暗号化ソフトの追加コストで見落としやすい料金項目
暗号化ソフトの基本料金は、ライセンス数や保存データ容量で決まることが一般的です。ただし、社外の取引先やパートナー企業に閲覧権限を付与する場合や、ログ取得・モバイル対応などの機能を使う場合は、別料金が発生することがあります。契約前に対象範囲を確認することが重要です。
外部ユーザーへの閲覧権限付与にかかる追加費用
暗号化ソフトの多くは、社内ユーザー向けのライセンス料金を基準に価格が設定されています。取引先や業務委託先など社外の外部ユーザーに暗号化ファイルの閲覧権限を付与する場合、専用のゲストアカウントやビューア機能の利用が必要になり、追加のライセンス費用が発生する製品があります。
例えば、外部ユーザー数に応じた従量課金制を採用している製品や、外部共有機能自体が上位プランでのみ提供される製品もあります。見積もりを依頼する際は、社内利用のみの料金なのか、外部共有を含む料金なのかを明確に確認することが大切です。
暗号化ソフトのログ取得やスマホ対応の別料金
暗号化ソフトの中には、アクセスログや操作履歴の取得機能、スマートフォン・タブレットからの閲覧機能がオプション扱いになっている製品があります。標準プランでは基本的な暗号化・復号機能のみが含まれ、監査ログの長期保存やモバイルアプリの利用には追加契約が求められる場合があります。
特に情報漏えい対策として監査ログを重視する企業や、リモートワークでスマートフォンからのファイル閲覧を想定している企業は、これらの機能が標準搭載か有料オプションかを事前に確認しておくと、予算超過を防ぎやすくなります。
暗号化システム導入時に発生しやすい隠れコスト
暗号化システムは、ソフトウェアのライセンス費用以外にも、導入から運用までの過程でさまざまな費用が発生します。特に導入時の設定作業や、稼働後の保守対応にかかる費用は見積書に明記されていない場合があるため、契約前の質問事項として確認しておくとよいでしょう。
導入コンサルティング費用
暗号化の対象範囲の選定や既存システムとの連携設計は専門知識を要するため、ベンダーやSIerによる導入コンサルティングを利用する企業があります。コンサルティング費用は初期費用とは別枠で請求されることが多く、対象データ量やシステム構成の複雑さによって金額が変動します。
自社の情報システム部門で設定作業を完結できる場合はコンサルティング費用を抑えられますが、データベースやファイルサーバーとの連携が複雑な場合は、専門家によるサポートを受けた方が導入期間の短縮につながる場合があります。見積もり時にコンサルティングの要否を確認しましょう。コンサルティングを依頼する範囲を要件定義のみに絞るか、設定・テストまで含めるかによっても金額が大きく変わるため、作業範囲を明確にした見積もりを複数のベンダーから取り寄せて比較することをおすすめします。
保守サポート・アップデート費用
暗号化ソフトは、脆弱性対応や新しいOS・ブラウザへの対応のため、定期的なアップデートが必要です。保守サポート契約には、電話・メールでの問い合わせ対応、障害発生時の復旧支援、バージョンアップ費用が含まれることが一般的ですが、契約プランによって対応範囲が異なります。
保守サポートを契約しない場合、ライセンス費用自体は安く見えても、障害対応やアップデートのたびに個別費用が発生し、結果的に総コストが上がるケースがあります。年間保守費用の相場はライセンス費用の15~20パーセント程度が目安とされることが多く、契約時に確認する価値があります。
クラウド型暗号化ソフトを解約する際の違約金
クラウド型の暗号化ソフトは、月額または年額の契約形態が一般的です。契約期間の途中で解約すると、残存期間分の費用や違約金が発生する製品があります。解約条件は利用規約や契約書に記載されているため、導入前に必ず目を通しておくことが重要です。
解約時に確認すべき契約条件
クラウド型暗号化ソフトの契約には、1年契約や2年契約など最低利用期間が設定されている製品があります。最低利用期間内に解約する場合、残りの契約期間分の月額料金相当額や、別途定められた違約金を請求されることがあります。
また、自動更新の契約形態を採用している製品もあり、解約の申し出をしないまま更新時期を迎えると、次の契約期間分の費用が発生する場合があります。解約の申し出期限や手続き方法についても、契約前に確認しておくと安心です。
違約金を避けるための契約前チェックポイント
違約金トラブルを避けるためには、契約前に最低利用期間、解約通知の期限、自動更新の有無を確認することが基本です。無料トライアルや月単位の短期プランを提供している製品であれば、本格導入前に運用を試し、自社にあうかを見極められます。
複数のベンダーを比較する際は、初期費用や月額料金だけでなく、解約時の条件も比較表に加えて検討すると、契約後のミスマッチを防ぎやすくなります。営業担当者に解約条件を直接確認しておくことも有効な手段です。特に部門単位でのスモールスタートを検討している場合は、利用人数の増減や契約プランの変更に柔軟に対応できるかもあわせて確認しておくと、事業の拡大縮小に応じた費用調整がしやすくなります。
ITトレンドでは、最新の製品・サービスを多数比較・掲載しています。まず資料を取り寄せて機能や特徴をさまざまな製品を比較してみてください。忙しい業務時間内でも、各社に問い合わせる手間なく、たった1回の入力(約60秒)で暗号化の一括資料請求が可能です。浮いた時間で、じっくりと製品を比較検討し進めましょう。
暗号化システムを導入した場合の3年間の総コストを試算
暗号化システムの導入を検討する際は、初期費用だけでなく、3年程度の運用期間を見据えた総コストで比較すると、実際の負担額を把握しやすくなります。ここでは、費用項目ごとの考え方を整理します。
初期費用とライセンス費用の内訳
暗号化システムの初期費用には、ソフトウェアのセットアップ費用、既存システムとの連携設定費用、担当者向けの操作研修費用が含まれることが一般的です。ライセンス費用はユーザー数や暗号化対象のデータ容量によって変動し、オンプレミス型は買い切り、クラウド型は月額課金となる場合が多くあります。
初期費用は導入時の一時的な出費ですが、ライセンス費用は契約期間中継続的に発生する費用です。3年間で比較する場合、初期費用に加えてライセンス費用を36カ月分積算し、総額を算出すると製品間の比較がしやすくなります。
運用コストを含めた3年総額の考え方
3年間の総コストを試算する際は、初期費用とライセンス費用に加えて、保守サポート費用、外部ユーザー利用料、ログ取得やモバイル対応などのオプション費用も加算する必要があります。これらを含めずに比較すると、実際の運用開始後に予算を超過する可能性があります。
見積もりを依頼する際は、3年分の総額を算出した比較表を作成し、初期費用が安くても年間保守費用が高い製品や、逆に初期費用は高いが総額では抑えられる製品がないかを確認すると、費用対効果を判断しやすくなります。社内稟議に提出する資料には、初期費用・月額費用・オプション費用を分けて記載し、想定利用期間ごとの総額を一覧化しておくと、決裁者への説明もスムーズに進めやすくなります。
追加コストを踏まえて比較したい暗号化ソフトの製品例
ここまで見てきた外部ユーザー費用や保守サポート費用、解約条件などは製品によって扱いが異なります。実際の製品情報を確認しながら、自社の運用体制にあった費用体系かどうかを見極める材料としてください。
D.AMO DP
- 既存データベースに後付けでクエリー変更せずに導入可能
- 選択的暗号化を実現しデータベースの機密性と可用性を両立
- 暗号化+アクセス制御+監査ログのAll-In-Oneパッケージで提供
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「D.AMO DP」は、Oracle・SQL Server向けのデータベース暗号化ソフトです。カラム単位での暗号化に加えてアクセス制御や監査ログの機能を備えており、外部ユーザーへのアクセス管理やログ取得にかかる費用の有無を比較する際の対象です。
D.AMO DE
- 暗号化の導入時アプリケーションのコードやクエリーの改修不要
- カラム単位で機密データを選択的に暗号化
- 暗号化+アクセス制御+監査ログのAll-In-Oneパッケージで提供
ペンタセキュリティ株式会社が提供する「D.AMO DE」は、MySQLやMariaDBなどOSS系データベース向けの透過的暗号化ソフトです。エンジンレベルで動作するため既存システムの大幅な改修を必要とせず、導入コンサルティング費用を抑えたい場合の選択肢として検討できます。
WinMagicSecureDoc (ウィンマジック・ジャパン株式会社)
- マルチデバイスを単一コンソールで管理可能。
- リムーバブルメディアも暗号化対応。
- PBConnex™で認証前のデバイス起動・データアクセスを制限。
SophosEncryption (ソフォス株式会社)
- OS標準暗号化を活用しCentralで鍵管理と復旧を簡素化。
- 暗号化のまま編集・共有でき業務を止めない設計。
- 複数端末とOSの暗号化を可視化し統制・規制対応。
TrellixCompleteDataProtection (Musarubra Japan株式会社)
- ドライブ暗号化とアクセス制御で端末データを保護。
- USBやクラウドなど多様なチャネルでDLPが情報流出を防止。
- 単一コンソールで運用を統合し、監査・法令対応を支援。
LB ファイルロック3 Pro (株式会社ライフボート)
- ドラッグ&ドロップで簡単暗号化、直感的に運用可能。
- パスワードレス共有や多要素認証で安全性の高いデータ共有。
- ポータブル版や自己解凍形式で、未導入環境でも復号可能。
まとめ
暗号化ソフトの費用は、基本ライセンス料金だけでなく、外部ユーザーへの権限付与、ログ取得やスマートフォン対応、導入コンサルティング、保守サポート、解約時の違約金など、さまざまな項目が加算される場合があります。契約前に料金の対象範囲を確認し、3年間の総コストで比較することが、予算超過を防ぐポイントです。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、実際の費用は製品・契約内容により異なります。詳細は各製品の公式サイトまたは提供会社にご確認ください。


