲やサポートの有無によって大きく変わります。従業員50名規模であれば年間30万円から90万円程度が目安ですが、段階的導入や補助金活用でコストを抑えることも可能です。自社に必要な機能を見極め、複数製品を比較したうえで導入を検討しましょう。
※本記事の価格情報は目安であり、実際の費用は製品や契約条件によって異なります。正確な料金は各提供会社に直接お問い合わせください。


